出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/26 15:24:22」(JST)
脳: 網様体 | |
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ヒト橋の冠状断。網様体 Formatio reticularis は左に示されている。
オリーブ核の中央付近における延髄の断面。網様体 Formatio reticularis は左に示されている。
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名称 | |
日本語 | 網様体 |
英語 | reticular formation |
ラテン語 | formatio reticularis |
関連構造 | |
上位構造 | 脳幹、下位脳幹 |
画像 | |
Digital Anatomist | 中脳断面 橋断面 |
関連情報 | |
Brede Database | 階層関係、座標情報 |
NeuroNames | 関連情報一覧 |
MeSH | Reticular+Formation |
グレイの解剖学 | 書籍中の説明(英語) |
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網様体(もうようたい、英語:reticular formation 、ラテン語:Formatio reticularis )とは、脳幹の背側部分に散在する構造物である。まばらな細胞体の間を網目状の神経線維が結んでいるのでこの名があり、白質にも灰白質にも分類されない。呼吸および循環の中枢であり、生命維持に不可欠な機能を担っている。
網様体は延髄から中脳まで、すなわち脳幹の全体に広がり、ミクロな構造の違いからいくつかの小部分に分けられる。網様体から出た線維は、脳神経の核と間脳の諸核の両方に達している。
網様体に入る線維では、脊髄を通ってきた痛覚線維のほか、視神経・内耳神経・三叉神経に由来する線維が視覚・聴覚・前庭覚(いわゆる平衡感覚)・顔面の触覚の情報を伝える。そのほか、大脳皮質、小脳、赤核、淡蒼球からの線維も網様体に入る。
網様体から出る線維は、脊髄、間脳の視床、延髄の迷走神経核、疑核・孤束核(舌咽神経の核)などに向かう。脊髄に向かった線維は運動機能の調節に関わる。視床に向かった線維は覚醒状態に関わる。迷走神経核、舌咽神経核に向かった線維は、それらの脳神経の調節を介して、呼吸と循環の調節に関わる。
網様体は主に迷走神経を介して呼吸・心拍数・血圧を調節する中枢である。この機能は生命維持に不可欠なので、網様体が傷つくことは直ちに命に関わる。脳幹が生命維持の中枢と言われる理由の多くは、脳幹の全体に広がる網様体が負っている。
網様体は視床を介して覚醒と睡眠の調節にも深く関わっている。痛みで目が覚めるなどの反応は、痛覚線維から伝わった刺激が網様体に入り、網様体の活動を促して意識や運動機能を活発にすると説明される。この様子は脳波の測定により観察できるが、詳しい機序には不明な部分も多い。
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臓器 | 栄養血管 | 機能血管 | ||
動脈 | 静脈 | 動脈 | 静脈 | |
食道 | ||||
胃 | ||||
小腸 | 上腸間膜動脈 | 上腸間膜静脈→門脈 | ||
大腸 | 上・下腸間膜動脈 | 上・下腸間膜静脈→門脈 | ||
肝臓 | 固有肝動脈 | 肝静脈→下大静脈 | ||
胆嚢 | 胆嚢動脈 | 胆嚢静脈 | ||
膵臓 | ||||
気管 | ||||
肺 | 気管支動脈 | 気管支静脈 | 肺静脈 | 肺動脈幹→肺動脈 |
腎臓 | ||||
尿管 | ||||
膀胱 | ||||
脾臓 | 脾動脈 | 脾静脈 | ||
精巣 | 精巣動脈 | 蔓状静脈叢 | ||
卵巣 | 卵巣動脈 | 蔓状静脈叢→卵巣静脈 |
伝達物質 | 局在 | |
A15 | ドーパミン | 嗅球の糸球体周囲細胞 |
A14 | 視床下部前部 | |
A13 | 不確帯 | |
A12 | 弓状核(漏斗核) | |
A11 | 視床下部後部 | |
A10 | 中脳腹側被蓋野 | |
A9 | 黒質緻密部 | |
A8 | 赤核後核 | |
A7 | ノルアドレナリン | 橋の網様体外側部 |
A6 | 青斑核 | |
A5 | 顔面神経核と上オリーブ核周囲。橋の下橋網様核(SP.423) | |
A4 | 第四脳室の直下で上小脳脚近傍 | |
A3 | 下オリーブ核背側 | |
A2 | 孤束核の周辺 | |
A1 | 外側網様体核周辺 | |
B9 | セロトニン | 内側毛帯近傍 |
B8 | 内中心角 | |
B7 | 背側縫線核 | |
B6 | 上中心角 | |
B5 | 橋縫線核の中 | |
B4 | 舌下神経前位核の背側 | |
B3 | 大縫線核 | |
B2 | 不確縫線核 | |
B1 | 淡蒼縫線核 | |
C3 | アドレナリン | 下オリーブ核と外側網様体の間 |
C2 | 孤束核とその周辺 | |
C1 | 背側縫線核。延髄網様体腹外側領域(SP.423) |
(KL.708)
入力 | 出力 | |
求心性線維 | 遠心性線維 | |
大脳皮質 | ○ | 網様体視床路経由 |
小脳 | ○ | 網様体小脳路 |
中脳 | 上丘・赤核 | 中脳核 |
脊髄 | 脊髄網様体路 脊髄視床路 | 網様体脊髄路 |
-globus pallidus
PPT, pedunculopontine tegmental nucleus 脚橋被蓋核 = 中脳の上小脳脚周囲網様体
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