性器ヘルペス
- 単純ヘルペスの感染症の一型
病原体
- HSV-2が原因であることが多い。HSV-1が原因であることもある。
- 日本女性の初感染はHSV-1(やや多い)、HSV-2。再感染はほとんどがHSV-2。(出典不明)
疫学
- 思春期以降に発生することがある
潜伏期
- 4-7日(IRE.944)
症候
- 感染部位:(男性)陰茎。(女性)陰唇、陰裂。尿道にも起こりうる。
- NDE. 425
- 初感染型と再発型がある
- (初感染)発熱、倦怠感、髄膜炎(HSV-2)、腎不全 ← 初感染では重症化しやすい
- 鼡径リンパ節の有痛性腫大
- 感染部位(外陰部):小水疱→ 小潰瘍 → 疼痛
- 男子:亀頭、包皮
- 女子:陰唇、会陰部
- 排尿困難
検査
- 水疱、海洋底から検体を採取してツァンク法による塗沫標本を作成し、ライト染色、ギムザ染色により多核巨細胞を証明する。
治療
経過
- 2-4週間で治癒
後遺症
- 排尿障害
- 仙骨神経叢の障害
予後
- 再発がありうる。再発は1年以内に発症し、1-4ヶ月以内が多い。再発の頻度は個人差が多いが4-7回/年である。
鑑別
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/18 06:31:40」(JST)
wiki ja
UpToDate Contents
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- 1. 性器単純ヘルペスウイルス感染の治療 treatment of genital herpes simplex virus infection
- 2. 性器単純ヘルペスウイルス感染の疫学、臨床症状、および診断 epidemiology clinical manifestations and diagnosis of genital herpes simplex virus infection
- 3. 性器単純ヘルペスウイルス感染と妊娠 genital herpes simplex virus infection and pregnancy
- 4. 性器ヘルペスウイルス感染の予防 prevention of genital herpes virus infections
- 5. HIV感染患者における薬剤抵抗性性器単純ヘルペスウイルス感染の治療 treatment of drug resistant genital herpes simplex virus infection in hiv infected patients
Japanese Journal
- HSV感染症Update(性器ヘルペスを中心として) (第111回 日本皮膚科学会総会 : 進化する皮膚科 : 知と技を磨く) -- (教育講演 HPV・HSV・HIV感染症UP Date)
- 渡辺 大輔
- 日本皮膚科学会雑誌 = The Japanese journal of dermatology 122(13), 3656-3658, 2012-12-00
- NAID 40019517164
- 皮膚疾患患者のQOL : 評価法と研究の現状 (特集 最近のトピックス2012 Clinical Dermatology 2012) -- (新しい検査法と診断法)
- 檜垣 祐子
- 臨床皮膚科 66(5), 82-85, 2012-04-00
- NAID 40019309661
- P2-46-4 簡易迅速HSV検出法〜PURE-LAMP法〜を用いた再発性器ヘルペス(GH)合併妊婦の管理(Group102 周産期・感染症1,一般演題,第64回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 土屋 裕子,川名 尚,西井 修
- 日本産科婦人科學會雜誌 64(2), 729, 2012-02-01
- NAID 110009583532
- 性器ヘルペス (特集 産婦人科の薬剤使用プラクティス : 病態別処方(産科編)) -- (妊娠中の偶発症状・疾患)
- 川名 敬
- 産婦人科の実際 60(11), 1626-1632, 2011-10-00
- NAID 40019074875
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- ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 性器ヘルペス (せいきヘルペス) は、単純ヘルペスウイルス(HSV: herpes simplex virus)によって発症 する性行為感染症である。 目次. 1 病因; 2 症状; 3 診断; 4 治療; 5 予後; 6 関連項目 ...
- 性器ヘルペスの症状・感染のしくみ・検査など、わかりやすく解説。STD研究所は性病( 性感染症)の総合情報サイト。症状・病名・行為から各病気について検索できます。自宅 でできる性病検査キットの販売も。
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★リンクテーブル★
国試過去問 | 「111D029」「105E045」「093A039」「111D010」「105I005」「104I003」 |
リンク元 | 「性感染症」「ヘルペスウイルス科」「ヒトヘルペスウイルス」「外陰潰瘍」「陰部疱疹」 |
関連記事 | 「ヘルペス」 |
「111D029」
- 37歳の男性。陰茎の疼痛と排膿とを主訴に来院した。1か月前から陰茎先端部に疼痛と硬結とを自覚していた。徐々に疼痛は増強しており、2、3日前からは発赤を伴うようになっている。今朝、下着に膿が付着し悪臭も伴うようになったため受診した。喫煙は20本/日を10年間。飲酒は機会飲酒。独身。不特定多数の相手と性交渉があった。真性包茎であり、包皮の発赤および排膿を認める。包茎に対して背面切開術を行い、包皮を翻転した写真(別冊No. 9A、B)を別に示す。亀頭部に硬結を認める。
- 最も疑われるのはどれか。
※国試ナビ4※ [111D028]←[国試_111]→[111D030]
「105E045」
- 22歳の女性。無月経と右下腹部痛とを主訴に来院した。体温37.8℃。脈拍104/分、整。血圧88/60mmHg。妊娠反応陽性。経腟超音波検査で子宮内腔に胎嚢はみられず、右付属器周辺に22mmの腫瘍陰影を認める。
- この病態の原因となった可能性の高い性感染症はどれか。
※国試ナビ4※ [105E044]←[国試_105]→[105E046]
「093A039」
- 妊娠の感染症について正しいのはどれか
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
「111D010」
- 感染症法に基づき、すべての医師がすべての患者の発生について届出を行うのはどれか。
※国試ナビ4※ [111D009]←[国試_111]→[111D011]
「105I005」
- 外陰の潰瘍をきたすのはどれか。
※国試ナビ4※ [105I004]←[国試_105]→[105I006]
「104I003」
- 外陰部疼痛をきたすのはどれか。
- a 梅毒
- b 性器ヘルペス
- c トリコモナス症
- d 尖圭コンジローマ
- e 性器クラミジア感染症
※国試ナビ4※ [104I002]←[国試_104]→[104I004]
「性感染症」
- 英
- sexually transmitted disease, STD, STI
- 同
- 性行為感染症
- 関
- 性病
- 性病の上位概念
定義
- 性行為を介して、ヒトからヒトへ病原微生物が直接伝播する感染症の総称
- 性行為は性交のみに限らず、また異性間の場合も同性間の場合も含まれ,性器以外の性交に類似した行為も該当する。
疫学
♂:淋菌性尿道炎 > クラミジア性尿道炎 > 性器ヘルペス > 尖圭コンジローマ ♀:クラミジア性尿道炎 > 性器ヘルペス > 尖圭コンジローマ > 淋菌性尿道炎
性感染症
病原体 | 感染症 | 原因ウイルス |
ウイルス | 性器ヘルペス | 単純ヘルペスウイルス |
尖圭コンジローマ、子宮頚癌 | ヒト乳頭腫ウイルス | |
B型肝炎 | B型肝炎ウイルス | |
C型肝炎 | C型肝炎ウイルス | |
エイズ | ヒト免疫不全ウイルス | |
成人T細胞白血病 | ヒトTリンパ球向性ウイルス | |
サイトメガロウイルス感染症 | サイトメガロウイルス | |
伝染性軟属腫 | 伝染性軟属腫ウイルス | |
伝染性単核症 | EBウイルス | |
細菌 | 梅毒 | 梅毒トレポネーマ |
性器クラミジア感染症 | クラミジア・トラコマチス | |
淋病 | 淋菌 | |
軟性下疳 | ヘモフィルス・デュクレイ | |
鼠径部肉芽腫 | 肉芽腫カリマトバクテリウム | |
赤痢 | 赤痢菌 | |
非淋菌性尿道炎 | クラミジア・トラコマチス、マイコプラズマ、ウレアプラズマ | |
真菌 | 口腔カンジダ症 | カンジダ |
非淋菌性尿道炎 | カンジダ | |
寄生虫、 原虫 |
いろいろ | トリコモナス |
非淋菌性尿道炎 | 腟トリコモナス | |
アメーバ赤痢 | 赤痢アメーバ | |
毛ジラミ症 | Phthirus pubis | |
疥癬 | 疥癬虫 | |
白癬 | Trichophyton rubrum, Trichophyton mentagrophytes | |
ランブル鞭毛虫下痢症 | ランブル鞭毛虫 |
治療薬
- QB.Q-265
URL
- 性感染症
- STDの現状と取り扱い
「ヘルペスウイルス科」
- 英
- Herpesviridae
- 同
- 疱疹ウイルス
- 関
- ヘルペスウイルス亜科、ウイルス
- ヘルペスウイルス科に属するウイルスはヘルペスウイルス herpesvirusと呼ばれる
ヘルペス科に属するウイルスによる感染症 (SMB.526)
ヘルペスウイルス亜科 ヘルペスウイルス亜科 ヘルペスウイルス亜科 |
ヘルペスウイルス | 潜伏部位 | 初感染における 顕性感染率 |
主な疾患 | |
α | 単純ヘルペスウイルス1型 | HSV-1 | 知覚神経節 | 低 | 口唇ヘルペス、口内炎、角膜ヘルペス、ヘルペス脳炎、性器ヘルペス、新生児ヘルペス |
単純ヘルペスウイルス2型 | HSV-2 | 低 | 性器ヘルペス、新生児ヘルペス、ヘルペス?疽、殿部ヘルペス | ||
水痘・帯状疱疹ウイルス | VZV | 高 | 水痘、帯状疱疹、ラムゼイ・ハント症候群 | ||
β | サイトメガロウイルス | CMV | 顆粒球/マクロファージ前駆細胞 | 低 | 先天性巨細胞封入体症、輸血後CMV単球症、臓器移植後間質性肺炎、肝炎 |
ヒトヘルペスウイルス6型 | HHV-6 | マクロファージ | 高 | 突発性発疹、脳炎 | |
ヒトヘルペスウイルス7型 | HHV-7 | 唾液腺? | 低 | 突発性発疹 | |
γ | エプスタイン-バーウイルス | EBV | 骨髄Bリンパ球 | 低 | 伝染性単核症、バーキットリンパ腫、上咽頭癌、日和見リンパ腫 |
ヒトヘルペスウイルス8型 | HHV-8 | Bリンパ球 | 低 | カポジ肉腫、キャッスルマン病 |
「ヒトヘルペスウイルス」
- 英
- human herpes virus, HHV
- 関
- ウイルス
- ヒトヘルペスウイルス1:単純ヘルペスウイルス1 HSV-1:口唇ヘルペス
- ヒトヘルペスウイルス2:単純ヘルペスウイルス2 HSV-2:性器ヘルペス
- ヒトヘルペスウイルス3:水痘・帯状疱疹ウイルス VZV:水痘・帯状疱疹
- ヒトヘルペスウイルス4:EBウイルス EBV:バーキットリンパ腫、上咽頭癌、伝染性単核球症
- ヒトヘルペスウイルス5:サイトメガロウイルス CMV:
- ヒトヘルペスウイルス6:HHV-6:突発性発疹、薬剤性過敏症症候群
- ヒトヘルペスウイルス7:HHV-7:突発性発疹
- ヒトヘルペスウイルス8:HHV-8:カポジ肉腫、キャッスルマン病
「外陰潰瘍」
- 英
- ulcus vulvae, genital ulcer
- 関
- 外陰部潰瘍、陰部潰瘍
外陰潰瘍をきたす疾患
- 免疫関連疾患
- 感染症
- 物理的障害
- 放射線障害