- 英
- cytokeratin 19 fragment
- 同
- シフラ21-1、サイトケラチン19フラグメント, cytokeratin 19 fragment
- 関
- CYFRA シフラ、サイトケラチン19、サイトケラチン
- 肺扁平上皮癌などの腫瘍マーカー
- 細胞骨格中間径フィラメントを形成するサイトケラチン19を抗原とするモノクローナル抗体で認識される。
- 肺扁平上皮癌の約70-80%で陽性となる。
- 肺癌のマーカーとしては感度・特異度ともにSCCより優れている。SCCと違って喫煙による影響を受けにくい。
- 偽陽性:肝障害の20%の、呼吸器炎症性疾患の10-15%、高齢者で上昇しうる。また腎機能障害でも上昇しうる。
- 男性は女性と比べて高値となりうる。肺の良性疾患でも高値となることがある。
基準値
- ECLIA, ELISA:3.5ng/ml以下
- RIA:2ng/ml以下
判断基準
UpToDate Contents
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English Journal
- Diagnostic values of SCC, CEA, Cyfra21-1 and NSE for lung cancer in patients with suspicious pulmonary masses: A single center analysis.
- Chu XY, Hou XB, Song WA, Xue ZQ, Wang B, Zhang LB.SourceChinese PLA General Hospital, Beijing, China.
- Cancer biology & therapy.2011 Jun 15;11(12). [Epub ahead of print]
- We recruited 805 patients with suspicious pulmonary masses that were identified finally as lung cancer or benign pulmonary masses. The serum levels of four tumor markers, including squamous cell carcinoma antigen (SCC), carcinoembryonic antigen (CEA), cytokeratin 19 fragment antigen 21-1 (Cyfra21-1)
- PMID 21483235
- [Effects of chemotherapy combined with Chinese herbal medicine Kangliu Zengxiao Decoction on tumor markers of patients with advanced non-small-cell lung cancer: a randomized, controlled trial.]
- Yan GY, Xu ZY, Deng HB, Wan ZY, Zhang L, Zhu JY.SourceDepartment of Oncology, Punan Hospital of Pudong New District, Shanghai 200125, China; E-mail: xuzhenye1947@126.com.
- Zhong xi yi jie he xue bao = Journal of Chinese integrative medicine.2011 May 15;9(5):525-530.
- Background: Tumor markers are widely used in clinical practice and have become important indicators in assessing cancer progress. There is increasing concern that chemotherapy combined with traditional Chinese medicine has effects in decreasing the level of tumor markers. Objective: To investigate t
- PMID 21565138
Japanese Journal
- 高田 聡,吉川 元清,細川 幸成,林 美樹,藤本 清秀,平尾 佳彦
- 泌尿器科紀要 56(3), 173-175, 2010-03
- … Prostate specific antigen (PSA) was 4.089 ng/ml and human cytokeratin 19 fragment (CYFRA 21-1) was 3.8 ng/ml. … Pathological examination demonstrated small cell carcinoma in the bladder tumor specimen and well differentiated adenocarcinoma (cT1c) with a Gleason score of 3+4 in the prostatic specimen. …
- NAID 120002036633
- CYFRA21-1 (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・4)その数値をどう読むか) -- (腫瘍マーカー)
Related Links
- 2007年2月1日 ... CYFRA 21-1(サイトケラチン19フラグメント)は非小細胞肺癌(NSCLC)および鼻咽腔 癌(NPC)の検出に最も有用な腫瘍マーカーの1つです。CYFRA 21-1はまた、扁平上皮 癌(SQC)の初期段階における独立予後因しとしての報告もされてい ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- esophageal cancer, esophageal carcinoma, cancer of the esophagus, carcinoma of the esophagus
- 関
- 食道、癌
概念
- 食道に発生する腫瘍。予後は不良な場合が多く、早期からリンパ節転移を来しやすい。
疫学
- 罹患率、死亡率共に男性の方が多い。
- 40歳後半より増加。60歳以上で多い(参考2)。増加の程度は男性の方が急増。
- 死亡率:漸減傾向
- 罹患率:(男性)増加傾向、(女性)変動なし。
危険因子
- 喫煙と飲酒とは相乗効果があるり、1日20本以上かつ3合以上でリスクが上昇する。
- 飲酒は特に度数の高い、アルコール摂取量が多い、ALDH2変異がある、顔面が紅潮する場合にリスクが上がる
- 熱い食事の嗜好、肥満、p53変異
- 食道アカラシア、腐食性食道狭窄、バレット食道
- 低栄養(動物性蛋白質の不足?微量元素欠乏?)、
病期分類
早期癌・表在癌・進行癌
- 早期癌:深達度が粘膜内に限局。リンパ節転移の有無を問わない。
- 表在癌:深逹度が粘膜下層までに限局。リンパ節転移の有無は問わない。
- 進行癌:固有筋層以降
TMN分類
- 日本食道学会:食道癌取り扱い規約 第10版補訂版を一部改変 SSUR.455,457
- TX:原発腫瘍の評価が不可能
- T0:原発腫瘍を認めない
- T1:
-
- T1a-EP:腫瘍が粘膜上皮にとどまる(Tis)(M1) EP = epithelium
- T1a-LPM:腫瘍が粘膜固有層にとどまる(M2) LPM = lamina propia mucosae
- T1a-MM:腫瘍が粘膜筋板にとどまる(M3) MM = muscularis mucosae
- SM1:粘膜下層を三等分し、上1/3にとどまる
- SM2:粘膜下層を三等分し、上2/3にとどまる
- SM3:粘膜下層を三等分し、上3/3にとどまる
- T2:腫瘍が固有筋層に浸潤している(SM)
- T3:腫瘍が食道外膜に浸潤(AD)
- T4:腫瘍が隣接臓器に浸潤(AI)
- NX:所属リンパ節の評価が不可能
- N0:所属リンパ節に転移を認めない
- N1:第1群リンパ節まで転移を認める
- N2:第2群リンパ節まで転移を認める
- N3:第3群リンパ節まで転移を認める
- N4:第3群リンパ節より遠位に転移を認める
- MX:遠隔転移の評価が不可能
- M0:遠隔転移を認めない
- M1:遠隔転移あり
進行度
- 日本食堂学会:食道癌取り扱い規約 第10版補訂版, SSUR.455
壁深達度\転移
|
N0
|
N1
|
N2
|
N3
|
N4
|
M1
|
T0,T1a
|
0
|
I
|
II
|
III
|
IVa
|
IVb
|
T1b
|
I
|
II
|
T2
|
II
|
III
|
T3
|
III
|
T4
|
III
|
IVa
|
病態
好発部位
- 日本
- 50-60%:胸部中部食道
- 20-25%:胸部下部食道
- 10% :胸部上部食道
- 5-6% :頚部食道
- 欧米で増加している食道腺癌の好発部位:下部食道
進展様式
- 直接浸潤
- リンパ行性転移:早期からリンパ節転移しやすい。
- 癌腫が粘膜下層にとどまるT1bで30-40%の例で転移。(SSUR.455)
- m3・sm1ではリンパ節転移が10%の例で見られる。(出典不明) ⇔ m1・m2ではリンパ節転移を考えなくても良く、内視鏡的粘膜切除術(EMR)の絶対適応となる。
- sm2・sm4ではリンパ節転移が約半数の例で見られる。(出典不明)
病理
- 日本では扁平上皮癌が中部食道に多い、欧米では腺癌が下部食道に多い。
肉眼分類の傾向
- 早期癌:0-IIc(表在陥凹型)
- 進行癌:2型(潰瘍限局型)・3型(潰瘍浸潤型)
症状
- 胸骨後方の軽い痛み、不快感、嚥下時のつかえ感、しみる感じ
検査
- (食道扁平上皮癌)SCC, CYFRA21-1 , CEA (参考3)
- (食道腺癌)CEA, CA19-9 (参考3)
診断
治療
内視鏡的切除
-
- 壁深達度:T1a-EP(粘膜上皮),LPM(粘膜固有層))であること(リンパ節転移がまれなため)で、周在性2/3以下のもの(全周性に粘膜切除した場合、瘢痕狭窄のおそれ)
- (1) T1a-MM(粘膜筋板), T1b-SM1(<粘膜下組織200um)で、かつリンパ節転移がない
- (2) 周在性2/3以上の病変。
術式
手術療法
予後
- 手術後の在院死亡率3-4%。これは消化器癌手術の中で最も手術リスクが高い。(SSUR.464)
- 全切除全症例の5年生存率は36%(1988-1999年)。3領域リンパ節郭清例の5年生存率は約50%。(SSUR.464)
ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0053/1/0053_G0000152_GL.html
- 2. 食道癌 - 放射線治療計画ガイドライン・2008
- http://www.kkr-smc.com/rad/guideline/2008/esophagus.pdf
参考
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/esophagus.html
- 2. 年齢階級別がん罹患率[食道2005] - 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター
- http://ganjoho.jp/resources/graph_database/images_20110111/OSV0072_04_2005.jpg
- http://www.cancertherapy.jp/tm/2007_summer/04.html
uptodate
- 1. [charged] 食道癌の診断および病期分類 - uptodate [1]
- 2. [charged] 食道癌の疫学、病理生物学、および臨床症状 - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- tumor marker
- 同
- 生物学的腫瘍マーカー biological tumor marker、癌マーカー cancer marker、悪性腫瘍特異物質 tumor-specific antigen
肺癌の腫瘍マーカー
|
陽性率(疾患があるときに陽性となる確率, 感度)
|
|
肺癌
|
|
|
|
|
備考
|
扁平上皮癌
|
腺癌
|
小細胞癌
|
その他の疾患
|
|
CYFRA21-1
|
57.5%*
|
70-80%/73.1%*
|
30-40%
|
30-40%
|
良性疾患:10-15%
|
|
SCC
|
|
○
|
|
|
子宮頸癌、食道癌、皮膚癌
|
|
CEA
|
40-50%
|
|
50-60%
|
|
|
|
SLX
|
70%*
|
|
0.4
|
|
肝硬変
|
|
NSE
|
10-30%
|
|
|
70-90%
|
|
|
proGRP
|
|
|
|
70-90%/65.1%*
|
|
NSEより上昇率が高く、特異性に優れる
|
KL-6
|
|
○
|
|
|
肺腺癌、膵癌、乳癌で40-50%。間質性肺炎の補助診断
|
|
|
|
|
|
|
|
|
無印:標準呼吸器病学 第1版 p.327。* 臨床検査学第32版 p.634
|
臨床応用されている腫瘍マーカー (LAB.630)
肝癌関連 AFP, AFP-L3%, PIVKA-II
膵癌ならびにその他の消化器癌 CEA, CA19-9, Dupan-2, CA50, Span-1
肺癌 CEA, sialyl Lex-i (SLX), SCC, SYFRA21-1, NSE, ProGRP
婦人科悪性腫痩
子宮癌:SCC, CA125
卵巣癌:CA125, AFP, CEA, CA19-9, GAT
乳癌 :CA15-3, BCA225, CEA, NCC-ST-439
尿器科悪性腫壕
前立腺痛:PSA(γ-Sm), PAP
膀胱癌 :BTA, NMP22
神経内分泌腫療 NSE
広範な腫瘍に反応するマーカー
TPA, BFP, IAP
消化管悪性腫瘍マーカー
- CEA:胎児癌性蛋白。陽性率:(50-70%)大腸癌、胆道癌、膵癌。(40-60%)肺癌。(30-40%)胃癌。良性疾患でも上昇する(胆嚢炎、胆管炎、膵炎)。
- DU-PAN-2:2→3シアリルLec抗原を認識する抗体。陽性率:(70-80%)膵癌、(60-70%)胆道癌。Lea-b-の個体でも陽性になる。良性疾患でも上昇する(慢性肝炎、肝硬変、胆道炎症を伴う胆石症)。
- CA19-9:Leaの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(80-90%)膵癌。(70-80%)胆道癌。良性疾患でも上昇する((10-40%)閉塞性黄疸、慢性肝炎、肝硬変)。日本人の約7-10%に存在するフコース転移酵素が欠如したLea-b-の個体ではCA19-9は産生されない。
- SLX:Lexの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(高い)肺癌、卵巣癌。(50-60%)胆道癌、膵癌。
主な腫瘍マーカー CBT QB vol2 p.297
組織型別に有用な腫瘍マーカー(NEWエッセンシャル産科学・婦人科学 第3版 p.236)
上皮性腫瘍
漿液性腺癌: CA125 *1
粘液性腺癌: CA19-9 *2, CA72-4, CEA
胚細胞腫瘍
卵黄嚢腫瘍: AFP *3
絨毛癌: hCG
未分化胚細胞腫: LDH *4
悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫(扁平上皮癌) : SCC
性索間質性腫瘍(ホルモン)
顆粒膜細胞腫,莢膜細胞腫:工ストロゲン
Sertoli-間質性腫瘍, Leydig細胞腫(門細胞腫) :テストステロン
*1 上皮性腫瘍中で最も有用.類内膜腺癌,明細胞腺癌でも陽性を示す.子宮内膜症,炎症,妊娠初期も軽度-中等度上昇
*2 成熟嚢胞性奇形腫で陽性を示すことがある
*3 胎芽性癌,混合性腔細胞腫療でも陽性を示す
*4 非特異的
- also see →「生殖系チュートリアル症例2_プレゼン.ppt」
産婦人科において重要視される腫瘍マーカー
-
-
-
-
- 子宮頚部扁平上皮癌から精製された蛋白質
- 早期癌でも比較的高い陽性率を示し、経過観察にも有用である。
- 一般に扁平上皮の存在する部位に広範な重症疾患存在すれば血中のSCCは上昇しうる
- 皮膚表面、唾液中に大量に存在し、採血時に複数回穿刺する事などによるコンタミネーションの可能性があります。
腫瘍マーカー 臓器別
- OLM.372改変
(略)
[★]
- 英
- squamous cell carcinoma related antigen, SCC antigen
- 同
- SCC ← 検査項目として省略されるが、squamous cell carcinomaの略でもある
- 扁平上皮癌関連抗原 squamous cell carcinoma antigen
- 関
- CYFRA21-1
概念
- 子宮頚部扁平上皮癌から精製された蛋白質
- 早期癌でも比較的高い陽性率を示し、経過観察にも有用である。
- 一般に扁平上皮の存在する部位に広範な重症疾患存在すれば血中のSCCは上昇しうる
- 皮膚表面、唾液中に大量に存在し、採血時に複数回穿刺する事などによるコンタミネーションの可能性がある。
基準値
鑑別疾患
性疾患
|
陽性率
|
良性疾患
|
陽性率
|
子宮頸癌
|
20~80%
|
良性皮膚疾患
|
80~100%
|
外陰・膣癌
|
31~39%
|
気管支喘息、気管支炎
|
0.05
|
肺癌(扁平上皮癌)
|
35~57%
|
急性/慢性肺炎
|
3~18%
|
食道癌
|
43~64%
|
結核、サルコイドーシス
|
0.09
|
頭頸部癌
|
44~71%
|
肺良性腫瘍
|
0.25
|
皮膚癌
|
0.5
|
腎不全、透析患者
|
0.6
|
肛門癌
|
44~78%
|
肝炎
|
0.09
|
口腔・舌・上顎癌
|
34~64%
|
肝硬変
|
0.52
|
肝細胞癌
|
0.84
|
|
|
[★]
- 英
- cytokeratin
- 同
- 角質前物質, prekeratin
- 関
- [[]]
臨床関連