- 英
- prostaglandin E2, PGE2
- 同
- ジノプロストン dinoprostone
- 商
- プロスタグランジンE2、プロスタルモン・E
- 関
- プロスタグランジン
種類
分類
性状
産生組織
標的組織
受容体
作用
- 血管拡張 (SPC.108)
- 気管支拡張 (SPC.108)
- 子宮収縮 (SPC.108)
- 発熱 (SPC.108)
- 発痛 (SPC.108)
=体液調節
- 腎髄質間質細胞や尿細管上皮で産生される
- 相反する作用を及ぼすらしい
- レニン分泌刺激 → Na+再吸収を亢進 (SP.793)
- 太いヘンレループ上行脚・集合管に作用 → Na+再吸収を抑制 (SP.792)
発熱
- IL-1の作用により体温調節中枢にPGE2が発現し、その量に応じて体温のセットポイントが上昇する (SPC.363)
- アスピリンによりPGE2が減少することで、体温のセットポイントを正常化する
分泌の調整
分子機構
臨床関連
生合成
禁忌
- 1. 骨盤狭窄、児頭骨盤不均衡、骨盤位等の胎位異常のある患者(正常な経腟分娩が進行せず、母体及び胎児への障害を起こすおそれがある。)
- 2. 前置胎盤(出血及び胎盤の圧迫により、胎児に障害を起こすおそれがある。)
- 3. 常位胎盤早期剥離(緊急な胎児娩出が要求されるため、外科的処置の方が確実性が高い。)
- 4. 胎児仮死のある患者(子宮収縮により胎児の症状を悪化させるおそれがある。)
- 5. オキシトシン、ジノプロスト (PGF2α) を投与中の患者
効能又は効果
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2499005F1030_2_03/2499005F1030_2_03?view=body
WordNet
- the 5th letter of the Roman alphabet (同)e
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プロスタグランジンE2
|
IUPAC命名法による物質名 |
7-[3-hydroxy-2-(3-hydroxyoct-1-enyl)- 5-oxo-cyclopentyl] hept-5-enoic acid |
臨床データ |
法的規制 |
?
|
識別 |
CAS番号 |
363-24-6 |
ATCコード |
G02AD02 |
PubChem |
CID 9691 |
DrugBank |
APRD00927 |
化学的データ |
化学式 |
C20H32O5 |
分子量 |
352.465 g/mol |
プロスタグランジンE2(英: Prostaglandin E2, PGE2)は生理活性物質であるプロスタグランジンの一種であり、PGE受容体を介して発熱や破骨細胞による骨吸収、分娩などに関与している。PGE2の誘導体(ジノプロストン)は陣痛促進や治療的流産に用いられる。
目次
- 1 化学構造
- 2 産生機構
- 2.1 アラキドン酸カスケード
- 2.2 ホスホリパーゼA2
- 2.3 シクロオキシゲナーゼ (COX)
- 2.4 プロスタグランジンE合成酵素
- 3 受容体と生理活性
- 4 脚注
- 5 出典
化学構造
プロスタグランジン (PG) 類の化学構造は全てプロスタン酸(右図)を共通の基本骨格として有しており、五員環部分に結合する官能基や二重結合の有無によりA-J群に分けられ、側鎖部分の二重結合数により1-3群に区別される。これらの組み合わせによりプロスタグランジンの命名が行われるわけであり、例えばPGE2は五員環部分の9位にヒドロキシル基と11位にオキソ基、側鎖部分の5位、13位の2箇所に二重結合を有するものである。
産生機構
アラキドン酸カスケード
プロスタグランジンの生合成経路。PGH2(図中青色)を基点として様々なエイコサノイドが作られるが、PGE2はPGE合成酵素 (PGE synthase) により生成される。
PGE2をはじめとしたエイコサノイドは炭素数20の不飽和脂肪酸を原料に生合成される事が知られており、食物由来物質の中ではアラキドン酸の含量が多い。このことからエイコサノイドの合成系をアラキドン酸カスケードと呼んでおり、PGE2も精嚢腺や肺などにおいてアラキドン酸から生成される。
アラキドン酸カスケードでのPGE2合成反応は以下の4段階に分けられる。1) 生体膜のリン脂質のsn2位にエステル結合しているアラキドン酸がホスホリパーゼA2 (PLA2) と呼ばれる酵素により切り出される。2) 遊離したアラキドン酸はシクロオキシゲナーゼ (COX) により代謝されPGG2になる。この際、アラキドン酸がリポキシゲナーゼ (LOX) による代謝を受けるとロイコトリエンの合成系に入っていくが、本題から外れるため詳述しない。3) さらにPGG2はPGH2に変換され、この反応もCOXが担う。つまり、COXの関与する反応はアラキドン酸→PGG2とPGG2→PGH2の二段階であり、前者をシクロオキシゲナーゼ反応、後者をヒドロペルオキシダーゼ反応と称する。4) プロスタグランジンE合成酵素 (PGES) の働きによりPGH2からPGE2が作られる。
ホスホリパーゼA2
ホスホリパーゼA2はリン脂質を脂肪酸とリゾリン脂質に加水分解する酵素である。PLA2には細胞質PLA2、分泌型PLA2、Ca2+非依存性PLA2 (iPLA2)、血小板活性化因子アセチルヒドラーゼ (PAF-AH) 群およびアディポサイトPLA2(AdPLA2)が存在しており、その中でもcPLA2の一種であるcPLA2αが最もアラキドン酸含有のリン脂質に対して選択性が高く、PGE2の産生において重要である。cPLA2αの活性は細胞内Ca2+の濃度上昇により制御されており、cPLA2αのアミノ基側末端に存在するC2ドメインと呼ばれる配列にCa2+が結合することによりcPLA2の細胞質から細胞膜下への移動が起こり、細胞膜を構成するリン脂質を捕捉できるようになる。また、cPLA2のリン酸化も重要であり、Ser505、Ser515、Ser727の部位がMAPキナーゼやCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ-2(CaMK2)などの酵素によりリン酸化されることで酵素活性が2-3倍に上昇する。リン酸化が酵素活性を増大させるメカニズムは十分に明らかになっていないが、Ser505のリン酸化はcPLA2αの細胞膜からの解離を遅らせるという報告もある[1]。
シクロオキシゲナーゼ (COX)
詳細は「シクロオキシゲナーゼ」を参照
- COX-1
- COX-1は構成的酵素であり、炎症性刺激の有無に関わらずほぼ全ての組織に発現がみられる。胃粘膜保護や腎臓血流量の増加などに関与し、生理的な機能の維持を行っていると考えられている。
- COX-2
- 炎症や癌などの病的状態において誘導される酵素であり、滑膜細胞やマクロファージ、単球などに発現が見られる。サイトカインや増殖因子、細菌内毒素などの刺激により産生が促され、抗炎症薬により抑制される。抗炎症薬投与によりCOX-1が活性阻害を受けると、プロスタグランジンの胃粘膜保護作用や血小板凝集作用などが失われるため副作用の原因となる。そのためCOX-2選択的な阻害薬が治療により有用性が高いとされている。COX-2選択的な阻害薬としてセレコキシブなどが知られている。また、ステロイド性抗炎症薬によってもその発現が抑制される。
プロスタグランジンE合成酵素
PGESはPG合成系の中間体であるPGH2から生理活性化合物であるPGE2への代謝反応を選択的に触媒する酵素である。PGESにはmPGES-1、mPGES-2及びcPGESの3種類が存在しており、それぞれ特徴が異なる。
- mPGES-1 (Microsomal PGE Synthase-1)
- mPES-1の機能発現は主にCOX-2と共役しており[2][3]、癌や炎症、疼痛、発熱、組織修復などに関与することが知られている。mPGES-1は炎症刺激によって発現が上昇する3量体の誘導型酵素であり、抗炎症薬であるグルココルチコイドにより発現が抑制される。mPGES-1の誘導には転写因子Egr-1が関与しており、mPGES-1プロモーター領域近位のGCボックスに結合することで転写活性化を引き起こす[4]。
- mPGE-2
- PGES-2は二量体を形成しており、アミノ基側末端を介して脂質膜に結合している。様々な組織・細胞にmPGES-2の構成的な発現が見られ、炎症や組織損傷などによって誘導されないタイプの酵素であると考えられている。しかし、結腸・直腸癌ではmPGES-1と共にその発現量が増大していることが報告されている。
- cPGES(Cytosolic PGE Synthase)
- cPGESはコシャペロン分子のp23と同一のタンパク質であり、細胞質中に存在してCOX-1由来PGH2の代謝を行う。炎症などの因子に影響を受けない構成型酵素であるが、カゼインキナーゼ2 (CK2) によるリン酸化によりミカエリス・メンテン係数(Km)が大きく減少することが報告されており、CK2によるリン酸化はcPGESの酵素活性とPGE2産生量に結びついている。
受容体と生理活性
プロスタグランジン受容体はいずれも細胞膜7回貫通型のGタンパク質共役受容体であり、PGE2受容体も例外ではない。一般にPGE受容体のことを"EP"と略して称することが多いため本稿でもそれに従う。
EPにはこれまでに少なくとも4種類のサブタイプ (EP1~EP4) の存在が報告されており、いずれもPGE2に対して反応性が高い。EP3には選択的スプライシングにより産生される数種類のアイソフォームが存在している。
|
EP1 |
EP2 |
EP3 |
EP4 |
構成アミノ酸数 (マウス) |
405 |
362 |
366(EP3α) |
513 |
Gタンパク質 |
Unknown |
Gs |
Gi |
Gs(Gi) |
情報伝達 |
細胞内Ca2+↑ |
cAMP産生量↑ |
cAMP産生量↓ |
cAMP産生量↑、PI3キナーゼ |
代表的な分布組織 |
腎臓、胃、肺 |
血管平滑筋 |
腎臓、子宮、胃 |
平滑筋、腎、胸腺 |
作用 |
平滑筋収縮、ストレス反応(ACTH分泌等) |
血管拡張、卵胞成熟 |
発熱、痛覚伝達、胃液分泌抑制、平滑筋収縮 |
免疫抑制、骨代謝 |
アゴニスト |
ONO-DI-004 |
ONO-AEI-259 |
ONO-AE-248 |
ONO-AE1-329 |
アンタゴニスト |
ONO-8713 |
- |
ONO-AE3-240 |
ONO-AE3-208 |
脚注
- ^ Das S, Rafter JD, Kim KP, Gygi SP and Cho W.(2003)"Mechanism of group IVA cytosolic phospholipase A(2) activation by phosphorylation."J.Biol.Chem. 278,41431-42. PMID 12885780
- ^ Murakami M, Naraba H, Tanioka T, Semmyo N, Nakatani Y, Kojima F, Ikeda T, Fueki M, Ueno A, Oh S and Kudo I.(2000)"Regulation of prostaglandin E2 biosynthesis by inducible membrane-associated prostaglandin E2 synthase that acts in concert with cyclooxygenase-2."J.Biol.Chem. 275, 32783-92.PMID 10869354
- ^ Kamei D, Yamakawa K, Takegoshi Y, Mikami-Nakanishi M, Nakatani Y, Oh-Ishi S, Yasui H, Azuma Y, Hirasawa N, Ohuchi K, Kawaguchi H, Ishikawa Y, Ishii T, Uematsu S, Akira S, Murakami M and Kudo I.(2004)"Reduced pain hypersensitivity and inflammation in mice lacking microsomal prostaglandin e synthase-1."J.Biol.Chem. 279, 33684-95. PMID 15140897
- ^ Naraba H, Yokoyama C, Tago N, Murakami M, Kudo I, Fueki M, Oh-Ishi S and Tanabe T.(2002)"Transcriptional regulation of the membrane-associated prostaglandin E2 synthase gene. Essential role of the transcription factor Egr-1."J.Biol.Chem. 277, 28601-8. PMID 12034740
出典
- 今堀 和友、山川 民夫 編集 『生化学辞典 第4版』 東京化学同人 2007年 ISBN 9784807906703
- 田中 千賀子、加藤 隆一 編集 『NEW薬理学 第4版』 南江堂 2002年 ISBN 9784524220830
- 本郷 利憲、廣重 力、豊田 順一 監修『標準生理学 第6版』医学書院 2005年 ISBN 9784260101370
- 『炎症と免疫』vol.17, 359-65. 山本らの稿 ISBN 9784884075774
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 機械学習によるEP2受容体を標的とした化合物の探索手法の開発
- 小原 祥平,遠里 由佳子,伊藤 將弘
- 情報処理学会研究報告. BIO, バイオ情報学 2011-BIO-26(8), 1-2, 2011-09-06
- … は,細胞内シグナル伝達にかかわる膜タンパク質のプロスタグランジン E2 の受容体であり,重要な創薬標的である.本研究では,EP2 のヒット化合物の探索法の構築を目指した.具体的には,PubChem BioAssay の化合物のスクリーニングデータに対し,サポートベクターマシン (SVM) とおよび k-近傍法を用いて 2 つの予測システムの開発を行った.化合物の構造を表すビット列の特徴選択法として,Filter 法と Kullback-Leibler(KL) 情報量を考 …
- NAID 110008605712
- Y-10 子宮内膜症由来間質細胞におけるジエノゲストのNF-κBおよびプロスタグランジンE2産生抑制(女性医学,優秀演題賞候補プログラム,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 山中 薫子,徐 冰,楠木 泉,菅沼 泉,清水 豊,三田 静香,今田 和則,北脇 城
- 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 705, 2011-02-01
- NAID 110008509537
- 脳虚血傷害におけるプロスタグランジンE2?EP4シグナル系の役割解明と治療への応用
- メダカ卵巣におけるシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)及びプロスタグランジンE2受容体EP4bの発現と排卵への関与
Related Links
- プロスタグランジンE2(英:Prostaglandin E2,PGE2)は生理活性物質であるプロスタ グランジンの一種であり、PGE受容体を介して発熱や破骨細胞による骨吸収、分娩など に関与している。PGE2の誘導体(ジノプロストン)は陣痛促進や治療的流産に用いられる 。
- プロスタグランジンE2とは?ジノプロストンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も 調べられる(おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
プロスタグランジンE2錠0.5mg「科研」
組成
有効成分
添加物
- アメ粉、カルメロースカルシウム、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物、ヒプロメロース、メチルヘスペリジン、黄色5号
禁忌
- 骨盤狭窄、児頭骨盤不均衡、骨盤位等の胎位異常のある患者
[正常な経腟分娩が進行せず、母体及び胎児への障害を起こすおそれがある。]
[出血及び胎盤の圧迫により、胎児に障害を起こすおそれがある。]
[緊急な胎児娩出が要求されるため、外科的処置の方が確実性が高い。]
[子宮収縮により胎児の症状を悪化させるおそれがある。]
- オキシトシン、ジノプロスト (PGF2α) を投与中の患者
[「相互作用」の項参照]
効能または効果
- 妊娠末期における陣痛誘発並びに陣痛促進
- 通常1回1錠を1時間毎に6回、1日総量6錠 (ジノプロストンとして3mg) を1クールとし、経口投与する。
- 体重、症状及び経過に応じ適宜増減する。
- 本剤の投与開始後、陣痛誘発、分娩進行効果を認めたとき、本剤の投与を中止する。
- 1日総量ジノプロストンとして1クール3mg (6錠) を投与し、効果の認められない場合は本剤の投与を中止し、翌日あるいは以降に投与を再開する。
慎重投与
[動物実験 (ウサギ) で眼圧上昇が報告されている。]
[気管支を収縮させるとの報告がある。]
[子宮が脆弱になっていることがあり、過強陣痛が生じると子宮破裂の危険がある。]
[子宮が脆弱になっていることがあり、過強陣痛が生じると子宮破裂の危険がある。]
重大な副作用
過強陣痛
- 過強陣痛 (0.1〜5%未満) があらわれることがある。また、それに伴い子宮破裂、頸管裂傷をきたすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
胎児仮死徴候
- 胎児仮死徴候 (0.1〜5%未満) (仮死、徐脈、頻脈、羊水の混濁等) をきたすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。投与を中止してもこのような症状があらわれた場合には、急速遂娩等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 妊娠末期の子宮に対し収縮作用を有し、陣痛発来、分娩進行に重要な役割を果たす (ラットin vitro、マウス、ラット、ウサギ)13, 14)(ヒト)12)。
- 分娩誘発に際し頸管軟化作用などの内診所見改善作用を有する (ヒト)12)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
化学名:
- (Z )-7-[(1R , 2R , 3R )-3-hydroxy-2-[(1E )-(3S )-3-hydroxy-1-octenyl]-5-oxocyclopentyl]-5-heptenoic acid
分子式:
分子量:
構造式:
性状:
- ジノプロストンは白色〜淡黄色の結晶で、においはなく、強い苦味がある。メタノール、無水エタノール、酢酸エチル又はクロロホルムに溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 30歳、1回経産の妊婦。月経は45-60 日型。初産は正常分娩で、児の出生体重は3,450gであった。最終月経は昨年の3月24日から5日間、つわりは昨年6月初めから約1力月あったが、今年1月14日に、まだ陣痛が発来しないため来院した。子宮底長32cm、腹囲99cm、児心音12-11-12。外子宮口は1cm開大しているが、頚管は固く2.5cm残存している。児頭は浮動し、BPDは85mm。尿中エストリオール25mg/day、血中hPL10ug/ml。
- 適切なのはどれか
- a. 帝王切開を行う
- b. プロスタグランジンE2の経口投与により陣痛誘発を行う
- c. オキシトシンの点滴静注により陣痛誘発を行う
- d. デヒドロエピアンドロステロンサルフェイトにより頚管の熟化を図る
- e. 経過を観察する
[正答]
E
- 月経周期が30日型から外れるときは最終月経による妊娠週数の推定はうまくいかない
- 子宮底長、つわり、などから妊娠週数を推定する
[★]
- 英
- Bartter syndrome, Bartter's syndrome
- 同
- Bartter症候群
- 関
- ギテルマン症候群 Gitelman症候群
概念
- 常染色体劣性遺伝 AR
- RAA系の亢進 にもかかわらず 正常血圧、浮腫の欠如
- 低カリウム血症、代謝性アルカローシス
- 傍糸球体細胞の過形成
- 多飲、多尿 ← アルドステロンのエスケープ現象(尿濃縮脳の障害)。これにより血圧上昇がキャンセル?
- ヘンレループ太い上行脚にあるループ利尿薬の標的輸送体の機能異常 → 常にフロセミドが効いた状態と考えてみる。
病因
- 1つは、NKCC2をコードしているSLC12A1の遺伝子異常
原因遺伝子
|
Location
|
Phenotype
|
Phenotype
|
Gene/Locus
|
Gene/Locus
|
MIM number
|
|
|
MIM number
|
|
1
|
15q21.1
|
[[1]]
|
Bartter syndrome, type 1
|
601678
|
[[2]]
|
SLC12A1
|
600839
|
[[3]]
|
2
|
11q24.3
|
[[4]]
|
Bartter syndrome, type 2
|
241200
|
[[5]]
|
KCNJ1
|
600359
|
[[6]]
|
3
|
1p36.13
|
[[7]]
|
Bartter syndrome, type 3
|
607364
|
[[8]]
|
CLCNKB
|
602023
|
[[9]]
|
4A
|
1p36.13
|
[[10]]
|
Bartter syndrome, type 4, digenic
|
602522
|
[[11]]
|
CLCNKB
|
1p32.3
|
[[12]]
|
Bartter syndrome, type 4a
|
BSND
|
606412
|
[[13]]
|
Sensorineural deafness with mild renal dysfunction
|
4B
|
1p36.13
|
[[14]]
|
Bartter syndrome, type 4b, digenic
|
613090
|
[[15]]
|
CLCNKA
|
602024
|
[[16]]
|
病態
- uptodate.1
- 尿希釈能低下:ヘンレループ上行脚と遠位曲尿細管の療法は尿希釈に重要な部位であり(ADHの作用がない条件下で、水の移動なしにNaClを再吸収できるので)、本疾患では尿希釈能の低下をきたす。
- 尿濃縮能低下:尿濃縮にはループヘンレの正常な働きととADHが必要 → 本疾患では尿濃縮能の低下をきたす ⇔ ギテルマン症候群ではnot substantially impaired
症候および検査異常
- uptodate.1
- しかし、出典不明の情報では、RAA系の亢進による血圧上昇がプロスタグランジンE2による血圧低下で相殺され、血圧正常とあるが、、、どうなの?出典はYNらしい。
- 発育遅滞、精神発達遅滞 ← 幼小児で発見されるきっかけ?
- 低カリウム血症
- 代謝性アルカローシス
- 多尿、多飲 ← 尿濃縮能低下
- 尿中カルシウム:正常~増加
- 血清マグネシウム:正常~軽度低下
- (時に)低リン酸血症 ← 二次性副甲状腺亢進症による
鑑別診断
- IMD.1003
バーター症候群とギテルマン症候群
- 出典不明
参考
uptodate
- 1. [charged] バーター症候群およびギテルマン症候群 - uptodate [17]
- 2. [charged] 原因不明の代謝性アルカローシスおよび低カリウム血症:嘔吐;利尿薬;ギテルマンまたはバーター症候群 - uptodate [18]
OMIM
- 1. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 1
- http://omim.org/entry/601678
- 2. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 2
- http://omim.org/entry/241200
- 3. BARTTER SYNDROME, TYPE 3
- http://omim.org/entry/607364
- 4. BARTTER SYNDROME, TYPE 4A
- http://omim.org/entry/602522
- 5. BARTTER SYNDROME, TYPE 4B
- http://omim.org/entry/613090
国試
[★]
- 英
- vasopressin VP
- 同
- バゾプレッシン, arginine vasopressin AVP、抗利尿ホルモン antidiuretic hormon ADH
- 商
- ピトレシン Pitressin
- 関
- デスモプレシン、尿細管
[show details]
分類
性状
産生組織
- PED. 1328
標的組織
- 腎臓の集合管
- 腎臓の細い上行脚、太い上行脚、接合尿細管にも作用する (SP.816)
生理作用
- 血管平滑筋の収縮(V1受容体)
- V1受容体は抗利尿作用を示すより大用量で動作(SAN.189) ← 生理的な量では血管収縮による血圧上昇はない。
- 髄質内層集合管で尿素の再吸収を高める(SP.817)
作用機序
抗利尿作用
|
集合管上皮細胞
|
V2R
|
血管平滑筋収縮(昇圧作用)
|
血管内皮
|
V1R
|
分泌調節
- 血漿浸透圧↑、循環血漿量↓→分泌↑ ( 出血 )
- 血漿浸透圧↓、循環血漿量↑→分泌↓ ( 水の大量摂取 )
ADH分泌促進/作用増強する薬物
- QB.D-331
ADHの作用を修飾する物質
- 糖質コルチコイド:水代謝作用(水利尿):GFR↑させたりADHに拮抗することで細胞内への水移動を抑制する
癌患者とADH
- 日腎会誌 2012:54(7):1016-1022
- Ellison DH, Berl T. Clinical practice. The syndrome of inappropriate antidiuresis. NEJM. 2007;356:2064-2072. PMID 17507705
- 異所性ADH産生腫瘍、抗悪性腫瘍薬の副作用、手術侵襲、嘔気・嘔吐、疼痛
分子機構
ここまで、2007後期生理学授業プリント&想像 でまとめた
- 集合管の上皮の基底側に発現していると思われるV(75%){2};Rを介して、アクアポリン2(AQP2)が発現して尿細管腔側に局在、アクアポリン2から水を細胞内に取り込み、アクアポリン3を介して細胞基底側(血管腔)に水が移動する (2007後期生理学授業プリント, SP.817 図12-63)
- 以下の記述と矛盾する気がする・・・
- 水輸送体apuaporin1(AQP1)に作用して集合管における水透過性を高める(SP.817)。
効能又は効果
- ピトレシン注射液20
薬効薬理
- ピトレシン注射液20
- 遠位尿細管における水の再吸収を促進することにより、抗利尿作用を発揮する1)。
- 腹部内臓の細動脈を収縮させ、門脈血流を減少させるので、一時的に門脈圧が下降するため、門脈圧亢進による食道出血時に止血作用を発揮する。
副作用
- ピトレシン注射液20
- 血管収縮による血圧上昇、狭心症、腹痛がありうる。(QB.D-357)
- 重大な副作用:ショック、横紋筋融解症、心不全・心拍動停止、精神錯乱・昏睡、水中毒、中枢神経障害(中心性橋脱髄症)、無償、心室頻拍
禁忌
- ピトレシン注射液20
- 1. 本剤の成分に対しアナフィラキシー又は過敏症の既往歴のある患者
- 2. 冠動脈硬化症 (心筋梗塞症、狭心症等) の患者[心筋虚血を延長させることがある。]
- 3. 急速な細胞外水分の増加が危険となるような病態 (心不全、喘息、妊娠中毒症、片頭痛、てんかん等) のある患者[水中毒を起こすことにより、それらの病態を悪化させるおそれがある。]
- 4. 血中窒素貯留のある慢性腎炎の患者[水分貯留を起こすことにより、血中窒素の排泄が抑制されるおそれがある。]
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2414402A1035_1_02/2414402A1035_1_02?view=body
臨床検査
基準値
- 0.3-4.2pg/ml (RIA2抗体法) (検査の本)
- 0.3-4.0pg/ml (RIA2抗体法) (LAB.695)
[★]
- 英
- rebamipide
- 商
- ムコスタ
- 関
- 消化性潰瘍用剤
効能又は効果
- ムコスタ錠100mg/ムコスタ顆粒20%
- 胃潰瘍
- 下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
- 急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
重大な副作用
- ムコスタ錠100mg/ムコスタ顆粒20%
- 1. ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明※)
- ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 2. 白血球減少(0.1%未満)、血小板減少(頻度不明※)
- 白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 3. 肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(頻度不明※)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ムコスタ錠100mg/ムコスタ顆粒20%
- 1. 実験胃潰瘍に対する抑制作用及び治癒促進作用13~15)
- ラットにおいて水浸拘束ストレス潰瘍、アスピリン潰瘍、インドメタシン潰瘍、ヒスタミン潰瘍、セロトニン潰瘍、幽門結紮潰瘍及び活性酸素が関与していると考えられる虚血-再灌流、血小板活性化因子(PAF)、ジエチルジチオカルバメイト(DDC)、ストレス・インドメタシンによる胃粘膜傷害を抑制する。また、ラット酢酸潰瘍の治癒を促進し、潰瘍作製後120~140日目にみられる再発・再燃を抑制する。
- 2. 実験胃炎に対する抑制作用及び治癒促進作用16,17)
- ラットにおいて、胆汁酸の主成分の一つであるタウロコール酸で誘発した実験胃炎の発生を抑制するとともに治癒促進効果を有する。
- 3. 胃粘膜プロスタグランジン増加作用18,19)
- ラットにおいて胃粘膜内プロスタグランジンE2含量を増加させる。また、胃液中のプロスタグランジンE2、I2を増加させるとともに、プロスタグランジンE2の代謝産物である15-ケト-13,14-ジヒドロプロスタグランジンE2も増加させる。
- 健康成人男子において、胃粘膜プロスタグランジンE2含量を増加させ、エタノール負荷による胃粘膜傷害に対する抑制作用を示す。
- ラットにおいてエタノール、強酸及び強アルカリによる胃粘膜傷害を抑制する。また、ウサギ胎児由来の培養胃粘膜上皮細胞において、アスピリン及びタウロコール酸(胆汁酸の主成分の一つ)による細胞障害を抑制する。
健康成人男子においてアスピリン、エタノール、塩酸-エタノール負荷による胃粘膜傷害を抑制する。
- ラットにおいて粘液高分子糖タンパクの生合成酵素活性を高め、胃粘膜被覆粘液量及び可溶性粘液量を増加させる。なお、可溶性粘液増加作用に内因性プロスタグランジンは関与しない。
- ラットにおいて胃粘膜血流量を増加させ、脱血による血行動態の障害を改善する。
- ラットにおいて胃粘膜電位差に対してほとんど作用を示さないが、エタノールによる胃粘膜電位差の低下を抑制する。
- ラットにおいて胃粘膜細胞新生能を賦活し、被蓋上皮細胞数を増加させる。
- ウサギ培養胃粘膜上皮細胞を用いた創傷修復モデルにおいて、胆汁酸及び過酸化水素によって遅延した修復過程を正常化する。
- ラットにおいて基礎胃液分泌にほとんど作用を及ぼさず、また、刺激胃酸分泌に対しても抑制作用を示さない。
- 本剤はヒドロキシルラジカルを直接消去し、また、多形核白血球のスーパーオキシド産生を抑制する。In vitroにおいて、Helicobacter pylori による好中球からの活性酸素種産生による胃粘膜細胞傷害を抑制する。また、ストレス・インドメタシンを負荷したラットの胃粘膜傷害を抑制すると同時に胃粘膜中の過酸化脂質含量を低下させる。
- 13. 胃粘膜への炎症性細胞浸潤に対する作用16,36,37)
- ラットのタウロコール酸(胆汁酸の主成分の一つ)誘発胃炎モデル、NSAIDs胃粘膜傷害モデル、虚血-再灌流モデルにおいて炎症性細胞浸潤を抑制する。
- 14. 胃粘膜における炎症性サイトカイン(インターロイキン-8)に対する作用38,39)
- Helicobacter pyloriによるヒト胃粘膜上皮細胞からのインターロイキン-8(IL-8)産生増加を抑制する。また、上皮細胞内のNF-κBの活性化及びIL-8 mRNAの発現を抑制する(in vitro)。
参考
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2329021D1020_1_08/2329021D1020_1_08?view=body
[★]
- 英
- atrial natriuretic peptide, ANP (SP)
- 同
- 心房性Na利尿ペプチド、心房性利尿ペプチド、心房性ナトリウム利尿因子 atrial natriuretic factor ANF、心房性ナトリウム利尿ホルモン atrial natriuretic hormone ANH
- 関
- カルペリチド、ナトリウム利尿ペプチド
[show details]
ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチド : 66 件
ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド : 約 58,100 件
心房性ナトリウム利尿ポリペプチド : 71 件
心房性ナトリウム利尿ペプチド : 約 25,900 件
分類
性状
産生組織
標的組織
受容体
作用
- GFRの増加、腎髄質血流の増加、尿細管のNa輸送の抑制
分泌の調整
分子機構
- 受容体に結合した後、膜結合型のグアニル酸シクラーゼを活性化し、cGMPがセカンドメッセンジャーとして機能
臨床関連
[★]
- 英
- uterotonic, oxytocics
- ラ
- uterotonica
- 同
- 子宮収縮促進薬?
- 関
- 子宮収縮、分娩誘発、陣痛誘発薬、陣痛促進役
- プロスタグランジン:生理的な子宮収縮を呈する。気管支喘息、緑内障に対しては禁忌。
[★]
- 英
- PGE2 receptor
- 関
- プロスタグランジンE2
[show details]
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- 英
- 16
[★]
- 英
- prostaglandin, PG
- 関
- プロスタグランジン受容体、アラキドン酸カスケード
種類
プロスタグランジンの腎臓における作用
- PRE.43
- AHDは腎臓の様々な細胞・組織(ヘンレループ太い上行脚、集合管、腎髄質の間質、糸球体メサンギウム)でプロスタグランジンの産生を誘導する。ここで産生されたプロスタグランジンはADHの小売り様作用と血管に対する作用の両方を阻害する。抗利尿作用はADHによりGi,Gqを介したcAMP産生の抑制による。プロスタグランジンは局所に作用しADHが過剰に働かないように振る舞う。
- → NSAIDと腎障害の関係 NSAID腎症
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- 英
-
- 関
- 標識、目印、タグをつける
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- 英
- pro
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エストラジオール estradiol
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