超低密度リポ蛋白 : 約 24,100 件 超低密度リポ蛋白質 : 約 81 件 超低密度リポタンパク : 82 件 超低密度リポタンパク質 : 約 41,500 件 超低比重リポ蛋白 : 約 44,900 件 超低比重リポ蛋白質 : 約 55 件 超低比重リポタンパク : 約 21,400 件 超低比重リポタンパク質 : 約 88 件
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/04 09:23:22」(JST)
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リポタンパク質(リポたんぱくしつ)は脂質が血漿中に存在する様態で、脂質とアポタンパク質が結合したものである[1]。
脂肪酸のような分極した分子を除き(遊離脂肪酸)、脂質を血漿中に安定に存在させるには、タンパク質(アポタンパクと呼ぶ)と結合させる必要がある。リポタンパクは、トリグリセリド(中性脂肪)および、細胞の生命維持に不可欠なコレステロールを多く含む球状粒子である。種類には、カイロミクロン(キロミクロン)、超低比重リポタンパク (VLDL)、中間比重リポタンパク (IDL)、低比重リポタンパク (LDL)、高比重リポタンパク (HDL)、超高比重リポタンパク (VHDL)のものがあり、WHOによってその基準が定められている[要出典]。
リポタンパクは、電気泳動法または超遠心にて分類される。通常見られるリポタンパクは次のようなものである。
3者の違いは、アガロース法はリポタンパク質を荷電で分析し、ポリアクリルアミドゲルディスク法では、主にリポタンパク質の粒子サイズの順に分析され、超遠心法はリポタンパク質の粒子の密度(体積あたりの重量)で分析される。 3者の間にはおよそ次の対応関係があるが正確ではない。
カイロミクロンを構成するアポタンパク質はアポB48で外因性リポタンパク質と呼ばれ、VLDL、LDL、HDLを構成するアポタンパク質はアポB100で、内因性リポタンパク質と呼ばれる。 VLDLがトリグリセリドを失い小型化したリポタンパク質を、IDLと称する。またLDL粒子がトリグリセリドを失い小型化したリポタンパク質を、small dense LDLと言い、ともに動脈硬化の原因物質といわれている。 ディスク電気泳動法では、IDLはミッドバンドと呼ばれている。
近年アポタンパクの研究が進み、タンパク自体も分類されるが、以下の各論を参照されたい。
キロミクロンとも。0.94 g/mL 未満のリポタンパクで、直径は 180 - 500 nm 程度[2]。
カイロミクロン中には約1:10の割合でコレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)が含まれる。腸管から吸収された脂質が腸管粘膜でリポタンパクに再構成されリンパ管を通り中枢である肝臓に運ばれる。その役割を果たすのがカイロミクロンである。構成するアポタンパクとしてApoB48などがある。
LPL(リポタンパク質リパーゼ)欠損症では著しい高カイロミクロン血症をしめす。一方で、リポタンパクを合成するのに必要なMTP(ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク)を欠損する場合無βリポタンパク血症になり、脂溶性ビタミンが運ばれなくなるのでビタミンAやビタミンEの欠乏症に似た夜盲症や末梢神経麻痺などの症状を来す。
1.006 g/mL 未満のリポタンパク[2]。
肝臓から筋肉などの末梢に脂質を供給する役割をもち、約1:5の割合でコレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)が含まれる。構成するアポ蛋白としてApoB100などがある。
ApoB短縮症ではVLDLやLDLに乏しい低βリポ蛋白血症を来す。
1.006 - 1.019 g/mL のリポタンパク[2]。
LPLによりVLDLやカイロミクロンが水解され中性脂肪を失う過程のリポタンパク。レムナント(英語でremnant。remainと同系の単語)とも称される。通常は速やかに代謝されるが、インスリン抵抗性を背景としたメタボリックシンドロームの患者ではLPL活性が低下しており、ApoE変異症のIII型高脂血症の患者ではLDL受容体、VLDL受容体、LRP受容体への結合が進まず、レムナントが血中に鬱滞する。
PAG法電気泳動ではmidbandとして定性的・半定量的に測定可能である。また、抗ApoAI抗体と抗ApoB100抗体を使ったRLP-C測定キットでレムナントの多寡が定量的に評価できる。最近ではApoB48定量による評価も検討されている。
1.019 - 1.063 g/mL のリポタンパクで、直径は 22 nm 程度[2]。
リポタンパクの中でもコレステロール含有量が特に多く、「悪玉コレステロール」と呼ばれることもある。ApoBやApoEを認識するLDL受容体を介して主に肝臓に取り込まれ異化される。
LDL受容体欠損症は家族性高コレステロール血症(FH:familial hypercholesterolemia)とよばれ、特にホモ欠損症では総コレステロール値が600mg以上にもなり思春期にも虚血性心疾患など重篤な動脈硬化症に至る。
LDLが酸化・変性・糖化することによってLDL受容体への親和性を失う(酸化LDL)。その場合、スカベンジャー受容体などを経てマクロファージに取り込まれ、マクロファージの機能を変化させることにより動脈硬化症を発症すると考えられている。
最近ではスモールデンス(sd-LDL)と呼ばれるLDL受容体への親和性を失い、小粒子故に血管壁に浸透しやすい種類のLDLが虚血性心疾患に関与していることもわかってきた。粒子径は25.5nm以下である。比重で分画した場合1.040 - 1.063のLDLに相当する。
1.063 - 1.21 g/mL のリポタンパク[2]。
血管内皮に蓄積したコレステロールを掃除したり、動脈硬化を抑える働きをするので、「善玉コレステロール」と呼ばれることもある。構成するアポタンパクとしてApoAIなどがある。LDLやVLDLとの間でHDLの中性脂肪とLDLやVLDLのコレステロールをCETP(コレステリルエステル転送タンパク)を用いて交換し、コレステロールはLDL受容体を介し肝臓に逆転送しやすくしている。
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Very-low-density lipoprotein (VLDL) is a type of lipoprotein made by the liver.[1] VLDL is one of the five major groups of lipoproteins (chylomicrons, VLDL, low-density lipoprotein, intermediate-density lipoprotein, high-density lipoprotein) that enable fats and cholesterol to move within the water-based solution of the bloodstream. VLDL is assembled in the liver from triglycerides, cholesterol, and apolipoproteins. VLDL is converted in the bloodstream to low-density lipoprotein (LDL). VLDL particles have a diameter of 30-80 nm. VLDL transports endogenous products, whereas chylomicrons transport exogenous (dietary) products. Recently both the lipid composition [2] and protein composition [3] of this lipoprotein were characterised in great detail.
Very low-density lipoproteins transports endogenous triglycerides, phospholipids, cholesterol, and cholesteryl esters. It functions as the body's internal transport mechanism for lipids. In addition it serves for long-range transport of hydrophobic intercellular messengers, like the morphogen Indian hedgehog (protein).[4]
Nascent VLDL released from the liver contains Apolipoprotein B100, apolipoprotein C1 (apoC1), apolipoprotein E (apoE), cholesterol, cholestryl esters, and triglycerides. As it circulates in blood, it picks up apolipoprotein C-II (apoC-II) and additional apoE donated from high-density lipoprotein (HDL). At this point, nascent VLDL becomes a mature VLDL. Once in circulation, VLDL will come in contact with lipoprotein lipase (LPL) in the capillary beds in the body (adipose, cardiac, and skeletal muscle). LPL will remove triglycerides from VLDL for storage or energy production. VLDL now meets back up with HDL where apoC-II is transferred back to HDL (but keeps apoE). HDL also transfers cholesteryl esters to the VLDL in exchange for phospholipids and triglycerides via cholesterylester transfer protein (CETP). As more and more triglycerides are removed from the VLDL because of the action of LPL and CETP enzymes, the composition of the molecule changes, and it becomes intermediate-density lipoprotein (IDL).[5]
Fifty percent of IDLs are recognized by receptors in the liver cells because of the apolipoprotein B-100 (apoB-100) and apoE they contain and are endocytosed. The other 50% of IDL lose apoE. When their cholesterol content becomes greater than the content of triglyceride, they become LDL, with apoB-100 as the primary apolipoprotein. The LDL is taken into a cell via the LDL receptor via endocytosis, where the contents are either stored, used for cell membrane structure, or converted into other products such as steroid hormones or bile acids.[6]
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関連記事 | 「VL」 |
型分類 | 増加するリポ蛋白 | 血清脂質の変動 | コレステロール (mg/dl) |
トリグリセリド (mg/dl) | ||
正常 | - | - | <220 | <150 | ||
I型高脂血症 | 高カイロミクロン血症 | hyperchylomicronemia | カイロミクロン | 中性脂肪著明増加 | <260 | >1000 |
IIa型高脂血症 | 高コレステロール血症 | hypercholesterolemia | LDL | コレステロール増加 | >220 | >150 |
IIb型高脂血症 | 複合型高脂血症 | combined hyperlipidemia | LDL, VLDL | コレステロールと中性脂肪増加 | >220 | 150-300 |
III型高脂血症 | 異常βリポ蛋白血症 | dysbetalipoproteinemia | IDL | 電気泳動でbroad β | 350-500 | 350-500 |
IV型高脂血症 | 高トリグリセリド血症 | hypertriglyceridemia | VLDL | 中性脂肪増加 | <240 | 200-1000 |
V型高脂血症 | 複合型高トリグリセリド血症 | mixed hypertriglyceridemia | カイロミクロン, VLDL | 中性脂肪著明増加 | <300 | >1000 |
I型 | II型 | III型 | IV型 | V型 | |||
IIa型 | IIb型 | ||||||
高カイロミクロン血症 | 高コレステロール血症 | 複合型高脂血症 | 異常βリポ蛋白血症 | 高トリグリセリド血症 | 複合型高トリグリセリド血症 | ||
増加リポ蛋白 | CM | ++ | + | ||||
VLDL | + | + | + | ||||
IDL | + | ||||||
LDL | + | + | |||||
血漿脂質 | TC | + | +++ | ++ | ++ | /+ | + |
TG | +++ | ++ | ++ | ++ | +++ | ||
TC/TG | <0.2 | >1.6 | 不定 | ≒ | 0.6-1.6 | <0.6 | |
病因 | ・LPL欠損 ・アポCII欠損 (外因性高脂血症) |
LDL受容体異常 | 不明 | アポE異常 (E2/E2など) |
不明 (内因性高脂血症) |
LPL欠損へテロ(一部) (外因性高脂血症 and (内因性混合型高脂血症) | |
臨床所見 | 発症時期 | 小児期 | 小児期~成人 | 成人 | 成人 | 小児期~成人 | |
肝脾肥大 |
+++ | - | + | +++ 脾のみ |
+++ | ||
腹痛 | + | + | + | ||||
膵炎 | + | + | |||||
網膜脂血症 | + | + | |||||
肥満 | + | + | |||||
角膜輪 | + | + | |||||
冠動脈疾患 | まれ | 最も高率 | 高率 | 中程度 | 比較的まれ | ||
黄色腫 | 発疹状 | 黄色板状 結節状 腱黄色腫 |
手掌線 結節状 発疹状 |
発疹状 | |||
耐糖能 | 正常 | 正常 | 正常 | 異常多い | 異常多い | ||
高尿酸血症 | なし | なし | 少ない | 多い | 多い | ||
遺伝 | 劣性遺伝 | 優性遺伝 | 劣性遺伝 | 優性遺伝 | 不明 | ||
頻度 | まれ | 多い 500人中 1人(ヘテロ) 100万人中 1人(ホモ) |
多い 200人中 1人 |
少ない 1万人中 2-3人 |
最も多い | まれ | |
血清静置試験 | 上層:乳濁 | 透明 | わずかに混濁 | 混濁、 時にミルク状 |
混濁 | 上層:乳濁 | |
下層:透明 | 下層:混濁 | ||||||
特徴 | small dense LDL の存在 |
broad β |
血清TG | 血清TC | ||
内分泌代謝疾患 | 甲状腺機能低下症 | +++ | |
クッシング症候群 | + | ++ | |
先端性肥大症 | + | ||
糖尿病 | +++ | +~++ | |
痛風 | + | ||
神経性食思不振症 | ++ | ||
ウェルナー症候群 | ++ | ||
肝疾患 | 閉塞性肝・胆道疾患 | +++ | |
肝癌 | ++ | ||
腎疾患 | ネフローゼ症候群 | ++ | +++ |
慢性腎不全 | +++ | ||
免疫異常 | 全身性エリテマトーデス | +++ | |
骨髄腫 | ++ | + | |
薬剤など | サイアザイド | + | + |
β遮断薬 | + | ||
シクロスポリン | + | ||
経口避妊薬 | +++ |
治療方針の原則 | カテゴリー | 脂質管理目標値(mg/dL) | |||||
リスク群 | LDL-C以外の主要危険因子 | LDL-C | HDL-C | TG | |||
一次予防 | まず生活習慣の改善を 行った後、薬物治療の 適応を考慮する | I | 低リスク群 | 0 | <160 | ≧40 | <150 |
II | 中リスク群 | 1~2 | <140 | ||||
III | 高リスク群 | 3以上 | <120 | ||||
二次予防 | 生活習慣の改善とともに 薬物治療を考慮する | 冠動脈疾患の既往 | <100 |
微小変化型ネフローゼ症候群 | 42% |
膜性腎症 | 25% |
びまん性増殖性糸球体腎炎 | 17% |
巣状増殖性糸球体腎炎 | 12% |
膜性増殖性糸球体腎炎 | 5% |
ネフローゼの場合血中のタンパクはどんどん尿に漏出していく。そのためアルブミン、γグロブリンは割合が低下している。α2分画にはα2マクログロブリンが存在する。これは分子量が77万から82万という大きな分子であるので、ネフローゼで糸球体のサイズバリアが崩壊しているとしても尿中に排出されず残るため、相対的にα2分画が高くなる。
赤沈は第1相で赤血球同士が連銭形成し、第2相で沈んでいき、第3相では沈んできた赤血球の密度が上昇して沈降速度が鈍ってくる。赤沈が亢進するには、凝集が促進されるか、沈降の抵抗が少ないかである。赤血球の膜は負に帯電しており、正に帯電しているフィブリノゲン、γグロブリンが増加すると負の電荷同士で集まり合い凝集が促進される。逆に負に帯電しているアルブミンの量が減少すると、負同士の反発が軽減し凝集が容易になる。また貧血であると第3相で密度が低くなり沈降が早くなる。以上より、ネフローゼの場合アルブミンが尿中に排泄され血清アルブミンの濃度が低下、また、β分画のフィブリノゲンが上昇しているため赤沈は亢進する。
Lipoprotein | Source | Diameter (nm) |
Density (g/mL) |
Composition | Main Lipid Components |
Apolipoproteins | |
Protein | Lipid | ||||||
(%) | (%) | ||||||
Chylomicrons | Intestine | 90~100 | < 0.95 | 1~2 | 98.99 | Triacylglycerol | A-I, A-II, A-IV,1 B-48, C-I, C-II, C-III, E |
Chylomicron remnants | Chylomicrons | 45~150 | < 1.006 | 6~8 | 92.94 | Triacylglycerol, phospholipids, cholesterol | B-48, E |
VLDL | Liver (intestine) | 30~90 | 0.95~1.006 | 7~10 | 90~93 | Triacylglycerol | B-100, C-I, C-II, C-III |
IDL | VLDL | 25~35 | 1.006~1.019 | 11 | 89 | Triacylglycerol, cholesterol | B-100, E |
LDL | VLDL | 20~25 | 1.019~1.063 | 21 | 79 | Cholesterol | B-100 |
HDL1 | Liver, intestine, VLDL, chylomicrons | 20~25 | 1.019.1.063 | 32 | 68 | Phospholipids, cholesterol | A-I, A-II, A-IV, C-I, C-II, C-III, D,2 E |
HDL2 | 10~20 | 1.063~1.125 | 33 | 67 | |||
HDL3 | 5~10 | 1.125~1.210 | 57 | 43 | |||
Preβ-HDL3 | < 5 | > 1.210 | A-I | ||||
Albumin/free fatty | Adipose acids tissue | > 1.281 | 99 | 1 | Free fatty acids |
分画 | 蛋白質 | 分子量 |
プレアルブミン | トランスサイレチン | 55 kDa |
アルブミン | アルブミン | 66.5 kDa |
α1 | α1-酸性糖タンパク | 40 kDa |
α1-アンチトリプシン | 54 kDa | |
α1-リポ蛋白 | 13-36x10^4 kDa | |
Gc-グロブリン | 54 kDa | |
α1-α2 | セルロプラスミン | 132 kDa |
α2 | α2-マクログロブリン | 725 kDa |
ハプトグロビン | 100-400kDa | |
pre βリポ蛋白(VLDL) | 19.6x10^6 kDa | |
β | βリポ蛋白(LDL) | 2-3x10^6 kDa |
トランスフェリン | 79.6 kDa | |
ヘモペキシン | 57 kDa | |
C3 | 180 kDa | |
C4 | 210 kDa | |
β~γ | フィブリノゲン | 334 kDa |
γ | IgG | 160 kDa |
IgA | 160 kDa | |
SIgA(2IgA+SC+J) | 385 kDa | |
IgM | 971 kDa | |
CRP | ~120kDa |
泳動の方向 | 分画 | 出典不明 | 2007年後期血液 | 覚えやすく | |
+ | アルブミン | 60.5-73.2% | 4.9- 5.1 g/dL | 60-70% | 65% |
↑ | α1グロブリン | 1.7-2.9% | 0.11-0.23 g/dL | 2-3% | 2.5% |
↑ | α2グロブリン | 5.3-8.8% | 0.38-0.73 g/dL | 5-10% | 7.5% |
↑ | βグロブリン | 6.4-10.4% | 0.58-0.62 g/dL | 7-12% | 10% |
- | γグロブリン | 11-21.1% | 1.15-1.25 g/dL | 10-20% | 15% |
.