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癌

英
cancer
関
悪性腫瘍


種類

  • 癌腫(carcinoma):上皮性
  • 肉腫(sarcoma):間葉系
  • carcinoma:腺癌(adenocarcinma)、扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)、移行上皮癌(transitional cell carcinoma)
  • sarcoma:骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫

Neoplasm Causes Effect
Small cell lung carcinoma ACTH or ACTH-like peptide Cushing’s syndrome
Small cell lung carcinoma and intracranial neoplasms ADH SIADH
Squamous cell lung carcinoma, renal cell carcinoma, breast carcinoma, multiple myeloma, and bone metastasis (lysed bone) PTH-related peptide, TGF-β, TNF-α, IL-1 Hypercalcemia
Renal cell carcinoma, hemangioblastoma Erythropoietin Polycythemia
Thymoma, small cell lung carcinoma Antibodies against presynaptic Ca2+ channels at neuromuscular junction Lambert-Eaton syndrome (muscle weakness)
Leukemias and lymphomas Hyperuricemia due to excess nucleic acid turnover (i.e., cytotoxic therapy) Gout, urate nephropathy
  • 最新癌統計
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/statistics/pub/statistics01.html
●2005年の死亡数が多い部位は順に
  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 肺 胃 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は4位
女性 胃 肺 結腸 肝臓 乳房 結腸と直腸を合わせた大腸は1位
男女計 肺 胃 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は3位
 
●2001年の罹患数が多い部位は順に
  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 胃 肺 結腸 肝臓 前立腺 結腸と直腸を合わせた大腸は2位
女性 乳房*1 胃 結腸 子宮*1 肺 結腸と直腸を合わせた大腸は1位
男女計 胃 肺 結腸 乳房*1 肝臓 結腸と直腸を合わせた大腸は2位
*1上皮内がんを含む。



癌の素因となる遺伝子

HIM.494
Table 79-1 Cancer Predisposition Syndromes and Associated Genes
Syndrome Gene Chromosome Inheritance Tumors
ataxia telangiectasia ATM  11q22-q23 AR breast cancer
autoimmune lymphoproliferative syndrome FAS 10q24 AD lymphomas
FASL 1q23  
Bloom syndrome BLM  15q26.1 AR cancer of all types
Cowden syndrome PTEN  10q23 AD breast, thyroid
familial adenomatous polyposis APC  5q21 AD intestinal adenoma, colorectal cancer
familial melanoma p16INK4 9p21 AD melanoma, pancreatic cancer
familial Wilms tumor WT1  11p13 AD pediatric kidney cancer
hereditary breast/ovarian cancer BRCA1 17q21 AD breast, ovarian, colon, prostate
BRCA2 13q12.3  
hereditary diffuse gastric cancer CDH1 16q22 AD stomach cancers
hereditary multiple exostoses EXT1 8q24 AD exostoses, chondrosarcoma
EXT2 11p11-12  
hereditary prostate cancer HPC1 1q24-25 AD prostate carcinoma
hereditary retinoblastoma RB1 13q14.2 AD retinoblastoma, osteosarcoma
hereditary nonpolyposis colon cancer (HNPCC) MSH2 2p16 AD colon, endometrial, ovarian, stomach, small bowel, ureter carcinoma
MLH1 3p21.3  
MSH6 2p16  
PMS2 7p22  
hereditary papillary renal carcinoma MET  7q31 AD papillary renal tumor
juvenile polyposis SMAD4 18q21 AD gastrointestinal, pancreatic cancers
Li-Fraumeni TP53 17p13.1 AD sarcoma, breast cancer
multiple endocrine neoplasia type 1 MEN1  11q13 AD parathyroid, endocrine, pancreas, and pituitary
multiple endocrine neoplasia type 2a RET  10q11.2 AD medullary thyroid carcinoma, pheochromocytoma
neurofibromatosis type 1 NF1  17q11.2 AD neurofibroma, neurofibrosarcoma, brain tumor
neurofibromatosis type 2 NF2  22q12.2 AD vestibular schwannoma, meningioma, spine
nevoid basal cell carcinoma syndrome (Gorlin's syndrome) PTCH 9q22.3 AD basal cell carcinoma, medulloblastoma, jaw cysts
tuberous sclerosis TSC1 9q34 AD angiofibroma, renal angiomyolipoma
TSC2 16p13.3  
von Hippel–Lindau VHL  3p25-26 AD kidney, cerebellum, pheochromocytoma


癌遺伝子、癌抑制遺伝子


癌の危険因子

生活習慣病#生活習慣病などのリスクファクターを改変
疾患 危険因子 防御因子
悪性腫瘍 胃癌 塩辛い食品、喫煙、くん製製品、ニトロソアミン土壌、腸上皮化生、Helicobacter pyroli ビタミンC、野菜、果実
食道癌 喫煙、飲酒、熱い飲食物 野菜、果実
結腸癌 高脂肪食、肉食、低い身体活動、腸内細菌叢の変化、遺伝(家族性大腸腺腫症)  
肝癌 HBVキャリア・HCVキャリア、アフラトキシン、住血吸虫、飲酒  
肺癌 喫煙(特に扁平上皮癌)、大気汚染、職業的暴露(石綿(扁平上皮癌、悪性中皮腫)、クロム) 野菜、果実
膵癌 高脂肪食、喫煙  
口腔癌 喫煙(口唇・舌-パイプ)、ビンロウ樹の実(口腔、舌)、飲酒  
咽頭癌 EBウイルス(上咽頭癌)、飲酒  
喉頭癌 喫煙、男性、アルコール  
乳癌 高年初産、乳癌の家族歴、肥満、未婚で妊娠回数少ない、無授乳、脂肪の過剰摂取、低年齢初経、高年齢閉経 母乳授乳
子宮頚癌 初交年齢若い、早婚、多産、性交回数が多い(売春)、貧困、不潔]、HSV-2、HPV、流産、人工妊娠中絶回数が多い  
子宮体癌 肥満、糖尿病、ピル、エストロゲン常用、未婚、妊娠回数少ない、乳癌後のタモキシフエン内服  
膀胱癌 喫煙、鎮痛剤乱用、ビルハルツ住血吸虫、サッカリン、防腐剤  
皮膚癌 日光(紫外線)、ヒ素(Bowen病)  
白血病 放射線、ベンゼン、地域集積性(ATL)、ダウン症(小児白血病)  
骨腫瘍 電離放射線  
甲状腺癌 ヨード欠乏または過剰  

WordNet

  1. any malignant growth or tumor caused by abnormal and uncontrolled cell division; it may spread to other parts of the body through the lymphatic system or the blood stream (同)malignant neoplastic disease

PrepTutorEJDIC

  1. 〈U〉〈C〉『がん』 / 〈U〉〈C〉害悪 / 《Cancer》(星座の)カニ座

Wikipedia preview

出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/04/25 10:05:13」(JST)

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「がん」はこの項目へ転送されています。
  • 上皮性の悪性腫瘍については「癌腫」をご覧ください。
  • その他の用法については「がん (曖昧さ回避)」をご覧ください。

悪性腫瘍(あくせいしゅよう、英: malignant tumor)は、遺伝子変異によって自律的で制御されない増殖を行うようになった細胞集団(腫瘍、良性腫瘍と悪性腫瘍)のなかで周囲の組織に浸潤し、また転移を起こす腫瘍である。悪性腫瘍のほとんどは無治療のままだと全身に転移して患者を死に至らしめる[1][2]。

一般に癌(ガン、がん、英: cancer、独: Krebs)、悪性新生物(あくせいしんせいぶつ、英: malignant neoplasm)とも呼ばれる。

「がん」という語は「悪性腫瘍」と同義として用いられることが多く、本稿もそれに倣い「悪性腫瘍」と「がん」とを明確に区別する必要が無い箇所は、同一語として用いている。

目次

  • 1 語義
  • 2 概念
  • 3 がんの代謝
  • 4 がん理解の歴史の概略
    • 4.1 ウイルス説を巡る歴史
  • 5 悪性腫瘍に関連する医学的分類
  • 6 疫学
  • 7 発生機序
    • 7.1 がん発生に関与する遺伝子群
    • 7.2 分化度
  • 8 発生要因
    • 8.1 生活習慣(肉食、塩分、喫煙、飲酒など)
    • 8.2 病因微生物
    • 8.3 遺伝的原因
  • 9 予防
    • 9.1 がん予防10か条(世界がん研究基金)
    • 9.2 がん対策の目標(健康日本21-日本厚生労働省)
    • 9.3 がんを防ぐための12か条(日本国立がんセンター)
    • 9.4 がん検診
    • 9.5 その他
  • 10 分類
    • 10.1 組織学的分類
    • 10.2 成人のがん
    • 10.3 幼児期のがん
  • 11 診断
    • 11.1 細胞診断・生検組織診断
    • 11.2 進行度
  • 12 治療
  • 13 がん治療後の生活の質の向上
    • 13.1 ストーマ
    • 13.2 気管孔
    • 13.3 再建術
    • 13.4 エピテーゼ
      • 13.4.1 人工乳房
      • 13.4.2 顔面エピテーゼ
      • 13.4.3 義肢(義手・義足)
    • 13.5 補遺
  • 14 がんの一覧
  • 15 脚注
    • 15.1 注
    • 15.2 出典
  • 16 参考文献
  • 17 関連項目
  • 18 外部リンク

語義

ウィクショナリーに癌の項目があります。

「悪性腫瘍(malignant tumor)」は、一般に「がん(英: cancer、独: Krebs)」として知られているが、病理学的には漢字で「癌」というと悪性腫瘍のなかでも特に「癌腫(上皮腫、carcinoma)」のことを指す。

日本語では平仮名の「がん」と漢字の「癌」は同意ではない。平仮名の「がん」は、「癌」や「肉腫」、白血病などの血液悪性腫瘍も含めた広義的な意味で悪性腫瘍を表す言葉としてつかわれているからである。したがって癌ばかりでなく肉腫や血液悪性腫瘍も対象にする「国立がん研究センター」や各県の「がんセンター」は平仮名で表記する[3]。

「癌」を表す「cancer」は、かに座 (cancer) と同じ単語であり、乳癌の腫瘍が蟹の脚のような広がりを見せた[4]ところから、医学の父と呼ばれるヒポクラテスが「蟹」の意味として古代ギリシャ語で「καρκίνος (carcinos)」と名づけ、これをアウルス・コルネリウス・ケルススが「cancer」とラテン語訳したものである。

漢字の「癌」は病垂と「岩」の異体字である「嵒」との会意形声文字で、本来は「乳がん」の意味である。触診すると岩のようにこりこりしているからで、江戸期には「岩」と書かれた文書もある。有吉佐和子の小説「華岡青洲の妻」には、乳がんを表す「岩(がん)」ということばが頻出する。

「悪性腫瘍」は「悪性新生物」とも呼ばれることがあるが、malignant neoplasmの訳語として作られた言葉で、malignant「悪性の」、neo「新しく」、plasm「形成されたもの」を意味する。

なお、「癌」という言葉は、上記の用法をもとに比喩的に用いられることがあり、社会の機構や組織について「○○は△△のがんだ」ということがある[5]。

概念

「悪性腫瘍」とは、腫瘍の中でも、特に浸潤性を有し、増殖・転移するなど悪性を示すもののことである。

ヒトの身体は数十兆個の細胞からなっている。これらの細胞は、正常な状態では細胞数をほぼ一定に保つため、分裂・増殖しすぎないような制御機構が働いている。 それに対して腫瘍は、生体の細胞の遺伝子に異常がおきて、正常なコントロールを受け付けなくなり自律的に増殖するようになったものである。この腫瘍が正常組織との間に明確なしきりを作らず浸潤的に増殖していく場合、あるいは転移を起こす場合(多くは浸潤と転移の双方をおこす)悪性腫瘍と呼ばれている[1][2]。

  • 無制限に栄養を使って増殖するため、生体は急速に消耗する
  • 臓器の正常組織を置き換え、もしくは圧迫して機能不全に陥れる
  • 異常な内分泌により正常な生体機能を妨げる(→播種性血管内凝固症候群 (DIC)、傍腫瘍症候群、高カルシウム血症)
  • 全身に転移することにより、多数の臓器を機能不全に陥れる

がんの代謝

通常の細胞では、酸素が十分に供給されている時は、効率がよい酸化的リン酸化でエネルギー産生を行ない、酸素が十分に供給されない時は、効率が悪い解糖系によって、エネルギーを得ている。一方、がん細胞は、酸素が十分に供給されている環境下でも、エネルギー効率の悪い解糖系を活性化していることが知られている。この現象は、ワーバーグ効果と呼ばれている。この現象は以前から知られていたが、代謝物を一斉に測定・解析を行なうメタボロミクスによって、非がん組織と比較してがん組織で、解糖系の代謝中間体のプロファイルが明らかになり、解糖系の活性化が明確に示された[6]。

がん理解の歴史の概略

がんという病気を理解しようとする人たちは古代からおり、悪戦苦闘が繰り広げられてきた[7]。

(上述のごとく)cancerという言葉の歴史は古いもので、古代ギリシア語のkarkinos カルキノス(=カニ)に由来している[7]。あちこちに爪を伸ばし食い込んでゆく様子を、その言葉で表現したのである[7]。がん研究、腫瘍学を指す「オンコロジー」という言葉も、古代ギリシア語のoncos オンコス(=塊 かたまり)を語源としている。

古代ローマのガレノス(2~3世紀ごろ)は、がんは四体液のひとつの黒胆汁が過剰になると生じる、と考えた[7]。(ガレノスというのは1500年ころまでは、医学の領域で「権威」とされた人物である[7])。ガレノスの後継者のなかには、情欲にふけることや、禁欲や、憂鬱が原因だとする者もいた[7]。また同後継者には、ある種のがんが特定の家系に集中することに着目して、がんというのは遺伝的な病苦だ、と説明する者もいた[7]。

18世紀後半をすぎるころになると、がんの一因として環境中の毒(タバコ、煙突掃除夫の皮膚につく煙突の煤、鉱坑の粉じん、アニリン染料が含有する化学物質 等)もあるのでは、とする説が、多くの人によって提唱された[7]。

19世紀なかごろに、フィラデルフィアの名外科医のサミュエル・グロスは「(がんについて)確実にわかっていることは、我々はがんについて何も知らない、ということだけである」と書いた[7]。そして、そのような「何も知らない」という状況は、19世紀末の時点でも、ほとんど変わっていなかった[7]。

その後1世紀ほどを経た現在、がんについてある程度のことは分かったと言える状態になった。だが、その理解は一気になされたわけではなく、理解を進めるたびに研究者の間で新たな疑問が登場し、科学的な知識が徐々に増えてきた、という状態なのである[7]。がん研究は研究者たちにとって、多くの困難と挫折に満ちたものであった[7]。

20世紀初頭には、「感染症は特定の微生物によって引き起こされる」という説を支持する例が実験によって多数確認されため、他の病気も容易に解明されるだろうと考えたり、がんも解明されるだろうと予想する人は多かった[7]。だが、そのような予想は安易すぎたのである。

ウイルス説を巡る歴史

「がんは感染症ではない」とも考えられていた[7]。というのは白血病など、患者から家族や医療関係者に伝染することがないためである[7]。だが、動物(の個体)からとった腫瘍を他の動物(の個体)に移植すると癌が誘発されることが判った19世紀末以降は、がんにも感染性の病原体があるのかも知れないと考える人も出てきて、彼らは20世紀初頭までに、原生動物・バクテリア・スピロヘータ・かびなどを調べた。それらの研究はうまくゆかず、がんの原因に感染症があると考える諸説は信用を失いそうになった。だが、ペイトン・ラウスが腫瘍から細胞とバクテリアを取り除いた抽出液をつくることを思いつき、それを調べれば細胞の他に作用している因子が見つかるかも知れないと考え、ニワトリの肉腫をろ過した抽出液を健康なニワトリに注射し、その鶏にも肉腫が発生するのを実験によって確認し、その腫瘍は、微小な寄生生物、おそらくウイルスに刺激されて生じたものかも知れない、とした[7]。当時はウイルスの正体は分かっておらず、「…でないもの」という否定表現でしか記述できなかった[7]。科学者はがんが感染するという実験的事実から、未知の病原体が存在するであろうことにも気付いたのである[7]。その後ウサギでも同様の実験結果が得られたが、腫瘍を伝染させることに成功したのは主にニワトリ(やウサギ)の場合に限られていたので、やがて、がんの一因にウイルスがあるとする説は評判が悪くなってしまい、これを支持する科学者は評判を落としてしまいかねないような状況になった[7]。異端の説だと見なされ、疑似科学者扱いされかねない空気が科学界に蔓延したのである。

ジャクソン研究所(英語版)というのは、1929年に設立された組織で、今日では基礎医学研究用の規格化マウスを供給する組織として米国最大のものだが、その研究所での がん発生研究のプログラムというのは、「問題は遺伝子であって、ウイルスではない」という前提のもとに行われていた[7]。だが、同研究所のジョン・ビットナー(英語版)が、マウスのある種のがんは、母乳中の発がん因子が授乳を通じて子に移される仕組みであるという、ウイルスが関与しているという証拠を偶然に発見した[7]。だが、当時の科学界は上述のようにウイルス説を異端視していたのでビットナーは躊躇して、それを「ウイルス」とは呼ばず、あえて「ミルク因子」と呼んだ[7]。

ルドウィク・グロス(英語版)も、ウイルスが癌の原因になることがあることを、マウスの白血病がウイルスによってうつることを示す実験を行うことで確かめ、それを発表・報告したのだが、がん研究者の大半はその報告をまともに受け取らず、データ捏造をしているのでは、と考える者すらいた[7]。今流に言えば、ワシントンにある研究公正局に出頭を求められかねないような扱いをされたのである[7]。

アメリカ国立癌研究所が設立された時期、公衆衛生局局長の諮問委員会は、がんの原因としてウイルスは無視できると結論づけた[7](結論づけてしまうような有様だった)。

「《ミルク因子》というのは、ウイルスだ」と解釈することを科学的なこととして認め、ウィルス説を科学的にまじめに検討すべきだ、という認識ができてきたのはようやく1940年代末のことだった[7]。状況を変えた人物はジャコブ・ファース(Jacob Furth、1896-1979)[注 1]であった[7]。ファースはすでに高名な科学者であったが、その彼がグロスの実験を、それに用いるマウスの種類まで正確になぞることで、実験に再現性があること、そして事実であることを証明した。それによって基礎医学者たちがようやく、悪性腫瘍にウイルスが関与することがあるということを理解するようになったのである[7]。かくして、長らく異端者のように扱われてきたペイトン・ラウスは、1966年に85歳でノーベル医学生理学賞を受賞した[7]。

悪性腫瘍に関連する医学的分類

癌腫と肉腫の比較
  癌腫 肉腫
由来 上皮性 非上皮性
発育速度 速い より速い
年齢 高齢者 若年者
転移行性 リンパ行性 血行性
構造 胞巣構造 混合

悪性腫瘍(malignant tumor)の用語は病理学において以下のように分類される。

  • 癌腫(羅: carcinoma):上皮組織由来の悪性腫瘍
  • 肉腫(羅: sarcoma):非上皮組織由来の悪性腫瘍
  • その他:白血病など

疫学

2004年における10万人毎の悪性腫瘍による死亡者数(年齢標準化済み)[8]

0 no data
0   55
0 55-80
0 80-105
0 105-130
0 130-155
0 155-180
0 180-205
0 205-230
0 230-255
0 255-280
0 280-305
0   305
悪性新生物の主な部位別にみた男性・年次別年齢調整死亡率(人口10万対)、日本[9][10]
悪性新生物の主な部位別にみた女性・年次別年齢調整死亡率(人口10万対)、日本

日本では1981年から死因のトップとなり、2010年度は死因の約3割を占めている[11]。

世界保健機関 (WHO) によれば、2005年の世界の5800万人の死亡のうち、悪性腫瘍による死亡は13%(760万人)を占める。死亡原因となった悪性腫瘍のうち、最多のものは肺がん(130万人)で、胃がん(100万人)、肝がん、大腸がん、乳がんなどが続く。悪性腫瘍による死亡は増加し続け、2030年には1140万人が悪性腫瘍で死亡すると予測されている。

WHOによると、禁煙・健康的な食生活・適度な運動により、悪性腫瘍による死亡のうち、40%は予防可能であるとされる。特に喫煙は予防可能な死亡の最大の原因とされ、肺がんの80-90%が喫煙に起因する。受動喫煙も肺がんの原因である。

後述環境と食事・予防も参照

細胞のがん化する過程

正常な細胞→過形成→軽度の異形成→重度の異形成→がん細胞と変化していく
発がん抑制のための生体防御機構

発生機序

悪性腫瘍が生じるしくみについては様々な説明がある。比較的多い説明というのは、遺伝子におきた何らかの変化・病変が関わって生じている、とする説明である。では、その遺伝子の何らかの病変がどのように生じているのか、ということに関しては、実に様々な要素・条件が指摘されていて、研究者ごとにその指摘の内容や列挙のしかたは異なる。数百年前に比べれば、かなり多くのことが判ってきてはいるものの、現在でも悪性腫瘍発生のしくみの全てがすっきりと解明されているとも言えず、研究者を越えて同一の考え方が共有されているとも言い難い。

発生機序について、どの説明でもほぼ共通して言及されている内容というのは、何らかの遺伝子の変化と細胞の増殖の関係である。その説明というのは例えば以下のようなものである。

身体を構成している数十兆の細胞は、分裂・増殖と、「プログラムされた細胞死」(アポトーシス)を繰り返している。正常な状態では、細胞の成長と分裂は、身体が新しい細胞を必要とするときのみ引き起こされるよう制御されている。すなわち細胞が老化・欠損して死滅する時に新しい細胞が生じて置き換わる。ところが特定の遺伝子(p53など、通常複数の遺伝子)に変異(=書き変わること)が生じると、このプロセスの秩序を乱してしまうようになる。すなわち、身体が必要としていない場合でも細胞分裂を起こして増殖し、逆に死滅すべき細胞が死滅しなくなる。

ただし、数十兆個の細胞で構成されている人体全体では、実は、毎日数千個単位で遺伝子の病変は生じており、それでも健康な人の場合は一般に、体内に生じた遺伝子が病変した細胞を、なんらかのしくみによって統制することに成功しており(免疫やいわゆる自然治癒力)、遺伝子が病変した悪性のがん細胞が 体内にある程度の個数存在するからといって、必ずしも人体レベルで悪性腫瘍になるというわけでもない、ということも近年では明らかにされている。

一方で「全ての遺伝子の突然変異ががんに関係しているわけではなく、特定の遺伝子(下述)の変異だけが関与している」と述べたり主張したりする研究者もいるが、他方で、「発癌には様々なプロセスが関わっている」「がんに関与する因子ならびにがんに至るプロセスは単一ではなく、複数の遺伝子変異なども含めて様々な機構の不具合が関与する」とする研究者もいるのである(多段階発癌説)。臨床の現場で「悪性腫瘍」と判断される段階に至るまでには、個々の細胞の遺伝子の変化以外にも、人体のマクロレベルで働いている機構(例えば、がん化した細胞を制御する免疫機構、広く自然治癒力とも呼ばれているしくみなど)が不具合に陥ってしまうことも含めて、さまざまな内的・外的な要因が複雑に作用している、とも指摘されているのである。

近年では大規模統計、疫学的な調査によって、人々の生活環境に存在する化学物質などの外的な要因や、その人の生活習慣など、様々な条件・要因が悪性腫瘍発生の要因として働いている、と分析されるようになっている(後述)。また、今日では、最近研究が進んだエピジェネティック研究も反映して、遺伝子のエピジェネティック変化が要因となることもある、と指摘されることもある。

このように悪性腫瘍の発生機序については、諸見解があるものの、いずれにせよ、そうして生じた過剰な細胞は組織の塊を形成し、臨床の場でも認識できるようになり、医師等によって「腫瘍」あるいは「新生物」と呼ばれるようになる。そして、腫瘍は「良性(非がん性)」と「悪性(がん性)」に分類されることになる。良性腫瘍とは、まれに命を脅かすことがあるが(特に脳に出来た場合)、身体の他の部分に浸潤や転移はせず、肥大化も見られないものをそう呼んでいる。一方、悪性腫瘍は浸潤・転移し、生命を脅かすものをそう呼んでいるのである。

がん発生に関与する遺伝子群

現在、がん抑制遺伝子といわれる遺伝子群の変異による機能不全がもっともがん発生に関与しているといわれている。たとえば、p53がん抑制遺伝子は、ヒトの腫瘍に異常が最も多くみられる種類の遺伝子である。p53はLi-Fraumeni症候群 (Li-Fraumeni syndrome) の原因遺伝子として知られており、また、がんの多くの部分を占める自発性がんと、割合としては小さい遺伝性がんの両方に異常が見つかる点でがん研究における重要性が高い。p53遺伝子に変異が起こると、適切にアポトーシス(細胞死)や細胞分裂停止(G1/S細胞周期チェックポイント)を起こす機能が阻害され、細胞は異常な増殖が可能となり、腫瘍細胞となりえる。p53遺伝子破壊マウスは正常に生まれてくるにもかかわらず、成長にともなって高頻度にがんを発生する。p53の異常はほかの遺伝子上の変異も誘導すると考えられる。p53のほかにも多くのがん抑制遺伝子が見つかっている。

一方、変異によってその遺伝子産物が活性化し、細胞の異常な増殖が可能となって、腫瘍細胞の生成につながるような遺伝子も見つかっており、これらをがん遺伝子と称する。これは、がん抑制遺伝子産物が不活性化して細胞ががん化するのとは対照的である。がん研究はがん遺伝子の研究からがん抑制遺伝子の研究に重心が移ってきた歴史があり、現在においてはがん抑制遺伝子の変異が主要な研究対象となっている。

分化度

ヒト(の身体)を構成する60兆とも言われる細胞は、1個の受精卵から発生を開始し、当初は形態的機能的な違いが見られなかった細胞は各種幹細胞を経て組織固有の形態および機能をもった細胞へと変化してゆく。この形態的機能的な細胞の変化を分化という。細胞の発生学的特徴の一つとして、未分化細胞ほど細胞周期が短く盛んに分裂増殖を繰り返す傾向がある。通常、分化の方向は一方向であり、正常組織では分化の方向に逆行する細胞の幼若化(=脱分化)は、損傷した組織の再生などの場合を除き、発生しない。

しかし、がん細胞は特徴の一つに幼若化/脱分化するという性質があるため、その結果分化度の高い(=高分化な)がん細胞や、ときには非がん組織から、低分化あるいは未分化ながん細胞が生じる。細胞検体の検査を行ったとき、細胞分化度が高いものほど臓器の構造・機能的性質を残しており、比較的悪性度が低いと言える(ただしインシュリノーマ等の内分泌腺癌など、例外はある)。また、通常は分化度の低いものほど転移後の増殖も早く、治療予後も不良である。

化学療法は、特定の細胞周期に依存して作用するものが多いため、細胞周期が亢進している分化度が低いがんほど化学療法に対して感受性が高いという傾向がある。なお、腫瘍細胞への作用原理・特性などは化学療法 (悪性腫瘍)の項に詳しく記した。

発生要因

「がんの発生機序」の項で述べたように、要因については様々な説がある。悪性腫瘍(がん)は、細胞のDNAの特定部位に幾重もの変異が積み重なって発生する、と説明されることは多い。突然変異が生じるメカニズムは多様であり、全てが知られているわけではない。遺伝子の変異は、通常の細胞分裂に伴ってもしばしば生じていることも知られており、また偶発的に癌遺伝子の変異が起こることもありうる。それ以外に、発癌の確率(すなわち遺伝子の変異の確率)を高めるウイルス、化学物質、放射線(環境放射線、人工放射線、X線撮影やCTスキャン等による医療被曝[12])… 等々等々、多様な環境因子、様々な要因が明らかになってきている。

しかし、DNA修復機構や細胞免疫など生体が持つ修復能力も同時に関与するので、水疱瘡が、水痘・帯状疱疹ウイルス (Varicella-zoster virus) の感染で起こるといったような1対1の因果関係は、癌においては示しにくいことが多い。

なお、発癌機構については発癌性の項に詳しく記した。

生活習慣(肉食、塩分、喫煙、飲酒など)

肺がんの発生率は喫煙と高い相関がある。
各国民の肉の消費量と大腸癌の発生率には高い相関がある。

喫煙と数多くの部位のがんとの間に強い相関があることが、数十年にわたる調査での一貫した結果によって明らかになっている。数百の疫学調査により、たばことがんとの関係が確認されている。アメリカ合衆国における肺がん死の比率とたばこ消費量の増加パターンは鏡写しのようであり、喫煙が増加すると肺がん死比率も劇的に増加し、近年喫煙傾向が減少に転じると、男性の肺がん死比率も減少している。日本政府が日本たばこ産業の株の半数以上を保有しているため、喫煙規制や禁煙に関する動きが進みにくかったという指摘が渡邊昌によってなされており[13]、がんの死亡率の1位が肺がんとなっている。

米国国立がん研究所の公開資料によると、「食事の違いはがんの危険を決定づける役割を持っている。タバコ、紫外線、そしてアルコールは顕著な関係が識別できるのに対して、食事の種類とがんに罹る危険性との関係を明らかにすることは難しい。脂肪とカロリーの摂取を制限することは、ある種のがんの危険率を減少させる可能性があると明らかとなっている。(脂肪に富んだ)大量の肉と大量のカロリーを摂取する人々は、特に大腸がんにおいて、がんの危険が増大することが図より見て取れる。」と指摘している[14]。

いわゆる「食生活の欧米化[15]」は、乳房や前立腺や大腸のがんとの関連が強いと考えられ[16]、実際に部位別の死亡率は増えている[11]。つまり、近年になって日本人に大腸癌や乳癌が増えてきた原因のひとつには、食生活の欧米化による動物性脂肪の摂取の増加と食物繊維の摂取不足がある、と指摘されているのである。大腸での便の停滞時間が長くなって発癌物質が大腸粘膜と長時間接するため大腸癌が多くなったと考えられているのである[17]。

ストレス:ストレスを長期に渡って受け続けると、血流の低下、免疫力の低下につながり、がんになる確率が上がる。1997年9月、アメリカの心理学者リディア・テモショック、ヘンリー・ドレイア等によって継続的な強いストレスとそれを誘発する性格ががんになる確率を上げる、と発表し、彼らはがんになる確率を誘引するこの性格を「タイプC」と定義した。[18]

低体温症:がん細胞は低い温度を好むため、平常時体温が36.0℃を下回る人はがんになる確率が上がる。[要出典]

WHOと国際がん研究機関 (IARC) による、「生活習慣とがんの関連」についての報告がある[19]。

生活習慣とがんの関連[19][20]
(WHO/IARC)
関連の強さ リスクを下げるもの(部位) リスクを上げるもの(部位)
確実 身体活動(結腸) たばこ(口腔、咽頭、喉頭、食道、胃、肺、膵臓、肝臓、腎臓、尿路、膀胱、子宮頸部、骨髄性白血病)

他人のたばこの煙(肺)
過体重と肥満(食道<腺がん> 結腸、直腸、乳房<閉経後>、子宮体部、腎臓)
飲酒(口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、乳房)、
アフラトキシン(肝臓)、

中国式塩蔵魚(鼻咽頭)
可能性大 野菜・果物(口腔、食道、胃、結腸、直腸)
身体活動(乳房)
貯蔵肉(結腸、直腸)

塩蔵品および食塩(胃)

熱い飲食物(口腔、咽頭、食道)
可能性あり データ不十分 食物繊維、大豆、魚、ω-3脂肪酸、カロテノイド、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、亜鉛、セレン、非栄養性植物機能成分(例:アリウム化合物、フラボノイド、イソフラボン、リグナン) 動物性脂肪 複素環式アミン 多環芳香族炭化水素 ニトロソ化合物

病因微生物

一部の悪性腫瘍(がん)については、ウイルスや細菌による感染が、その発生の重要な原因であることが判明している。現在、因果関係が疑われているものまで含めると以下の通り。

  • 子宮頸部扁平上皮癌 - ヒトパピローマウイルス16型、18型(HPV-16, 18)
  • バーキットリンパ腫 - EBウイルス(EBV)
  • 成人T細胞白血病 - ヒトTリンパ球好性ウイルス
  • 肝細胞癌 - B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)
  • カポジ肉腫 - ヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)
  • 胃癌および胃MALTリンパ腫 - ヘリコバクター・ピロリ

なお、癌に関与するウイルスは腫瘍ウイルスの項に詳しく記した。

これらの病原微生物によってがんが発生する機構はさまざまである。ヒトパピローマウイルスやEBウイルス、ヒトTリンパ球好性ウイルスなどの場合、ウイルスの持つウイルスがん遺伝子の働きによって、細胞の増殖が亢進したり、p53遺伝子やRB遺伝子の機能が抑制されることで細胞ががん化に向かう。肝炎ウイルスやヘリコバクター・ピロリでは、これらの微生物感染によって肝炎や胃炎などの炎症が頻発した結果、がんの発生リスクが増大すると考えられている。またレトロウイルスの遺伝子が正常な宿主細胞の遺伝子に組み込まれる過程で、宿主の持つがん抑制遺伝子が欠損することがあることも知られている。ただしこれらの病原微生物による感染も多段階発癌の1ステップであり、それ単独のみでは癌が発生するには至らないと考えられている。

遺伝的原因

大部分のがんは偶発的であり、特定遺伝子の遺伝的な欠損や変異によるものではない。しかし遺伝的要素を持ちあわせる、いくつかのがん症候群が存在する。例えば、

  • 女性のBRCA1遺伝子がもたらす、乳がんあるいは子宮がん
  • 多発性内分泌腺腫(multiple endocrine neoplasia) - 遺伝子MEN types 1, 2a, 2bによる種々の内分泌腺の腫瘍
  • p53遺伝子の変異により発症するLi-Fraumeni症候群(Li-Fraumeni syndrome)、(骨肉腫、乳がん、軟組織肉腫、脳腫瘍など種々の腫瘍を起す)
  • (脳腫瘍や大腸ポリポーシスを起す)Turcot症候群(Turcot syndrome)
  • 若年期に大腸がんを発症する、APC遺伝子の変異が遺伝した家族性大腸腺腫症(Familial adenomatous polyposis)
  • 若年期に大腸がんを発症する、hMLH1, hMSH2, hMSH6などDNA修復遺伝子の変異が遺伝した遺伝性非ポリポーシス大腸癌(en:Hereditary nonpolyposis colorectal cancer)
  • 幼少期に網膜内にがんを発生する、Rb遺伝子の変異が遺伝した網膜芽細胞腫(Retinoblastoma)
  • 若年期に高頻度に多発性嚢胞腎を発症し、後に腎がんを発生する、VHL遺伝子の変異が遺伝したフォン・ヒッペル・リンドウ病(von hippel Lindau disease)
  • 原因となる遺伝子は不詳であるが、家族内集積のみられる非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)や原発性胆汁性肝硬変(PBC)による肝細胞癌(en:Hepatocellular carcinoma)



遺伝的素因と環境因子の双方により発癌リスクが高くなるものとして、アルコール脱水素酵素の低活性とアルコール多飲がある。これらが揃うと頭頸部癌(咽頭癌・食道癌など)の罹患率が上昇する。日本を含むアジアではアルコール脱水素酵素(ADH1B)の活性が低い人が多い。

予防

子宮頸癌は発癌リスクを軽減できるHPVワクチンが日本でも認可された。胃癌はヘリコバクター・ピロリを除菌することにより、発癌リスクを軽減できることが報告されている。B型肝炎はエンテカビルによりHBVウイルスを減少させることで、C型肝炎はインターフェロン療法によりHCVを駆除することにより、発癌リスクを軽減できることがわかっている。

がん予防10か条(世界がん研究基金)

2007年11月1日、世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって7000以上の研究を根拠に「食べもの、栄養、運動とがん予防[21]」が報告されている。これは1997年に公表され、日本では「がん予防15か条」などと呼ばれていた4500以上の研究を元にした報告の大きな更新である。

  1. 肥満 ゴール:BMIは21-23の範囲に。推薦:標準体重の維持。
  2. 運動 推薦:毎日少なくとも30分の運動。
  3. 体重を増やす飲食物 推薦:高エネルギーの食べものや砂糖入り飲料やフルーツジュース、ファーストフードの摂取を制限する。飲料として水や茶や無糖コーヒーが推奨される。
  4. 植物性食品 ゴール:毎日少なくとも600gの野菜や果物と、少なくとも25グラムの食物繊維を摂取するための精白されていない穀物である全粒穀物と豆を食べる。推奨:毎日400g以上の野菜や果物と、全粒穀物と豆を食べる。精白された穀物などを制限する。
  5. 動物性食品 赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける。赤肉より、鶏肉や魚が推奨される。ゴール:赤肉は週300g以下に。推奨:赤肉は週500g以下に。乳製品は議論があるため推奨されていない。
  6. アルコール 男性は1日2杯、女性は1日1杯まで。
  7. 保存、調理 ゴール:塩分摂取量を1日に5g以下に。推奨:塩辛い食べものを避ける。塩分摂取量を1日に6g以下に。カビのある穀物や豆を避ける。
  8. サプリメント ゴール:サプリメントなしで栄養が満たせる。推奨:がん予防のためにサプリメントにたよらない。
  9. 母乳哺育 6か月、母乳哺育をする。これは母親を主に乳がんから、子供を肥満や病気から守る。
  10. がん治療後 がん治療を行ったなら、栄養、体重、運動について専門家の指導を受ける。

タバコの喫煙は肺、口腔、膀胱がんの主因であり、タバコの煙は最も明確に多くの部位のがんの原因であると強調。また、タバコとアルコールは相乗作用で発癌物質となる。

がん対策の目標(健康日本21-日本厚生労働省)

2000年、厚生労働省の健康日本21[22]によってがん対策の目標が提唱されている。

  1. 喫煙が及ぼす健康影響についての知識の普及、分煙、節煙。
  2. 食塩摂取量を1日10g未満に減らす。
  3. 野菜の平均摂取量を1日350g以上に増やす。
  4. 果物類を摂取している人の割合を増やす。
  5. 食事中の脂肪の比率を25%以下にする。
  6. 純アルコールで1日に約60g飲酒する人の割合を減少する。 「節度ある適度な飲酒」は、約20gという知識の普及。
  7. がん検診。胃がん、乳がん、大腸がんの検診受診者の5割以上の増加。

がんを防ぐための12か条(日本国立がんセンター)

1978年、日本の国立がんセンター(現・独立行政法人国立がん研究センター)は「がんを防ぐための12ヵ条[23]」を提唱している。

  1. バランスのとれた栄養をとる(好き嫌いや偏食をつつしむ)
  2. 毎日、変化のある食生活を(同じ食品ばかり食べない)
  3. 食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに
  4. お酒はほどほどに(強い酒や飲酒中のタバコは極力控える)
  5. たばこは吸わないように(受動喫煙は危険)
  6. 食べものから適量のビタミンと食物繊維を摂る(自然の食品の中からしっかりとる)
  7. 塩辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから
  8. 焦げた部分はさける
  9. かびの生えたものに注意(輸入ピーナッツやとうもろこしに要注意)
  10. 日光に当たりすぎない
  11. 適度に運動をする(ストレスに注意)
  12. 体を清潔に

がん検診

「がん検診」を参照

その他

アセチルサリチル酸(アスピリン)の少量長期服用で発癌のリスクを減少させることができるとの報告もある[24]。

分類

「がん」は単一の細胞を起源とする。したがって、がんは発生母地となった細胞の種類(組織学的分類)と細胞の身体的部位(解剖学的分類)とで分類できる。

組織学的分類

組織型および各腫瘍組織型の記事を参照。

なお、病期分類に関しては、腫瘍学の項か、各癌の記事に詳しく記した。

成人のがん

成人の「がん」は普通、上皮組織に形成され、遺伝的あるいは内因的特性を持つ人々が、外的要因に曝された影響による長期間にわたる生物学的プロセスの結果として生じるとおおかたの場合は考えられている。肉腫は上皮由来ではないが、悪性腫瘍として癌と同様に検査・診断・加療される。

次に例を示す:(「がん」・「癌」については、明確に癌腫の場合は「〜癌」、疾患名の場合は「〜がん」と表記している)

  • 血液(および骨髄) - 造血細胞悪性腫瘍
    • 白血病
    • リンパ腫
      • ホジキン病
      • 非ホジキンリンパ腫
    • 多発性骨髄腫
  • 脳腫瘍
  • 乳がん
  • 子宮体がん - 子宮
  • 子宮頚がん
  • 卵巣がん
  • 食道癌
  • 胃癌
  • 虫垂癌
  • 大腸癌 - 大腸、直腸、肛門およびその付随組織
  • 肝癌
    • 肝細胞癌 - 肝臓
  • 胆嚢癌
  • 胆管癌
  • 膵臓がん(膵がん)[25]
  • 副腎癌
  • 消化管間質腫瘍
  • 中皮腫 - 胸膜、腹膜、心膜など
  • 頭頚部癌
    • 喉頭癌
    • 口腔癌
      • 口腔底癌
      • 歯肉癌
      • 舌癌
      • 頬粘膜癌
    • 唾液腺癌
    • 副鼻腔癌
      • 上顎洞癌
      • 前頭洞癌
      • 篩骨洞癌
      • 蝶型骨洞癌
    • 甲状腺癌
  • 腎臓がん
  • 肺癌
  • 骨肉腫 - 骨など
  • 前立腺癌
  • 精巣腫瘍(睾丸がん)
  • 腎細胞癌 - 腎臓
  • 膀胱癌
  • 横紋筋肉腫 - 筋肉(骨格筋)
  • 皮膚癌(「ほくろ」と形成異常母斑を含む)
  • 肛門癌

幼児期のがん

「がん」は幼い子供にも発生し、場合によっては新生児にも発生する。異常な遺伝形質プロセスのために細胞の複製幼若化にたいして抑制が利かないので、制御されない増殖が早期より亢進し、がん進行も速い。

また、肉腫が多いことが特徴として挙げられる。そのため、外科治療による治癒が難しいとされている。だが、抗がん剤が効きやすいという特徴も持つといわれている。そのため、現在では7割が治療に成功するとされている。

幼児期のがんの発生ピーク年齢は生後一年以内にある。神経芽細胞腫は最も普通に見られる新生児の悪性腫瘍であり、白血病(leukemia)と中枢神経がんがその次に続く。女子新生児と男子新生児とは概して同じ発生率である。しかし、白人の新生児は黒人の新生児に比べてほとんどの種類のがんにおいて大幅に発生率が高い。

新生児の神経芽細胞腫は生存率が非常に良く、ウィルムス腫瘍、網膜芽細胞腫も非常に良いが、他のものはそれほど良くない。

幼児期がんを次に示す:(概ね発生頻度順、「がん」・「癌」は明確に癌腫の場合は「〜癌」、疾患名の場合は「〜がん」とした)

  • 神経芽細胞腫
  • 白血病
  • 中枢神経がん
  • ウィルムス腫瘍
  • 生殖細胞がん
  • 軟組織肉腫
  • 肝がん
  • リンパ腫
  • 上皮性がん

診断

詳細は「腫瘍学」を参照

「がん」の診断には2つの状況がある。ひとつは臨床診断(特に病理検査)ともうひとつは集団検診(がん検診; 術後検診を含む)である。がんを根治する上で重要な点は「早期発見」と「全摘出手術の可能性検証」が挙げられる。言い換えると、集団検診と臨床診断とが効果的に機能して初めて、がん治療が成功に導かれる。また全摘出手術が困難な状況において、がんの種類によって異なる有効な治療法を選択する目的でも、臨床診断は重要である。一方、全摘出手術が成功した場合においても、再発がん、二次性がんの発生の懸念があるため、その局面においても術後定期検診は重要である。

細胞診断・生検組織診断

「がん」の組織は顕微鏡下での観察、すなわち検鏡によって、形態から鑑別される。判定像では多くの分裂中の細胞が観察され、細胞核のサイズや形状はばらばらであり、(分化した)細胞の特徴が消失している。これらは細胞診でも生検組織診でも確認できる特徴である。組織診では更に、正常な組織構造が失われていることや、周囲の組織(が一緒に採取されていれば、そこ)と腫瘍との境界が不明瞭であることが観察される。

生検組織診は、過形成、異形成、上皮内癌などと浸潤癌との鑑別に有用である。

進行度

「がん」の進行度を表すものとして「TNM分類」や「ステージ分類」がある。

  • TNM分類
  • ステージ分類
この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。

治療

「がん」治療の代表的なものを次に挙げる。

  • 外科手術
  • 化学療法
  • 放射線療法
  • 免疫治療
  • 免疫療法
  • 緩和ケア
    • 痛みのコントロール
    • がんの心理療法(精神面・心理面のサポート)
  • 代替薬
  • ウイルス治療

なお、がんの治療の詳細については、腫瘍学の項に詳しく記した。

※日本におけるがんの在宅医療が適切なので、英語版の翻訳は割愛した。

がん治療後の生活の質の向上

がん治療後の最大の関心事は再発の有無であり、又は、がんが残っている場合にはその推移である。このため、治療後も主治医による定期的な検診を受けて状況を正しく把握しつつ生活を再建していくことが肝要である。

がん治療は手術による切除などを伴うことが多く、治療後の生活は、例えば治療によってがんそのものは完治した場合であっても、大きく影響を受けることが多い。がんができた場所によって治療により影響を受ける機能は千差万別であり、対処法もそれぞれに異なる。一般に、切除などによって失われる体の機能をできる限り小さくし、失われた機能を補う手段を用いて、治療後の生活の質(QOL, Quality Of Life)を従来よりも向上させる努力が進められている。

失われた機能を補う手段として以下のものがある。術後は局所的な失われた機能そのものだけでなく、関連して周囲の障害や不自由さが生じることも多いので、それぞれにおいて必要なリハビリを行うことも重要である。

ストーマ

直腸がんで肛門に近いところにがんができた場合や肛門にがんができた場合、人工肛門(消化器ストーマ)が作られる。また、膀胱がんで膀胱と尿道をとる必要がある場合、人工膀胱を用い、尿の排泄口である尿路出口(尿路ストーマ)が作られる。手術後、ストーマによる排泄をスムーズに行えるようにするケア(ストーマケア[26])の方法が十分に習得できてから退院する。ストーマがあっても入浴はでき、体力が回復すれば仕事や学業に復帰することも可能である。

気管孔

気管孔は鼻または口から肺へ空気を導入して呼吸することができなくなる場合に、気管を外部へつなげる穴を開けて呼吸を確保するものである。首のつけねの前の位置に丸い穴をあける。気管孔は治療の過程で呼吸を確保するために一時的に設ける場合もあり、この場合は通常の呼吸が可能になると共に閉じられる。 他方、咽頭、喉頭、またはその近くにがんがあり、治療により咽頭を全部切除しなければならない場合、そのままでは食事も呼吸もできなくなるので、口に通じる食道を気管と完全に分けて形成し、気管の出口を気管孔につなげる。この場合を永久気管孔という[27]。

永久気管孔を設けた場合、首に穴があいたままになる。術後の日常生活が受ける主な影響として次のものがある。

  • 入浴時などに気管孔に水が入らないように注意する。水泳、潜水は、できない。
  • 声帯がないので声がでなくなる。筆談やジェスチャーで会話する他、電気発声法(人工喉頭)、食道発声法などを習得することにより、声を取り戻すことも可能である。
  • 食事は、においをかぐことができなくなるなどの影響を受けるが、何でも食べられる。

再建術

エピテーゼ

体の表面につける人工物をエピテーゼという。手術によって体の外見に関わる変化を生じてしまった場合、機能的な不自由さのみならず、精神的なダメージを被ってしまう場合もあるが、エピテーゼを用いることで改善を図れる場合がある。日本では2006年9月現在、エピテーゼは医療行為として認められておらず、保険外となる。

人工乳房

乳がんの治療では、抗癌剤、放射線治療の併用により乳房温存できる場合が増えている。治療法とそれによる様々な影響、治療後のリスクなどについて、十分に医師と患者の双方が納得して治療を行うことが重要である。切除手術を行った場合、人工乳房が各種開発されているので用いることができる。

顔面エピテーゼ

頭頸部がんでは治療によって顔面の一部の機能が損なわれたり、一部が失われたりする場合がある。手術に放射線治療、化学療法を併用することにより、失われる機能を最小限にする努力が進められており、切除範囲は縮小する傾向である。また、再建術も多く行われている。術後に予想される変化とリスクを医師と患者が話し合い、双方が納得して治療を進めることが重要である。喪失した顔面の各部に応じてエピテーゼを制作できる。医療用の接着剤またはインプラントにより装着する。近年は極めて自然な仕上がりのエピテーゼを用いることが可能になってきている。詳細は顔面エピテーゼの項目参照。

耳のエピテーゼ
耳下腺がんなどの治療では、がんの進行の度合いによって治療により聴力をはじめどの機能までを残せるか、十分な検討が必用である。耳の切除が必要となった場合、外耳の一部が残せれば耳エピテーゼを用いても強度を保て、眼鏡の使用にも耐える。
鼻のエピテーゼ
鼻は呼吸によって湿気にさらされる部分であり、外見のみでなく機能的部分も要求され、開発が進められている。
目およびその周囲のエピテーゼ
上顎がんなどが深く進行して目を含めて切除する必要がある時、残った眼窩の上に用いるエピテーゼを制作し装着できる。
顎義歯

義肢(義手・義足)

骨肉腫が四肢に発生した場合、かつては切断することが必須とされたが、最近では切断せずに腫瘍を切除することも可能になった。切断した場合に用いる義肢の機能も大幅に改善されている。

補遺

がんの治療によって失われた臓器の機能を補う手段が得られない場合もある。このような場合には、生活の仕方で対応するか、又は、医療的に補充する。

胃がんによって胃を全摘出した場合など、胃に代わるものは用意できないため、食道から直接小腸へと食べ物が入るようになる。少しずつ時間をかけ、何回にも分けて食べることにより、対応できる。

甲状腺がんの場合、少しでも甲状腺が残せた場合甲状腺ホルモンは分泌されるが、甲状腺を全摘出した場合には分泌されなくなる。この場合、術後は甲状腺ホルモンを生涯にわたって処方してもらう。

がんの一覧

  • 癌の一覧

脚注

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注

  1. ^ Jacob Furth, National Academy of Science

出典

  1. ^ a b 大西『スタンダード病理学』第3版、pp.139-141
  2. ^ a b Geoffrey M.Cooper『クーパー細胞生物学』pp.593-595
  3. ^ 日本成人白血病治療共同研究グループ・わかりやすい白血病の話20120125閲覧
  4. ^ ジョン・ブリッグズ『フラクタルな世界』松下 貢 監訳、深川洋一訳、丸善株式会社、1995年,102頁、さらに、この引用元は、米のNational Cancer Instituteである。
  5. ^ 広辞苑 第五版
  6. ^ Hirayama A, Kami K, Sugimoto M, Toki N, Onozuka H, Kinoshita T, Saito N, Ochiai A, Tomita M, Esumi H and Soga T (2009). “Quantitative metabolome profiling of colon and stomach cancer microenvironment by capillary electrophoresis time-of-flight mass spectrometry.”. Cancer Research 69 (11): 4918–4925. PMID 19458066. 
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 『消された科学史』みすず書房、pp.79-122
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  10. ^ http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/Csvdl.do?sinfid=000001266398
  11. ^ a b 厚生労働省. “平成22年 人口動態統計月報年計(概数)の概況 死因”. 2012年7月12日閲覧。
  12. ^ 『医者が患者を騙す時』
  13. ^ 渡邊昌 『食事でがんは防げる』 光文社、2004年4月23日、198-199頁。ISBN 978-4334974411。
  14. ^ 米国国立がん研究所 (2006年9月1日). “Understanding Cancer Series: Cancer and the Environment” (英語). 2009年12月1日閲覧。
  15. ^ 本川裕 (2006年11月1日). “図録▽食生活の変化(1910年代以降の品目別純食料・たんぱく質供給量)”. 社会実情データ図録. 2009年12月1日閲覧。
  16. ^ 国立がんセンターがん対策情報センター (2006年10月4日). “食生活とがん”. がん情報サービス. 2009年12月1日閲覧。
  17. ^ 石田英雄 『クレームに学ぶ 食の安全』 海鳥社、2005年、p.29。ISBN 978-4874155172。
  18. ^ リディア・テモショック/ヘンリー・ドレイア著 岩坂彰・本郷豊子著『がん性格~タイプC症候群~』 創元社 1997/9  『ALL ABOUT/ストレス 「ガンになる性格」を知っていますか?』でも引用されている。
  19. ^ a b 国立がんセンターがん対策情報センター (2009年2月25日). “日本人のためのがん予防法:現状において推奨できる科学的根拠に基づくがん予防法”. 2009年12月1日閲覧。
  20. ^ WHO technical report series 916. Diet, nutrition and the prevention of chronic diseases, 2003 & IARC monograph on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans, Volume83, Tobacco Smoke and Involuntary Smoking, 2004
  21. ^ World Cancer Research Fund and American Institute for Cancer Research (2007). Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective. Amer. Inst. for Cancer Research. ISBN 978-0972252225. http://www.dietandcancerreport.org/?p=ER. 
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参考文献

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  • 『がんの補完代替医療ガイドブック-第2版』 (PDF) 編集:厚生労働省がん研究助成金研究「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班、2008年7月。
  • 大西 俊造、梶原 博毅、神山 隆一 監修『スタンダード病理学』第3版、文光堂、2009年、ISBN 978-4-8306-0468-3
  • Geoffrey M.Cooper, Robert E.Hausman 著『クーパー細胞生物学』須藤和夫,他 訳、東京化学同人、ISBN 978-4-8079-0686-4

関連項目

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表・話・編・歴
 
呼吸器疾患 (ICD-10 J00〜99)
 
疾患
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気管支喘息 | 慢性気管支炎 | 肺気腫 | びまん性汎細気管支炎
拘束性肺疾患
特発性
IPF | NSIP | COP | AIP | DIP | RB-ILD | LIP
続発性
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形態異常
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良性腫瘍
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表・話・編・歴
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肺真菌症
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機序
市中肺炎 - 院内肺炎 - 誤嚥性肺炎
病態
肺胞性肺炎
大葉性肺炎 - 気管支肺炎
化膿性肺炎
胸壁
膿胸
 
症候・徴候
異常呼吸
過呼吸 | 頻呼吸 | 徐呼吸 | 低呼吸 | 多呼吸 | 少呼吸 | 起坐呼吸 | 奇異性呼吸 | クスマウル呼吸 | チェーンストークス呼吸 | ビオー呼吸
咳嗽 | 痰 | 呼吸困難 | 胸痛 | 胸水 | ばち指 | チアノーゼ
 
所見・検査
聴診 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 気管支鏡 | 胸腔鏡 | 血液検査
表・話・編・歴
呼吸器系の正常構造・生理
気道系
解剖学的構造
上気道
鼻
鼻孔 | 鼻腔 | 鼻甲介 | 副鼻腔
口
口腔前庭 | 口腔 | 口蓋
咽頭 - 喉頭
下気道
気管
気管支
主気管支 - 葉気管支 - 区域気管支 - 亜区域気管支
細気管支
小気管支 - 細気管支 - 終末細気管支
呼吸細気管支
ガス交換器
肺 - 肺胞管 - 肺胞嚢 - 肺胞
顕微解剖学
I型肺胞上皮細胞 | II型肺胞上皮細胞 | 杯細胞 | クララ細胞 | 気管軟骨輪
生理学・生化学
生理学
肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A
生化学
PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数
血管系
肺循環系
(右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房)
気管支循環系
(胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈)
運動器系
骨格
肋骨 | 胸骨
呼吸筋
横隔膜 | 内肋間筋 | 外肋間筋 | 胸鎖乳突筋 | 前斜角筋 | 中斜角筋 | 後斜角筋 | 腹直筋 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 | 腹横筋
神経系
中枢神経系
呼吸中枢 | 呼吸調節中枢 | 前頭葉
末梢神経系
横隔神経 | 肋間神経



UpToDate Contents

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  • 1. 原発不明癌の分類およびマネージメントの概要 overview of the classification and management of cancers of unknown primary site
  • 2. Overview of approach to lung cancer survivors
  • 3. 肺癌の危険因子、病理、および臨床症状の概要 overview of the risk factors pathology and clinical manifestations of lung cancer
  • 4. 癌免疫療法の原則 principles of cancer immunotherapy
  • 5. 癌生存者用ケアの質の保証:癌と共生するためのケアプラン assuring quality of care for cancer survivors the survivorship care plan

Japanese Journal

  • 「産婦人科領域レーザー診療の現状と将来」によせて
  • 日本レーザー医学会誌 33(2), 110-110, 2021
  • NAID 130004893551
  • 症例 右胃大網動脈を用いた冠状動脈バイパス術後の胃癌に対する胃全摘術の1例
  • 胸部外科 = The Japanese journal of thoracic surgery 69(2), 156-159, 2016-02
  • NAID 40020722917
  • 肺癌術後有瘻性膿胸の繰り返す肺動脈出血に対する肺動脈塞栓術
  • 胸部外科 = The Japanese journal of thoracic surgery 69(2), 95-98, 2016-02
  • NAID 40020722661
  • 肺切除術後急性期に発症した門脈気腫症
  • 胸部外科 = The Japanese journal of thoracic surgery 69(2), 91-94, 2016-02
  • NAID 40020722652

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  • 悪性腫瘍 - Wikipedia
日本語では平仮名の「がん」と漢字の「癌」は同意ではない。平仮名の「がん」は、「癌」や 「肉腫」、白血病などの血液悪性腫瘍も含めた広義的な意味で悪性腫瘍を表す言葉 としてつかわれているからである。したがって癌ばかりでなく肉腫や血液悪性腫瘍も対象 に ...
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★リンクテーブル★
国試過去問「101G027」「108F018」「106A041」「107H008」「104E004」「081C066」
リンク元「食道癌」「悪性腫瘍」「甲状腺腫」「癌腫」「国際対がん連合」
拡張検索「家族性甲状腺髄様癌」「小細胞癌」「昇圧癌化学療法」

「101G027」

  [★]

  • 60歳の女性。排便時の出血を主訴に来院した。2か月前から時々出血があることに気付いていたが、疼痛がないため放置していた。排便回数に変化はない。身長152cm、体重48kg。体温36.5℃。呼吸数14/分。脈拍76/分、整。血圧112/72mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部に腫瘤と圧痛とを認めない。直腸指診で直腸後壁に弾性硬の示指頭大の腫瘤を触知する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、尿潜血(-)。血液所見:赤血球390万、Hb11.9g/dl、Ht35%、白血球5,600。血清生化学所見:総蛋白6.4g/dl、アルブミン3.4g/dl、クレアチニン1.0mg/dl、AST20IU/l、ALT14IU/l、LDH390IU/l(基準176~353)。免疫学所見:CRP0.3mg/dl、CEA3.0ng/ml(基準5以下)。肛門線から6cmの部位の大腸内視鏡所見と腫瘤のH-E染色標本とを以下に示す。
  • 診断はどれか。
  • a. 癌
  • b. 腺腫
  • c. 肉腫
  • d. 脂肪腫
  • e. カルチノイド


[正答]

E

  • 診断:カルチノイド
  • 低アルブミン血症、LDHやや高値。CEA低値。
  • 内視鏡では白色で潰瘍のない腫瘤。
  • 病理像は異型性の低い核。好酸性(青く染まる)の細胞質を有する。


※国試ナビ4※ [101G026]←[国試_101]→[101G028]

「108F018」

  [★]

  • 51歳の男性。突然の右上腹部痛のため搬入された。救急外来で急性胆嚢炎と診断された。特に大きな合併症は認められなかった。生来健康でこれまでほとんど医療機関を受診したことがない。救急外来担当医から挨拶、病名告知に続いて次のような説明が行われた。医師「胆嚢炎で抗菌薬の点滴が必要です」 ①患者「分かりました」医師「入院が必要な状態ですが良いですか」 ②患者「しょうがないですね」医師「胆嚢内にたくさんの石と 1.5cm位の大きさの腫瘤がありました」 ③患者「胆石と癌ですか」医師「胆嚢の腫瘤が悪性かどうかは分かりません」 ④患者「どうしたらよいでしょうか」医師「明日、腹腔鏡下胆嚢摘出術をすることに決めました」 ⑤患者「えっ、明日ですか」
  • インフォームド・コンセントを得る過程における医師の説明として適切でないのはどれか。
  • a ①
  • b ②
  • c ③
  • d ④
  • e ⑤


[正答]

E


※国試ナビ4※ [108F017]←[国試_108]→[108F019]

「106A041」

  [★]

  • 78歳の男性。黒色便を主訴に来院した。数日前から心窩部不快感を自覚していた。本日、突然の心窩部痛があり、黒色便に気付いたため受診した。 2年前から腰痛のため、自宅近くの診療所で治療を受けている。
  • 意識は清明。身長168cm、体重62kg。体温36.8℃。脈拍92/分、整。血圧130/86mmHg。呼吸数16/分。 SpO2 98%(roomair)。眼瞼結膜は貧血様である。腹部は平坦、軟で、心窩部に軽度の圧痛を認める。腸雑音は亢進している。直腸指診を行うと黒色便が付着した。緊急に施行した上部消化管内視鏡検査の写真(別冊No. 15A、 B)を別に示す。
  • この患者から聴取された病歴で最も重視すべきなのはどれか。
  • a 胃がん検診の受診歴
  • b 下部消化管の検査歴
  • c 癌の家族歴
  • d 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服歴
  • e Helicobacterpylori除菌歴



[正答]

D


※国試ナビ4※ [106A040]←[国試_106]→[106A042]

「107H008」

  [★]

  • 身体診察中に患者に行う声かけとして適切でないのはどれか。
  • a 「今から、心臓の音を聴かせてください」
  • b 「今から、この爪ようじで腕や脚を触ります」
  • c 「お口の中をみますので、大きく開けてください」
  • d 「このおなかのしこりは、硬さと形から癌だと思われます」
  • e 「体にバスタオルを掛けますが、寒かったらおっしゃってください」


[正答]

D


※国試ナビ4※ [107H007]←[国試_107]→[107H009]

「104E004」

  [★]

  • 癌と危険因子の組合せで誤っているのはどれか。
  • a 皮膚癌 - 紫外線
  • b 喉頭癌 - ニコチン
  • c 肺癌 - 六価クロム
  • d 肝癌 - C型肝炎ウイルス
  • e 子宮頚癌 - ヒトパピローマウイルス


[正答]

B

  • ニコチンに発ガン性はないと考えられている。


※国試ナビ4※ [104E003]←[国試_104]→[104E005]

「081C066」

  [★]

  • 50歳の男性、2ヶ月前から左舌の疼痛があり来院した。左舌縁の中央部に、灰白色苔をつけた不規則な浅い潰瘍がある。考えられる疾患は?
  • (1) カンジダ症
  • (2) カタル性舌炎
  • (3) 白板症
  • (4) 癌
  • (5) Behcet病

「食道癌」

  [★]

英
esophageal cancer, esophageal carcinoma, cancer of the esophagus, carcinoma of the esophagus
関
食道、癌

概念

  • 食道に発生する腫瘍。予後は不良な場合が多く、早期からリンパ節転移を来しやすい。

疫学

  • 罹患率、死亡率共に男性の方が多い。
  • 40歳後半より増加。60歳以上で多い(参考2)。増加の程度は男性の方が急増。
  • 死亡率:漸減傾向
  • 罹患率:(男性)増加傾向、(女性)変動なし。

危険因子

  • 喫煙、飲酒、加齢
  • 喫煙と飲酒とは相乗効果があるり、1日20本以上かつ3合以上でリスクが上昇する。
  • 飲酒は特に度数の高い、アルコール摂取量が多い、ALDH2変異がある、顔面が紅潮する場合にリスクが上がる
  • 熱い食事の嗜好、肥満、p53変異
  • 食道アカラシア、腐食性食道狭窄、バレット食道
  • 低栄養(動物性蛋白質の不足?微量元素欠乏?)、

病期分類

早期癌・表在癌・進行癌

  • 早期癌:深達度が粘膜内に限局。リンパ節転移の有無を問わない。
  • 表在癌:深逹度が粘膜下層までに限局。リンパ節転移の有無は問わない。
  • 進行癌:固有筋層以降

TMN分類

日本食道学会:食道癌取り扱い規約 第10版補訂版を一部改変 SSUR.455,457
  • 壁深達度(T)
  • TX:原発腫瘍の評価が不可能
  • T0:原発腫瘍を認めない
  • T1:
  • T1a:腫瘍が粘膜内にとどまる
  • T1a-EP:腫瘍が粘膜上皮にとどまる(Tis)(M1)  EP = epithelium
  • T1a-LPM:腫瘍が粘膜固有層にとどまる(M2)  LPM = lamina propia mucosae
  • T1a-MM:腫瘍が粘膜筋板にとどまる(M3)  MM = muscularis mucosae
  • T1b:腫瘍が粘膜下層にとどまる(SM)
  • SM1:粘膜下層を三等分し、上1/3にとどまる
  • SM2:粘膜下層を三等分し、上2/3にとどまる
  • SM3:粘膜下層を三等分し、上3/3にとどまる
  • T2:腫瘍が固有筋層に浸潤している(SM)
  • T3:腫瘍が食道外膜に浸潤(AD)
  • T4:腫瘍が隣接臓器に浸潤(AI)
  • 所属リンパ節(N)
  • NX:所属リンパ節の評価が不可能
  • N0:所属リンパ節に転移を認めない
  • N1:第1群リンパ節まで転移を認める
  • N2:第2群リンパ節まで転移を認める
  • N3:第3群リンパ節まで転移を認める
  • N4:第3群リンパ節より遠位に転移を認める
  • 遠隔転移(M)
  • MX:遠隔転移の評価が不可能
  • M0:遠隔転移を認めない
  • M1:遠隔転移あり

進行度

日本食堂学会:食道癌取り扱い規約 第10版補訂版, SSUR.455
壁深達度\転移 N0 N1 N2 N3 N4 M1
T0,T1a 0 I II III IVa IVb
T1b I II
T2 II III
T3 III
T4 III IVa

病態

好発部位

日本
  • 50-60%:胸部中部食道
  • 20-25%:胸部下部食道
  • 10%  :胸部上部食道
  • 5-6% :頚部食道
欧米で増加している食道腺癌の好発部位:下部食道

進展様式

  • 直接浸潤
  • リンパ行性転移:早期からリンパ節転移しやすい。
  • 癌腫が粘膜下層にとどまるT1bで30-40%の例で転移。(SSUR.455)
m3・sm1ではリンパ節転移が10%の例で見られる。(出典不明)   ⇔ m1・m2ではリンパ節転移を考えなくても良く、内視鏡的粘膜切除術(EMR)の絶対適応となる。
sm2・sm4ではリンパ節転移が約半数の例で見られる。(出典不明)
  • その他

病理

  • 日本では扁平上皮癌が中部食道に多い、欧米では腺癌が下部食道に多い。

肉眼分類の傾向

  • 早期癌:0-IIc(表在陥凹型)
  • 進行癌:2型(潰瘍限局型)・3型(潰瘍浸潤型)

症状

  • 胸骨後方の軽い痛み、不快感、嚥下時のつかえ感、しみる感じ

検査

  • 腫瘍マーカー:
(食道扁平上皮癌)SCC, CYFRA21-1 , CEA (参考3)
(食道腺癌)CEA, CA19-9 (参考3)

診断

治療

内視鏡的切除

  • 内視鏡的切除の適応:(ガイドライン1)
  • 絶対適応:
  • 壁深達度:T1a-EP(粘膜上皮),LPM(粘膜固有層))であること(リンパ節転移がまれなため)で、周在性2/3以下のもの(全周性に粘膜切除した場合、瘢痕狭窄のおそれ)
  • 相対適応:(1) or (2)
  • (1) T1a-MM(粘膜筋板), T1b-SM1(<粘膜下組織200um)で、かつリンパ節転移がない
  • (2) 周在性2/3以上の病変。 

術式

  • 内視鏡的粘膜切除術 endoscopic mucosal resection, EMR
  • 内視鏡的粘膜下剥離術 endoscopic submucosal disection, ESD

手術療法

予後

  • 手術後の在院死亡率3-4%。これは消化器癌手術の中で最も手術リスクが高い。(SSUR.464)
  • 全切除全症例の5年生存率は36%(1988-1999年)。3領域リンパ節郭清例の5年生存率は約50%。(SSUR.464)

ガイドライン

  • 1. 食道がんガイドライン - Minds
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0053/1/0053_G0000152_GL.html
  • 2. 食道癌 - 放射線治療計画ガイドライン・2008
http://www.kkr-smc.com/rad/guideline/2008/esophagus.pdf

参考

  • 1. 食道がん:[がん情報サービス]
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/esophagus.html
  • 2. 年齢階級別がん罹患率[食道2005] - 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター
http://ganjoho.jp/resources/graph_database/images_20110111/OSV0072_04_2005.jpg
  • 3. 食道癌 - コンセンサス癌治療
http://www.cancertherapy.jp/tm/2007_summer/04.html

uptodate

  • 1. [charged] 食道癌の診断および病期分類 - uptodate [1]
  • 2. [charged] 食道癌の疫学、病理生物学、および臨床症状 - uptodate [2]

国試

  • 102D030、100D049、099F047、097C010、095D022

「悪性腫瘍」

  [★]

英
malignant tumor, malignancy
関
良性腫瘍、腫瘍
同
悪性新生物 malignant neoplasm、癌 cancer
関
組織型分類、臨床進行期分類、TNM分類、pTNM分類

組織学的な特徴

  • 細胞異型
  • 構造異型
  • そのた
  • 極性の乱れ
  • 壊死 + apoptosis
  • 出血
  • 核分裂の増加 (+異常核分裂)
  • 細胞密度の増加
  • 間質浸潤 (+腫瘍性間質の形成)
  • 脈管浸潤 (リンパ管、血管)
  • 転移 (リンパ節、他臓器、経気道)

皮膚疾患と悪性腫瘍

  • 匍行性迂回状紅斑=匍行性花環状紅斑
  • 黒色表皮腫
  • レーザー・トレラ徴候
  • スイート病
合併することがある
  • 水疱性類天疱瘡 → 内臓悪性腫瘍
腫瘍に随伴
  • 腫瘍随伴性天疱瘡

小児がんの部位別分布

米国SEERプログラム 1975-1995 SPE.555
  • 1. 白血病 31%
  • 2. 中枢神経腫瘍 19%
  • 3. リンパ腫 11%
  • 4. 交感神経腫瘍 8%
  • 5. 軟部肉腫 7%
  • 6. 腎腫瘍 6%
  • 7. 悪性骨腫瘍 5%
  • 8. 胚細胞腫瘍 4%
  • 9. がん/上皮性腫瘍 4%
  • 10. 網膜芽細胞腫 3%
  • 11. 肝腫瘍 1%
  • 12. その他 1%

部位別年次別悪性腫瘍による死亡数、死亡率、年齢調整死亡率

参考1

参考

  • 1. 人口動態調査 > 平成22年人口動態統計 > 確定数 > 上巻 > 死亡 > 年次 - 政府統計の総合窓口 GL08020102
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&listID=000001082327&disp=Other&requestSender=dsearch
  • 5-24 悪性新生物の主な部位別にみた性・年次別死亡数及び率(人口10万対)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_csvDownload_&fileId=000005009667&releaseCount=1
  • 5-26 悪性新生物の主な部位別にみた性・年次別年齢調整死亡率(人口10万対)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_csvDownload_&fileId=000005009671&releaseCount=1

「甲状腺腫」

  [★]

英
goiter
ラ
struma
関
甲状腺
  • 甲状腺が濾胞上皮の肥大と過形成により全体的・部分的に腫大した状態
腫瘍によるものは含めない
  • びまん性甲状腺腫 diffuse goiter
  • 橋本病、グレーブス病
  • 結節性甲状腺腫 multinodular goiter
  • (甲状腺ホルモン正常)
  • (単発)濾胞腺腫、甲状腺嚢胞。癌、悪性リンパ腫
  • (多発)腺腫様甲状腺腫
  • (甲状腺ホルモン高値)プランマー病(中毒性単結節性甲状腺腫)、中毒性多結節性甲状腺腫(濾胞腺腫・腺腫様甲状腺腫由来)、機能性結節性甲状腺腫(位置づけが不明。このカテゴリの疾患の総称かもしれない。)


  • epidemic goiter
  • iodineが不足しがちな地域に住んでいる人に多い。人口の10%以上にgoiterが見られたらepidemic goiterと判断できる
  • sporadic goiter
  • 思春期~若い女性に多い
  • 甲状腺ホルモンの合成が傷害されることによる
  • 先天性
  • 食餌性
  • カルシウムやの過剰摂取が甲状腺ホルモンの合成を阻害

参考

  • 1. 甲状腺 DotJP - Thyroid DotJP presented by Sumire Hospital
1. 甲状腺疾患を理解するための基本的な知識
http://www.thyroid.jp/pdf/1.pdf
2. 甲状腺疾患を自分で診断し、治療する c. 甲状腺疾患の自己診断法
http://www.thyroid.jp/pdf/2-c.pdf
明日からの診療に役立つ 甲状腺診療のノウハウ すみれ甲状腺グループ すみれクリニック 院長 岡本泰之
http://www.thyroid.jp/professional/pdf/dr_clinical_practice.pdf
甲状腺疾患と 抗TSHレセプター抗体
http://www.thyroid.jp/pdf/dr_TRAb.pdf]]



  • http://square.umin.ac.jp/massie-tmd/pfpl.html

「癌腫」

  [★]

英
carcinoma
同
悪性上皮性腫瘍 malignant epithelial neoplasm
関
癌、腫瘍、肉腫 sarcoma

癌腫 carcinoma

  • 腺癌 adenoma
  • 扁平上皮癌 squamous cell carcinoma, squamous carcinoma
  • 移行上皮癌

資料

  • 癌情報サービス
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/index.html
  • がんサポート情報センター
http://www.gsic.jp/


  • 上皮性の腫瘍をさす

癌腫carcinoma と肉腫 sarcoma

特徴 癌腫
carcinoma
肉腫
sarcoma
由来 上皮 間葉系組織
良悪性 悪性 悪性
発生頻度 比較的多い 稀
転移形式 多くがリンパ行性 多くが血行性
in situ時期
上皮内癌
粘膜内癌
有り 無し
年齢 老人・中年(50歳以上) 若年・壮年(50歳以下)


-carcinoma

「国際対がん連合」

  [★]

英
International Union Against Cancer, Union for International Cancer Control
仏
Union Internationale Contre le Cancer
ラ
Unio Internationalis Contra Cancrum UICC
関
癌、悪性腫瘍

参考

  • 1. UICC
http://www.uicc.org/
  • 2. UICC 日本委員会
http://www.jfcr.or.jp/UICC/index.html
  • 3. UICC第6版資料
http://ganjoho.jp/hospital/cancer_registration/registration02_04.html

「家族性甲状腺髄様癌」

  [★]

英
familial thyroid medullary carcinoma
関
甲状腺髄様癌、多発性内分泌腫瘍症

「小細胞癌」

  [★]

英
small cell carcinoma
関
肺小細胞癌


  • 小細胞肺癌

「昇圧癌化学療法」

  [★]

英
induced hypertension chemotherapy
関
昇圧化学療法
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