出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/03/20 01:57:27」(JST)
ヘルペスウイルス | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
分類(ウイルス) | ||||||
|
||||||
学名 | ||||||
Herpesvirales | ||||||
科 | ||||||
|
ヘルペスウイルスは2本鎖DNAをゲノムとするDNAウイルスのうち、T数16のカプシドがエンベロープに包まれ直径200nm程度の球状粒子を形作るものの総称。ウイルスの分類上はヘルペスウイルス目(ヘルペスウイルスもく、Herpesvirales)をあてる。単にヘルペスと呼ぶこともあるが、これは本来このウイルスが引き起こす疱疹のことである。
ゲノムは単一の線状2本鎖DNAで、ゲノムサイズは一般に大きい。カプシドは正20面体状(T数16)で直径110nm程度で、その周りにタンパク質からなるテグメント、さらにエンベロープが包んでいる。
ヒトの病原体としては、単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、エプスタイン・バール・ウイルス、サイトメガロウイルスなどがある。獣医学領域では牛ヘルペスウイルス1型、5型、豚ヘルペスウイルス1型、馬ヘルペスウイルス1型、4型、猫ヘルペスウイルス1型、鳥類の伝染性喉頭気管炎ウイルスなどがしばしば問題になる。また水産学領域ではコイヘルペスウイルスが危険な病原体として認識されている。
国際ウイルス分類委員会(2014年)によれば、3科19属94種が認められている。
ヘルペスウイルスの学名は、自然宿主が属する科(または亜科)の英名に続けてherpes virusとし、あとはアラビア数字で機械的に連番をつける慣習になっている。このうち亜科を用いるのは霊長目とウシ科に限られており、またヒトを自然宿主とする場合は例外的にHumanとする。ただしこの方式が確立する以前から広く知られていたウイルスなどは、学名とは異なる名称が同様に通用する場合がある(たとえばエプスタイン・バール・ウイルス)。
ヘルペスウイルスは1960年にイギリスの獣医学者Walter Plowrightがオグロヌーから見出したのが最初である。1971年に国際ウイルス分類委員会が発表した最初の報告書で、ヘルペスウイルス属(Herpesvirus)が設立された。第2版(1976年)で科に昇格し(ただしHerpetoviridaeという紛らわしい名前だった)、第3版(1979年)でヘルペスウイルス科(Herpesviridae)に改称された。その後、水生生物を宿主とするウイルスの系統関係が明らかになったことから、第9版(2009年)で目に昇格した。
|
この項目は、生物学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:生命科学/Portal:生物学)。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
国試過去問 | 「102A038」「098H048」「094A029」 |
リンク元 | 「心筋炎」「ヘルペスウイルス科」「国試に出がちなウイルス」「免疫応答」「水痘・帯状疱疹ウイルス」 |
拡張検索 | 「単純ヘルペスウイルス感染症」「ヒトヘルペスウイルス7型」「ヒトヘルペスウイルス2」「七面鳥ヘルペスウイルス3型」「ヒトヘルペスウイルス5」 |
関連記事 | 「ウイルス」「ヘルペス」 |
E
※国試ナビ4※ [102A037]←[国試_102]→[102A039]
C
※国試ナビ4※ [098H047]←[国試_098]→[098H049]
病因分類 | 組織分類 | 臨床病型分類 |
ウイルス | リンパ球性 | 急性 |
細菌 | 巨細胞性 | 劇症型 |
真菌 | 好酸球性 | 慢性(遷延性/不顕性) |
リケッチア | 肉芽腫性 | |
スピロヘータ | ||
原虫,寄生虫 | ||
その他の感染症 | ||
薬物,化学物質 | ||
アレルギー,自己免疫 | ||
膠原病,川崎病 | ||
サルコイドーシス | ||
放射線,熱射病 | ||
原因不明,特発性 |
ウイルス科 | ウイルス属 |
ピコルナウイルス | コクサッキーA群 |
コクサッキーB群 | |
エコーウイルス | |
ポリオウイルス | |
A型肝炎ウイルス | |
オルソミクソウイルス | A型インフルエンザ |
B型インフルエンザ | |
パラミクソウイルス | RSウイルス |
ムンプスウイルス | |
麻疹ウイルス | |
フラビウイルス | C型肝炎ウイルス |
デング熱ウイルス | |
黄熱病ウイルス | |
トガウイルス | 風疹ウイルス |
チクニングニアウイルス | |
ラブドウイルス | 狂犬病ウイルス |
レトロウイルス | HIVウイルス |
ポックスウイルス | ワクチニアウイルス |
ヘルペスウイルス | 帯状庖疹ウイルス |
サイトメガロウイルス | |
単純ヘルペスウイルス | |
EBウイルス | |
アデノウイルス | アデノウイルス |
パルボウイルス | パルボウイルス |
ヘルペスウイルス亜科 ヘルペスウイルス亜科 ヘルペスウイルス亜科 |
ヘルペスウイルス | 潜伏部位 | 初感染における 顕性感染率 |
主な疾患 | |
α | 単純ヘルペスウイルス1型 | HSV-1 | 知覚神経節 | 低 | 口唇ヘルペス、口内炎、角膜ヘルペス、ヘルペス脳炎、性器ヘルペス、新生児ヘルペス |
単純ヘルペスウイルス2型 | HSV-2 | 低 | 性器ヘルペス、新生児ヘルペス、ヘルペス?疽、殿部ヘルペス | ||
水痘・帯状疱疹ウイルス | VZV | 高 | 水痘、帯状疱疹、ラムゼイ・ハント症候群 | ||
β | サイトメガロウイルス | CMV | 顆粒球/マクロファージ前駆細胞 | 低 | 先天性巨細胞封入体症、輸血後CMV単球症、臓器移植後間質性肺炎、肝炎 |
ヒトヘルペスウイルス6型 | HHV-6 | マクロファージ | 高 | 突発性発疹、脳炎 | |
ヒトヘルペスウイルス7型 | HHV-7 | 唾液腺? | 低 | 突発性発疹 | |
γ | エプスタイン-バーウイルス | EBV | 骨髄Bリンパ球 | 低 | 伝染性単核症、バーキットリンパ腫、上咽頭癌、日和見リンパ腫 |
ヒトヘルペスウイルス8型 | HHV-8 | Bリンパ球 | 低 | カポジ肉腫、キャッスルマン病 |
Family ウイルス科 -viridae |
Subfamily ウイルス亜科 -virinae |
Genus ウイルス属 -virus |
科 | 亜科 | 属 | 種 | 疾患名 |
ピコルナウイルス | コクサッキーウイルスA群 | 手足口病、ヘルパンギーナ | |||||
コクサッキーウイルスB群 | 流行性筋痛症、心筋炎 | ||||||
パラミクソウイルス | ニューモウイルス | RSウイルス | 上気道炎、間質性肺炎 | ||||
アデノウイルス | マストアデノウイルス | アデノ | マストアデノ | ヒトアデノウイルス | 急性熱性咽頭炎 急性上気道疾患 アデノウイルス肺炎 乳幼児急性胃腸炎 小児腸重積 急性出血性膀胱炎 咽頭結膜炎 急性濾胞性結膜炎 流行性角結膜炎 | ||
ヘルペスウイルス | アルファヘルペスウイルス | シンプレックスウイルス | ヘルペス | アルファヘルペス | シンプレックス | ヒトヘルペスウイルス1 (単純ヘルペスウイルス1型) |
口唇ヘルペス |
ヒトヘルペスウイルス2 (単純ヘルペスウイルス2型) |
陰部ヘルペス | ||||||
ベータヘルペスウイルス | サイトメガロウイルス | ベータヘルペス | サイトメガロウイルス属 | ヒトヘルペスウイルス5(サイトメガロウイルス) | 日和見感染 |
病原体 | B細胞系 | T細胞系 |
細菌 | 溶連菌 | 結核菌 |
ブドウ球菌 | ライ菌 | |
ナイセリア | 梅毒トレポネーマ | |
ヘモフィルス | スピロヘータ | |
ウイルス | エンテロウイルス | ヘルペスウイルス |
ポリオウイルス | 麻疹ウイルス | |
ワクチニアウイルス | ||
サイトメガロウイルス | ||
真菌 | カンジダ | |
クリプトコッカス | ||
ヒストプラズマ | ||
原虫・寄生虫 | トリパノソーマ | リーシュマニア |
マラリア | ニューモシスチス・カリニ |
細胞性免疫 | 結核菌 | |
ヒストプラズマ | ||
クリプトコッカス | ||
リステリア | ||
カンジダ | ||
ネズミチフス菌 | ||
ブドウ球菌 | ||
緑膿菌、大腸菌 | ||
ヘモフィルス | ||
肺炎球菌 | ||
体液性免疫 | クレブシエラ |
呼吸器粘膜の局所感染 | ライノウイルス |
アデノウイルス | |
コロナウイルス | |
RSウイルス | |
インフルエンザウイルス | |
全身感染 | ムンプスウイルス |
麻疹ウイルス | |
風疹ウイルス | |
ハンタウイルス | |
水痘・帯状疱疹ウイルス | |
ラッサウイルス | |
天然痘ウイルス |
目(order, -virales), 科(family, -viridae), 亜科(subfamily, -virinae), 属(genus, -virus), 種(species)
.