出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/27 17:04:01」(JST)
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IUPAC命名法による物質名 | |
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2-[(4-Chlorobenzoyl)amino]-3-(2-oxo-1H-quinolin-4-yl)propanoic acid | |
臨床データ | |
法的規制 |
?
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識別 | |
CAS番号 | 90098-04-7 |
ATCコード | ? |
PubChem | CID 5042 |
KEGG | D01121 |
化学的データ | |
化学式 | C19H15Cl2O4 |
分子量 | 370.786 g/mol |
レバミピド(Rebamipide)は、胃の粘膜を丈夫にすることによって胃酸の刺激から胃壁を守り、胃炎や胃潰瘍を治療するための薬で、ムコスタ錠(Mucosta、登録商標第2330326号)の名で大塚製薬から発売されており、後発医薬品も発売されている。
胃潰瘍の治療薬として開発された。一般に胃潰瘍は、通常はバランスが取れている胃酸分泌に関わる調節機能が障害された場合に、胃液が胃の粘膜を消化する(傷つける)ことによって潰瘍ができるが、レバミピドはプロスタグランジン(PG)の産生を促進させることで胃壁を守る粘膜を増やし、胃粘膜の血流を促すことで、胃の胃酸に対する防御機能を高め、胃炎や胃潰瘍の治癒を促進する働きがある。すなわち胃酸分泌をコントロールするのではなく、防御機構を回復させることで胃潰瘍を治療する。
レバミピドの開発以前は胃酸分泌に関係する物質としてはアセチルコリン、ヒスタミンなどが考えられていたが、大塚製薬のムコスタ開発チームはそれ以外の調整機能が生体内にあると想定し、ラットへの酢酸投与により胃潰瘍を発生させ、その治療過程において新たな治療効果を持つ化合物を探し、世界で初めてプロスタグランジンの胃粘膜保護作用を発見した。
鎮痛剤など胃壁を荒らしやすい治療薬(イブプロフェン錠など)と併用し、胃壁の荒れを予防する目的で投与されることも多い。また、制酸剤やほかの潰瘍治療薬と併用することもある。ごく一般的に処方される薬である。ただし、処方にあたり、「特定疾患処方管理加算」が「投薬料」項目部分に18点加算される(処方箋発行料68点に加えて別途発生する形となる)。
更に、アスピリン腸溶錠による小腸潰瘍の治療に、高用量のレバミピドが有効であるとの報告が有る[1]。
また最近では、レバミピドの粘膜修復作用に着目してドライアイの治療にも応用されており、2011年には点眼薬としても製品化されている[2]。
下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善 急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
レバミピド(ムコスタ)の添付文書によれば、
通常、成人には1回レバミピドとして100mg(ムコスタ錠100mg:1錠、ムコスタ顆粒20%:0.5g)を1日3回、朝、夕及び就寝前に経口投与する。
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期 通常、成人には1回レバミピドとして100mg(ムコスタ錠100mg:1錠、ムコスタ顆粒20%:0.5g)を1日3回経口投与する。
他は医師の指示通り。
錠剤については安全性は高く、副作用はまれである。ごく稀にショック(アナフィラキシー症状)、血液障害(白血球減少、血小板減少)、発疹、肝障害(AST・ALT・γ-GTP、AL-Pの上昇)の報告がある。
服薬中止後の再発がしばしば見られるため、潰瘍がなくなった後もしばらくの期間続ける必要がある。
点眼液については、副作用による涙道閉塞・涙嚢炎の症例が3年間で8例(うち因果関係を否定出来ないものが5例)確認されており、2015年3月に厚生労働省が使用上の注意に「重大な副作用」の項を新設するよう指示している[3]。
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ムコスタ点眼液UD2%
リンク元 | 「眼科用剤」「レバミピド」「消化性潰瘍用剤」 |
健康成人男子においてアスピリン、エタノール、塩酸-エタノール負荷による胃粘膜傷害を抑制する。
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