出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/23 01:39:07」(JST)
直腸 | |
---|---|
1.食道 2.胃 3.十二指腸 4.小腸 5.盲腸 6.虫垂 7.結腸 8.直腸 9.肛門
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|
英語 | Rectum |
器官 | 消化器 |
動脈
|
上直腸動脈
中直腸動脈 |
静脈
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上直腸静脈
中直腸静脈 |
神経
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腹腔神経節
迷走神経[1] |
直腸(ちょくちょう、rectum)は、肛門直前の腸の部分である。ヒトでは大腸のうち仙骨上端から肛門管直上までの部分である。
消化管はほとんどの動物では入り口から出口への一方通行であり、口から取り入れられた食物は途中で消化吸収されて肛門から排出される。その、排出される寸前の部分が直腸である。体外への排出のための筋肉が発達している。逆に消化吸収の機能は乏しい。
S状結腸が仙骨前面に達すると直腸になり、その前面を "仙骨の湾曲に沿って" 下降する。骨盤の下壁に届くと急に後方へとほぼ直角に屈曲して外界に開く(外界開口部は肛門)。直腸の長さは個人差はあるが、凡そ20cm前後である。
直腸は他の大腸と同じく「粘膜」「筋層」「漿膜」の3層より構成される(下部直腸は腹腔外にあるため漿膜は存在しない)。大腸では消化作用は殆ど無く、水の吸収が主である。上皮は単層円柱上皮で覆われている。また、肛門の表面は機械的な刺激に強い重層扁平上皮(英語版)で覆われている。肛門の真上では内輪筋が特に発達しており、内肛門括約筋を構成する。平滑筋で出来たこの括約筋のほかに、横紋筋で出来た外肛門括約筋がある。前者は反射的に、後者は意思に従って肛門を開閉する。直腸と肛門は解剖学的には上皮で区別されるが、外科学的には肛門括約筋より上部が直腸、下部が肛門管と解剖学的な区別より上位となっている。直腸は上部からRs(直腸S状部)、Ra、Rbの3つに分けられる。Rsは腸間膜を有するため、厳密にはS状結腸の一部であるが、本邦では一般的に直腸の一部として扱い,Rsに発生したがんを直腸がんと呼称する。これに対し,欧米ではRsに発生したがんはS状結腸がんと呼称する。RsとRaは第2仙椎下縁で、RaとRbは腹膜翻転部で区別される。(反転部、が一般的であるが正確には「翻転部」である。)これはアルファベット順のa,b,ではなく、腹膜飜転部より上か下か、すなわちaboveとbelowの頭文字である。特にRaとRbの区分は重要であり、どちらに病巣があるかで、手術様式が変わってくる。注腸造影や内視鏡検査の際には、第2ヒューストン弁が腹膜反転部の部位とほぼ一致するため、病変の位置を知る大きな目安となる。
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国試過去問 | 「104G059」「109C022」「106C021」「096G038」「106E033」「108E021」「103C005」「102G003」「111I028」「105D014」「102E035」「104E011」「101B109」 |
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A
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D
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64歳の女性。 2週前から、家庭用血圧計で測定した脈拍が毎分90回を超えるようになったことを心配して来院した。 1週前から、 2階まで階段を昇ると息切れを自覚するようになった。食生活に偏りはなく、過去1年の体重は一定しており、便通は5日に1回程度、黒色調であったという。体温36.2℃。脈拍96/分、整。血圧132/72mmHg。呼吸数24/分。眼瞼結膜は蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。甲状腺の腫大を認めない。胸骨左縁第3肋間を最強点とするⅡ/Ⅵ度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部に腹痛や圧痛を認めない。
D
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B
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C
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D
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E
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D
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器官 | 内 | 中 | 外 |
食道 | 輪筋層 | 縱筋層 | |
噴門部 | 斜筋層 | 輪筋層 | 縱筋層 |
胃体部 | 斜筋層 | 輪筋層 | 縱筋層 |
幽門部 | 斜筋層 | 幽門括約筋 | 縱筋層(発育悪) |
十二指腸 | 輪筋層 | 縱筋層 | |
空腸 | 輪筋層 | 縱筋層 | |
回腸 | 輪筋層 | 縱筋層 | |
結腸 | 輪筋層 | 結腸ひも | |
直腸 | 輪筋層 | 縱筋層 | |
肛門管 | 内肛門括約筋 | 線維弾性板 | |
虫垂 | 輪筋層 | 縦筋層 |
層構造 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | ||||||
器官 | 単層扁平上皮 | 単層立方上皮 | 単層円柱上皮 | 角化重層扁平上皮 | 非角化重層扁平上皮 | 上皮表層の構成細胞 | 粘膜固有層 | 腺の構成細胞 | 粘膜筋板 | 粘膜下組織 (大抵、粗結合組織) |
筋層 | 漿膜(結合組織+単層扁平上皮) 外膜(結合組織のみ) |
食道 | ○ | 食道噴門腺 (咽頭付近と胃付近に局在)、粘液腺 |
粘液細胞 (スムーズに食べ物を流す) |
縱層 (縦走筋のみ) |
固有食道腺(粘液腺、管状胞状、ペプシノーゲン、リゾチーム) | 内輪筋層 外縱筋層 (食道上1/3:骨格筋、食道中1/3:骨格筋、平滑筋、食道下1/3:平滑筋) |
外膜(横隔膜まで) 漿膜 | |||||
噴門部 | ○ | 胃表面上皮細胞(杯細胞なし) | 噴門腺、浅い胃小窩 | 胃表面上皮細胞 頚粘液細胞 幹細胞 内分泌細胞 壁細胞 |
内輪層 外縱層 (最外輪層) |
ー | 内斜筋層 中輪筋層 外縱筋層 |
漿膜 | ||||
胃体部 | ○ | 胃表面上皮細胞(杯細胞なし) | 固有胃腺 (管状腺) |
胃表面上皮細胞 頚粘液細胞 壁細胞 幹細胞 主細胞 内分泌細胞 |
内輪層 外縱層 (最外輪層) |
ー | 内斜筋層 中輪筋層 外縱筋層 |
漿膜 | ||||
幽門部 | ○ | 胃表面上皮細胞(杯細胞なし) | 幽門腺、深い胃小窩 | 胃表面上皮細胞 頚粘液細胞 壁細胞 幹細胞 内分泌細胞 |
内輪層 外縱層 (最外輪層) |
ー | 内斜筋層 中輪筋層(幽門括約筋) 外縱筋層(発育悪) |
漿膜 | ||||
十二指腸 | ○(杯細胞) | 吸収上皮細胞 杯細胞(ムチンノーゲン分泌) 内分泌細胞 M細胞 |
腸腺 | 吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 パネート細胞 |
内輪層 外縱層 |
ブルンネル腺 (分枝管状胞状腺、アルカリ性の粘液、ウロガストロン産生) |
内輪筋層 外縱筋層 |
漿膜 外膜(下行部、水平部, see ムーアp143) | ||||
空腸 | ○(杯細胞) | 吸収上皮細胞 杯細胞(ムチンノーゲン分泌) 内分泌細胞 M細胞 |
腸腺 | 吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 パネート細胞 |
内輪層 外縱層 |
ー | 内輪筋層 外縱筋層 |
漿膜 | ||||
回腸 | ○(杯細胞) | 吸収上皮細胞 杯細胞(ムチンノーゲン分泌) 内分泌細胞 M細胞 |
腸腺、パイエル板 | 吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 パネート細胞 |
内輪層 外縱層 |
ー | 内輪筋層 外縱筋層 |
漿膜 | ||||
結腸 | ○(杯細胞) | 吸収上皮細胞 杯細胞(ムチンノーゲン分泌) 内分泌細胞 |
腸腺 | 吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 |
内輪層 外縱層 |
ー | 内輪筋層 外縱筋層は結腸ひもを構成 |
漿膜と外膜 (上行、下行は後腹膜に密着。横行とS字は間膜?) | ||||
直腸 | ○(杯細胞) | 吸収上皮細胞 杯細胞(ムチンノーゲン分泌) 内分泌細胞 |
浅い腸腺 | 吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 パネート細胞 |
内輪層 外縱層 |
ー | 内輪筋層 外縱筋層 |
外膜 | ||||
肛門管 | ○ | ○ | ○ | 肛門柱、肛門周囲腺、肛門においては毛包と脂腺 | 内輪層 外縱層 |
内外痔静脈叢 | 内輪筋層(内肛門括約筋を形成) 外縱筋層 (線維弾性板に移行) |
外膜 | ||||
虫垂 | ○(杯細胞) | 吸収上皮細胞 杯細胞 内分泌細胞 |
浅い腸腺、リンパ小節 | 吸収上皮細胞 杯細胞 幹細胞 内分泌細胞 パネート細胞 |
内輪層 外縱層 |
リンパ小節、脂肪細胞 | 内輪筋層 外縱筋層 |
漿膜 |
症候名 | 便性状 | |
下血 | タール便 | 黒色便 |
血便 | 鮮血便 | 赤色便 |
疾患 | 頻度(%) |
虚血性腸炎 | 26.4 |
抗菌薬起因性腸炎 | 16.4 |
大腸癌、大腸ポリープ | 11.2 |
憩室炎 | 10 |
小腸より口側の出血 | 7.6 |
感染性腸炎 | 7.2 |
痔、裂肛 | 6.4 |
宿便性潰瘍 | 5.2 |
その他の腸炎 | 4 |
その他の出血 | 1.2 |
不明 | 4.4 |
暗褐色~赤褐色便 | 十二指腸 | 消化性潰瘍、乳頭部癌 |
肝臓 | 肝癌 | |
胆道 | 胆道腫瘍、胆道炎 | |
膵臓 | 膵炎、膵癌 | |
小腸 | クローン病、メッケル憩室、腸管動静脈血栓症、腸重積、感染性腸炎、結核、良悪性腫瘍 | |
鮮紅色便 | 結腸 | 結腸癌、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、ポリープ、憩室炎、悪性リンパ腫、薬物性腸炎、腸結核、S状結腸軸捻転、放射線腸炎 |
直腸~肛門 | 直腸癌、裂肛、痔核、ポリープ、潰瘍性大腸炎、放射線腸炎、子宮内膜症 |
粘膜内癌 | 粘膜下層癌 | RS | Ra | Rb | P | ||
内視鏡的粘膜切除術 | ○ | ||||||
内視鏡的粘膜下層剥離術 | ○ | ○ | |||||
前方切除術 | 高位前方切除術 | ○ | |||||
低位前方切除術 | ○ | ○ | |||||
超低位前方切除術 | 結腸肛門吻合術 | ? | ? | ||||
結腸嚢肛門吻合術 | ? | ? | |||||
直腸切断術(Mile's手術) | ○ | ○ |
1)膨起性往復運動 haustralshuttling movement 2)(単一)膨起性移送運動 segmentalhaustralpropulsion 3)多膨起性移送運動 multihaustralpropulsion 1) 2)により内容物のゆっくりした移動(5cm/hr) → 48hrで上行結腸よりS状結腸へ 4)総蠕動mass movement(mass peristalsis,maSS PrePulsion) 1-3回/日、強い蠕動→結腸内容物が直腸へ移動(→排便誘発) 5)収縮回数:直腸 > S状結腸 のため内容物はS状結腸へ移動 (通常は、直腸に内容物(-)) 6)胃大腸反射 gastro-colonic reflex 小腸大腸反射 ileo-colonic reflex:胃、小腸に内容物-→結腸に総蠕動(+) *排便 1)解剖 ①内肛門括約筋internalanal ②外肛門括約筋externalanal sphincter---平滑筋 sphincter山-一横紋筋 2)排便のメカニズム i)総蠕動一糞便直腸へ ii)直腸内圧〉20Ⅷ舶g ⇒ 直腸壁伸展⇒ 仙髄排便中枢(S2-4) ⇒ ①高位中枢(便奇形成) ②排便反射defecation reflex 内肛門筋弛緩 外肛門筋収縮(一過性) 直腸蠕動運動(⇒内圧をさらに高める) iii) 内圧45-55mmHg以上 内容物200ml以上 便意による排便動作 外肛門筋弛緩 腹筋、横隔膜収縮
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
-rectal ampulla
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