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胃

英
stomach (Z)
ラ
gaster, ventriculus
関
消化器系#上皮の移行
  • 図:KL.346(動脈)

解剖

  • 胃は以下の間膜によって連結されている。
    • 横隔膜の下面との間は胃横隔間膜
    • 脾臓との間は胃脾間膜

胃の位置

  • 噴門口:第7肋軟骨の胸骨付着部より約2cm左(T11の高さ) (KL.342)
  • 胃底:胃底の上端は左第5肋骨の高さ (KL.342)
  • 幽門:L1の高さ (KL.342)

胃の動脈

  • 左胃動脈
  • 右胃動脈
  • 短胃動脈
  • 左胃大網動脈
  • 右胃大網動脈


生理

胃腺の分布

2007年後期生理学授業プリント

腺 粘膜上皮細胞 主細胞 壁細胞 副細胞
(頚粘液細胞)
腸クロム親和様細胞 D細胞 G細胞
噴門腺       ○      
固有胃腺 ○ ○ ○ ○ ○ ○  
幽門腺       ○     ○

HIS

部位 腺 胃小窩 胃表面上皮細胞 主細胞 頚粘液細胞
(副細胞)
壁細胞 幹細胞 内分泌細胞
噴門部 噴門腺 浅い ○   ○ ○ ○ ○
胃体部 固有胃腺 中間 ○ ○ ○ ○ ○ ○
幽門部 幽門腺 深い ○   ○ ○ ○ ○

胃腺の移動

  • 胃底腺と幽門腺の境界は移動する。
  • 年齢に伴って上昇する?らしく、これにともない胃酸の分泌が低下する。

胃液のホルモンによる分泌調節

消化管ホルモン 分泌細胞 分泌調節(+) 分泌調節(-) 作用
ヒスタミン 腸クロム親和様細胞 アセチルコリン
ガストリン
  胃酸分泌
ソマトスタチン D細胞     胃酸分泌抑制
ガストリン G細胞   胃pH低下 胃酸分泌

生理

神経支配

  • 内在神経系
  • 1.粘膜下神経叢
  • 2.筋層間神経叢
  • 外来神経系
  • 1.交感神経系
T6,7の側柱→大内臓神経(節前線維)→腹腔神経叢(節後線維)→内在神経叢内でシナプス前抑制、一部直接作用
  • 2.副交感神経系
迷走神経(節前線維)→内在神経系(アセチルコリン作動性ニューロン(興奮性)、VIP,NO作動性ニューロン(抑制性))

役割

  • 1. タンパク質の消化
  • 2. 食物の貯蔵
  • 3. 殺菌

機能

  • 1. 食物貯蔵
受け入れ弛緩(胃近位部弛緩)
  • 2. 食物混和
蠕動運動、逆移送
  • 3. 糜粥排出

受け入れ弛緩

  • 迷走神経反射。胃近位部伸展受容器→迷走神経→脳幹→迷走神経

臨床関連

  • 慢性胃炎
  • 急性胃炎
  • 胃ポリープ
  • 胃潰瘍
  • 胃癌
  • 胃切除後症候群


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/29 13:15:22」(JST)

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胃
胃の解剖
1:食道 2:ヒス角 3:噴門 4:胃角 5:幽門 6:十二指腸 A:胃底部 B:胃体部 C:前庭部 X:小彎 Y:大彎
外部リンク
グレイの解剖学 p.1163
MeSH A03.556.875.875
ドーランド
/エルゼビア
f_17/12380862
TA A05.5.01.001
FMA FMA:7148
解剖学用語(英語版)
1. 食道 2. 胃 3. 十二指腸 4. 小腸 5. 盲腸 6. 虫垂 7. 大腸 8. 直腸 9. 肛門

胃(い、英: stomach:スタマック、独: Magen:マーゲン)は、消化器を構成する器官。

目次

  • 1 ヒトの胃
    • 1.1 位置
    • 1.2 構造
      • 1.2.1 粘膜の微細構造と胃腺
    • 1.3 機能
      • 1.3.1 胃と胃液
    • 1.4 胃の疾患
  • 2 動物の胃
  • 3 脚注
  • 4 参考文献
  • 5 関連項目

ヒトの胃

位置

  • 消化管の中で、食道の次に続き、十二指腸につながる。
  • 横隔膜の下に位置し、腹腔内に突出する。腹腔内に突出する臓器を腹腔臓器と言う。肝臓の左側に位置する。
  • 体表からは胸骨下縁、みぞおちの辺りに当たる。

ただし大きさ・位置に関しては個人差があり、胃が垂れ下がった胃下垂の状態になることもある。

構造

胃は消化管を成す管状の器官であり、入口と出口が狭く、途中がふくらんで袋状の構造になっている。全体の形状は死体と生体で大きく異なり、生体では多くの場合、鈎形である。

食道につながる入口付近を噴門部、十二指腸につながる出口付近を幽門部、それ以外の部位を胃体部と言う[1]。全体が左側に弧状に湾曲しており、噴門から幽門までが大きくふくらんでいる左側を大彎(だいわん)、ふくらみが小さく逆に反った形になっている右側を小彎(しょうわん)と呼ぶ。なお、胃底部と呼ばれるのは、胃の上部で噴門に近い部分のことで、この名は、胃の外科手術を行うとき、胃よりも下の部位から開腹するため、そこから見ると胃の中では一番奥に位置することから付けられた。胃底部は横隔膜に接する。中身がない状態では、内側の壁はひだを作り縮んでいる(容積は約50ミリリットル)が、食後に食べ物でふくらんだ状態のときは、腹部前面に張り出したのが感じられるぐらいに膨らむ(いわゆる「満腹」の状態では、容積は1.5から1.8リットル)。幽門は第1腰椎右側に位置する。

粘膜の微細構造と胃腺

胃の壁は、3層構造をしている。胃の壁を胃壁と言う。胃壁は内側から粘膜層、粘膜下層、筋層、から成る。筋層の外側は腹膜で覆われている。

粘膜には、胃小窩(いしょうか)と呼ばれる微細な穴が無数に並んでいる。胃小窩の底には、胃腺(胃底腺)とよばれる管状の分泌腺が開口し、この腺が粘膜の最下層までのびている[2]。この分泌腺からは、主に、塩酸と消化酵素のペプシノゲンが分泌される(胃液)。胃腺の細胞のうち、壁細胞(傍細胞)は塩酸を分泌し[3]、主細胞はペプシンの前駆体であるペプシノゲンを分泌する[4]。ペプシノゲンは、酸に会うと分解され、活性型のペプシンに変化する[4]。

胃の幽門前庭部に存在するG細胞からは胃の消化活動を活発化させるホルモンであるガストリンが内分泌される[5][6]。

胃の粘膜の表面をおおう副細胞は、塩酸の酸性とペプシンによる消化から細胞自身を守るため、粘液を分泌している。

機能

胃は、

  • 飲み込んだ食物をその後数時間程度まで貯留する。
  • 胃壁から分泌される塩酸(胃酸)によって、食べたものを酸性に保つことで殺菌し腐敗を防ぐ。
  • 消化酵素のペプシンによって、タンパク質をペプトンと呼ばれるどろどろした水溶性の分解産物に消化する。
  • 食べ物が入ってくるとガストリンを血管内へ分泌してペプシノゲンの分泌を促進し、胃壁細胞からの胃酸分泌を促進し、胃壁細胞を増殖させる、等の消化活動を活発化する。
  • 食べ物が十二指腸へ出てゆくと、十二指腸から内分泌されるセクレチンによってガストリン分泌が抑制され、消化活動を停止する。

などの機能を持つ。

胃と胃液

強酸性の胃液が胃を自ら消化してしまわないのは、胃が粘膜で覆われているからであるが、それだけではない。胃液を中和する重曹も生成されている。また常にプロスタグランジンという活性物質の働きで細胞増殖を活発にして胃壁の損傷を最小限に抑えている。しかしストレスなどで副交感神経のバランスが崩れたりすると、胃液や消化酵素のコントロールが効かず自分自身を消化してしまう、つまり胃に穴が開く状態である「胃潰瘍」を引き起こす。

胃の疾患

  • 胃炎
  • 胃潰瘍…ストレスだけではなく、ピロリ菌によって引き起こされる場合もある。
  • 胃癌
  • 胃ポリープ
  • 悪性リンパ腫
  • 消化管間質腫瘍(GIST)
  • 胃カルチノイド
  • 胃粘膜下腫瘍
  • 先天性肥厚性幽門狭窄症
  • 胃静脈瘤
  • 胃前庭部毛細血管拡張症(gastric antral vascular ectasia; GAVE, watermelon stomach)
  • 胃アニサキス症
  • 胃内異物
  • 出血
  • 穿孔

動物の胃

多くの動物も人間と同じ単胃を持つが、ヤギや牛などの反芻類では複胃を持つ。反芻類の複胃は前胃(第一胃、第二胃、第三胃)と腺胃(第四胃)に分けられ、第一胃と第二胃はあわせて反芻胃とも呼ばれる。これら家畜の胃は幅広い地域で食材としても用いられる。特にその空洞性から詰め物料理として用いられることも多い。

また、無脊椎動物の食物などが滞留する消化管を「胃」と称することもある。

脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 藤田ら, p.115
  2. ^ 藤田ら, pp.116-117
  3. ^ 藤田ら, p.119
  4. ^ a b 藤田ら, p.117
  5. ^ 藤田ら, p.123
  6. ^ 藤田ら, p.125

参考文献

  • 藤田尚男、藤田恒夫 『標準組織学 各論』 医学書院、2001年3月1日、第3版第10刷。ISBN 4-260-10053-X。

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、胃に関連するカテゴリがあります。
  • ウィリアム・ボーモント...胃の化学的消化機能を報告した。
  • 胃切除術
  • 消化器
  • 消化器学
  • 胃瘻
  • 胃宿
  • 左胃動脈
  • 胃十二指腸動脈
  • 上部消化管内視鏡
表・話・編・歴
消化器系
口 - 咽頭 - 食道 - 胃 - 膵臓 - 胆嚢 - 肝臓 - 消化管 - 腸、小腸(十二指腸・空腸・回腸) - 大腸(結腸・盲腸・虫垂・直腸) - 肛門
表・話・編・歴
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン)
視床下部 - 脳下垂体
視床下部
GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
脳下垂体後葉
バソプレッシン - OXT
脳下垂体中葉
MSH(インテルメジン)
脳下垂体前葉
αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - エンドルフィン - リポトロピン)
副腎
副腎髄質
副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
副腎皮質
副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
甲状腺
甲状腺
甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
副甲状腺
PTH
生殖腺
精巣
テストステロン - AMH - インヒビン
卵巣
エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
その他の内分泌器
膵臓
グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
松果体
メラトニン
内分泌器でない器官
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
誘導タンパク質
NGF - BDNF - NT-3
表・話・編・歴
五臓六腑
五臓
肝臓 - 心臓 - 脾臓 - 肺臓 - 腎臓
六腑
胃 - 大腸 - 小腸 - 胆嚢 - 膀胱 - 三焦
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。


UpToDate Contents

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  • 1. 胃全摘術および消化管再建術 total gastrectomy and gastrointestinal reconstruction
  • 2. 消化器病学における臨床病理学的症例:胃 clinical pathological cases in gastroenterology stomach
  • 3. 胃排出遅延の原因 pathogenesis of delayed gastric emptying
  • 4. 胃炎および胃障害の分類と診断 classification and diagnosis of gastritis and gastropathy
  • 5. Rapid sequence induction and intubation (RSII) for anesthesia

Japanese Journal

  • 腹空鏡下胃全摘出術における経口アンビルによる再建法の有用性
  • 野中 隆 [他]
  • 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 85(4), 356-362, 2011-12-25
  • … 早期胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術は、その高い整容性と低侵襲性から普及してきている。 … 一方、胃全摘術に対する腹腔鏡手術は安定した再建法が確立されておらず、施設間によって様々な再建法を選択しているのが現状である。 …
  • NAID 110008454138
  • 診断に難渋した腹空鏡補助下胃全摘Roux-en-Y再建術後Petersen's herniaの1例
  • 伊藤 信一郎 [他]
  • 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 85(4), 363-368, 2011-12-25
  • … 症例は70代男性、早期胃癌に対して腹腔鏡補助下胃全摘、Roux-en-Y再建(以下、R-Y再建と略記)を行った.術後経過は良好であったが、退院後に食後の左上腹部痛、嘔吐が出現し、イレウスの診断で入院加療されるも、保存的治療にて軽快していた.術後2年目に同様の腹痛が出現し、保存的治療による改善が得られなかった.腹部造影CTで血行障害や腸管壊死、穿孔を疑う所見はなかったが、症状が強く、 …
  • NAID 110008454135
  • ダウン症候群の7歳男児に発症した難治性十二指腸潰瘍の1例
  • 稲村 幸雄 [他]
  • 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 85(4), 343-349, 2011-12-25
  • … しかし幽門狭窄による通過障害は改善せず,胃空腸吻合術を施行した。 … 術後,幽門狭窄は残存するが食事摂取は良好であり,幽門狭窄による通過障害を伴う十二指腸潰瘍に対して胃空腸吻合術は有効であった。 …
  • NAID 110008454125
  • 重症心身障害児・者の内視鏡的胃瘻造設術に合併する諸問題に関する検討
  • 鶴澤 礼実,森島 直美,井原 由紀子,林 仁美,安元 佐和,井上 貴仁,廣瀬 伸一,小川 厚
  • 福岡大学医学紀要 38(2), 99-102, 2011-06
  • NAID 110008447735

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Japan Pharmaceutical Reference

薬効分類名

  • ワクチン・トキソイド混合製剤

販売名

DPT“化血研”シリンジ PF

組成

製法の概要

  • 本剤は、百日せき菌I相菌(東浜株)の培養菌液を連続遠心機等を用いて菌液を分離した上清から、カラムクロマトグラフィーなどの物理化学的方法で感染防御抗原(百日せき毒素及び線維状赤血球凝集素)をそれぞれ単離精製し、ホルマリンで減毒したのち両防御抗原を混合した液と、ジフテリア菌(Park-Williams No.8株)及び破傷風菌(Harvard A-47株)の産生する毒素をそれぞれ精製濃縮し、ホルマリンで無毒化(トキソイド化)したジフテリアトキソイド及び破傷風トキソイドを混合したものに、アルミニウム塩を加えて不溶性としたものである。
    なお、本剤は製造工程でウシの乳由来成分(カザミノ酸、スキムミルク、ポリペプトン)、ウシの肝臓、ウシの血液、ウシの肉、ブタの胃由来成分(ペプトン)、ブタの膵臓由来成分(パンクレアチン)、ウマの血液由来成分(血清)、クジラの心臓由来成分(ハートエキス)及びヒトの血液由来成分(アポセルロプラスミン)を使用している。

組成

  • 本剤は、0.5mL(1シリンジ)中に次の成分を含有する。

有効成分

  • 百日せき菌防御抗原:4単位以上
    ジフテリアトキソイド:16.7Lf以下
    破傷風トキソイド:6.7Lf以下

添加物

  • ブドウ糖:0.5mg
    L-リジン塩酸塩:0.05mg以下
    ホルマリン(ホルムアルデヒドとして):0.05mg以下
    塩化アルミニウム:1.5mg以下
    水酸化ナトリウム:0.6mg以下
    塩化ナトリウム:3.75mg
    リン酸水素ナトリウム水和物:0.16mg
    リン酸二水素ナトリウム:0.16mg
    pH調節剤

禁忌

(予防接種を受けることが適当でない者)

  • 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
  • 明らかな発熱を呈している者
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  • 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  • 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者


効能または効果

  • 本剤は、百日せき、ジフテリア及び破傷風の予防に使用する。

初回免疫

  • 通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも3〜8週間の間隔で皮下に注射する。

追加免疫

  • 通常、初回免疫後6箇月以上の間隔をおいて、(標準として初回免疫終了後12箇月から18箇月までの間に)0.5mLを1回皮下に注射する。

一般的注意

  • 予防接種法に基づく、ジフテリア、百日せき及び破傷風の第1期の予防接種は、本剤により同時に行うことを原則とする。

接種対象者・接種時期

  • 本剤の接種は、生後3月から90月までの間にある者に行うが、初回免疫については、標準として生後3月から12月までの者に、追加免疫については、標準として初回免疫終了後12箇月から18箇月を経過した者に接種すること。
    なお、被接種者が保育所、幼稚園等の集団生活に入る場合には、その前に接種を完了することが望ましい。

他のワクチン製剤との接種間隔

  • 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また、他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。

慎重投与

(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

  • 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
  • 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
  • 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  • 過去にけいれんの既往のある者
  • 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  • 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者


重大な副作用

ショック、アナフィラキシー様症状

  • まれにショック、アナフィラキシー様症状(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行うこと。

急性血小板減少性紫斑病

  • まれに(1000万人接種あたり1人程度)急性血小板減少性紫斑病があらわれることがある。通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。

脳症

  • 脳症があらわれることがある。接種後、発熱、四肢麻痺、けいれん、意識障害等の症状があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

けいれん

  • けいれんがあらわれることがある。通常、接種直後から数日ごろまでにけいれん症状があらわれる。本症が疑われる場合には、観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。

薬効薬理

  • 百日せき、ジフテリア及び破傷風を予防するためには、生体内にあらかじめ各々の感染防御抗原に対する血中抗体が一定(感染防御)レベル以上産生される必要がある。
    百日せきは罹患小児の回復期血清で、抗PT抗体及び抗FHA抗体をELISA法により測定した結果から、両抗体ともに少なくとも10EU(ELISA単位)以上が血中に存在すればよいと考えられる4)。ジフテリアに対する感染防御は、0.01IU(国際単位)/mLの抗毒素(抗体)が、また、破傷風に対する感染防御は、0.01IU/mLの抗毒素がそれぞれ血中に存在すればよいと考えられている5)6)。
    本剤を2回接種後4週間すると、一時的に百日せき、ジフテリア及び破傷風、いずれも前述の防御レベル以上の抗体価が得られるが、含まれる抗原成分が不活化されたトキソイドであるため、漸次各々の抗体価は低下する。したがって、それ以後少なくとも数年にわたり、感染防御効果を持続(抗体価レベルの維持)するためには、初回免疫及び追加免疫が必要である。

★リンクテーブル★
国試過去問「104D030」「106I022」「102D029」「111E008」「096G038」「108E021」「104B033」「102G003」「111D005」「107D002」「111I028」「105D014」「104E011」「101B109」「102B040」
リンク元「ホルモン」「消化管ホルモン」「胃潰瘍」「解剖学」「脾臓」
拡張検索「胃粘膜シンチグラフィ」「胃ポリープ」「胃腸病変」「胃けいれん」

「104D030」

  [★]

  • 45歳の女性。腹囲が大きくなったことを主訴に来院した。半年前から徐々に腹囲が大きくなってきた。食欲はあり、体重に変化はみられない。排便の状況にも変化はない。月経周期26日型、整。身長156cm、体重46kg。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧112/74mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は全体に軽度膨隆している。肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 432万, Hb 12.1g/dl、Ht 38%、白血球 6,200、血小板 23万。血液生化学所見:血糖 83mg/dl、総蛋白 7.2g/dl、アルブミン 4.0g/dl、総ビリルビン 0、6mg/dl、AST 16IU/l、ALT 13IU/l、ALP 174IU/l(基準115-359)。免疫学所見: CRP O.3mg/dl、CEA 26.4ng/ml(基準5以下)、CA19-9 60U/m/(基準37以下)。術前に施行した腹部造影CT(別冊No.10A)を別に示す。開腹手術を行うとゼリー状の物質と腫瘍が確認された。腫瘍のH-E染色標本(別冊No.10B)を別に示す。
  • 原発臓器として考えられるのはどれか。2つ選べ。
  • a 胃
  • b 肝臓
  • c 虫垂
  • d 子宮
  • e 卵巣



[正答]

CE


※国試ナビ4※ [104D029]←[国試_104]→[104D031]

「106I022」

  [★]

  • 胃GIST(gastrointestinal stromal tumor)について正しいのはどれか。
  • a 胃全摘術が第一選択である。
  • b 小腸GISTよりも頻度が低い。
  • c リンパ節に転移することが多い。
  • d 肉眼的には潰瘍浸潤型を呈することが多い。
  • e 免疫組織化学染色でKIT(c-kit遺伝子産物)陽性が特徴的である。


[正答]

E


※国試ナビ4※ [106I021]←[国試_106]→[106I023]

「102D029」

  [★]

  • 52歳の女性。1か月前からの腹部膨満を主訴に来院した。腹部は膨隆し、圧痛を認めない。超音波検査で腹水様所見があり、穿刺でゼリー状の液を吸引した。
  • 原発臓器として考えられるのはどれか。2つ選べ。
  • a. 胃
  • b. 小腸
  • c. 虫垂
  • d. 副腎
  • e. 卵巣

[正答]

CE

  • 腹膜偽粘液腫


※国試ナビ4※ [102D028]←[国試_102]→[102D030]

「111E008」

  [★]

  • 50歳から74歳までの男性について、ある癌の年齢階級別死亡率(人口10万対)の生まれ年による推移(別冊No. 1)を別に示す。
  • この癌の部位はどれか。
  • a 胃
  • b 大腸
  • c 肝臓
  • d 肺
  • e 前立腺



[正答]

C


※国試ナビ4※ [111E007]←[国試_111]→[111E009]

「096G038」

  [★]

  • 消化器とその粘膜上皮の組合せで正しいのはどれか。
  • (1) 口腔―重層扁平上皮
  • (2) 食道―円柱上皮
  • (3) 胃―移行上皮
  • (4) 直腸―重層扁平上皮
  • (5) 胆嚢―円柱上皮
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)

[正答]

B


※国試ナビ4※ [096G037]←[国試_096]→[096G039]

「108E021」

  [★]

  • 腹腔鏡の写真 (別冊 No. 3)を別に示す。
  • 矢印で示す臓器はどれか。
  • a 胃
  • b 空腸
  • c 回腸
  • d 結腸
  • e 直腸



[正答]

D


※国試ナビ4※ [108E020]←[国試_108]→[108E022]

「104B033」

  [★]

  • 内視鏡写真(別冊No.3)を別に示す。
  • 部位はどこか。
  • a 食道
  • b 胃
  • c 十二指腸
  • d 回腸
  • e 大腸


[正答]

C


※国試ナビ4※ [104B032]←[国試_104]→[104B034]

「102G003」

  [★]

  • 非ステロイド性抗炎症薬によって出血をきたしやすい部位はどれか。2つ選べ。
  • a. 食道
  • b. 胃
  • c. 十二指腸
  • d. 回腸
  • e. 直腸

[正答]

BC


※国試ナビ4※ [102G002]←[国試_102]→[102G004]

「111D005」

  [★]

  • 食道亜全摘術後の再建臓器として最も使用されるのはどれか。
  • a 胃
  • b 大腸
  • c 小腸
  • d 筋皮弁
  • e 人工食道


[正答]

A


※国試ナビ4※ [111D004]←[国試_111]→[111D006]

「107D002」

  [★]

  • 胸腹部食道切除後の再建に最も多く使用されるのはどれか。
  • a 胃
  • b 空腸
  • c 回腸
  • d 大腸
  • e 筋皮弁


[正答]

A


※国試ナビ4※ [107D001]←[国試_107]→[107D003]

「111I028」

  [★]

  • 軸捻転症を生じる頻度が高いのはどれか。2つ選べ。
  • a 胃
  • b 十二指腸
  • c 下行結腸
  • d S状結腸
  • e 直腸


[正答]

AD


※国試ナビ4※ [111I027]←[国試_111]→[111I029]

「105D014」

  [★]

  • 軸捻転症が起こり得るのはどれか。 2つ選べ。
  • a 胃
  • b 十二指腸
  • c 下行結腸
  • d S状結腸
  • e 直腸


[正答]

AD


※国試ナビ4※ [105D013]←[国試_105]→[105D015]

「104E011」

  [★]

  • 正常組織で放射線感受性が最も高いのはどれか。
  • a 下咽頭
  • b 食道
  • c 胃
  • d 脳
  • e 直腸


[正答]

D


※国試ナビ4※ [104E010]←[国試_104]→[104E012]

「101B109」

  [★]

  • 正常組織で放射線感受性が最も高いのはどれか。
  • a. 下咽頭
  • b. 食道
  • c. 胃
  • d. 小腸
  • e. 直腸

[正答]

D


※国試ナビ4※ [101B108]←[国試_101]→[101B110]

「102B040」

  [★]

  • 漿膜がないのはどれか。
  • a. 食道
  • b. 胃
  • c. 十二指腸
  • d. 空腸
  • e. 横行結腸

[正答]

A


※国試ナビ4※ [102B039]←[国試_102]→[102B041]

「ホルモン」

  [★]

英
hormone

古典的な定義

  • 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)

例外

  • 腺構造を持たない組織から分泌されるホルモンがある
消化管ホルモン (PT.403)
視床下部ホルモン (PT.403)
甲状腺濾胞ホルモン?
カルシトニン?

ホルモンの一覧表

日本語 放出器官/細胞 作用器官/細胞 働き
メラトニン 松果体    
成長ホルモン放出ホルモン 視床下部 下垂体前葉 GH放出
プロラクチン放出ホルモン 視床下部 下垂体前葉 PRL放出
副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン 視床下部 下垂体前葉 ATCH放出
ゴナドトロピン放出ホルモン 視床下部 下垂体前葉 FSH/LH放出
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン 視床下部 下垂体前葉 TSH放出
ソマトスタチン 視床下部 下垂体前葉 GH放出抑制
ドーパミン 視床下部 下垂体前葉 PRL放出抑制
成長ホルモン 下垂体前葉 全身/肝細胞 タンパク質同化, 抗インスリン, 脂肪異化/IGF-I合成促進
プロラクチン 下垂体前葉 乳腺 乳汁分泌促進
副腎皮質刺激ホルモン 下垂体前葉 副腎皮質  
卵胞刺激ホルモン 下垂体前葉 卵胞  
黄体形成ホルモン 下垂体前葉 黄体  
間細胞刺激ホルモン 下垂体前葉 精巣の間細胞  
甲状腺刺激ホルモン 下垂体前葉 甲状腺  
オキシトシン 下垂体後葉 子宮平滑筋/乳腺 子宮収縮/射乳促進
バソプレシン 下垂体後葉 腎臓の集合管 水の再吸
甲状腺ホルモン - トリヨードサイロニン 甲状腺   代謝亢進
甲状腺ホルモン - サイロキシン 甲状腺   代謝亢進
カルシトニン 甲状腺   Ca2+濃度低下
副甲状腺ホルモン 副甲状腺 骨/腎臓 破骨細胞活性化/腎細尿管Ca2+取り込み↑/腎ビタミンD活性化/血清Ca2+↑
心房性ナトリウム利尿ペプチド 心臓   Na利尿
脳ナトリウム利尿ペプチド 脳・心臓   Na利尿
Cタイプナトリウム利尿ペプチド     Na利尿
エンドセリン 血管   血管収縮
アンジオテンシンII 血管   血管収縮
ガストリン 胃 胃 胃酸分泌
セレクチン 十二指腸    
インスリン様成長因子 肝臓    
アンジオテンシノジェン 肝臓   昇圧
コルチゾール 副腎皮質    
アルドステロン 副腎皮質    
デヒドロイソアンドロステロン 副腎皮質    
アドレナリン 副腎髄質   軽微な昇圧、血糖上昇
ノルアドレナリン 副腎髄質   昇圧(寄与は20%程度)、血糖上昇
インスリン 膵臓 - β細胞 全身 グルコース取り込み亢進
グルカゴン 膵臓 - α細胞 全身 糖新生
ソマトスタチン 膵臓 - δ細胞   ホルモン分泌抑制(インスリン、グルカゴン、ガストリン)
レニン 腎臓 - 傍糸球体細胞   昇圧(angiotensin Iを産生, 血管内皮のアンジオテンシン転換酵素によりangiotensin IIに転換)
エリスロポエチン 腎臓 造血器官 赤血球産生刺激
エストロゲン 卵巣    
プロゲステロン 卵巣    
インヒビン 卵巣    
テストステロン 精巣    
インヒビン 精巣    
レプチン 脂肪    
アディポネクチン 脂肪    

「消化管ホルモン」

  [★]

英
gastrointestinal hormone
同
胃腸ホルモン gut hormone
  • SP.680-


資料によって書いてあることがバラバラ

種類

名称 分泌粘膜部位 主な作用 分泌刺激 分泌細胞
胃 十二指腸 小腸
  幽門部 上部  
ガストリン   ○       塩酸・ペプシン分泌↑
膵酵素分泌↑
タンパク質、アルコール、カフェイン G細胞
コレシストキニン     ○     膵液分泌(酵素多)↑ 小腸内タンパク質分解産物、酸、脂肪酸、アルコール I細胞
セクレチン     ○ ○   膵液分泌(HCO3-多)↑
胃酸分泌↓
小腸内ペプチド、酸、アルコール S細胞
胃酸分泌抑制ポリペプチド
胃抑制ペプチド GIP
    ○     インスリン分泌↓ 小腸内の糖質、酸、機械的刺激 K細胞
胃運動・分泌↓
ソマトスタチン ○ ○ ○ 消化管運動↓ ガストリン、セクレチン、コレシストキニン D細胞
ガストリン、セクレチン、胃酸分泌↓
モチリン       ○   胃腸運動↑ 十二指腸内アルカリ性内容物 MO細胞

胃腸内分泌細胞と消化管ホルモン (HIS.332)

細胞 産生ホルモン ホルモンの作用 局在 分泌果粒の
大きさ(nm)
胃 小腸 大腸
A細胞   グルカゴン エンテログルカゴン 肝細胞でのグリコーゲン分解を促進し、血糖値を上昇 ○ ○   250
D細胞   ソマトスタチン 近くの内分泌細胞のホルモン分泌を抑制 ○ ○ ○ 350
EC細胞 腸クロム親和性細胞 セロトニン、サブスタンスP 蠕動運動を促進 ○ ○ ○ 300
ECL細胞 腸クロム親和性細胞様細胞 ヒスタミン 塩酸分泌を促進. ○     450
G細胞 ガストリン産生細胞 ガストリン 塩酸分泌、胃の運動(特に幽門部の収縮と幽門括約筋の弛緩による胃内容の排出を調整)、および胃体部の幹細胞の増殖 ○ ○   300
GL細胞 グリセンチン産生細胞 グリセンチン 肝細胞でのグリコーゲン分解を促進し、血糖値を上昇 ○ ○ ○ 400
I細胞   コレシストキニン 膵臓の消化酵素分泌と胆嚢の収縮を促進   ○   250
K細胞   胃抑制ペプチド GIP 塩酸分泌を抑制   ○   350
MO細胞 モチリン産生細胞 モチリン 腸の蠕動を促進   ○    
N細胞 ニューロテンシン産生細胞 ニユーロテンシン 回腸ヘの血流を増加させ、小腸と大腸の蠕動運動を抑制   ○   300
PP細胞 膵ポリペプチド産生細胞 膵ポリペプチド 不明 ○   ○ 180
S細胞   セクレチン 膵臓からの重炭酸含有液の分泌を促進   ○   200
VIP細胞 血管作動性腸ペプチド産生細胞 血管作動性腸ペプチド 小腸と大腸の蠕動運動を促進し、消化管による水とイオンの排出を促進 ○ ○ ○  

「胃潰瘍」

  [★]

英
gastric ulcer GU, stomach ulcer
ラ
ulcus ventriculi UV
関
胃、十二指腸潰瘍、胃十二指腸潰瘍、消化性潰瘍

疫学

  • 十二指腸潰瘍に比べで高齢のヒトに多い。

病態

  • 潰瘍好発部位:幽門腺と胃底腺の境界
  • 高位潰瘍:高齢者。低酸。 ← 幽門腺(ガストリン分泌)と胃底腺(胃酸・ペプシノゲン分泌)の境界が上昇する。このため潰瘍形成部位が上昇する
  • 幽門部潰瘍:若年者。高酸
  • 急性潰瘍:多発性。体部
  • 穿孔・穿通:潰瘍が筋層以下に進展すれば生じうるが、十二指腸潰瘍に比べで頻度は多くない。→穿通性潰瘍 →穿孔性潰瘍

症状

  • 食後1時間以内の早期痛と数時間後の晩期痛がある。(QB.A-308)
  • 腹痛の十二指腸潰瘍/胃潰瘍に対する陽性予測率は高くない。NSAIDによる粘膜病変をもつ患者の10%までが先行症状なくcomplication(出血、穿孔、閉塞)を来す。(HIM.1860)
  • 十二指腸潰瘍/胃潰瘍では、焼けるようなあるいは差し込むような痛みと表現される。the discomfort is also described as an ill-defined, aching sensation or as hunger pain.(HIM.1861)
  • 痛みのパターン:(十二指腸潰瘍)食事後30分~3時間で痛みが治まる。深夜からA.M.3時までの間に痛みで目をさます。これがとっとも鑑別する症状であり、2/3の患者にみられる。しかし、non ulcerative dyspapsia患者の1/3でもこのような症状はみられる。(胃潰瘍)痛みは食事により強まり、悪心と体重減少が起こるのが一般的である。(HIM.1861)

合併症

  • 穿孔・穿通:穿孔性潰瘍、穿通性潰瘍
  • 好発部位:小弯部上の巨大潰瘍
  • 症状:突然現れる上腹部痛。前屈位・側臥位となる。上腹部腹壁緊張亢進、筋性防御、板状硬をみとめ、Blumberg徴候陽性となる。
  • 出血
  • 狭窄

検査

上部消化管内視鏡

  • 白苔を伴う辺縁平滑な円形・楕円形の粘膜欠損

崎田分類(ステージ分類)

参考1
  • 胃潰瘍急性期
  • A1:潰瘍辺縁は浮腫状であり潰瘍底は黒苔で覆われている
  • A2:辺縁の浮腫は改善し潰瘍底は白苔により被覆されている
  • 胃潰瘍治癒期:白苔の残存している場合は治癒期
  • H1:潰瘍辺縁に再生上皮の出現を認める
  • H2:白苔は薄く縮小し再生上皮の部分が拡大している
  • 胃潰瘍瘢痕期:潰瘍の治癒期には再生上皮による被覆が完成し白苔は消失
  • S1:赤色瘢痕
  • S2:白色瘢痕

消化管造影

  • ニッシェ、粘膜ヒダの集中像、B型砂時計胃、嚢状胃
胃癌との対比(RNT.191)
  良性潰瘍 悪性潰瘍
ニッシェ 円形、輪郭明瞭、深い 不整型、輪郭不明瞭、浅い
軟膜ヒダ 不整なく均一 不整、不均一(先細り、肥大、融合)

診断

治療

  • 胃十二指腸潰瘍治療の第一選択は内科的療法

生活療法

  • 精神的・肉体的安静
  • 食事療法(刺激物摂取禁止)
  • 生活習慣改善(禁煙・禁酒)

薬物療法

  • 胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプインヒビター、H2受容体拮抗薬、ムスカリン受容体拮抗薬)
  • Helicobacter pyloriの除菌(プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン、クラリスロマイシン)。クラリスロマイシン無効ならメトロニダゾールに変更。

interventional radiology

  • 内視鏡的に止血できない場合

手術療法

SSUR.501
手術適応:内科的手法で止血が得られず、また止血されても繰り返す場合。
  • 広範囲胃切除術
  • 迷走神経切離術
  • 幹迷走神経切離術 truncal vagotomy:腹部食道の高さで迷走神経を切離:肝枝や腹腔枝が切離され、下痢や胆石症を生じる。胃内容物停滞が起こる
  • 選択的迷走神経切離術 selective gastric vagotomy:胃枝のみ切離し、肝枝、幽門枝、腹腔枝を温存:胃内容物停滞が起こる
  • 選択的近位迷走神経切離術:selective proximal vagotomy, proximal gastric vagotomy, highly selective vagotomy, parietal cell vagotomy:胃の壁細胞領域に分布する胃体部枝のみを切離する。幽門洞枝が温存され、幽門洞の運動機能が保存される。

予後

  • 再発は十二指腸潰瘍ほど多くない。

参考

  • 1. H19(2007)胃潰瘍GLの適用と評価に関する研究班編/医療・GL(07年)胃潰瘍GLの適用と評価に関する研究班編/医療・GL(07年)
http://minds.jcqhc.or.jp/lo/ps/Fpastlist.aspx

国試

  • 102G056

「解剖学」

  [★]

英
anatomy
ラ
anatomia
関
体表解剖学、臨床解剖学、神経解剖学、比較解剖学

系統解剖

  • 骨格系
  • 筋系
  • 脈管系
  • 消化器系
  • 呼吸器系
  • 泌尿器系
  • 生殖器系
  • 内分泌系
  • 神経系
  • 感覚器系

運動

  • 母指の運動

骨

筋肉

部位ごとの分類

  • 上肢の筋
    • 肩甲上腕筋
    • ローテーターカフ
  • 手の筋
  • 下肢の筋
    • 大腿
      • 前大腿筋群
      • 内側大腿筋群

関節ごとの分類

  • 肩関節
  • 股関節
  • 足関節(距腿関節)
  • 足趾関節

筋の付着部

神経

  • 脳神経
  • 脊髄神経
  • 皮神経

部位別

上肢

体幹

下肢

下肢の皮神経

名称
陰部大腿神経大腿枝
外側大腿皮神経
大腿神経前皮枝
閉鎖神経皮枝
伏在神経
浅腓骨神経
深腓骨神経
上殿皮神経
中殿皮神経
下殿皮神経
後大腿皮枝の枝
後大腿皮神経の終末枝
内側腓腹皮神経
外側腓腹皮神経
腓腹神経
外側足背皮神経

脳幹の神経解剖

  • 上丘
  • 視蓋
  • 下丘
  • 中脳
  • 中脳の解剖
  • 内包
  • 大脳基底核
  • 大脳脚
  • 大脳辺縁系
  • 小脳
  • 帯状回
  • 橋核
  • 網様体
  • 縫線核
  • 被蓋
  • 視床下角
  • 赤核
  • 青斑核
  • 鳥距溝
  • 黒質

血管

臓器に分布する血管

臓器 栄養血管 機能血管
動脈 静脈 動脈 静脈
食道        
胃        
小腸 上腸間膜動脈 上腸間膜静脈→門脈    
大腸 上・下腸間膜動脈 上・下腸間膜静脈→門脈    
肝臓 固有肝動脈 肝静脈→下大静脈    
胆嚢 胆嚢動脈 胆嚢静脈    
膵臓        
気管        
肺 気管支動脈 気管支静脈 肺静脈 肺動脈幹→肺動脈
腎臓        
尿管        
膀胱        
脾臓 脾動脈 脾静脈    
精巣 精巣動脈 蔓状静脈叢    
卵巣 卵巣動脈 蔓状静脈叢→卵巣静脈    

各体部位に分布する血管

  • 頭部
頚部

「脾臓」

  [★]

英
spleen (SP)
  • 図:N.288,289

解剖

  • 胃の大弯とは胃脾間膜によりつながれている(M.153)
  • 左腎臓とは脾腎ヒダによりつながれている(M.153)
  • 横隔膜とは横隔脾ヒダによりつながれている(KL.384)
  • 結腸とは脾結腸間膜にてつながれている。(SSUR.638)

体表解剖 (2007年度後期解剖学授業プリント)

  • 左上腹部であって、第7肋骨の上部から第9肋骨まで

臓器と接する面 (KL.383, N.288)

  • 5つある
  • 1. 横隔面
  • 2. 臓側面
    • 2-1. 胃面
    • 2-2. 膵面
    • 2-3. 結腸面
    • 2-4. 腎面

組織

  • 赤脾髄:大部分を占め、赤色に見える
  • 脾洞
  • 脾索
  • 白脾髄
  • 動脈周囲リンパ鞘:T細胞
  • リンパ小節:B細胞
  • 辺縁帯:胸腺非依存性抗原を専門に認識するB細胞(形質細胞、T細胞、B細胞、マクロファージ、interdigitating dendritic cellなど)
  • 白脾髄を取り巻くように存在し、赤脾髄と白脾髄を隔てている。
  • 辺縁体では、数多くの小さな血管がリンパ小節を取り囲むように存在しており、辺縁洞をなす。中心動脈から放射状に伸びる細い血管が赤脾髄に入り、その後再び戻って辺縁洞に注ぐ。

機能 (SP.499)

  • 1. 赤血球の処理
  • 2. 防衛機能
  • 3. 胎生期における造血作用
  • 4. 赤血球の貯蔵

臨床関連

  • 脾腫:乳児では触れる。 → 105F013
  • 脾破裂
  • 脾摘出術
  • 脾摘後障害
  • 血小板増加による血栓症
  • 免疫能低下
  • 易感染性
  • 莢膜を持つ菌に感染しやすくなる→脾網内系はIgMを産生する場らしい?
  • 脾摘後重症感染症症候群
  • 脾摘後血栓症


Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.

「胃粘膜シンチグラフィ」

  [★]

英
gastric mucosal membrane scintigraphy
関
99mTcO4腹部シンチグラフィ abdominal scintigraphy using 99mTc-pertechnetate、メッケル憩室シンチグラフィ

「胃ポリープ」

  [★]

英
gastric polyp
  • ピロリ菌感染が原因の一つとなる。

「胃腸病変」

  [★]

英
gastrointestinal lesion, gastrointestinal pathology

「胃けいれん」

  [★]

英
gastrospasm
関
胃痙攣
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