低血糖
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/28 16:35:30」(JST)
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低血糖症(ていけっとうしょう)とは、血糖値が低くなる疾患である。
糖分の摂取過多や栄養素の偏り・不足などが引き金となって、さまざまな精神的・肉体的不調が引き起こされることがある。砂糖を多く含むものやぶどう糖への変換が早い炭水化物食品(砂糖を多く含むペットボトルの清涼飲料、小麦が原料のお菓子、白米、白パン等。GI値が高いもの全般)を継続して多く摂取しつづけると、膵臓のインスリン分泌のコントロールに異常が発生し、低血糖が頻繁に起こることがある。これは糖尿病の有無に関係なく症状が起こる。特に甘いものや炭水化物がコンビニ等で簡単に手に入る現在、潜在的な患者数はかなり多いと言われるが、研究が進んでおらず、治療や症状に詳しい医師が少ない。どんぶり物のような白米が多い食品や、ラーメン等の消化の早い炭水化物も継続して多く食べ続けると低血糖症の原因となる。お菓子やジュースだけが原因ではないことに注意。また、胃下垂症、貧血、先天的糖尿病体質、アレルギー体質などのある人は、低血糖症を発症しやすい。
目次
- 1 定義
- 2 症状
- 2.1 アドレナリン症状
- 2.2 グルカゴン症状
- 2.3 神経低糖症状
- 3 脚注
定義
通常、血中グルコース濃度が60mg/dL未満である状態をいうが、低血糖症状は60mg/dL以上でも生じる事が有る一方、60mg/dL未満でも自覚症状が無い事も有る[1]。
症状
低血糖に伴う症状は、血糖値を上昇させようとして分泌されるホルモンに因るものの他、神経低糖症状が有る。
アドレナリン症状
- 振戦、不安、緊張
- 動悸、頻脈
- 発汗、温感(汗腺にはムスカリン受容体が存在するが、必ずしも常にアドレナリン症状を示すとは限らない。)
- 蒼白、寒気、冷汗
- 散瞳
グルカゴン症状
神経低糖症状
- 異常思考、判断力低下
- 非特異的不快感、易怒性、抑鬱症状、啼泣、誇張された懸念
- 「針で刺された様な」痺れ(知覚障害)
- 拒絶、過敏、好戦性、激怒
- 性格変化、感情的不安定
- 疲労、脱力感、無気力、白日夢、傾眠
- 錯乱、記憶喪失、眩暈、立ち眩み、譫妄
- 凝視、目が据わる、霧視、複視
- 視野閃光
- 自動症、自動運動
- 発話困難、発音不明瞭
- 運動失調、協調運動障害、泥酔様症状
- 限局性又は全般性運動障害、麻痺、片側不全麻痺
- 感覚異常、頭痛
- 昏迷、昏睡、異常呼吸
- 全般・部分癲癇発作
脚注
- ^ “MyMED 低血糖症”. 2015年1月15日閲覧。
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- 内分泌--新生児低血糖症 (NICU最前線 新人スタッフのためのベーシックレクチャー 図解入門 生理を学んで初めて分かる新生児の代表的疾患(後編))
- ダンピング・輸入脚症候群 (がん患者の周術期管理のすべて) -- (術後の主な合併症とその対策)
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- 甘くておいしいお菓子に炭酸飲料…。ついつい摂りすぎた糖分によって、低血糖症になる ことが。低血糖症のメカニズムとその症状について紹介。
- 低血糖症とはどんな病気か 血糖値は食事によって多少の変動をしています。血糖値が この正常な変動幅を超えて低いほうに傾き、それによる症状が現れた時、低血糖症と いいます。 血糖値の正常な変動幅は、だいたい7 gooヘルスケア 家庭の医学。
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[★]
- 33歳の女性。未経妊。無月経を主訴に来院した。初経13歳。月経周期は不規則であり、29歳以降無月経となっていたがそのままにしていた。身長 161cm、体重 58kg。脈拍76/分、整。血圧 114/74mmHg。胸腹部と四肢とに異常を認めない。恥毛は正常女性型。血液生化学所見:血糖 86mg/dL、TSH 1.3μU/mL(基準 0.4~4.0)、LH 2.0mIU/mL(基準 1.8~7.6)、FSH 6.4mIU/mL(基準 5.2~14.4)、プロラクチン 79ng/mL(基準 15以下)、FT4 0.8ng/dL(基準 0.8~1.8)、コルチゾール 10ng/dL(基準 5.2~12.6)、エストラジオール 15pg/mL(基準 25~75)、IGF-I 155ng/mL(基準 93~236)。頭部造影MRIのT1強調冠状断像(別冊No. 30)を別に示す。
- この患者にみられる可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109A055]←[国試_109]→[109A057]
[★]
- 在胎32過、頭位分娩で出生した新生児に合併しやすいのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A012]←[国試_104]→[104A014]
[★]
乳児期のけいれんの原因となるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B035]←[国試_108]→[108B037]
[★]
- 在胎41週、1,950gで出生した新生児に合併しやすいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A001]←[国試_102]→[102A003]
[★]
- 生後1日の新生児が痙攣を起こした。考えられる原因はどれか。あてはまる物全てえらべ
[正答]
[★]
[★]
- 英
- acetonemic vomiting
- 同
- 周期性嘔吐症 cyclic vomiting periodic vomiting、自家中毒症 autointoxication
- 関
- ケトン性低血糖症
概念
- 感冒や精神的ストレスにより嘔吐を繰り返し、ケトーシスを来して元気がなくなる病態であり、幼児~学童(2-10歳)に見られるものである(SPE.211)
病因
- 中枢神経、自律神経を含めた発達の未熟性による。これらにストレスが加わって大脳辺縁系の興奮を引き起こし、視床下部-下垂体系、延髄(嘔吐中枢)、自律神経中枢(視床下部)などの広範な興奮異常を引き起こす。(SPE.211)
疫学
病態生理
- 精神的・肉体的ストレス → ケトン体(アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸)、ストレスホルモンであるACTH、コルチゾール、ADH、血症レニン活性が増加 → 種々の症状 (SPE.211)
身体所見
症状
- 悪心・嘔吐、脱力感、全身倦怠感、無表情、会話の停滞、集中力減退、速脈、顔面蒼白、歩行障害、嗜眠、意識障害 (SPE.211)
- 発症から2-3日症状が持続する
- 低血糖症状はない ← ないこともないけど
検査
治療
- 軽症:安静、制吐薬、糖質摂取、ブドウ糖液の静注 → 嘔吐発作が続いているときには経口摂取禁止(SPE.211)
- 重症:脱水症状の治療(輸液)
鑑別
- YN.D-107
[★]
- 英
- inflammatory cytokine
- 関
- サイトカイン、急性相反応物質 APR
LPSと炎症性サイトカインのカスケード
炎症性サイトカインと生体の反応
炎症性サイトカイン
|
反応
|
症状
|
少量
|
局所炎症反応
|
白血球や内皮細胞による炎症反応
|
中程度の量
|
全身性反応
|
発熱、急性期タンパク質産生
|
多量
|
敗血症ショック
|
血圧低下、心拍出量低下、血栓形成、低血糖症
|
[★]
- 英
- blood sugar level
- 関
- 血中グルコース濃度、グルコース、GLUT、ヘモグロビンA1c、血糖
概念
- 100ml(1dL)に含まれるグルコースの量(mg)を示す。
- 通常、100mg/100ml, 100mg/dL
- 血糖値 90-180mg/dL, 5mM-10mM (グルコースは180g/molなので)
- 血糖値が6mMのときは、108mg/dL
基準値
- 文献によって異なる
- 食事に大きく影響される
- 60-100 mg/dL
- 65-110 mg/dL (医学事典)
- 出典不明
調節する要素
計算
- 数字を入力してenterを押す。
臨床関連
- 低血糖:(成人の場合)50mg/dL以下
- 高血糖:基準範囲を超えて高い場合で、厳密な数字はないと思われる。
- 空腹時血糖:(境界型)110mg/dL< ≦126 mg/dL 、(糖尿病型)>126 mg/dl
[★]
- 関
- hypoglycaemic、hypoglycemia、hypoglycemic
[★]
- 英
- leucine tolerance test
[★]
- 英
- ketotic hypoglycemia
- 関
- アセトン血性嘔吐症、低血糖症
概念
- 比較的やせ型の児が、感冒や精神的ストレスにより食事が取れないために糖の補給ができなくなり、ケトーシスを来して元気がなくなり嘔吐を発症する疾患。幼児期~児童初期にみられる。
疫学
- 小児の低血糖症の中で最も多く認められる(全体の50%)。
- 身体的には未熟児、SFD児、身体発育不良児に多い。
- 2-5歳に最も多い
- 男女比は2:1で男児に多い。
- 加齢とともに発作頻度は減少。10歳くらいまでに消失
病因
- 糖新生能力が低い:小児では肝のグリコーゲンは数時間で枯渇。筋から動員される糖原性アミノ酸からアラニンとなり糖新生されるが、小児では糖の補充が間に合わないことがある。
誘因
- 摂食が制限されているときに起こるので、朝に起きやすいし、前日の夕食を抜いていればなおさら
病態生理
症状
- 悪心・嘔吐、脱力感、全身倦怠感、無表情、会話の停滞、集中力減退、速脈、顔面蒼白、歩行障害、嗜眠、意識障害、けいれん (SPE.210)
診断
検査
- ケトン負荷:ケトン食で低血糖発作
- グルカゴン負荷:低血糖発作時にグルカゴン負荷に反応しない
血液検査
尿検査
治療
予防
- 食事回数の増加、誘発因子(感染、ストレス)を避ける
鑑別
- YN.D-107
参考
uptodate
- 1. [charged] 幼児および小児における低血糖症の病因 - uptodate [1]
- 2. [charged] 乳児および小児における低血糖に対するアプローチ - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- neonatal hypoglycemia, hypoglycemia of the newborn
- ラ
- hypoglycemia neonatorum
概念
- 新生児の血糖値が下記にあてはまる場合。
- 生後72時間以内:低出生体重児で20mg/dl以下、成熟児で30mg/dl以下
- 72時間以後 :体重に関係なく40mg/dl以下
- 正常な児では出生直後に血糖値80-100mg/dlを示す。
- 臨床的には全血血糖値が40mg/dL未満で処置を開始。最近は60mg/dL未満で治療を開始する施設もある。
原因
- SPE.127
-
症状
- SPE.128
- けいれん、易刺激性(振戦)、異常啼泣(甲高い鳴き声 high-pitched cry)、嗜眠、筋緊張低下、哺乳力低下、嘔吐、無呼吸発作、チアノーゼ、活動性低下、徐脈、心停止
- → 成人で見られる頻脈とか発汗は見られないみたい。自律神経が十分に発達していないせい?
- ↑
- |-矛盾している?
- ↓
- SPE.210
- 定義:血糖40mg/dLの児(SPE.210)。(成熟新生児)生後72時間以内30mg/dL以下、以降40mg/dL以下(QB.O-105)。
- 血糖40mg/dLの児を治療対象。40-50mg/dLは要注意 (SPE.210)
- 症状:初期には交感神経亢進による症状(不安、苦悶、発汗、心悸亢進、顔面蒼白、振戦、脱力、空腹感、嘔気・嘔吐)、進行すると中枢神経症状(頭痛、めまい、視力障害、複視、構音障害、失語症、健忘症、集中力低下、運動失調、片麻痺、知覚障害、傾眠、嗜眠、昏睡、除脳硬直) (SPE.210)
脈拍数について
- 参考1に記載無し。
参考
- 1. [charged]Neonatal hypoglycemia - uptodate[3]
[★]
- 関
- 低血糖症
- 低血糖症の鑑別診断の最初に上げられる。食後約5時間以内にのみ低血糖を認める場合に疑う。
- 病態としてはインスリンの不適切な高値が原因であろう。
- 原因疾患には胃切除後などの消化管の異常、2型糖尿病の初期があり、前者では食後30-60分に、後者では食後3-5時間に低血糖症状を認める。(DMR. 293)
- 甲状腺機能亢進症でも認められる、らしい(QB.D-311)
[★]
- 英
- hypoglycemic symptom
- 関
- 低血糖症
[★]
- 英
- hypoglycemia
- 同
- 低血糖症、低血糖発作 hypoglycemic episode、血糖減少症
- 関
- ウィップルの3主徴、低血糖
[show details]
定義
- (成人の場合)50mg/dl以下 (IMD) ← 文献によっては60mg/dl以下とも
- (新生児・乳児) → 新生児低血糖症
PALS
- 早期産・満期産の新生児: <45mg/dl
- 乳児・小児・青少年 : <60mg/dl
症状
- 交感神経症状:発汗、振戦、動悸、不安感
- 中枢神経症状:判断力低下、眠気、意識障害、痙攣、昏睡
新生児・乳児の低血糖
- 新生児低血糖症 (SPE.127,210)
低血糖を引きおこす病態
- DMR.295
低血糖の鑑別方法
- (書きかけ)
[★]
- 英
- blood sugar BS
- 同
- 血中グルコース blood glucose、血漿グルコース plasma glucose
- 関
- 糖血症、血中ブドウ糖、糖尿病
- 絶食時:80-100mg/dL (4.4-5.6mM)
- 食後 :150-160mg/dL (8.3-8.9mM)
血糖の指標
[★]
- 英
- sis, pathy