Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/03 10:58:56」(JST)
脳: 上丘 | |
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中脳の冠状断面。上丘は背側にあり、画像の一番上にラベルされている。
視神経と視索の結合を示す図における上丘(中心近く)
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名称 | |
日本語 | 上丘 |
英語 | superior colliculus |
ラテン語 | Colliculus superior |
略号 | SC |
関連構造 | |
上位構造 | 中脳蓋 |
画像 | |
アナトモグラフィー | 三次元CG |
関連情報 | |
Brede Database | 階層関係、座標情報 |
NeuroNames | 関連情報一覧 |
MeSH | Superior+Colliculus |
グレイの解剖学 | 書籍中の説明(英語) |
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上丘(superior colliculus, SC)は、脳の中脳蓋(tectum)にある有対の構造である。上丘ニューロンは視覚、聴覚、体性感覚刺激に応答する[1][2]。
目次
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2つの上丘は、視床の下に位置し、脊椎動物の中脳では松果体の周辺に位置する。上丘は、間脳の吻側、 中脳中心灰白質の背側、下丘の直上に位置する。下丘と上丘を合わせて、四丘体(corpora quadrigemina, Latin, quadruplet bodies)と呼ぶ。
人間の上丘はサッカード眼球運動や目と頭の協調(eye-head coordination)に関与している。上丘への求心性繊維は、大脳皮質、下丘、網膜、基底核、脊髄から始まる。遠心性繊維は、傍正中橋網様体(PPRF)、脊髄、他の部位へ到達する。人間を含む多くの脊椎動物では、中脳へ伝達された感覚情報は視床を経て大脳皮質で処理を受ける。しかしながら、上丘は皮質の関与を伴わずに眼球運動に関与することがある。
上丘のうち視覚情報を受け取るのは浅層のみであり、深層は聴覚・体性感覚の入力を受け取り、脳の多くの感覚運動領野との神経接続を持つ。上丘は全体としては頭部や眼球を、視対象・聴対象のほうへ向ける役割がある[3][4][5][6]。
霊長類の上丘は哺乳類のなかでは特異であると考えられている。これは、反対側の視野の完全なマップが含まれていないためである。その代わりに、視覚皮質と外側膝状体と同じように、左右の上丘はそれぞれ反対側の視野の半分を表象しており、同側でも視野の半分は表象していない。[7] このような機能的特性は、霊長類には耳側の網膜神経節細胞と反対側の上丘との解剖学的結合が存在しないことから説明される。他の哺乳類では、すべての網膜神経節細胞は反対側の上丘に投射する。霊長類と非霊長類のこのような差異は、オーストラリアの神経科学者en:Jack Pettigrewが1986年に提案したen:flying primates theoryの根拠となっている。彼はオオコウモリの網膜と上丘との解剖学的結合が霊長類にのそれと類似していることから、この説を提案した[8]。
コウモリ亜目の上丘は、反響定位系を構成する超音波の発音と耳の運動に影響するとされる[9]。
非哺乳類の脊椎動物で対応する中脳の領域は、視蓋(optic tectum)と呼ばれる。両生類、爬虫類、魚類では、視蓋は最大の視覚情報処理領域である。しかしながら、その機能はほとんど分かっていない。視蓋は、捕食者/獲物の弁別に必要であり、逃避行動や捕食行動に関連するとされる。他方で、より複雑な脊椎動物では、視覚において上丘が果たす役割はより少なくなっている。
ニシキヘビ科やマムシ亜科のように、赤外線での視覚が可能なヘビでは、はじめの神経入力には視神経ではなく三叉神経が用いられる。その後の視覚処理経路は、通常の視知覚と類似しており、上丘が関与する。
上丘の位置を様々な方向から見た動画。上丘を赤で示す。(出典:Anatomography)
後脳と間脳;後外から見た図。上丘を青色で示す。
脳幹の浅層の解剖。外側面から見た図
脳幹の解剖。外側面から見た図
脳幹の深層の解剖。外側面から見た図
脳幹の深層の解剖。外側面から見た図
上丘を含む中脳の横断面
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リンク元 | 「視床」「解剖学」「小脳」「中脳」「脳幹網様体」 |
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視床核 | 入力 | 出力 | 関連している機能 | |||
1 | 視床前核 | AP | 乳頭体 | 帯状回 | 大脳辺縁系の一部 | |
前背側核 | A | |||||
前腹側核 | AV | |||||
前内側核 | AM | |||||
2 | 視床内側核 | M | 視床核 | 視床下部・前頭葉 | 情動の体験・情動の具現 | |
3 | 視床外側核 | LT | ||||
背側外側核 | LD | 帯状回? | 帯状回? | 情動の発現 | ||
後外側核 | LP | 頭頂葉の連合野? | 頭頂葉の連合野? | 高等な精神作用と関連 | ||
前腹側核 | VA | 淡蒼球 | 前頭葉運動前野 | 運動系と関連 | ||
外側腹側核 | VL | 小脳歯状核 | 前頭葉運動野・運動前野 | 運動系と関連 | ||
後外側腹側核 | VPL | 体性感覚(下肢~上肢) | 頭頂葉の感覚野 | |||
後内側腹側核 | VPM | 体性感覚(頭部) | 頭頂葉の感覚野 | |||
4 | 視床後核 | 上丘、側頭葉、頭頂葉、後頭葉 | 側頭葉、頭頂葉、後頭葉 | 視覚、聴覚、体性感覚 |
名称 |
陰部大腿神経大腿枝 |
外側大腿皮神経 |
大腿神経前皮枝 |
閉鎖神経皮枝 |
伏在神経 |
浅腓骨神経 |
深腓骨神経 |
上殿皮神経 |
中殿皮神経 |
下殿皮神経 |
後大腿皮枝の枝 |
後大腿皮神経の終末枝 |
内側腓腹皮神経 |
外側腓腹皮神経 |
腓腹神経 |
外側足背皮神経 |
臓器 | 栄養血管 | 機能血管 | ||
動脈 | 静脈 | 動脈 | 静脈 | |
食道 | ||||
胃 | ||||
小腸 | 上腸間膜動脈 | 上腸間膜静脈→門脈 | ||
大腸 | 上・下腸間膜動脈 | 上・下腸間膜静脈→門脈 | ||
肝臓 | 固有肝動脈 | 肝静脈→下大静脈 | ||
胆嚢 | 胆嚢動脈 | 胆嚢静脈 | ||
膵臓 | ||||
気管 | ||||
肺 | 気管支動脈 | 気管支静脈 | 肺静脈 | 肺動脈幹→肺動脈 |
腎臓 | ||||
尿管 | ||||
膀胱 | ||||
脾臓 | 脾動脈 | 脾静脈 | ||
精巣 | 精巣動脈 | 蔓状静脈叢 | ||
卵巣 | 卵巣動脈 | 蔓状静脈叢→卵巣静脈 |
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
(KL.708)
入力 | 出力 | |
求心性線維 | 遠心性線維 | |
大脳皮質 | ○ | 網様体視床路経由 |
小脳 | ○ | 網様体小脳路 |
中脳 | 上丘・赤核 | 中脳核 |
脊髄 | 脊髄網様体路 脊髄視床路 | 網様体脊髄路 |
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