- 英
- inferior vena cava (Z), IVC
- ラ
- vena cava inferior
走行
枝 (KL.409)
- 腰静脈
- 精巣静脈・卵巣静脈
- 腎静脈
- 肝静脈
- 下横隔静脈
臨床関連
- 参考1
右房圧
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下大静脈径
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呼吸性変動
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5mmHg
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≦18mm
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あり
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10mmHg
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≧18mm
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あり
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15mmHg
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なし
|
参考
- http://www.us-kensahou-seminar.net/muse4/ch2/sub5/index.html
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/28 16:03:27」(JST)
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静脈: 下大静脈 |
心臓の正面からの断面図。白い矢印が通常の血液の流れを示す。
|
下の方の太い静脈が下大静脈である(一部切断)。
|
英語 |
inferior vena cava |
ラテン語 |
vena cava inferior |
グレイの解剖学 |
書籍中の説明(英語) |
起始
|
総腸骨静脈
腰静脈
精巣静脈・卵巣静脈
腎静脈
肝静脈
|
合流
|
心臓
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動脈
|
腹部大動脈
|
MeSH |
Vena+Cava,+Inferior |
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下大静脈(かだいじょうみゃく、inferior vena cava(IVC))とはヒトの体の中でいちばん大きな静脈で、その直径は約3.5cmである。下半身からの血液を集めて心臓に流れ込んでいる。
下大静脈は腹腔の後部で脊柱の右側を上行しており、右下方の後面から右心房に入る。
目次
- 1 還流静脈
- 2 関連疾患
- 3 発生
- 4 画像
- 5 関連項目
- 6 出典
- 7 外部リンク
還流静脈
下大静脈は左右の総腸骨静脈が合流してできる。下大静脈は脊柱と並走する奇静脈系や脊柱内外を網目のように存在する椎骨静脈叢と吻合しており、下大静脈が閉塞した際にはこれらの静脈が副側路となる。
下大静脈はT8の高さにある、横隔膜の大静脈孔を通って胸腔内に入るとすぐに右心房に合流する。下大静脈に流入する主な根には次のようなものがある。
静脈 |
高さ |
下横隔静脈 |
T8 |
肝静脈 |
T8 |
腎静脈 |
L1 |
精巣静脈・卵巣静脈 |
L2 |
腰静脈 |
L1-L5 |
総腸骨静脈 |
L5 |
下大静脈が体の中心から少し外れているために還流の形は非対称なところがある。たとえば、右精巣・卵巣静脈は直接下大静脈に流れ込んでいるが、左側は左腎静脈と合流してから下大静脈に流れ込んでいる。その一方で、肝静脈や腰静脈は通常左右対称で直接下大静脈に流れ込んでいる。
なお、上半身の静脈環流は上大静脈が担っており、上大静脈と下大静脈は奇静脈を介して連絡している。
関連疾患
管腔内圧は低く破裂を起こしにくいため下大静脈に関する病気はほとんどの場合、その狭窄に関するものである。下大静脈を圧迫する典型的な原因に大動脈の拡張、妊娠による子宮の拡大、腹部の悪性腫瘍(大腸がん・腎細胞がん・卵巣がん)がある。まれに排便時のいきみで下大静脈の血流が悪くなり失神することがある[1]。
下大静脈の閉塞は稀であるが、命にかかわり緊急性が高いとされる。深部静脈血栓症や肝移植、大腿静脈のカテーテルなどの医療器具で閉塞を起こすことがある。[2]
発生
発生において、右心房と下大静脈はオイスタシイ弁によって分けられる。この構造は成体においては完全に退行しているか小さな心内膜ひだとして残っているかである[3] 。下大静脈の他の部分は、体幹を縦走する左右有対称の主な静脈のいろいろな部分が連なって形成される。比較的複雑な発生過程を経るために下大静脈には異常や変異が多い。
画像
関連項目
- 下大静脈フィルター
- 下大静脈症候群
- 大静脈
- 上大静脈
出典
- ^ Brophy CM, Evans L, Sumpio BE. Defecation syncope secondary to functional inferior vena caval obstruction during a Valsalva maneuver. Ann Vasc Surg. 1993 Jul;7(4):374-7. PMID 8268080.
- ^ Geehan DM, Inferior Vena Caval Thrombosis, emedicine.com, URL: http://www.emedicine.com/med/topic2718.htm, Accessed: August 3, 2005.
- ^ Yavuz T, Nazli C, Kinay O, Kutsal A. Giant eustachian valve with echocardiographic appearance of divided right atrium. Tex Heart Inst J. 2002;29(4):336-8. PMID 12484622 Full Text.
外部リンク
- synd/1462 - Who Named It? - "Eustachian valve"
- Anatomy photo:40:13-0101 at the SUNY Downstate Medical Center - "Posterior Abdominal Wall: Tributaries to the Inferior Vena Cava"
UpToDate Contents
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- 1. 下大静脈フィルター留置とその合併症 placement of inferior vena cava filters and their complications
- 2. 静脈血栓症の原因の概要 overview of the causes of venous thrombosis
- 3. 右心の心エコー評価 echocardiographic assessment of the right heart
- 4. 大腿静脈カテーテルの留置 placement of femoral venous catheters
- 5. 頸静脈カテーテルの留置 placement of jugular venous catheters
Japanese Journal
- 高度脈管浸潤を伴う肝細胞癌に対する拡大手術 (特集 消化器癌拡大手術の最新手技)
- 症例報告 外傷性十二指腸壁内血腫により下大静脈血栓が生じ,肺血栓塞栓症を発症した1例
- Case Report 下大静脈腫瘍栓を伴った腎癌術後,非感染性DICが疑われる症例に対し,トロンボモジュリン製剤が著効した一例
- 田村 啓多,高山 達也,杉山 貴之 [他]
- Thrombosis medicine 2(3), 302-305, 2012-09
- NAID 40019430549
Related Links
- 下大静脈(かだいじょうみゃく、inferior vena cava(IVC))とはヒトの体の中でいちばん 大きな静脈で、その直径は約3.5cmである。下半身からの血液を集めて心臓に 流れ込んでいる。 下大静脈は腹腔の後部で脊柱の右側を上行しており、右下方の後面 から右 ...
- デジタル大辞泉 下大静脈の用語解説 - 腰椎下端部で左右の下肢の静脈が合流する ところに始まり、さらに腎静脈・肝静脈などから血液を受け入れ、右心房に送るまでの 静脈の本幹。 ...
- 2012年1月4日 ... 下大静脈とは、全身に酸素を供給した血液が心臓に戻るときに通る太い静脈2本のうち のひとつ。骨盤内?ではじまり腹部を通って上方に進み、心臓の右心房につながる。下肢 、骨盤部?、腹部内臓?などのすべてからの血液が集まる。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 60歳の女性。顔のむくみ、息苦しさ及び痰に血が混じることを主訴に来院した。3か月前から顔面腫脹、咳嗽および呼吸困難のため自宅近くの診療所で抗菌薬と利尿薬とを処方され内服したが軽快しなかった。1週前から血痰もみられるようになったため受診した。喫煙は30本/日を35年間。意識は清明。身長160cm、体重68kg。体温36.7℃。脈拍92/分、整。血圧140/96mmHg。呼吸数14/分。SpO2 96%(room air)。頸静脈と前胸部皮静脈とに怒張を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。右鎖骨上窩に径2cmのリンパ節を触知する。NSE 107ng/ml(基準10以下)、ProGRP 580pg/ml(基準46以下)。胸部エックス線写真(別冊No.1)を別に示す。
- 狭窄または閉塞が考えられる血管はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107F015]←[国試_107]→[107F017]
[★]
- 60歳の男性。顔面と上肢とのむくみを主訴に来院した。1か月前から、ワイシャツの首のボタンをかけるのが苦しくなり、時計バンドがきつくなった。家族から顔面のむくみを指摘された。喫煙歴は40本/日を40年間。顔面と両上肢とに浮腫を認める。両側頸静脈の怒張と胸部から上腹部にかけての静脈怒張とを認める。下肢に浮腫を認めない。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E051]←[国試_103]→[103E053]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [098G034]←[国試_098]→[098G036]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105E007]←[国試_105]→[105E009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105B003]←[国試_105]→[105B005]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101B024]←[国試_101]→[101B026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106A060]←[国試_106]→[106B002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D045]←[国試_099]→[099D047]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G033]←[国試_098]→[098G035]
[★]
- 二次孔心房中隔欠損症で血液酸素飽和度が上昇し始めるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097G098]←[国試_097]→[097G100]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110D010]←[国試_110]→[110D012]
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[正答]
※国試ナビ4※ [106E037]←[国試_106]→[106E039]
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[正答]
※国試ナビ4※ [110B007]←[国試_110]→[110B009]
[★]
- 英
- anatomy
- ラ
- anatomia
- 関
- 体表解剖学、臨床解剖学、神経解剖学、比較解剖学
系統解剖
運動
骨
部位ごとの分類
関節ごとの分類
神経
部位別
上肢
体幹
下肢
下肢の皮神経
脳幹の神経解剖
血管
臓器に分布する血管
各体部位に分布する血管
- 頚部
[★]
- 英
- diaphragm (Z,K)
- ラ
- diaphragma
起始
神経
機能
横隔膜を貫く器官 (N.189)
- 高さ:T12
- 高さ:T8
- 高さ:T10
筋束を直接貫いているもの
裏側を通っている
体表解剖
- 第5肋骨と右鎖骨中線との交点、及び第6軟骨と左鎖骨中線との交点について、これら2交点を結ぶ線
発生
- 胸腔と腹腔は心腹膜管をとおして体の後壁に沿って連続している。
- 発生第5週のはじめに背外側?から胸腹膜ヒダが現れてのびだし、横中隔および食道間膜と癒合する。
- 発生第7週に胸腔と腹腔が分離する。
画像検査
胸部単純X線写真
- 正常者の横隔膜の位置は後方第10肋間 (wikipedia ja)
臨床関連
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- heart
- ラ
- cor
- 関
- 肺、循環器
性状
体表解剖
- 心臓の上縁:左の第2肋軟骨の下縁と右の第3肋軟骨を結ぶ線上
- 心臓の右縁:右の第3肋軟骨から右の第6軟骨に向かう線。この線は外側に向かって弓状をなす。
- 心臓の下縁:右縁の下端から第5肋間隙で左鎖骨中線の近くに向かう線
- 心臓の左縁:上縁と下縁を外側に凸となる曲線で結んだ線
機能血管
動脈
静脈
心臓の栄養動脈 (M.92)
-
- 洞房結節枝
- 右縁枝
- 後下行枝 = 後室間枝
- 房室結節枝
-
心臓の栄養静脈 (M.95)
心臓の静脈の特徴
- 酸素供給能 = 心臓の送血能 x 血液のHb量 x (動脈の酸素飽和度(肺) - 静脈の酸素飽和度(末梢))
- 心臓の酸素消費量と仕事
[★]
- 英
- adrenal gland (KH), suprarenal gland (Z)
- 同
- 腎上体
解剖
血管(図:N.322)
- ref(renal_gland_av.png,副腎)
組織
機能
[★]
- 同
- central venous pressure, CVP
正常値
- SAN.174
エコーによる評価
- レジデントノート 12(8);2010,1369
下大静脈径
|
中心静脈圧
|
低
|
正常 (≦10mmHg)
|
高
|
呼気時(mm)
|
|
≦15mm
|
>15mm
|
呼吸性変動(%)
|
100%(完全虚脱)
|
≧50%
|
<50%
|
[★]
- 英
- retrocaval ureter, preureteral vena cava, circum caval ureter
- 同
- 下大静脈後尿管、後下大静脈尿管
[show details]
概念
- 下大静脈の発生異常(下主静脈)により、尿管が下大静脈の後方を迂回して走行する奇形であり、特に右側に多い。尿管が下大静脈に圧迫されるため水腎症になりやすく、また尿路感染をきたしやすい。 (参考1 YN.E-76)
参考
- https://livedoor.blogimg.jp/iskwyou1/imgs/e/1/e18b5e17.jpg
[★]
- 英
- portacaval shunt
- 同
- 門脈大循環短絡術、門脈体循環短絡術
- 関
- 門脈大静脈吻合
[★]
- 英
- inferior vena cava interruption with azygos connection
- 関
- 下大静脈奇静脈結合
[★]
- 英
- inferior vena cava umbrella filter
[★]
- 英
- nodi lymphatici postcavales
[★]
- 英
- vein (Z)
- ラ
- vena
- 毛細血管から発生した静脈血を心臓に送るために使われる血管。
[★]
- ラ
- vena cava
- 関
- 静脈
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.