- 英
- pelvic peritonitis
- 関
- 骨盤内腹膜炎
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/06 20:23:20」(JST)
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骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)は、骨盤内炎症性疾患(Pelvic inflammatory disease : PID)ともいわれ、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、淋菌などの微生物により発生する感染症である。性行為感染症 (STD)の一種でもある。 [1]
目次
- 1 原因
- 2 感染経路
- 3 症状
- 4 治療
- 5 予防
- 6 脚注
- 7 関連項目
|
原因
膣から上記微生物が侵入し、子宮、卵管を経由して腹腔内に到達、骨盤内にて腹膜に炎症を起こすためこの名がある。従って女性にしか発生しない。
感染経路
性交との関連性が強く、通常初経前、閉経後、妊娠中には発症しない。 初体験年齢の低下に伴って若年層にも増加している。[2]
症状
下腹痛、発熱、帯下、不正性器出血、性交時痛等が見られる。 腸管系の疾患と異なり、下痢は伴わない。 また、膀胱炎と異なる点は血尿、膿尿を伴わないことである。
治療
原因により異なる。婦人科に受診し、原因微生物によって抗生物質を選択し投与することとなる。
予防
性交をしないことが最大の予防となる。
コンドームの使用には一定の予防効果がある。(100%ではない)
経口避妊薬には予防効果はない。
脚注
- ^ メルクマニュアルオンライン 「骨盤内炎症性疾患」[[1]]
- ^ 滋賀県HP[2]
関連項目
- 性行為感染症
- 性器クラミジア感染症
- 淋病
- フィッツ・ヒュー・カーティス症候群
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Japanese Journal
- 付属器炎・骨盤腹膜炎(PID) (特集 外来診療マニュアル) -- (婦人科・腫瘍)
- 西尾 美穂,岡田 十三,武居 和佳子,酒本 あい,吉見 佳奈,市田 耕太郎,安田 立子,村越 誉,本山 覚
- 産婦人科の進歩 62(4), 321-326, 2010
- … 無などを詳細に分析した.受診理由として母体搬送では切迫早産が最も多く,母体搬送以外の紹介例では子宮外妊娠,卵巣腫瘍などが多かった.初診症例では切迫流産などの流産関連疾患,月経困難症,骨盤腹膜炎が多く認められた.産婦人科一次救急では約半数の症例が救急搬送であるが,多くは帰宅可能な軽症例で,かかりつけ医をもたずその場しのぎの受診となっている症例が多く認められた.一方で,緊急手 …
- NAID 130000441119
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- 骨盤腹膜炎とはどんな病気か. 骨盤内には前に膀胱、後ろに直腸、その間に子宮・卵管 があり、それらの表面は腹膜でおおわれています。この骨盤腹膜に起こった炎症が、 骨盤腹膜炎です。 原因は何か. 骨盤腹膜炎の多くは、前述の子宮頸管炎(けいかんえん ) ...
- 女性性器すなわち子宮・卵管・卵巣、あるいはその周囲にある組織(腹膜や結合組織)に 起こる感染症を総称して骨盤内感染症(Pelvic inflammatory disease : PID)と呼び ます。この中で、腹痛や発熱などの炎症症状が激烈で腹膜炎を併発していると考え られる ...
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★リンクテーブル★
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- 80歳の女性。腹痛を主訴に来院した。本日0時ころから右側腹部痛が出現した。9時ころ自宅近くの診療所で抗コリン薬と非ステロイド性抗炎症薬とを投与されたが、腹痛は改善しなかった。午後から発熱が出現したため、15時ころに来院した。数か月前から尿混濁に気付いていたが、排尿に異常はなく、尿失禁は認めなかった、50歳時に子宮頚癌で子宮全摘術の既往がある。意識レベルはJCS I-2、体温38.0℃、脈拍80/分、整。血圧158/78mmHg。心尖部に2/6度の収縮期雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、右側腹部に軽度の圧痛を認める。筋緊張と反跳痛とは認めない。右肋骨脊柱角に叩打痛を認める。尿所見:蛋白2+、糖(-)、細菌1+、潜血3+、沈渣に赤血球100以上/1視野、白血球100以上/1視野。血液所見:赤血球 337万、Hb 10.7g/dl、Ht 32%、白血球 15,000(桿状核好中球7%、分葉核好中球88%、好酸球0%、好塩基球0%、単球1% リンパ球4%)、血小板 18万。血清生化学所見:血糖 185mg/dl、アルブミン 3.4g/dl、尿素窒素 20mg/dl、クレアチニン 1.1mg/dl、Na 135mEq/l、K 3.9mEq/l、Cl 103mEq/l。CRP 6.9mg/dl。腹部造影CT(別冊No、15)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A035]←[国試_104]→[104A037]
[★]
- 24歳の女性。腹痛を主訴に来院した。昨日朝から心窩部不快感と悪心とを自覚した。本日朝から右下腹部に痛みが出現し、一度嘔吐した。午後になって歩行時に腹部に響く痛みがあり、前かがみで歩行するようになったため受診した。昨日は排便があったが、本日はない。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。喫煙歴と飲酒歴とはない。最終月経は2週前。体温37.9℃。脈拍84/分。血圧120/80mmHg。身体所見で腹部はやや膨満し、腸雑音は聴取しない。触診で右下腹部は硬く、圧痛と反跳痛とを認める。血液所見:赤血球430万、Hb 12.9g/dl、Ht38%、白血球16,300(桿状核好中球10%、分葉核好中球72%、好酸球1%、単球3%、リンパ球14%)、血小板23万。血液生化学所見:AST 25IU/l、ALT 10IU/l、ALP 250IU/l(基準115~359)、アミラーゼ49IU/l(基準37~160)。CRP 8.9mg/dl。妊娠反応は陰性。腹部超音波検査では、下腹部は消化管ガスのため観察が困難である。腹部単純CT(別冊No.17)を別に示す。
- 最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A043]←[国試_107]→[107A045]
[★]
- 32歳の初妊婦。妊娠32週。破水感と下腹部痛とを主訴に来院した。家族歴に特記すべきことはない。既往歴にクラミジア頚管炎の治療がある。これまでの妊娠経過に異常の指摘はない。身長165cm、体重65㎏。体温38.5℃。脈拍120/分、整。血圧130/70mmHg。意識は清明。腹部に圧痛を認め、内診では子宮口1cm開大、展退度50%。卵膜を触知せず羊水漏出を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球380万、Hb11.5g/dl、Ht34%、白血球21,000、血小板25万。CRP5.0mg/dl(基準0.3以下)。胎児心拍数陣痛図で心拍数基線は180/分、心拍数基線細変動の減少を認める。5分周期の子宮収縮がある。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A057]←[国試_098]→[098A059]
[★]
- 34歳の女性。4年間の不妊を主訴に来院した。月経周期は29日型、整。19歳時に骨盤腹膜炎の診断で抗菌薬投与を受けた既往がある。子宮卵管造影で両側の卵管水腫と診断し、腹腔鏡下手術を施行した。手術時の肝周囲の写真(別冊No. 24)を別に示す。
- この所見の原因として考えられる病原体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D049]←[国試_109]→[109D051]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107I036]←[国試_107]→[107I038]
[★]
- クラミジア感染症が原因となるのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A016]←[国試_106]→[106A018]
[★]
- 英
- lower abdominal pain
- 関
- 下腹痛。腹痛
診療エッセンシャルズ.271 改変
産婦人科疾患
- NGY.138
急性かつ重篤な下腹痛
中等度の下腹痛
- 1. 鎖陰
- 2. 卵巣嚢腫破裂
- 3. 子宮内膜症
- 4. 月経困難症
- 5. 子宮筋腫
- 6. 急性付属器炎、子宮内膜炎:子宮内膜炎は子宮内操作や流産後などに起こり、ほとんどが上行性感染と考えられ、発熱や不正出血などの随伴症状を伴うことが多い。卵管に炎症が波及し付属器炎になると下腹痛も増悪し、骨盤腹膜炎を来すことがある。起因菌はクラミジアの頻度が増加している。(参考1)
- 7. 流産
産婦人科の下腹部痛の鑑別疾患
- 参考1
病みえ産婦人科
- 引用p.212
妊娠の有無による鑑別
参考
- 1. (12)日本産婦人科医会研修プログラム;痛みの診断と治療
3)急性腹症,がん性疼痛への対応 - 日産婦誌58巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-395.pdf
[★]
- 同
- クラミジア・トラコマティス、トラコーマクラミジア
- 関
- 特殊な細菌、クラミジア、クラミジア感染症、クラミジアトラコマティス症
特徴
- 扁性細胞寄生菌 ← 細胞内への移行性・ペプチドグリカン無く、βラクタム無効、アミノグリコシド無効
- 細胞壁有り
- ペプチドグリカン無し
感染症
眼科
- SOP.176
産婦人科
- G9M.67,68,74
- 潜伏期間2-3週間で、多くは無症状で経過。帯下は軽度増量し、水様透明の漿液性
泌尿器科
一般的な治療
国試
[★]
- 英
- pelvic inflammatory disease, PID
- 関
- 子宮付属器炎、淋疾。骨盤内感染症
定義
- 外性器から上行性に感染が波及して、骨盤内に炎症を起こすこと。(NGY.178)
病因
症状
- 症状がない無症候性骨盤内感染症を発症し、子宮付属器周辺の癒着などを起こす。不妊の原因となる
検査
- 子宮頚管分泌物の細菌培養、クラミジア抗原検査、淋菌培養
超音波検査
診断
鑑別疾患
- 虫垂炎、腸炎、憩室炎などの消化器疾患
- 卵巣腫瘍の茎捻転、子宮外妊娠
上行性感染
[★]
[★]
- 英
- pelvic peritonitis
- 関
- 骨盤腹膜炎
[★]
- 英
- peritonitis
- 関
- 腹膜
|
sensitivity(%)
|
specificity(%)
|
positive likehood ratio
|
garding
|
13~69
|
56~97
|
2.6
|
rigidity
|
6~31
|
96~100
|
5.1
|
rebound tenderness
|
40~95
|
20~89
|
2.1
|
rectal tenderness
|
20~53
|
41~96
|
n.s.
|
positive abdominal wall tenderness test
|
1~5
|
32~72
|
0.1
|
国試
[★]
- 英
- pelvis (Z)
- 関
- 小骨盤
- N.340-341,342(性差) KA.435(性差, 上面)
血管分布
動脈
- 内腸骨動脈
- 卵巣動脈
- 正中仙骨動脈
- 上直腸動脈
静脈
- 内腸骨静脈
- 卵巣静脈・精巣静脈
- 正中仙骨静脈
- 上直腸静脈
- 内椎骨静脈叢
[★]
- 英
- peritoneum (Z) < peritonaion < peritonos < peri-'around'+-tonos'stretched' ; perineumと勘違いしないように
- 関
- 漿膜
[★]
- 関
- 炎光、炎症