チアジド系利尿薬
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利尿薬(りにょうやく、英: diuretic)は、尿量を増加させる作用を持つ薬物の総称である。
尿は水分や電解質を体外へ排出する最も効果的な手段である。尿は腎臓でつくられるが、腎臓は体内の状況に応じて尿の量や濃度を調節し、全身の体液を一定に保つよう制御している。利尿薬は、この調節機構が適切にはたらかない病態などにおいて、水分を体外に排出するために用いられる。腎臓の項も参照のこと。
目次
- 1 浸透圧利尿薬
- 2 ループ利尿薬
- 3 サイアザイド系利尿薬
- 4 K保持性利尿薬
- 5 その他の利尿薬
- 6 副作用
- 7 関連項目
- 8 参照・脚注
浸透圧利尿薬
浸透圧利尿薬は糸球体で濾過されると再吸収されないため、尿細管内の浸透圧が上昇し、水の再吸収が抑制される。脳圧亢進時などに用いられる。
ループ利尿薬
ヘンレのループにおいてNaとClの再吸収を阻害する。腎機能に悪影響を与えないため、利尿薬の第一選択として使用される。また心不全、高血圧治療薬としても使用される。
- フロセミド(ラシックス®,オイテンシン®, 後発品あり)
- トラセミド (ルプラック®)
- アゾセミド(ダイアート®、長時間作用型)
- ピレタニド(アレリックス®、作用時間はフロセミドに近い)
サイアザイド系利尿薬
遠位尿細管においてNaとClの再吸収を阻害する。降圧剤としても使用される。大規模臨床試験では他剤と遜色ない結果を得ており、現在も高血圧治療薬の代表的なもの。[1]
- ヒドロクロロサイアザイド(HCTZ,ダイクロトライド®)
- トリクロルメチアジド(フルイトラン®)
- インダパミド(ナトリックス®)
- クロルタリドン(ハイグロトン®)
K保持性利尿薬
抗アルドステロン薬とも。遠位尿細管においてアルドステロン(抗利尿ホルモン)に拮抗し、Naの再吸収を阻害する一方、Kの尿中排泄を抑制する。ループ利尿薬等と合わせて、肝硬変、うっ血性心不全などに対して使用される。またセララ®は高血圧に対してしか日本では適応症はない。
- トリアムテレン(トリテレン®)
- スピロノラクトン(アルダクトンA®)
- カンレノ酸カリウム(ソルダクトン®注)
- エプレレノン(セララ®錠)
その他の利尿薬
- アセタゾラミド(ダイアモックス)は、緑内障やメニエール病に対して使用される。
- 塩酸ドパミン(イノバン)は、腎血流量を増やして間接的に利尿作用を示す。
- アミノフィリン(ネオフィリン)や強心薬も利尿作用を示す。
- カルペリチド(ハンプ)は心房性Na利尿ペプチド(ANP)と呼ばれ、重症心不全時の利尿薬として使用される。
- トルバプタンは、世界初のバソプレシンV2-受容体拮抗剤。大塚製薬より「サムスカ®錠 15mg」として2010年12月14日上市された。
副作用
- アロプリノール(ザイロリック®)を服用するのではなく、利尿薬減量のうえ、ロサルタンやシルニジピン併用とするとよい。[2][3]
- ボクシング等の階級制の競技において、体重調整の最後の手段として利尿剤が使用されることがあるが、ドーピング検査においても利尿剤は禁止薬物として指定されていることが多い。副作用も大きく、治療以外の目的で利尿剤を使用することは危険も伴うため、絶対にさけるべきである。
関連項目
参照・脚注
- ^ 木村玄次郎(2006), 高血圧治療と利尿薬, 呼吸と循環, 54(1):71-80.
- ^ シルニジピンの糖尿病合併高血圧症例に関する特定使用成績調査結果 永濱 忍,他:診療と新薬 2009;46:473-491
- ^ N型カルシウム拮抗薬シルニジピンの筋原性高尿酸血症抑制作用 浜田紀宏,他:診療と新薬 2006;43:382-386
薬理学:医薬品の分類 |
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消化器/代謝(A) |
胃酸中和剤(制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬) • 制吐薬 • 瀉下薬 • 止瀉薬/止痢薬 • 抗肥満薬 • 血糖降下薬 • ビタミン • ミネラル
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血液、血液生成器官(B) |
抗血栓薬(抗血小板剤、抗凝固薬、血栓溶解薬) • 抗出血(血小板、凝固・線溶系、抗線維素溶解性)
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循環器系(C) |
心臓療法/狭心症治療薬(強心配糖体、抗不整脈薬、強心剤) • 高血圧治療薬 • 利尿薬 • 血管拡張薬 • 交感神経β受容体遮断薬 • カルシウム拮抗剤 • レニン-アンジオテンシン系(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) • 脂質降下薬(スタチン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)
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皮膚(D) |
皮膚軟化剤 • 瘢痕形成剤 • 鎮痒薬 • 乾癬治療薬 • 他の皮膚薬
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泌尿生殖器系(G) |
ホルモン避妊薬 • 排卵誘発治療 • SERM • 性ホルモン
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内分泌器(H) |
視床下部脳下垂体ホルモン • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、ミネラルコルチコイド) • 性ホルモン • 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
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感染(J、P、QI) |
抗菌薬 (抗生物質) • 抗真菌薬 • 抗ウイルス薬 • 抗寄生虫薬(抗原虫薬、駆虫薬) • 外部寄生虫駆除剤 • 静注用免疫グロブリン • ワクチン
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悪性腫瘍(L01-L02) |
抗がん剤(代謝拮抗薬、抗腫瘍性アルキル化薬、紡錘体毒、抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼ阻害薬)
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免疫系(L03-L04) |
免疫調節薬(免疫賦活薬、免疫抑制剤)
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筋肉、骨、関節(M) |
アナボリックステロイド • 抗炎症薬(NSAIDs) • 抗リウマチ • 副腎皮質ホルモン • 筋弛緩剤 • ビスホスホネート
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脳、神経(N) |
鎮痛剤 • 麻酔剤(一般、局所・静脈) • 食欲低下薬 • ADHD治療 • 中毒医学 • 抗てんかん薬 • アルツハイマー治療 • 抗うつ薬 • 片頭痛治療 • 抗パーキンソン病薬 • 抗精神病薬 • 抗不安薬 • 抑制剤 • エンタクトゲン • エンセオジェン • 陶酔薬 • 幻覚剤(サイケデリック、解離性麻酔薬、デリリアント) • 催眠薬/鎮静薬 • 気分安定薬 • 神経保護 • スマートドラッグ • 神経毒 • 食欲促進 • セレニック • 精神刺激薬 • 覚醒促進物質
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呼吸器(R) |
鬱血除去薬 • 気管支拡張薬 • 鎮咳去痰薬 • 抗ヒスタミン薬
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感覚器(S) |
眼科学 • 耳科学
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その他ATC(V) |
解毒剤 • 造影剤 • 放射性薬理学 • 湿潤療法
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心血管疾患 |
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疾患 |
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心疾患
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洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
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心室細動 | 心室頻拍
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心内膜・心筋
・心膜疾患
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心臓腫瘍(en) | 心臓性喘息 | 肺性心
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大動脈瘤(胸部・腹部(en)・胸腹部) | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群
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静脈
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全 | 両心不全(en)
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血圧異常
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高血圧
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本態性高血圧症(en) | 二次性高血圧(en) | 高血圧性緊急症(en)
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心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓MRI | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査 | 脈波伝播速度検査
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈バイパス術(CABG)
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CABG | off-pump CAB(OPCAB) | MIDCAB(en) | TECAB(en)
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弁膜症手術
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弁置換術(en) | 弁形成術(en) | 弁輪形成術 | 交連切開術(en)
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小児心臓外科
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動脈管結紮術 | BTシャント | 肺動脈絞扼術(en) | ノーウッド手術 | グレン手術 | フォンタン手術 | ジャテン手術 | ラステリ手術 | ロス手術
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心不全外科
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心移植術 | 補助人工心臓装着術 | 左室形成術(Dor・SAVE・Overlapping)
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不整脈外科
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メイズ手術(en) | ペースメーカー | 植え込み型除細動器
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大動脈手術
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大動脈人工血管置換術 | 大動脈基部置換術 (Bentall, David) | ステントグラフト内挿術(en)
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末梢血管手術
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末梢動脈血行再建術 | 末梢静脈血行再建術 | 静脈抜去術(en) | 静脈血栓摘除術(en) | 内シャント作成術 | 肢切断
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内科的治療
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循環作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬(en)
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 | PDEⅢ阻害薬
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬(en)) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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血管内治療
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経皮的冠動脈形成術
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循環器系の正常構造・生理 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 糖尿病を合併した高血圧患者における降圧薬の選択-当施設における過去13年間の降圧薬処方の推移からみた考察
- 石井 晶子,馬場園 哲也,麦島 通乃,吉田 直史,東谷 紀和子,入村 泉,林 俊秀,坊内 良太郎,花井 豪,田中 伸枝,岩本 安彦
- 東京女子医科大学雑誌 81(E2), E105-E110, 2011-03-31
- … 対する降圧薬の選択に関し、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬およびアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を第一選択とし、降圧が不十分な場合の第二選択薬として、カルシウム(Ca)拮抗薬と少量のサイアザイド系利尿薬を併用することとされている.,1997年から2009年までの13年間の、当科外来通院中の糖尿病患者における降圧薬処方数の推移について検討した.従来Ca拮抗薬が処方降圧薬のなかで第1位を占めていたが、 …
- NAID 110008441453
- 利尿薬 (特集 エキスパートが教える研修医のための薬の使いかた)
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- 利尿薬. チアジド系利尿薬(サイアザイド系利尿薬). 遠位尿細管において、Na( ナトリウム)、Clの再吸収を抑制して利尿効果を示す; 利尿効果は弱い; 降圧利用薬 として高血圧症に使われる. トリクロルメチアジド(フルイトラン); ヒドロクロロチアジド( ダイクロトライ ...
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★リンクテーブル★
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- 72歳の男性。6か月前からの頻尿を主訴に来院した。1日に何度もトイレに行きたくなることがあるが、咳やくしゃみをしたときに尿が漏れることはない。1か月前から排尿時の違和感を感じるようになり、軽快しないため受診した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白 (-)、糖 (-)、潜血 1+、沈渣は赤血球 5~9/HPF、白血球 5~9/HPF。血液所見:赤血球 442万、Hb 14.0g/dL、Ht 40%、白血球 7,400、血小板 24万。血液生化学所見:総蛋白 6.9g/dL、アルブミン 4.3g/dL、総ビリルビン 1.2mg/dL、AST 21U/L、ALT 15U/L、尿素窒素 22mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、尿酸 8.6mg/dL、血糖 94mg/dL、総コレステロール 192mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 106mEq/L。腹部超音波検査で水腎症を認めない。腹部エックス線写真(別冊 No.20A)及び腹部単純CT(別冊No.20B)を別に示す。砕石術を行ったところ、赤レンガ色の結石を排出した。
- 再発予防に有効な薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D049]←[国試_113]→[113D051]
[★]
- 62歳の男性。今年の健康診断で高血糖を指摘され来院した。 10年前から健康診断で毎年、高血糖と高血圧とを指摘されていたが受診しなかった。喫煙は 15本/日を40年間。身長 168 cm、体重 70 kg、腹囲 88 cm。脈拍 80/分、整。血圧 188/96 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。アキレス腱反射は両側で消失している。尿所見:蛋白 2+、糖 4+、ケトン体 (-)。血液生化学所見:アルブミン 3.8 g/dl、AST 36 IU/l、ALT 45 IU/l、尿素窒素 16 mg/dl、クレアチニン 0.8 mg/dl、尿酸 8.3 mg/dl、空腹時血糖 212 mg/dl、HbA1c(NGSP)9.8% (基準 4.6~6.2)、トリグリセリド 170 mg/dl、LDLコレステロール 139 mg/dl、Na 139 mEq/l、K 4.8mEq/l、Cl 104 mEq/l。眼底検査で単純網膜症を認める。摂取エネルギーと塩分とを制限する食事療法と運動療法とを開始した。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A053]←[国試_108]→[108A055]
[★]
- 34歳の男性。糖尿病の精査目的に来院した。18歳時の健康診断で尿糖陽性を指摘されたがそのままにしていた。視力低下のため昨日、眼科を受診し増殖前糖尿病網膜症と診断され、紹介されて受診した。父親が糖尿病である。身長 167cm、体重 86kg。脈拍 88/分、整。血圧 182/96mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、血管雑音を聴取しない。下腿に軽度の浮腫を認める。尿所見:蛋白1+、糖2+、潜血(-)、アルブミン排泄量 350mg/gCr(基準 30未満)。血液生化学所見:アルブミン 3.9g/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、空腹時血糖 165mg/dL、HbA1c 8.9%(基準 4.6~6.2)、HDLコレステロール 35mg/dL、LDLコレステロール 145mg/dL、トリグリセリド 230mg/dL、Na 145mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 109mEq/L。
- 食事療法とともに開始すべき内科的治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D045]←[国試_109]→[109D047]
[★]
- 78歳の男性。 3週前からの頭重感を主訴に来院した。生活は自立している。最近5年は健康診断を受けていない。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒は日本酒 1合/日を 55年間。身長 165 cm、体重 60 kg。脈拍 72/分、整。血圧184/112 mmHg、左右差なし。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部と背部とに血管雑音を聴取しない。下腿に浮腫を認めない。尿所見と血液生化学所見とに異常を認めない。心電図で左室肥大所見を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比は 62%である。
- 正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108G054]←[国試_108]→[108G056]
[★]
- 42歳の女性。多尿と易疲労感とを主訴に来院した。1年前の離婚を契機に、頻回に飲水を行うようになった。夜間の排尿は1回軽度、日中は30分から1時間ごとである。意識は清明。身長165cm、体重46kg。脈拍64/分、整。血圧96/62mmHg。胸部と腹部とに異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。尿浸透圧検査:来院時 120mOsm/kgH20、水制限試験後 650mOsm/kgH20、バソプレシン5単位皮下注射後 680mOsm/kgH20。
- 治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D033]←[国試_104]→[104D035]
[★]
- 70歳の男性。全身倦怠感と食欲不振とのため入院した。6か月前から肺癌のために化学療法を受けていた。意識は清明で、身体所見に異常はない。尿所見:比重1.014、浸透圧600 mOsmll(基準50~1,300)、蛋白(-)、糖(-)。血清生化学所見:尿素窒素10mg/dl、クレアチニン0.6 mg/dl、尿酸1.1 mg/dl、Na 120mEq/l、K 4.0mEq/l、Cl 87mEq/l、浸透圧249 mosmll(基準275~288)。この患者で行うべき処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G035]←[国試_095]→[095G037]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107D012]←[国試_107]→[107D014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B010]←[国試_103]→[103B012]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108I036]←[国試_108]→[108I038]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [113A012]←[国試_113]→[113A014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102G023]←[国試_102]→[102G025]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104C012]←[国試_104]→[104C014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B059]←[国試_100]→[100B061]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112A002]←[国試_112]→[112A004]
[★]
[★]
[★]
- 英
- hypercalcemia
- 同
- 高Ca血症
- 関
- カルシウム、低カルシウム血症
- 研修医当直御法度 症例帳 p.32
- 組織へのカルシウム蓄積を引き起こしうる (BPT.27)
病因
- 肉芽の構成成分であるマクロファージがビタミンD3を産生?
-
- チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
- チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → ループ利尿薬と違ってチアジド系利尿薬ははCaを排泄しない!! see.利尿薬
- 5. 家族性低Ca尿性高Ca血症
- 6. その他(リチウム???? (ICU.558))
- ECGP.223
USMLEより
- Caused by calcium ingestion (milk-alkali syndrome), hyperparathyroid, hyperthyroid, iatrogenic (thiazides), multiple myeloma, Paget's disease, Addison's disease, Neoplasms, Zollinger-Ellison syndrome, Excess vitamin D, Excess vitamin A, sarcoidosis.
- Calcium ingestion
- Hyperparathyroid/Hyperthyroid
- Iatrogenic
- Multiplemyeloma
- Paget's disease
- Addison's disease
- Neoplasms
- Zollinger-Ellison syndrome: ZES単独ではなく、MEN Iによるparathyroid tumorに続発した病態
- Excessive vitamin D
- Excessive vitamin A
- Sarcoidosis
定義
- 疑い:常に≧10.3 mg/dl
- 確実:≧10.5 mg/dl
↑
基準値
- 血清総Ca 8.6-10.1 mg/dl(臨床検査法提要第32版)
- 血清Caイオン 1.15-1.30 mmmol/l(臨床検査法提要第32版), 4.6-5.1 mg/dl
症候
- 軽度(11-11.5 mg/dL):通常は無症状。(HIM.285)
- 重度(>12-13 mg/dL):傾眠、昏迷、昏睡、消化器症状が出現。(HIM.285)
- 精神・神経症状:錯乱、昏迷、昏睡。イライラ感、うつ傾向(QB.D-339)
- 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐、便秘。膵炎、消化性潰瘍。腹部膨満(腸管運動抑制による(QB.D-339))
- 消化性潰瘍:高カルシウム血症は胃酸分泌を促進する
- 急性膵炎:高カルシウム血症は膵液の分泌を亢進する。(YN.B-78) ← 過剰に出ちゃうと炎症が起こってしまうらしい
- 泌尿器:多尿、腎結石(血清Ca 12mg/dLでできやすくなるらしい) ← 多尿は浸透圧利尿による(ICU.558)
-
- 腎不全は一般的に低カルシウム血症となるが、高カルシウム血症に起因する腎不全は例外。
- →高カルシウム血症性腎症 hypercalcemic nephropathy
- 腎の石灰化→髄質に蓄積→尿細管圧迫→尿濃縮力障害 ← 続発性尿崩症の原因???
- 高カルシウム血症は腎の濃縮力を低下させる(HIM.286) ← 腎集合管におけるADHの作用を阻害(QB.D-339)
- 心血管:血管収縮による高血圧(出典不明!!)。徐脈、房室ブロック、QT短縮(HIM.284)。 ← YN.D-147には血圧上昇、ICU.558には低血圧とある。
- 筋 :筋力低下、筋痛
- 全身:易疲労感
- 異所性石灰化 red eye 強膜にカルシウムが沈着
- 多尿による脱水、高血圧、徐脈
心電図
- EAB.114 SP.94,524
- QT短縮、ST短縮 ← 活動電位持続時間が短縮したことを示す。QRS幅については延長する場合もある(EAB.114)
- ↑細胞外カルシウム濃度→↑内向きカルシウム電流(↑流入速度)→さらに脱分極するように思えるが↑外向きカリウム電流により打ち消される→正味、カルシウムの移動が無くなるまでの時間が早まる→↓活動電位持続時間
- 高カルシウム血症→QT短縮: ←高カリウム血症
- 低カルシウム血症→QT延長: ←低カリウム血症 低マグネシウム血症
治療
- 症状が出たときか、症状無く血清Ca 14mg/dL以上の場合(ICU.558)
- 1. 細胞外液の補充
- 2. ナトリウム利尿によるカルシウム排泄の促進
血液透析
高カルシウム血症の鑑別
尿中のCa排泄 PTH PTHrP 1,25(OH)2D3
原発性甲状腺機能亢進症 ↑ ↑ ↓ → or ↑
腫瘍のPTH関連蛋白分泌 ↑ ↓ ↑ ↓
腫瘍の骨破壊 ↑ ↓ ↓ ↓
肉芽腫症 ↓ ↓ ↓ → or ↑
参考
国試
[★]
- 英
- thiazide diuretic, benzothiazide diuretic
- 同
- サイアザイド系利尿薬
- 関
- 利尿薬、利尿薬の作用部位、sodium-chloride symporter inhibitor。ギテルマン症候群
特徴
- 安価である
- 有効率が高い
- 遠位尿細管前半部に作用するらしい
- Na+とCl-の共輸送体(NCCT)を阻害→Na+,Cl- の再吸収を阻害する
排泄される電解質の変化
- Na↑、K↑、H↑、Ca↓、Mg↑、Cl↑、HCO3↑、H2PO4↑
-
- チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
- チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → つまり管腔側から受動的に引き込まれるということ。
- ループ利尿薬と同様の機序による (GOO.755)
チアジド系利尿薬
効能・効果
禁忌
- 無尿(効果なし)
- 急性腎不全(腎機能悪化):緻密斑より下流にチアジド系利尿薬の作用部位があるため、GFRを増加させたい場合にフィードバックがかかりにくいため?(緻密斑は適正量のNaが排泄されていると検出し、GFRを低下させても、下流では想定より多くのNaを喪失し、hypovolemicになる?)
- 電解質異常
副作用
- 長期間の使用における副作用:低カリウム血症、高尿酸血症、高脂血症、耐糖能低下、光線過敏症、脂質代謝障害。高カルシウム血症(YN.C-62) → (利尿薬参照。ループ利尿薬との違いはカルシウムを排泄するかどうか)
低カリウム血症
- GOO.756
- カリウムは抗高血圧作用があるので、チアジド系利尿薬の利尿作用を打ち消してしまう。
耐糖能の低下
- GOO.756
- 低カリウム血症の関与が示唆されている。K+をチアジド系利尿薬と共に投与すると高血糖が改善されるから。
歴史
- 第二次世界大戦中、衛生状態の悪い兵士の間でシラミを介したバルトネラ属の感染症(塹壕熱、病原体はBartonella quintana)が流行していたが、この治療にサルファ剤が用いられていた。このサルファ剤が有する利尿作用に中臆して開発されたのがチアジド系利尿薬である。1957年にクロロチアジド、1959年に10倍の利尿作用を有するヒドロクロロチアジドが開発された。いずれも光線過敏症が副作用として知られている。日本では光線過敏症がより少ないと言われているトリクロルメチアジド(フルイトラン)がもっぱら用いられている。チアジド系利尿薬は日本では光線性白斑黒皮症と知られており、色素沈着と白斑を伴う。
- 参考:チアジド系利尿剤の副作用の歴史 日本医史学雑誌第58巻第2号(2012)p156
[★]
- 英
- insulin preparation
- 関
- インスリン、糖尿病、薬理学
- ヒトインスリン製剤
- 超速効型インスリン:Lys(B28)Pro(B29)インスリン
- 水溶性保持型インスリン
適応
- 食事療法・運動療法や経口血糖降下薬でコントロール不良の場合
- 経口血糖降下薬の使用禁忌
- 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡・前昏睡、重篤な肝障害・腎障害、重症感染症、手術前後、重篤な外傷、下痢・嘔吐などの胃腸障害、薬物過敏、妊婦または妊娠の可能性
- そのた:血管障害、慢性膵炎の合併。ステロイド使用例
注意
副作用
- 経口摂取可能かつ意識があれば、砂糖15g-20g or グルコース10g摂取。 ← 20gのブドウ糖相当の食品を摂取せよという記載もあり
- 無意識の場合は、グルコースの静注50%(20-50ml)。
- 注射部位の発赤・蕁麻疹
- インスリン注射部位の脂肪組織の萎縮→注射部位・インスリン製剤の変更
- 動物インスリンを使った場合に特に見られる。
- インスリンの腎尿細管への作用。Na+-K+ ATPase活性化。
- 塩分制限をする
薬物相互作用
- *タンパク同化ステロイド
参考
- http://www.nichiyaku.or.jp/anzen/wp-content/uploads/2011/05/insulin_h23_s3.pdf
- http://byoukigard.water-ice.info/article/51941745.html
[★]
- 英
- high density lipoprotein cholesterol, HDL cholesterol, HDL-C, high density lipoprotein-cholesterol
- 同
- 高密度リポ蛋白質コレステロール, 高比重リポタンパクコレステロール
- 関
- コレステロール
増減させるファクター
- 増加:運動、減量、禁煙
- 減少:運動不足、肥満、禁煙
OLM.193
低下
- 虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)
- メタボリックシンドローム
- 糖尿病
- 肝障害(急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝など)
- 甲状腺機能亢進症
- 肥満
- 薬剤性(サイアザイド系利尿薬、アンドロゲン、抗脂血症薬)
- Tangier病
- アポA-I欠損症
- アポA-I異常症
- 魚眼病
- 家族性低HDL血漿
- 家族性LCAT欠損症
- 家族性LPL欠損症
上昇
上昇
基準値
- M:37-67 mg/dl (LAB)
- F:40-71 mg/dl (LAB)
[★]
- 英
- hypertriglyceridemia
- 関
- 高トリグリセリド血症、高トリグリセライド血症。脂質異常症
[show details]
重症度
- 正常 :150mg/dl以下
- 境界型 :150-199mg/dl
- 高値 :200-499mg/dl
- 非常に高値:500mg/dl
原因
臨床的意義
- 500md/dl以下の場合は非薬物療法(食事療法、接酒、減量、有酸素運動)
- 500mg/dl以上の場合、フィブラート系薬剤の治療適応
- 1000mg/dlを超えると膵炎のリスクがある。
治療薬
[★]
- 英
- diuretic, diuretics
- 関
- 尿細管
適応
利尿薬の種類 (GOO.744)
利尿薬の例
-
利尿薬の作用部位
- ホルモンと利尿薬の作用部位についての簡単なまとめは→尿細管
参照
- http://hobab.fc2web.com/sub4-Diuretics.htm
[★]
- 英
- thiazide
- 関
- サイアザイド系、サイアザイド系化合物、チアジド、チアジド系、チアジド系化合物、チアジド系利尿薬、サイアザイド系利尿薬、サイアザイド系利尿降圧剤、チアジド系薬剤、チアジド系利尿降圧剤、チアジド系利尿剤
[★]
- 英
- drug, agent
- 同
- 薬物
- 関
- 作用薬、剤、ドラッグ、媒介物、病原体、麻薬、薬剤、薬物、代理人、薬品
[★]
- 英
- diuresis
- 関
- 多尿、利尿剤、利尿薬