- 英
- glycogen storage disease GSD GSDs , glycogenosis
- 同
- グリコーゲン病、グリコーゲン蓄積病
- 関
- グリコーゲン、解糖系
- first aid step1 2006 p.98
定義
- グリコーゲン代謝系酵素欠損により、組織にグリコーゲンが蓄積する疾患群
分類 (FB.304,HIM.2458)
型
|
欠損酵素
|
組織
|
グリコーゲン構造
|
病名
|
発症時期
|
症状
|
I
|
グルコース-6-ホスファターゼ
|
肝臓
|
正常
|
フォン・ギールケ病
|
childhood
|
growth retardation, enlarged liver and kidney, hypoglycemia, elevated blood lactate, cholesterol, triglycerides, and uric acid
|
II
|
α-1,4-グルコシダーゼ
|
リソソーム
|
正常
|
ポンペ病
|
childhood
|
|
III
|
アミロ-1,6-グルコシダーゼ debrancher enzyme deficiency
|
全器官
|
最外層分子がないか非常に短い
|
コリ病
|
childhood
|
hypoglycemia, hepatomegaly, short-stature, and myopathty
|
IV
|
アミロ-(1,4→1,6)-トランスグリコシラーゼ brancher enzyme deficiency
|
肝臓、全器官?
|
非常に長い枝無し鎖
|
アンダーセン病
|
|
infantile failure to thrive, cirrhosis, liver failure, and extreme hypotonia.
|
V
|
グリコーゲンホスホリラーゼ muscle phosphorylase deficiency
|
筋肉
|
正常
|
マッカードル病
|
adult
|
exercise intolerance, muscle cramps, myoglobinuria on strenuous exercise, increased CK
|
VI
|
グリコーゲンホスホリラーゼ hepatic phosphorylase deficiency
|
肝臓
|
正常
|
エルス病
|
|
hematomegaly and variable hypoglycemia
|
VII
|
6-ホスホフルクト-1-キナーゼ
|
筋肉
|
正常
|
垂井病
|
|
|
VIII
|
ホスホリラーゼキナーゼ
|
肝臓
|
正常
|
X染色体ホスホリラーゼキナーゼ欠損症
|
|
|
IX
|
ホスホリラーゼキナーゼ
|
全器官
|
正常
|
|
childhoog
|
|
0
|
グリコーゲンシンターゼ
|
肝臓
|
正常だが少量
|
|
|
|
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/04/20 20:17:52」(JST)
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糖原病(とうげんびょう、英: Glycogenosis, Glycogen storage disease)は、グリコーゲン異化(分解)に必要な酵素の先天的異常により肝臓、筋肉などの組織にグリコーゲンが異常に蓄積する病気。糖原蓄積症とも呼ばれる。発育障害、肝腫大、空腹時低血糖、高コレステロール血症などが認められる。ヒトでは欠損酵素に基づいて7つ(9つ)の型、犬では4つの型に分類される。多くの型は常染色体劣性遺伝(→遺伝学)である
病型
病型 |
病名 |
主に侵す |
原因遺伝子 |
特徴的な症状 |
I型 |
von Gierke病 |
肝臓 |
G6Pase欠損 |
低身長 人形様顔貌 高脂血症 高乳酸血症 |
Ⅱ型 |
Pompe病 |
全身 |
α1,4glucosidase欠損 |
心肥大 筋力低下 肝腫大 |
Ⅲ型 |
Cori病 |
肝・筋 |
Debranching enzyme欠損 |
肝腫大 筋力低下 |
Ⅳ型 |
Andersen病 |
肝・筋 |
Branching enzyme欠損 |
新生児低血圧 肝硬変 心筋障害 |
Ⅴ型 |
McArdle病 |
筋肉 |
筋型phosphorylase欠損 |
筋力低下 |
Ⅵ型 |
Hers病 |
肝臓 |
肝型phosphorylase欠損 |
肝硬変 低血糖 |
Ⅶ型 |
Tarui病 |
筋肉 |
PFKase欠損 |
筋力低下 溶血 |
関連項目
- グリコーゲン
- ポンペ病(Ⅱ型)
- マッカードル病(Ⅴ型)
参考文献
- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
- メルクマニュアル
|
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Japanese Journal
- 肝腫大,脾腫 (乳幼児診療AtoZ) -- (乳幼児における症状・症候--診察所見を中心とした診断へのアプローチ)
- 62歳で血液透析を施行しえている糖原病I型(von Gierke 病)腎不全の1例
- 小林 則善,佐藤 信之,島岡 哲太郎,谷本 光生,井尾 浩章,合田 朋仁,大澤 勲,濱田 千江子,堀越 哲,神谷 康司,富野 康日己
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 44(2), 163-167, 2011-02-28
- … 症を認め,糖原病I型と診断された.その後,徐々に腎機能障害が増悪し末期腎不全となった.ブドウ糖の持続的な供給による糖代謝の改善と透析の安定性から腹膜透析の導入を検討したが,肝腫瘍が認められ,腹膜透析の自己管理が困難と判断されたため血液透析を選択した.当初は血液透析施行中に低血糖を認めたが,毎回の補食により回避され,血液透析の経過は安定した.糖原病I型は,空腹 …
- NAID 10029406061
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- 糖原病。糖原病とはどんな病気か 糖原(グリコーゲン)は、脂肪と同様に体のなかの 貯蔵エネルギーのひとつであり、とくに肝臓と筋に多く蓄えられています。肝臓の糖原は 、空腹時にブドウ糖にまで分解されて血液中に放出され gooヘルスケア 家庭の医学。
- 糖原病2型(ポンぺ病)は、4万人に1人の割合で存在するといわれている先天代謝異常 症(生まれつき体内で物質の分解や合成がうまく行えない病気)の1つです。1932年、 オランダのポンぺ博士がこの病気の赤ちゃんについて発表したため、「ポンペ病」という ...
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[★]
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- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 英
- von Gierke disease, von Gierke's disease, Gierke disease、Gierke's disease
- 同
- I型糖原病 type I glycogen storage disease、糖原病I型 glycogen storage disease type I
- グルコース-6-ホスファターゼ欠損症 グルコース-6-脱リン酸酵素欠損症 G6Pase欠損症 glucose-6-phosphatase deficiency
- 肝腎型糖原病 hepatorenal glycogenosis
- 関
- 糖原病
[show details]
糖原病I型 : 約 16,700 件
糖原病1型 : 73 件
1型糖原病 : 30 件
I型糖原病 : 41 件
- first aid step1 2006 p.92,98
- 糖原病Ia型、糖原病Ib型、糖原病Ic型をまとめて記述する
概念
- 肝臓、腎臓、小腸粘膜のグルコース-6-ホスファターゼの欠損によりグリコーゲンが肝臓や腎臓に蓄積する
- 肝型糖原病
- グルコース-6-ホスファターゼ欠損によるグルコース産生障害、肝臓におけるグリコーゲンの貯留と低血糖
病態生理
- 肝臓でグルコースを血中に送り出すときに働く最後の酵素で、欠損によりG6Pの濃度が高まり、肝臓と腎臓に大量のグリコーゲンが蓄積する(G6Pはglycogen synthaseを活性化する
病型と病因
-
- G-6-Paseの活性部位は小胞体の内腔面に存在する。G-6-Paseが機能するためには、基質であるG-6-Pが細胞質から小胞体内へ移動する必要がある。G-6-Pが小胞体膜を通過するのにひつような輸送系がグルコース-6-リン酸トランスロカーゼである。 (PED.330)
-
- 小胞体内で生成されたピロリン酸のリン酸への分解(ピロホスファターゼ活性)とリン酸の小胞体外への輸送障害
疫学
- Ia型:80-90% (PED.330)
- Ib型:10-20% (PED.330)
遺伝形式
病変形成&病理
症候
- 低血糖発作、肝腫大、低身長
- 新生児期に低血糖、乳酸アシドーシスがみられることがあるが、多くは3,4ヶ月で肝腫大により気づかれる。
- 知能:重篤な低血糖発作を繰り返さない限り正常
- 顔貌:人形様の丸い顔貌 doll-like faces with fat cheeks
- 身長:低身長(short stature)
- 四肢:体幹に比較して四肢が細い(relatively thin extremities)
- 腹部:protuberant abdomen ← 肝腫大, 腎腫大。脾腫、心肥大なし。
- 血液:
- 血小板凝集能・接着能低下 → 鼻出血・挫傷
- 高尿酸血症
- 高脂血症:トリグリセリド・コレステロール・リン脂質上昇 ← de novo トリグリセリド合成が亢進(参考2)
Ia型
- growth retardation, enlarged liver and kidney, hypoglycemia, elevated blood lactate, cholesterol, triglycerides, and uric acid(HIM.2458)
Ib型
- as for Ia, with additional findings of neutropenia and neutrophil dysfunction(HIM.2458)
合併症
- 思春期の遅延
- 女性の場合、超音波検査でpolycystic ovariesが見られることがある。
- 高尿酸血症による若年性の痛風、尿路結石
- 高脂血症による膵炎、四肢伸側の黄色腫
- 易骨折、osteopenia、橈骨骨密度低下、
- 肝臓:20-30代で肝腺腫、出血。悪性化し肝臓癌となることも
- 腎臓:20歳以上でタンパク尿が必発、高血圧症、腎結石、腎石灰化症、クレアチンクリアランス異常。腎臓透析、腎移植が必要になることも
検査
- 好中球:(GSD Ibにおいてのみ)慢性/間欠性好中球減少(ほぼ必発)、好中球機能低下。 (参考2)
- 血小板機能:低下
- 血液生化学
- 肝酵素は正常(liver enzymes are usually normal.)
- 乳酸、ピルビン酸、トリグリセリド、脂肪酸、コレステロール、リン脂質、尿酸、ALT、ASTが高値 (PED.330)
- 乳酸、ピルビン酸高値:肝臓で血中に放出できなかったG6Pは解糖系の下流に進み、血中ピルビン酸上昇、過剰のピルビン酸から乳酸が産生される。また、アセチルCoAの蓄積により、脂肪酸、コレステロールが増加する。
治療
予後
予防
USMLE
参考
- http://img.medscape.com/pi/emed/ckb/dermatology/1048885-1116574-1802.jpg
- http://img.medscape.com/pi/emed/ckb/dermatology/1048885-1116574-1840.jpg
- 2. [charged] Glucose-6-phosphatase deficiency (glycogen storage disease I, von Gierke disease) - uptpdate [1]
[★]
- 英
- inborn error of metabolism, inborn errors of metabolism
- 同
- 先天性代謝異常症
- 関
- 先天性代謝異常
- 先天代謝異常症、先天性代謝異常、先天性代謝疾患、先天代謝異常、metabolic disease
- 「先天代謝異常症」と「先天性代謝異常症」は同じ意味?
[show details]
代表的な先天性代謝異常症の症状
代表的な先天性代謝異常症の検査所見
参考
- http://www.jc-metabolomics.com/index.html
[★]
- 英
- lysosomal storage disease, lysosomal disease
- 同
- リソソーム蓄積症、リソゾーム病、ライソソーム病、ハリソン病 Harrison disease
- 関
- 糖原病
[show details]
[★]
- 英
- neonatal hypoglycemia, hypoglycemia of the newborn
- ラ
- hypoglycemia neonatorum
概念
- 新生児の血糖値が下記にあてはまる場合。
- 生後72時間以内:低出生体重児で20mg/dl以下、成熟児で30mg/dl以下
- 72時間以後 :体重に関係なく40mg/dl以下
- 正常な児では出生直後に血糖値80-100mg/dlを示す。
- 臨床的には全血血糖値が40mg/dL未満で処置を開始。最近は60mg/dL未満で治療を開始する施設もある。
原因
- SPE.127
-
症状
- SPE.128
- けいれん、易刺激性(振戦)、異常啼泣(甲高い鳴き声 high-pitched cry)、嗜眠、筋緊張低下、哺乳力低下、嘔吐、無呼吸発作、チアノーゼ、活動性低下、徐脈、心停止
- → 成人で見られる頻脈とか発汗は見られないみたい。自律神経が十分に発達していないせい?
- ↑
- |-矛盾している?
- ↓
- SPE.210
- 定義:血糖40mg/dLの児(SPE.210)。(成熟新生児)生後72時間以内30mg/dL以下、以降40mg/dL以下(QB.O-105)。
- 血糖40mg/dLの児を治療対象。40-50mg/dLは要注意 (SPE.210)
- 症状:初期には交感神経亢進による症状(不安、苦悶、発汗、心悸亢進、顔面蒼白、振戦、脱力、空腹感、嘔気・嘔吐)、進行すると中枢神経症状(頭痛、めまい、視力障害、複視、構音障害、失語症、健忘症、集中力低下、運動失調、片麻痺、知覚障害、傾眠、嗜眠、昏睡、除脳硬直) (SPE.210)
脈拍数について
- 参考1に記載無し。
参考
- 1. [charged]Neonatal hypoglycemia - uptodate[2]
[★]
- 英
- floppy infant
- 同
- フロッピーインファント、筋緊張低下児
[show details]
分類
病因による
筋力低下の有無による
[★]
- 英
- type IV glycogen storage disease、glycogen storage disease type IV
- 関
- 4型糖原貯蔵障害、アミロペクチン症、アンダースン病、糖原病4型
[★]
- 英
- glycogen storage disease type IX, GSD IX
- 関
- ホスホリラーゼキナーゼ、糖原病
[★]
- 英
- hepatophosphorylase deficiency glycogenosis
- 関
- 糖原病VI型
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患