- 英
- sucralfate
- 商
- Carafate。アルサルミン、オーネスミン、シューアルミン、ツナルミン、テイガスト、ビンガスト
-
薬理作用
適応
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
副作用
WordNet
- medicine consisting of a tablet (trade name Carafate) used to treat peptic ulcers; said to bind to the ulcer site and coat it (同)Carafate
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/03/31 16:23:27」(JST)
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スクラルファート
|
IUPAC命名法による物質名 |
ヘキサデカ-μ-ヒドロキシテトラコサヒドロキシ[μ8-[1,3,4,6-テトラ-O-スルホ-β-D-フルクトフラノシル-α-D-グルコピラノシドテトラキス(ハイドロゲンスルファト)8-)]]ヘキサデカアルミニウム[1] |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
B |
法的規制 |
Px-only |
投与方法 |
経口, 懸濁液, 直腸 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
3 - 5% |
排泄 |
糞、尿 |
識別 |
CAS登録番号 |
54182-58-0 |
ATCコード |
A02BX02 |
PubChem |
CID 6398525 |
DrugBank |
APRD01238 |
化学的データ |
化学式 |
C12H54Al16O75S8[1] |
分子量 |
2086.75 g/mol[1] |
スクラルファート(英: sucralfate)とは粘膜保護薬のひとつ。ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩とであり、胃や十二指腸における潰瘍表面のタンパク質と結合して被膜を形成する。スクラルファートはH2受容体拮抗薬やプロトンポンプ拮抗薬などの胃酸抑制薬による治療後の再発防止を目的として使用されるアルミニウム化合物。またアルミニウムを含有するため透析患者への使用は禁忌。
副作用
大きな副作用の頻度は少ない。胃粘膜保護作用があるために他の薬剤の吸収を妨げることがある。牛乳やカルシウムを含むサプリメントと併用するとミルクアルカリ症候群を起こし頭痛や吐き気、食欲不振を起こすことがある。炭酸飲料で飲むと中和作用が炭酸に対して使われてしまい、胃酸に対する効果が損なわれることがある。腸溶性の薬品は胃の酸性の状況下では吸収されないよう作られているが制酸薬と合わせて飲んだ場合は胃内がアルカリ性の傾向となるため、腸溶性薬品が腸まで到達しないことがある。アルミニウムが含まれる製剤は、腎機能が悪いと体内にアルミニウムが蓄積しアルミニウム脳症などを起こす危険性がある。
関連項目
参考文献
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
脚注
- ^ a b c Merck Index, 12th Edition, 9049.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ラット胃出血モデルにおけるスクラルファートの胃粘膜出血抑制作用機序の検討
- 樫村 幸嗣,星野 英一,今井 信雄
- 実験潰瘍 = ULCER RESEARCH 30(1), 73-78, 2003-05-20
- NAID 10012090382
- 緑茶カテキンによる胃内Helicobacter pylori除菌 : スクラルファート吸着緑茶カテキンによる除菌の可能性
Related Links
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- 有効成分スクラルファートが胃痛のもとを直接修復する仕組みを紹介しています。胃痛のもとを直接修復するスクラート胃腸薬のWebサイトです。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
スクラルファート細粒90%「アメル」
組成
有効成分
添加物
禁忌
- 透析療法を受けている患者〔長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれることがある。〕
効能または効果
○胃潰瘍、十二指腸潰瘍
○下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
- 急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
- 通常、成人1回1〜1.2gずつ、1日3回経口投与する。
年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 腎障害のある患者〔長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれるおそれがあるので、定期的に血中アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと。〕
- リン酸塩の欠乏している患者〔アルミニウムは消化管内でリン酸塩と結合し、その吸収を阻害する。〕
薬効薬理
生物学的同等性試験1)
- ラットを用いた急性実験潰瘍(Shay潰瘍、n=12)に対して、スクラルファート細粒90%「アメル」及び標準製剤(細粒剤、900mg)をそれぞれ125mg/kg投与し、効力比較を行った。その結果、スクラルファート細粒90%「アメル」と標準製剤は同様に優れた潰瘍抑制効果を示し、両剤間に有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
また、ラットを用いた慢性実験潰瘍(酢酸潰瘍、n=11〜12)に対して、スクラルファート細粒90%「アメル」及び標準製剤(細粒剤、900mg)をそれぞれ1.75g/kg、1日1回8日間投与し、効力比較を行った。その結果、スクラルファート細粒90%「アメル」と標準製剤は同様に優れた潰瘍治癒効果を示し、両剤間に有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬効薬理2)
- 動物実験での酢酸潰瘍及び十二指腸潰瘍において、潰瘍部位に選択的に結合し、保護層を形成して治癒を促進する。このことから消化性潰瘍及び胃炎患者に経口投与することにより、治癒を促進すると考えられる。またラットの胃液ペプシン活性の抑制、制酸作用、再生粘膜の発育促進及び血管増成作用が認められている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- スクラルファート水和物(Sucralfate Hydrate)
分子式
- C12H30Al8O51S8・xAl(OH)3・yH2O
性状
- 白色の粉末で、におい及び味はない。
水、熱湯、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希塩酸又は硫酸・水酸化ナトリウム試液に溶ける。
★リンクテーブル★
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商品
[★]
- 英
- reflux esophagitis
- 同
- peptic esophagitis
- 関
- 胸骨下痛、食道炎、バレット食道、胃食道逆流症 GERD
概念
- 胃食道の逆流防止機構が十分に作動せず、胃・小腸内容液の逆流から粘膜傷害をきたした状態(IMD)。
- 上位の疾患概念に胃食道逆流症 GERDがある。
分類
- ロサンゼルス分類:(内視鏡的な分類)
- Savary-Miller分類
- 食道疾患研究会による分類:色調変化型、びらん型、潰瘍型、隆起肥厚型
リスク
- 肥満、妊娠(腹腔内圧上昇、エストロゲン・プロゲステロンによるLES圧低下)、過食、高カロリー食(チョコレート、和菓子、高脂肪食、餅)・刺激物、食後臥位(3時間以内)、喫煙、アルコール、薬剤(Ca拮抗薬、硝酸薬、テオフィリン)
- 滑脱型食道裂孔ヘルニア、LES機能不全、胃切除後
症状
- 食道症状:胸焼け、呑酸、嚥下困難
- 食道外症状:咳嗽、前胸部痛(胸骨後部痛)、嚥下困難、嚥下痛、つまり感
検査
- 確定診断のために、食道内24時間pHモニター、食道内圧測定、内視鏡検査が重要。特に食道内24時間pHモニターでpHの低下が証明できなければ、胃食道逆流症は否定的。(QB.A-53)
- X線造影
- 胃カメラ
- 食道内24時間pHモニター
24-hour pH monitoring
治療
- (胃酸分泌抑制)H2受容体阻害薬、プロトンポンプ阻害薬
- (胃の逆流阻害)消化管運動促進薬 ← 本当?
- 粘膜保護薬 (QB.A-53)
- 術後胃で十二指腸液の逆流があるばあいには酸分泌抑制薬は無効であり、メシル酸カモスタットが用いられる。
プロトンポンプ阻害薬
- hospitalist vol.2 no.3 2014.9 P.741
- 血液濃度が低い:腸溶コーティングされたPPIが長時間胃に留まると胃の中で溶解してしまい成分が失活して、血液中濃度が十分に上昇しない場合がある。腸管運動の運動改善薬が有効なことがある。
- rapid metabolizer:PPIはCYP2C19の代謝を受けるが、遺伝子多形により代謝の速度が異なる(homozygous extensive metabolizer, heterozygous extenstive metabolizer, poor metabolizer)。ランソプラゾールでは多型の影響をうける。エソメプラゾールやラベプラゾールは影響が少ない。
- 胃内環境が酸性でない:PPIの活性化には酸性環境が必要であるが、食後など胃内に大量の食物がある場合には胃酸が希釈されて酸性環境が得られない場合がある。これに対して腸管の運動改善薬や食前内服が等の対策が必要。
胃酸以外の逆流の可能性
国試
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スクラルファート
- 同
- Carafate