- 英
- latanoprost
- 商
- キサラタン。(チモロール配合)ザラカム
- 関
- 緑内障。眼科用剤
- プロスタグランディンPGF2α誘導体。
- 緑内障・高眼圧治療薬として点眼で用いる。
- ぶどう膜強膜流出経路から房水流出を促進することで眼圧を低下させる。
- 1日1回 1回1滴を点眼。
- 室温で遮光保存する。
- 重大な副作用として虹彩色素沈着(2.4%)が報告されているので、定期的に眼科的な診察をうけるようにする。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/25 02:59:11」(JST)
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ラタノプロスト
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
isopropyl (Z)-7-[(1R,2R,3R,5S)-3,5-dihydroxy-2- [(3R)3-hydroxy-5-phenylpentyl]-cyclopentyl] hept-5-enoate
|
臨床データ |
商品名 |
Xalatan |
AHFS/Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a697003 |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
Topical (eye drops) |
薬物動態データ |
半減期 |
17 minutes |
識別 |
CAS番号 |
130209-82-4 |
ATCコード |
S01EE01 |
PubChem |
CID: 5311221 |
IUPHAR/BPS |
1961 |
DrugBank |
DB00654 |
ChemSpider |
4470740 |
UNII |
6Z5B6HVF6O |
KEGG |
D00356 |
ChEBI |
CHEBI:6384 |
ChEMBL |
CHEMBL1051 |
化学的データ |
化学式 |
C26H40O5 |
分子量 |
432.593 g/mol |
SMILES
-
O=C(OC(C)C)CCC/C=C\C[C@H]2[C@@H](O)C[C@@H](O)[C@@H]2CC[C@@H](O)CCc1ccccc1
|
InChI
-
InChI=1S/C26H40O5/c1-19(2)31-26(30)13-9-4-3-8-12-22-23(25(29)18-24(22)28)17-16-21(27)15-14-20-10-6-5-7-11-20/h3,5-8,10-11,19,21-25,27-29H,4,9,12-18H2,1-2H3/b8-3-/t21-,22+,23+,24-,25+/m0/s1
-
Key:GGXICVAJURFBLW-CEYXHVGTSA-N
|
ラタノプロスト(Latanoprost、商品名:キサラタン)は緑内障、高眼圧症の治療に用いられる医薬品で、プロスタグランジンF2α誘導体[1]である。眼球のぶどう膜強膜流出経路からの房水の排出を促し眼内圧(IOP)を下げる事に因って効果を発揮する[2]。 ラタノプロストはイソプロピルアルコールでカルボン酸をマスクしたプロドラッグであり、角膜に存在するエステラーゼで加水分解される迄は不活性である[3]。
WHOのWHO必須医薬品モデル・リストに収載されている[4]。米国では2011年3月に特許期間が終了し、後発品が発売されている。
目次
- 1 効能・効果
- 2 用法・用量
- 3 副作用
- 3.1 注意を要する患者
- 3.2 禁忌
- 3.3 薬物相互作用
- 3.4 妊婦・授乳婦
- 4 関連項目
- 5 参考資料
- 6 外部リンク
効能・効果
高眼圧症
開放隅角緑内障又は高眼圧症(IOP≥21mmHg)患者に対する質の高い臨床試験の結果、ラタノプロストの単剤投与1〜12ヶ月でIOPは22〜39%低下した。ラタノプロストは4つの無作為化二重盲検臨床試験の内3つでチモロールより有意にIOPを低減した。ラタノプロストは1-2年の臨床試験期間中、安定した効果を見せ、効果の減弱は観察されなかった[5]。 メタアナリシスの結果、チモロールよりもIOP低下効果が高い事が示された。虹彩色素沈着が発現した例が有ったが、悪性のものではないとされ、2001年時点では長期経過観察中とされた[6]。
閉塞隅角緑内障
虹彩切開術・虹彩切除術実施後もIOPが高い患者(アジア系も含む)に対して実施された二重盲検試験では、ラタノプロスト単剤治療群はチモロール治療群よりも大きなIOP低下効果(2週と12週で其々、8.8mmHg(ラ群)vs 5.7mmHg(チ群)と8.2mmHg(ラ群)vs 5.2mmHg(チ群))を示した[7]。
用法・用量
患眼に1日1回午後に1滴投与する。より頻回に投与するとIOP低下効果が減弱するので過量に用いない事[2]。
副作用
重大な副作用として、虹彩色素沈着が記載されている[8]。他にもまつ毛が長くなる、眼周囲が皮膚が黒くなるという副作用もある。まつ毛が長くなる副作用は、逆手にとって美容外科で女性のまつ毛を伸ばすことに使用されている。眼周囲の色素沈着はメラニンの沈着によるもので可逆性であるが、この副作用を予防するために点眼後は洗顔することが推奨されている。
その他の副作用は、
- 5%以上:結膜充血
- 5%未満:結膜炎、眼脂、結膜濾胞、ぶどう膜炎、虹彩炎、角膜上皮障害、点状表層角膜炎、糸状角膜炎、角膜びらん、角膜浮腫、眼瞼色素沈着、眼瞼炎、眼瞼部多毛、眼瞼浮腫、眼瞼発赤、眼刺激症状、眼の瘙痒感、眼痛、霧視、前房細胞析出、流涙、睫毛の異常(睫毛が濃く、太く、長くなる)、異物感等の眼の異常感、頭痛、瘙痒感、咽頭異和感、嘔気、眩暈、胸痛
- 頻度不明:ヘルペス性角膜炎、角膜沈着物、角膜混濁、潰瘍性角膜炎、眼瞼溝深化、嚢胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫、及びそれに伴う視力低下、接触性皮膚炎、羞明、喘息、筋肉痛、関節痛、発疹
- 日本の添付文書に記載のない副作用:灼熱感、点状上皮性角膜症、風邪又は上気道感染症、インフルエンザ様症状、ドライアイ、眼瞼硬結化、眼瞼紅斑(充血)、アレルギー性皮膚障害、背痛、喘息、虹彩炎、網膜動脈塞栓、網膜剥離、中毒性表皮剥離症、ぶどう膜炎、糖尿病性網膜症に伴う硝子体出血
- 円錐角膜が発現したとの症例報告が有る[9]。
他の有害事象として、
- 細菌性[角膜炎]]:点眼薬の不適切な併用等で発現する可能性が有る。
- 目に対する影響:時に永続的な虹彩、眼瞼、睫毛への色素沈着。
注意を要する患者
- 眼病:眼球に炎症の有る患者、無水晶体症患者、偽水晶体眼患者、黄斑浮腫リスクの高い患者は注意して用いる事。閉塞隅角緑内障、炎症性緑内障、血管新生緑内障に用いた場合の安全性・有効性は確立されていない。
- コンタクトレンズ着用者:ベンザルコニウム塩化物はコンタクトレンズに吸着するので、点眼前にコンタクトレンズを外し、点眼後15分以上してから再装着する事。
禁忌
ラタノプロスト、ベンザルコニウム塩化物、その他の成分に過敏症の既往歴のある患者には禁忌である。
薬物相互作用
- ビマプロスト:ラタノプロストとビマプロストを併用すると、眼圧が上昇する。
- 非ステロイド性抗炎症薬:目に対するプロスタグランジンの効果を減弱又は増強する。
妊婦・授乳婦
動物実験に拠り流産の増加が報告されている[10]。
ラットで乳汁への移行が確認されている[8]。保育中の女性が用いる場合も注意が必要であるとされている[2]。
関連項目
- ビマトプロスト
- トラボプロスト(英語版)
- タフルプロスト
- 緑内障
参考資料
- ^ Ishikawa H, Yoshitomi T, Mashimo K, Nakanishi M, Shimizu K (February 2002). “Pharmacological effects of latanoprost, prostaglandin E2, and F2alpha on isolated rabbit ciliary artery”. Graefes Arch. Clin. Exp. Ophthalmol. 240 (2): 120–5. doi:10.1007/s00417-001-0412-4. PMID 11931077.
- ^ a b c Patel SS, Spencer CM (1996). “Latanoprost. A review of its pharmacological properties, clinical efficacy and tolerability in the management of primary open-angle glaucoma and ocular hypertension”. Drugs Aging 9 (5): 363–378. doi:10.2165/00002512-199609050-00007. PMID 8922563.
- ^ Huttunen et al. (2011) Prodrugs—from Serendipity to Rational Design. Pharmacol Rev 63:750–771
- ^ “WHO Model List of EssentialMedicines”. World Health Organization (2013年10月). 2014年4月22日閲覧。
- ^ Perry CM, McGavin JK, Culy CR, Ibbotson T (2003). “Latanoprost. An Update of its Use in Glaucoma and Ocular Hypertension”. Drugs Aging 20 (8): 1170-2229. PMID 12795627. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12795627.
- ^ Zhang WY, Wan Po AL, Dua HS, Azuara-Blanco A (2001). “Meta-analysis of randomised controlled trials comparing latanoprost with timolol in the treatment of patients with open angle glaucoma or ocular hypertension”. British Journal of Ophthalmology 85: 983–990. doi:10.1136/bjo.85.8.983. PMC 1724079. PMID 11466259. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1724079/.
- ^ Aung T; Wong HT; Yip CC; et al. (2000). “Comparison of the intraocular pressure-lowering effect of latanoprost and timolol in patients with chronic angle closure glaucoma: a preliminary study.”. Ophthalmology 107 (6): 1178–83. doi:10.1016/s0161-6420(00)00073-7. PMID 10857840.
- ^ a b “キサラタン点眼液0.005% 添付文書”. 2015年1月18日閲覧。
- ^ Amano S, Nakai Y, Ko A, Inoue K, Wakakura M (2008). “A case of keratoconus progression associated with the use of topical latanoprost”. Japanese Journal of Ophthalmology 52 (4): 334–6. doi:10.1007/s10384-008-0554-6. PMID 18773275.
- ^ De Santis, M., Lucchese, A., Carducci, B., Cavaliere, A., De Santis, L., & Merola, A. et al. (2004). Latanoprost exposure in pregnancy. American Journal Of Ophthalmology, 138(2), 305.pmid=15289149.1
外部リンク
- LATANOPROST solution [Greenstone LLC] (Nov 2011), Daily Med, U.S. National Library of Medicine, National Institutes of Health
- Xalatan (latanoprost) (Pfizer manufacturer)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 第21回 日本緑内障学会 加齢黄斑変性の僚眼にみられたラタノプロストによる嚢胞様黄斑浮腫の1症例
- 第21回 日本緑内障学会 ラタノプロスト・β遮断持続性点眼液併用による原発開放隅角緑内障の視神経乳頭血流の変化
Related Links
- キサラタンとは?ラタノプロストの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- プロスタグランジンF2α誘導体
- 緑内障・高眼圧症治療剤
販売名
キサラタン点眼液0.005%
組成
1mL中:
有効成分
添加物
- ベンザルコニウム塩化物、無水リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、等張化剤
禁忌
効能または効果
- 緑内障、高眼圧症
- 1回1滴、1日1回点眼する。
- 頻回投与により眼圧下降作用が減弱する可能性があるので、1日1回を超えて投与しないこと。
慎重投与
- 無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼の患者[のう胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫、及びそれに伴う視力低下を起こすとの報告がある。]
- 気管支喘息又はその既往歴のある患者[喘息発作を悪化又は誘発するおそれがある(「その他の注意」の項参照)。]
- 眼内炎(虹彩炎、ぶどう膜炎)のある患者[眼圧上昇がみられたことがある。]
- ヘルペスウイルスが潜在している可能性のある患者[角膜ヘルペスがみられたことがある。]
- 妊婦、産婦、授乳婦等[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
重大な副作用
虹彩色素沈着(2.37%)
- 虹彩色素沈着があらわれることがあるので、患者を定期的に診察し、虹彩色素沈着があらわれた場合には臨床状態に応じて投与を中止すること。[「重要な基本的注意」、「臨床成績」の項参照]
薬効薬理
眼圧下降作用5?9)
- サルに対するラタノプロストの単回点眼では、点眼後2?4時間より用量依存性の眼圧下降が認められ、以後6?10時間まで作用は持続した。同じくサルに対する5ないし6日間の反復点眼では、点眼期間中安定した眼圧下降が持続し、作用の減弱は認められなかった。
- 健常人又は緑内障・高眼圧症患者にラタノプロスト点眼液を点眼した場合、瞳孔径、視力、血圧及び脈拍数に影響を及ぼすことなく眼圧を下降させた。
作用機序10)
- ラタノプロストの眼圧下降作用は、房水の流出経路のうち、ぶどう膜強膜流出経路からの流出を促進することによりもたらされると考えられている。
- サルのラタノプロスト点眼後の房水動態をconstant pressure infusion法及び125I、131I標識アルブミン灌流法により検討したところ、ぶどう膜強膜流出量は有意に増大した。
- 健常人にラタノプロスト点眼液を点眼後、フルオロフォトメトリーにより房水動態を検討したところ、ぶどう膜強膜流出量の増加が認められた。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- (+)-Isopropyl(Z)-7-[(1R,2R,3R,5S)-3,5-dihydroxy-2-[(3R)-3-hydroxy-5-phenylpentyl]cyclopentyl]-5-heptenoate
分子式
分子量
性状
- 無色?微黄色の粘稠性のある液である。
アセトニトリルに極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸エチルに溶けやすく、ヘキサンに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。ジエチレングリコールに混和する。
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
[★]
ラタノプロスト、チモロールマレイン酸塩
- 関
- 眼科用剤
[★]
ラタノプロスト、チモール
[★]
- 英
- pro