- 英
- rhabdomyolysis
- 関
- 横紋筋
原因
- also see 研修医直御法度第5版 157
-
病態
- 筋から逸脱したミオグロビンが糸球体で濾過され尿細管へ → 原尿が酸性の条件下でミオグロビンは尿細管上皮を障害 → 急性尿細管壊死 → 腎性腎不全 (ICU.608)
症状
検査所見
- 筋逸脱酵素の上昇(ミオグロビン、クレアチニンキナーゼ、AST、LDH)
- 正常の5倍以上あるいは1,000U/LのCKは臨床研究では横紋筋融解を示唆するとされてきた。CK 15,000 U/Lを上回る場合胃、重要の横紋筋融解症とミオグロビン尿性腎不全のリスク上昇を示唆する。(ICU.608)
治療
- 原発疾患の治療
- 輸液:積極的な輸液がミオグロビン尿性腎不全の予防や進展抑制に繋がる(ICU.609)
- 重炭酸:尿のアルカリ化による尿細管障害の軽減効果は臨床的に証明されていない。
- ループ利尿薬・マニトール:有用性は証明されていない。
- 血液浄化療法:重症例で。腎障害の進展を防ぐために透析によりヘモグロビン、ミオグロビン、尿酸を透析に除去する目的での透析の使用は証明されていない。(参考2)
- 研修医直御法度症例帳 145
- 研修医直御法度第5版 157
- 1. 生理食塩水 200ml/hr 点滴静注 ← 尿量は4ml/kg/hr目指す
- 2. 炭酸水素ナトリウム 100mEq 点滴静注 ← まぜるの禁止 (メイロン)
- 3. ラシックス 40mg 静注 ← 十分に輸液した後
- 4. マンニトール 25g 点滴静注 ← 十分に輸液した後
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations, diagnosis, and causes of rhabdomyolysis - uptodate [1]
- 2. [charged] Prevention and treatment of heme pigment-induced acute kidney injury (acute renal failure) - uptodate [2]
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/09/08 19:39:39」(JST)
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横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう、英: rhabdomyolysis)は、横紋筋細胞が融解し筋細胞内の成分が血中に流出する症状、またはそれを指す病気のこと。
重症の場合には腎機能の低下を生じ、腎不全などの臓器機能不全を発症し、死に至る場合もある。
|
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目次
- 1 要因
- 2 症状
- 3 検査
- 4 治療
- 5 参考文献
|
要因
横紋筋融解症は、事故や負傷などの外傷的要因や、脱水、薬剤投与などの非外傷的要因によって発生する。
- 熱中症等
- 甲状腺機能亢進症等
- 横紋筋融解症を引き起こす原因の重要な要素として、薬剤性がある。主なものとして脂質異常症治療薬のスタチン系薬剤・フィブラート系薬剤や、抗菌薬のニューキノロン系薬剤・キサンチン系薬剤・抗精神病薬[1]・漢方薬などがある。
症状
横紋筋融解症が発生した場合、骨格筋が壊死を起こし筋細胞中の成分が血液中に浸出し、筋肉が障害されて筋肉痛や脱力感等の症状があらわれ、次第に疼痛や麻痺・筋力減退・赤褐色尿などの症状が発現する。 重症の場合は、多量のミオグロビンによって腎臓の尿細管細胞を傷害されて急性腎不全症状(乏尿、浮腫、呼吸困難、高K血症、アシドーシス等)を伴う。
検査
血液生化学検査においては血中ミオグロビンが上昇し、クレアチンキナーゼ (CPK) などの筋原酵素も著しく上昇する。CPKの上昇は運動後の筋肉痛時と共通しているため、診断時にはCPKの他にミオグロビン値や筋組織の所見も指標としている。尿潜血陽性であり、尿沈渣で赤血球が認められない場合はミオグロビン尿である可能性が高い。典型的にはコーラの色となる。ミオグロビン尿の診断をした場合は生理食塩水の大量輸液を検討する。
治療
水分補給や点滴による脱水症状の改善や、薬剤投与による尿のアルカリ化が主に行われる。重炭酸が主に使われるが、アセタゾラミドの投与により生理的に尿のアルカリ化効果を発揮できるとする症例報告もある[2][3]。また薬剤投与による横紋筋融解症の可能性が疑われた場合には原因薬剤の投与中止が図られる。 腎機能障害が強い場合は一時的に透析が必要となる場合がある。
参考文献
総説
- 副島昭典, 鈴木道彦, 長沢俊彦 -横紋筋融解症 日本臨牀, 1991
- Bosch X, Poch E, Grau JM. "Rhabdomyolysis and acute kidney injury." N Engl J Med. 2009 Jul 2;361(1):62-72. PMID 1957128
出典
- ^ 向精神薬マニュアル第3版融道男 医学書院p131
- ^ Ron D, Taitelman U, Michaelson M, Bar-Joseph G, Bursztein S, Better OS. "Prevention of acute renal failure in traumatic rhabdomyolysis." Arch Intern Med. 1984 Feb;144(2):277-80.PMID 6696564
- ^ Davidov T, Hong JJ, Malcynski JT. "Novel use of acetazolamide in the treatment of rhabdomyolysis-induced myoglobinuric renal failure." J Trauma. 2006 Jul;61(1):213-5. PMID 16832275
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Japanese Journal
- 教えて! ICU(アイ・シー・ユー) : 研修医が必ずぶつかる疑問をカンファレンスで解決します(第12回・最終回)急性腎傷害を起こす前に横紋筋融解症を治療する
- サルモネラ腸炎でけいれん・高CK血症を呈した急性脳症の2例
- 糖尿病ケトアシドーシスにおける血清クレアチンキナーゼ(CK)高値症例の検討
- 佐々木 正美,山田 穂高,浅野 智子,青木 厚,生駒 亜希,豊島 秀男,加計 正文,川上 正舒,石川 三衛
- 自治医科大学紀要 34, 49-55, 2012-03-01
- … 糖尿病ケトアシドーシスにおいて,急速に血糖値が上昇したと推測される症例では横紋筋融解症とこれに伴う腎機能障害に十分に留意することが必要である。 …
- NAID 110008922531
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- ただ、この横紋筋融解症は、心筋には、およばず、いわゆる骨格筋が主体となります。 むかしから言われて ... などという言い回しがありますが、もしかすると、この横紋筋融解 症を併発し、ミオグロビン尿が出ていたのかもしれません。 だとすると、かなり危険な ...
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[★]
- 次の文を読み、 56-58の問いに答えよ。
- 75歳の男性。不穏状態のため家族に伴われて来院した。
- 現病歴 3年前からParkinson病の診断で内服治療中であった。 1週前から水様下痢と微熱とがあり、食欲がなく水分摂取も不十分であった。 3日前から内服をすべて中断している。昨日から39℃台の発熱が出現し、身体が硬くなって起き上がることができなくなった。眼前に小さな虫がいると言い、振り払うような動作を繰り返し、徐々に不穏状態となってきた。
- 既往歴 5年前から脂質異常症で内服治療中。
- 生活歴 72歳の妻との2人暮らし。喫煙は20歳から20本/日を30年間。飲酒は週に1回、日本酒2台程度。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現 症 意識レベルはJCS II-20。身長164cm、体重52kg。体温39.2℃。脈拍124/分、整。血圧86/60mmHg。口腔内は乾燥している。四肢に強い筋強剛があり、右上肢に静止時振戦を認める。腱反射は正常である。
- 検査所見:血液所見:赤血球 508万、Hb 14.8g/dl、Ht 48%、白血球 9,500、血小板 22万。血液生化学所見:血糖 86mg/dl、HbA1c 5.1%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.2g/dl、アルブミン 3.8g/dl、尿素窒素 56mg/dl、クレアチニン 1.4mg/dl、尿酸 8.9mg/dl、総コレステロール 160mg/dl、トリグリセリド 156mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、 AST 86IU/l, ALT 40IU/l、 LD 420IU/l(基準176-353)、ALP 180IU/l(基準115-359)、CK 820IU/l(基準60-196)、Na 147mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 101mEq/l、Ca 9.2mg/dl。CRP 1.2mg/dl。胸部エックス線写真に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [105B057]←[国試_105]→[105B059]
[★]
- 83歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。高血圧症と骨粗鬆症で自宅近くの診療所に通院し、サイアザイド系利尿薬と経口活性型ビタミンD3製剤を処方されていた。1か月前から腰痛が出現したためNSAIDsを処方され服用していたが、座位や歩行で疼痛が悪化するため、日中も臥床していることが多かった。2週間前から食欲がなく、食事は少量ずつ1日食2で、水分摂取も小さな湯呑茶碗でお茶を1日2~3杯飲む程度だった。3日前から全身倦怠感が出現し、次第に悪化したため受診した。4日前から排便がないが、排尿回数は日中5回、夜間2回で変化はなかった。意識は清明。身長 152cm、体重 41kg(1か月前 45kg)。体温 36.2℃。脈拍 108/分、整。血圧 152/86mmHg。尿所見:比重 1.008、蛋白 (±)、糖 (-)、潜血 1+、沈渣は赤血球 1~4/HPF、白血球 1~4/HPF、細菌(±)。血液所見:赤血球 450万、Hb 15.2g/dL、Ht 45%、白血球 6,800、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 3.9g/dL、AST 22U/L、ALT 18U/L、LD 250U/L(基準 176~353)、CK 152U/L(基準 30~140)、尿素窒素 52mg/dL、クレアチニン 2.8mg/dL、eGFR 13mL/分/1.73m2、Na 135mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 102mEq/L。CRP 0.1mg/dL。
- 腎機能障害の原因として考えられるのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D074]←[国試_113]→[113E001]
[★]
- 62歳の男性。下肢脱力のため救急車で搬入された。ほとんど食事を摂らずに連日大量の飲酒を続けており、昨日も軽い朝食以後食事をせず泥酔状態でフローリングの床の上で寝入ってしまった。本日午前5時に目覚めたが足に力が入らず歩行が困難であったため、電話まで這っていき午前6時に救急車を要請した。冷房装置のない蒸し暑い部屋に独居している。意識は清明。身長 165cm、体重 62kg。体温 36.1℃。心拍数 124/分、整。血圧 86/54mmHg。呼吸数 28/分。SpO2 96%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腰背部痛と両大腿の筋痛とを認める。構語障害を認めない。両下肢筋力は徒手筋力テストで2と低下を認めるが、その他の神経学的所見に異常を認めない。尿所見:色調は暗褐色、比重 1.022、pH 6.0、蛋白2+、糖(±)、ケトン体1+、潜血3+、ビリルビン(-)、沈渣に赤血球 1~4/1視野、白血球2~3/1視野、硝子円柱と顆粒円柱とを認める。血液所見:赤血球 330万、Hb 12.0g/dL、Ht 33%、白血球 14,700、血小板 17万。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112F044]←[国試_112]→[112F046]
[★]
- 5歳の男児。顔面と手背の紅斑を主訴に父親に連れられて来院した。1か月前の運動会後に顔面に皮疹が出現して以来、改善しないため受診した。頬部から鼻根部を中心にびまん性紅斑を認める。手背では近位指節間関節、遠位指節間関節、中手指節関節を中心に米粒大の鱗屑を伴う扁平隆起性丘疹の集簇を認める。四肢近位筋に把握痛を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 441万、Hb 13.0g/dL、Ht 38%、白血球 5,200、血小板 30万。血液生化学所見:AST 54U/L、ALT 23U/L、LD 417U/L(基準 280~400)、CK 312U/L(基準 30~140)、アルドラーゼ 13.4U/L(基準 2.7~7.5)、Na 138mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 102mEq/L。免疫血清学所見:抗核抗体 160倍(基準 20以下)、抗dsDNA抗体 6IU/mL(基準 12以下)。顔面の写真(別冊No.14A)と手背の写真(別冊No.14B)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D032]←[国試_114]→[114D034]
[★]
- 45歳の女性。急激な体重増加を主訴に来院した。生来健康で、健康維持のために週2回スポーツジムに通っている。1か月前から突然、顔面と下腿とに浮腫が出現し、現在までに12kgの急激な体重増加を認め受診した。身長 162cm、体重 66kg。脈拍 72/分、整。血圧 100/78mmHg。顔面と下腿とに浮腫を認める。尿所見:蛋白 4+、糖(-)、潜血(-)、沈渣に卵円形脂肪体 1~4/1視野、尿蛋白 9.8g/日。血液生化学所見:総蛋白 4.6g/dL、アルブミン 1.0g/dL、CK 148IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 38mg/dL、クレアチニン 1.3mg/dL、尿酸 7.3mg/dL、総コレステロール 334mg/dL。CRP 0.1mg/dL。超音波検査で腎の萎縮と水腎症とを認めない。
- この患者の血清クレアチニン高値の原因として最も可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A042]←[国試_110]→[110A044]
[★]
- 38歳の男性。脱力を主訴に来院した。昨日、猛暑の中で1時間ジョギングをした。その後、下肢の疹痛と脱力とが出現して軽快しないため受診した。尿は昨夜から赤褐色を呈しているという。身長170cm、体重72kg。体温37.2℃。脈拍88/分、整。血圧136/80mmHg。呼吸数14/分。尿所見:蛋白(±)、潜血3+、沈渣に赤血球1-4/1視野。
- 病態として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C023]←[国試_106]→[106C025]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107F012]←[国試_107]→[107F014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F063]←[国試_101]→[101F065]
[★]
- a 男児に多い。
- b 悪性腫瘍の合併が多い。
- c 死因は横紋筋融解症が多い。
- d 診断にはMRIが有用である。
- e 抗Jo-1抗体は半数の患者に陽性を示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I027]←[国試_109]→[109I029]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102I004]←[国試_102]→[102I006]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105I028]←[国試_105]→[105I030]
[★]
- 英
- heat illness, heat stroke( → 熱射病という意味で使う(YN.K-38))
- 関
重症度による分類
- 熱疲労と熱射病の違いは中枢神経障害の有無(beyond resident 2-156)
- WMM.707
- ICU.607
- YN.K-38改変
- beyond resident 2-154
- 研修医直御法度第5版 155
- 研修医直御法度症例帳 143
- マイナーエマージェンシー 6
|
熱痙攣
|
熱疲労
|
熱射病
|
heat cramp
|
heat exhaustion
|
heat stroke
|
|
|
古典的熱射病
|
努力性熱射病
|
疫学
|
|
|
幼小児、老人 基礎疾患(脳血管障害、虚血性心疾患、アルコール依存症) 薬剤性(フェノチアジン系(抗精神病薬)、抗コリン薬、利尿薬) 死亡率:40%
|
小児~成人 死亡率:10% 横紋筋融解症、DIC、MOF合併多い
|
原因
|
電解質喪失
|
脱水
|
温熱中枢障害
|
熱産生>>熱放射
|
病態生理
|
|
細胞外液の減少(≒循環血漿量の減少)→頻脈、
|
高温により熱中枢が障害される あるいは、心拍出量、発汗能力、血管調節能力の低下により体温調節能が失われる ↓ 汗が出ないことがある。
|
|
意識
|
|
|
意識障害あり
|
体温
|
→
|
↑~↑↑
|
↑~↑↑↑
|
↑↑↑
|
血圧
|
|
低血圧
|
?
|
低血圧
|
発汗
|
++
|
+++
|
-~+++
|
+++
|
筋肉
|
有痛性筋収縮
|
|
筋肉崩壊
|
その他症状
|
|
悪心・嘔吐、頭痛、めまい
|
|
|
治療
|
ストレッチ、マッサージ 経口補液(飲めねば静注)
|
冷却(外部冷却)。⇔冷却は必要なし(ICU.607)
|
冷却(外部冷却・内部冷却)
|
熱中症の新分類
- 内科救急診療指針1st
身体所見
- まず、バイタル!ショックを評価。心不全はあるかどうか?
検査
- 血液検査(生化学(浸透圧も評価)、血算、凝固(熱射病疑いとして))
- 尿検査(尿ミオグロビンを捕まえる → 赤血球(-)かつ潜血(+) )
治療
- (心不全症状なければ)輸液 ← 末梢静脈ラインを確保すると同時に採血
- YN.K-39
- (血漿浸透圧330mOsm未満)生理食塩水 尿あれば乳酸リンゲルでok
- (血漿浸透圧330mOsm以上)生理食塩水+5%ブドウ糖
死因
救急外来stragegy
- 1. バイタルチェック(体温、血圧、脈拍) → 熱中症に合致しそうか? ちなみに直腸温はかれないときはどうする?
- 2. 現病歴 → ひととおりさらっと聴く
- 3. 現症
- 発汗の有無、皮膚の乾燥・湿潤、
- 筋痙攣 → 熱痙攣を疑いたくなる
- 悪心、嘔吐、頭痛、倦怠感 → 熱疲労~熱射病を疑いたくなる
- 筋肉痛、筋攣縮、中枢神経機能異常(譫妄、運動失調、昏睡、痙攣)、DIC、MOF → 熱射病を疑いたくなる
- 感染症による発熱を疑いたくなったら、頚部リンパ節、咽頭所見、感冒症状、関節痛、呼吸音、尿回数・量、CVA叩打痛、項部硬直、Jolt accentuationをチェック
- 古典的熱射病で心不全を有している場合、輸液不可より昇圧剤を使えと(beyond resident 2-154)
- 5. 末梢静脈ルート確保して採血(生化学、血算、凝固)し、まずは生理食塩水を落とす。血漿浸透圧高値が明らかになれば1/2生理食塩水に切り替え。
- 6. 尿検査提出
- 7. 適切なクーリングをしつつ、結果を待つ。
職場における予防
- 職場における熱中症予防対策マニュアル - 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課
- https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/manual.pdf
- WBGT値の低減
- 休憩所などの整備:高温多湿作業場所の近隣に冷房を備えた休憩場所、あるいは風通しのよい日陰等の休憩場所を整備する。氷、冷たい飲料が摂取でき、水風呂やシャワーを浴びることができる設備を設置。
- 作業時間の短縮:休憩時間を確保し、熱暑での作業が連続しないようすること、身体作業強度が高い作業を避けること、作業場所を変更すること。
- 熱への馴化:7日以上かけて熱暑への暴露時間を長くしていく。
- 水分及び塩分の摂取
- 服装・帽子:熱を吸収し熱を蓄えやすい服装を避け、透湿性・通気性の良い服装を装着させるようにする。
- 作業中の巡視
- 健康診断の結果などによる対応
- 日常の健康管理など
- 労働者の健康状態の確認
- 自発的脱水
- 予防的・定期的な水分・塩分補給:口渇、口腔内乾燥、尿量減少、体温・心拍の増加は脱水に夜体重減少が2-5%になると自覚されるが、既に脱水に陥っていることになる。そのため、口渇を感じなくても定期的に水分・塩分を摂ることが必要である。
- 身体の状況の確認
- 労働衛生教育
参考
- http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/
- 2. 熱中症環境保健マニュアル 2018 - 環境省
- https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf
- 3. 暑さ指数と熱中症救急搬送者数との関係 - 環境省
- http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_report.php
- 4. 熱中症を防ごう / スポーツ医・科学 - 日体協
- http://www.japan-sports.or.jp/medicine/guidebook1.html
- 5. 熱中症診療ガイドライン2015 - 厚生労働省
- https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf
- 6. 「日常生活における熱中症予防指針」Ver.3確定版 日本生気象学会
- http://seikishou.jp/pdf/news/shishin.pdf
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E4%B8%AD%E7%97%87
[★]
- 英
- HMG-CoA reductase inhibitor
- 同
- ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬 hydroxymethylglutaryl-CoA reductase inhibitor。スタチン statin
- 関
- 高脂血症治療薬、高脂血症、コレステロールの生合成。HMG-CoA還元酵素 HMG-CoA reductase
特徴
- アトルバスタチンの場合
- 血清TC低下率30%
- 血清LDL-C低下率41%
- 血清TG低下作用
- TG250-350mg/dl 380
- TG350-450mg/dl 470
- プラバスタチンは水溶性。(⇔脂溶性だとどこでも入っていく→全身性に作用する)
- プラバスタチンの輸送担体は肝臓にしかない→臓器選択性↑→安全性↑
- CYP3A4との相互作用がない
種類
CYP 代謝による 分類
|
薬物
|
商品名
|
性質1)
|
CYP代謝 2)
|
代謝物の活性 3)
|
排泄形態 3)
|
bioavailability (%) 3)
|
尿中排泄 (%) 2)
|
半減期 (hr) 2)
|
定性
|
定量(LogP)
|
非代謝型
|
プラバスタチン
|
メバロチン
|
水溶性
|
-0.47
|
ほとんどなし
|
ー
|
未変化体
|
18
|
20
|
1ー2
|
ロスバスタチン
|
クレストール
|
水溶性
|
|
ー 5)
|
未変化体 5)
|
29
|
10 5)
|
15~19 5)
|
ピタバスタチン
|
リバロ
|
脂溶性
|
1.49
|
ー
|
未変化体
|
60
|
<2
|
11
|
代謝型
|
フルバスタチン
|
ローコール
|
脂溶性
|
1.73
|
CYP2C9
|
なし
|
代謝物
|
10-35
|
<6
|
1.2
|
シンバスタチン
|
リポバス
|
脂溶性
|
4.4
|
CYP3A4
|
あり
|
代謝物
|
<5
|
13
|
1ー2
|
アトルバスタチン
|
リピトール
|
脂溶性
|
1.53
|
CYP3A4
|
あり
|
(データ無し)
|
12
|
2
|
14
|
1)Prog Med, 18:957-962,1998. 2)Heart, 85:259-264,2001. 3)PHarmacol Ther, 80:1-34 改変 4)興和(株)社内資料 5)添付文書
|
作用機序
- HMG-CoA reductaseはHMG-CoAからmevalonate産生を触媒
副作用
- 原因:メバロン酸合成↓→CoQ↓→ミトコンドリア機能異常。Cl-の細胞膜透過性の変化
- 薬物相互作用によりCYP3A4の働きが阻害されると、横紋筋融解症の引き金となりうる
- 脂溶性HMG-CoA還元酵素阻害薬は重篤な肝障害を起こす
- This was suggested by a study showing greater increases in post-marathon CK levels in individuals receiving statins; older runners receiving statins exhibited more susceptibility to CK elevations than younger runners. These elevations in CK were, however, mild and subclinical, which suggests that trained individuals need not discontinue statin therapy prior to a race.(uptodate)
- 軽度であれば(マラソンの)習熟者はレース前にスタチンを中止をする必要がないことを示唆する。
禁忌
[★]
- 英
- interferon-α-2b IFN-α-2b
- 同
- インターフェロンアルファ-2b
- 商
- イントロンA、ペグイントロン
効能又は効果
- イントロンA
- 次のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
- (1) 本剤単独の場合
- 1) 血中HCV RNA量が高値ではない患者
- (2) リバビリンとの併用の場合
- 1) 血中HCV RNA量が高値の患者
- 2) インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者
禁忌
- イントロンA
- 1. 本剤又は他のインターフェロン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2. ワクチン等生物学的製剤に対して過敏症の既往歴のある患者
- 3. 小柴胡湯を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 4. 自己免疫性肝炎の患者[自己免疫性肝炎が悪化することがある。]
重大な副作用
- イントロンA
- (1)間質性肺炎(0.1~5%未満)、肺線維症(0.1%未満)、肺水腫(頻度不明) → 副腎皮質ステロイド投与など
- (2)抑うつ・うつ病(0.1~5%未満)、自殺企図、躁状態(0.1%未満)、攻撃的行動(頻度不明) → 不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には投与を中止
- (3)意識障害、興奮(頻度不明)、痙攣、見当識障害、せん妄、幻覚、妄想、統合失調症様症状、失神、認知症様症状(特に高齢者)、難聴(0.1%未満)、錯乱(0.1~5%未満) → 中止
- (4)自己免疫現象(0.1%未満) → 甲状腺機能異常、肝炎、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、乾癬、全身性エリテマトーデス、血管炎、フォークト・小柳・原田病、インスリン依存型糖尿病(IDDM)の増悪又は発症
- (5)溶血性尿毒症症候群(HUS)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(頻度不明)
- (6)糖尿病(0.1~5%未満) → 糖尿病[インスリン依存型(IDDM)及びインスリン非依存型(NIDDM)]の増悪・発症 → 糖尿病性ケトアシドーシス、昏睡
- (7)重篤な肝障害(頻度不明) → 中止
- (8)急性腎不全等の重篤な腎障害(頻度不明)
- (9)再生不良性貧血(頻度不明)、汎血球減少(0.1~5%未満)、無顆粒球症、白血球減少(2,000/mm3未満)、血小板減少(50,000/mm3未満)(頻度不明)
- (10)ショック(0.1%未満)
- (11)心筋症(頻度不明)、心不全(0.1%未満)、心筋梗塞(頻度不明)、狭心症(0.1%未満)
- (12)不整脈(0.1~5%未満)
- (13)消化管出血(下血、血便等)、消化性潰瘍(0.1%未満)、虚血性大腸炎(頻度不明)
- (14)脳出血(0.1%未満)
- (15)脳梗塞(頻度不明)
- (16)敗血症(0.1%未満) → 易感染性
- (17)網膜症(0.1~5%未満) →網膜出血や糖尿病網膜症の増悪に注意
- (18)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)
- (19)横紋筋融解症(頻度不明)
国試
[★]
- 英
- lipid-lowering drug, lipid-lowering agent
- 関
- 脂質異常症
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Cho
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TG
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LDL-C↓
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HDL-C↑
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TG↓
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副作用
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HMG-CoA還元酵素阻害薬
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Choの合成阻害 →LDL受容体増加
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○
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○
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発疹、胃不快感、肝障害、 筋肉痛、筋脱力、横紋筋融解症
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フィブラート系薬物
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VLDL産生抑制 →VLDL,IDL異化促進
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○
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○
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○
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単独で、横紋筋融解症 腹痛、下痢、嘔吐などの腹部症状、肝障害
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ニコチン酸系薬
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VLDL分泌抑制
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○
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○
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○
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皮膚、特に顔面および上半身の紅潮、掻痒感 肝障害、胃腸障害、耐糖能の悪化、尿酸値上昇
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陰イオン交換樹脂系薬物
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胆汁酸再吸収抑制
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○
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腹部膨満感、便秘、肝障害
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ビフェニル化合物
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Choの胆汁排泄促進
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○
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肝障害、胃腸障害、耐糖能の悪化、尿酸値上昇発疹 まれにQT延長にともなう不整脈
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EPA製剤
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VLDL産生抑制 →VLDL異化促進
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○
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胃部不快感、腹痛、下痢などの腹部症状 肝障害、出血傾向
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分類
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脂質代謝への影響
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副作用
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LDL-C
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TG
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HDL-C
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スタチン
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↓↓↓
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↓
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↑
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横紋筋融解症、筋肉痛や脱力感などミオパチー様症状、肝障害、認知機能障害、空腹時血糖値およびHbA1c値の上昇、間質性肺炎など
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陰イオン交換樹脂
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↓↓
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↑
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↑
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消化器症状、脂溶性ビタミンの吸収障害。ジギタリス、ワルファリンとの併用ではそれら薬剤の薬効が減弱しうる。
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小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
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↓↓
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↓
|
↑
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消化器症状、肝障害、CK上昇
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フィブラート
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↓
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↓↓↓
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↑↑
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横紋筋融解症、肝障害など
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ニコチン酸誘導体
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↓
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↓↓
|
↑
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顔面潮紅や頭痛など(日本人では多いといわれている。少量から開始して漸増したり、アスピリンを併用することで副作用は回避可能なことがある)
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プロブコール
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↓
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ー
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↓↓
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可逆性のQT延長や消化器症状など
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多価不飽和脂肪酸
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ー
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↓
|
ー
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消化器症状、出血傾向や発疹など
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↓↓↓:≦-25% ↓↓:-25%< ≦-20% ↓:-20%< ≦-10% ー:-10%< ≦10% ↑:10%< ≦20% ↑↑:20%< ≦30%
|
[★]
- 英
- propofol infusion syndrome, PRIS
- 関
- プロポフォール
概念
- 集中治療分野における、長期間鎮静のためにプロポフォールが投与された患者の病態
- 集中治療における人工呼吸中の鎮静の目的でプロポフォール投与中に代謝性アシドーシス、横紋筋融解症、高カリウム血症、心不全が発現した症例が報告されており、このような病態をプロポフォール症候群と呼ぶ
- 4mg/kg•hr(60kgで24ml/hr)以上の高用量プロポフォールを48時間以上使用している患者で代謝性アシドーシス、徐脈を伴うショック(徐脈性不整脈)、横紋筋融解症、高脂血症、腫大肝・脂肪肝を呈する疾患
- 5mg/kg/hを48時間以上としている情報源あり
疫学
- 死亡率が高い
- 小児で多いが、成人でもまれならず
- PRISはまれではあるが、致死性合併症
診断基準
Brayによる小児PRISの診断基準
- 突発性もしくは比較的突発性に治療抵抗性の徐脈が発現し不全収縮(心静止)へ移行する
- 以下のうち少なくとも1項目を含む
- 脂質異常症の発現
- 肝腫大または剖検による肝臓の脂肪浸潤
- BE≦-10を呈する代謝性アシドーシス
- 横紋筋融解もしくはミオグロビン尿を伴う筋症状
リスク因子
PRIS発症に関する危険因子
- 高容量(>5mg/kg/h)、長時間(>48時間)のプロポフォール投与
- 乳幼児
- 上気道感染
- 多発外傷、頭部外傷
- 内因性ストレスの存在、カテコラミンやグルココルチコイドの投与
- 糖摂取の不足
PRIS発症時の所見
病態生理
検査
治療
予防
- プロポフォールを使用する際は4mg/kg•hrを越えないようにする
- 48時間以内でも除外しない。疑えば中止を考える。
- 使用中は心電図(徐脈に注意、ブルガダ変化も)、pH、CK、TGをモニタリング
- プロポフォールを漫然と長期投与しないように、鎮静レベルはRASSなどで評価
[★]
- 英
- familial paroxysmal rhabdomyolysis
- 同
- 急性再発性横紋筋融解症 acute recurrent rhabdomyolysis、急性再発性ミオグロブリン尿症 acute recurrent myoglobinuria
- 関
- 横紋筋融解症
[★]
- 英
- acute recurrent rhabdomyolysis
- 関
- 家族性発作性横紋筋融解症、横紋筋融解症
[★]
- 英
- fusion、melting、melt
- 関
- メルティング、融合、融着、癒合、融合物、融ける
[★]
- 英
- stripe、striation、cross striation
- 関
- 縞、条線、ストライプ
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- striated muscle (K)
- 関
- 平滑筋、骨格筋、筋肉
[★]
- 英
- myelinolysis
- 関
- ミエリン溶解