- 9歳の男児。今朝からの眼瞼浮腫と血尿とを主訴に来院した。2週前に扁桃炎で治療を受けた。体温36.5℃。脈拍96/分、整。血圧180/102mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。脛骨前面を指で圧迫すると圧痕が残る。尿所見:蛋白2+、糖(-)、沈渣に赤血球多数/1視野、白血球4~6/1視野、赤血球円柱3~5/1視野を認める。血清生化学所見:総蛋白6.4g/dl。アルブミン3.8g/dl、尿素窒素44mg/dl、クレアチニン2.3mg/dl、総コレステロール160mg/dl。免疫学所見:ASO128単位(基準250以下)、CH50 12U/ml(基準25~35)。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A034]←[国試_101]→[101A036]
★リンクテーブル★
[★]
- 32歳の男性。頸部と鼠径部との腫瘤を主訴に来院した。1か月前に歩行中、右鼠径部の違和感を覚え腫瘤に気付いたが痛みはなかった。その後、髭を剃っている時に偶然右頸部の腫れに気付いた。喫煙30本/日を12年間。体温37.6℃。脈拍76/分、整。血圧122/76mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。体表リンパ節は表面平滑、弾性硬で、右頸部に径2cmを3個、右鎖骨上窩に径3cmを1個、左頸部に径1.5cmを2個、右腋窩に径1.5cmを2個、右鼠径部に径2.5cmを1個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。左肋骨弓下に脾を3cm触知し、臍下正中部に径5cmの腫瘤を触知する。血液所見:赤血球460万、Hb14.2g/dl、Ht42%、白血球6,700、血小板18万。血清生化学所見:総蛋白6.3g/dl。アルブミン4.2g/dl、尿素窒素20mg/dl、クレアチニン1.3mg/dl。総コレステロール156mg/dl、総ビリルビン1.0mg/dl、AST42IU/l、ALT30IU/l、LDH875IU/l(基準176~353)。免疫学所見:CRP4.2mg/dl、可溶性IL-2受容体2,300U/ml(基準550以下)。右頸部リンパ節生検H-E染色標本を以下に示す。
- 治療開始後に注意すべきことはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A033]←[国試_101]→[101A035]
[★]
- 54歳の男性。蛋白尿の精査加療を目的に来院した。13年前に糖尿病と診断され、食事指導を受けたことがある。4か月前の健康診断で尿糖と尿蛋白とを指摘された。身長165cm、体重67kg。脈拍72/分、整。血圧140/90mmHg。尿所見:蛋白1+、糖(±)、沈渣に異常はない。血清生化学所見:空腹時血糖130mg/dl、HbA1c7.5%(基準4.3~5.8)、尿素窒素20mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl。
- 血糖コントロールに加えて行う治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A035]←[国試_101]→[101A037]
[★]
- 英
- poststreptococcal acute glomerulonephritis PSAGN
- 同
- 急性溶連菌性糸球体腎炎 acute poststreptococcal glomerulonephritis
- 連鎖球菌感染後糸球体腎炎 poststreptococcal glomerulonephritis poststrepococcal GN, post-streptococcal glomerulonephritis
- 猩紅熱腎炎 scarlatinal nephritis
- 関
- 非溶連菌性感染後急性糸球体腎炎、急性糸球体腎炎、糸球体腎炎。IgA腎症
[show details]
- first aid step1 2006 p.385(Glomerular pathology)
概念
- A群β溶血性連鎖球菌感染症後に1-2週間して発症するnephritic syndrome
疫学
病因
- A群β溶血性連鎖球菌感染後(上気道炎、皮膚膿痂疹)に続発
- 潜伏期:1-2週間 ← IgA腎症との鑑別点
病態
- 溶連菌成分を抗原とする抗体が産生されて免疫複合体が形成され、この免疫複合体が糸球体基底膜に沈着し(上皮側)、III型アレルギーの機序により補体活性化、多形白血球浸潤、ケミカルメディエーターの放出が起こる。
病理
- 糸球体の腫大、富核、白血球の浸潤 ← 白血球の浸潤と糸球体内の細胞の増殖による
- 蛍光抗体法:係蹄壁へのC3の顆粒状沈着
- 電顕:上皮細胞下沈着物(ハンプ) → subepithelial humps on EM
- typical electron-dense subepithelial(足細胞と基底膜の間) "hump" and intramembranous deposites.
症状
検査
- 糸球体係蹄壁への顆粒状C3の沈着、IgGの沈着は50-60%の例に認められる。
合併症
治療
- 急性期:安静、食事療法(水分制限、塩分制限、蛋白制限)
予後
- 良好。90%以上が1-3ヶ月で治癒。一部急性期に死亡/慢性腎不全への移行(SPE.596)
USMLE
参考
- 1. [charged] poststreptococcal-glomerulonephritis - uptodate [1]
国試