- 英
- aphthous stomatitis
- 関
- アフタ、口内炎
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/21 21:43:00」(JST)
[Wiki ja表示]
口内炎 |
分類及び外部参照情報 |
アフタ性口内炎
|
ICD-10 |
K12.0 |
ICD-9 |
528.2 |
MedlinePlus |
000998 |
eMedicine |
ent/700 derm/486 ped/2672 |
MeSH |
D013281 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
口内炎(こうないえん、Oral ulcer)とは、口の中や舌の粘膜に起きる炎症の総称である。症候の一つ。
目次
- 1 分類
- 1.1 細菌感染によるもの
- 1.2 ウイルス感染によるもの
- 1.3 アフタ性口内炎
- 1.4 その他
- 2 原因
- 3 症状
- 4 診断
- 5 治療
- 6 民間療法
- 7 脚注・出典
- 8 関連項目
分類[編集]
見た目からは「カタル性口内炎」、「アフタ性口内炎」、「潰瘍性口内炎」に分類される。また痛みの有無から有痛性口内炎と無痛性口内炎に分類される。
細菌感染によるもの[編集]
- カタル性口内炎
- 壊死性潰瘍性口内炎
- 壊疽性口内炎(水癌)
- ジフテリア性口内炎
- 猩紅熱性口内炎
- 淋菌性口内炎
ウイルス感染によるもの[編集]
アフタ性口内炎[編集]
一般的に「口内炎」と言えばこれを指すことが多い(Aphthous ulcer)。
その他[編集]
原因[編集]
上記分類の中にあるように細菌やウイルスに感染することによって発症するものもあるが、多くを占めるアフタ性口内炎についてはその発症のメカニズムとして以下のことが考えられている。ただし、現在のところ正確には分かっていない。免疫学的異常が関わっているのではないかという説もある。
- 偏食による鉄分やビタミンの不足
- ストレスや睡眠不足
- 不正咬合や、歯ブラシなどによる粘膜への物理的刺激(口内を噛むなど)
- 唾液の不足、口腔の乾燥
- 口腔内の不衛生
- 歯磨き粉成分による粘膜の損傷(ラウリル硫酸ナトリウムなど)
また、口内炎になりやすい体質の人(食物アレルギーの人や粘膜の薄い人)もいる。さらに、ビタミン欠乏症の症状として口内炎が現れることもある。
なお、口内炎の原因として「食べ物の好き嫌いが多い」「胃腸粘膜が荒れている」という説があるが、これらが原因でないこともある。偏食並びに胃腸と口内炎とでは因果関係が認められない場合があるからである。
症状[編集]
アフタ性口内炎の患者(中央の白く変色した部分がアフタ)
代表的な「アフタ性口内炎」は口内粘膜に直径5ミリ程度の灰白色斑(アフタ)をつくり痛みを伴い、悪化すると滲み出るように出血する。通常は一週間程度で自然に完治するが、複数箇所に口内炎が発症する重度のものでは痛みのあまり摂食不能になることもある。また、口の中が清潔でない場合は口内炎の発症時に口臭を伴うこともある。なお口内炎はヒトだけでなく、イヌやネコ等の動物にも発症する。
診断[編集]
無痛性口内炎は全身性エリテマトーデスを疑う。有痛性口内炎ではベーチェット病等が原因の事もあるがこれ単独ではアフタ性口内炎等との区別は難しく、基礎疾患が疑われる場合はその検査が必要である。
治療[編集]
基本的に歯科や耳鼻咽喉科、口腔外科で行う。また、皮膚科や内科で治療してくれるところもある。ただし、全身的疾患に起因するものはその疾患の専門科による治療が第一である。
- 軟膏
- ステロイド、もしくはムラサキから抽出されたシコンエキスなど、抗炎症薬を含む軟膏を患部に塗布する方法。アフタの部分を物理的刺激から軟膏の基剤で保護する意味もある。口腔用のデキサルチン軟膏が多い。
- パッチ(貼り薬)
- 患部に、軟膏と同じく抗炎症薬を含んだパッチを貼る方法。軟膏と同様、アフタの保護も期待できる。
- ビタミン剤
- ビタミンBの不足が原因の口内炎を治療するときに用いられる。主に内服薬として処方するが、注射や点滴などを用いて投与する場合もある。
- 硝酸銀
- 広く普及していたが毒性のある硝酸銀を用いる。場合によっては効果がないどころか逆に症状を悪化させてしまうこともあることから、現在ではこの治療方法は稀である。
- レーザー治療
- レーザー光を用いてアフタの部分を焼く方法。前述の硝酸銀を用いた治療よりも安全に患部を焼くことができる。
- その他
- 上記にあげた治療法以外にも患部の洗浄やトローチなどを用いた治療法があり、上記の方法を2種類以上組み合わせることもある。
治療薬[編集]
口唇炎、口角炎、口内炎などの主な治療薬。
- 大正口内軟膏、レビオ(大正製薬)
- モアリップ(資生堂薬品)
- 口腔用ケナログ(ブリストル製薬)
- サトウ口内軟膏(佐藤製薬)
- メンソレータムメディカルリップ(ロート製薬)
民間療法[編集]
- 蜂蜜などを塗る(民間療法も参照のこと)
- うがい薬などでうがいをする。口内炎は炎症の一種なので、歯磨きやデンタルリンスで口をすすぐ事で口の中を清潔にするとある程度症状の改善を見込める[1]。
脚注・出典[編集]
関連項目[編集]
|
ウィキメディア・コモンズには、口内炎に関連するカテゴリがあります。 |
- 感染症
- 皮膚科学
- 民間療法
- ビタミン欠乏症
- 口角炎
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 楠原 浩一
- 日本臨床免疫学会会誌 = Japanese journal of clinical immunology 34(5), 401-407, 2011-10-31
- … PFAPA症候群(periodic fever, aphthous stomatitis, pharyngitis and adenitis syndrome)は,アフタ性口内炎,咽頭炎/扁桃炎,頸部リンパ節炎を主な随伴症状とする3~6日程度の発熱発作を比較的規則的に繰り返すことを特徴とする,非遺伝性の自己炎症疾患である.わが国では周期性発熱症候群の中で最も高頻度であると考えられている.本症には明らかな遺伝性はみとめられず,原因となる遺伝子も同定されていないが,何 …
- NAID 10029898092
- 亜鉛製剤の投与により軽快がみられた再発性アフタ性口内炎の1例
- 遠藤 智佳,萩原 和典,小宅 麻子,松根 健介,丹羽 秀夫,前田 隆秀
- 小児歯科学雑誌 49(4), 327, 2011-10-25
- NAID 10029836773
- Q27 口腔内びらん・潰瘍の鑑別法を教えてください。 (日常診療で盲点となる皮膚科疾患 : 毛,爪,粘膜を中心とするQ&A) -- (粘膜)
Related Links
- アフタ性口内炎とは、口内炎の中でも、最も多くみられる口内炎です。単純に、アフタとも 呼ばれています。アフタ性口内炎の症状は、口の中に、円形や楕円形の潰瘍ができます 。潰瘍の表面は、白色や黄色がかった白色をしており、周囲は赤くなっています。
- 一般的に「口内炎」と言えばこれを指すことが多い (英: Aphthous ulcer)。 再発性アフタ 性口内炎; ベーチェット病. 見た目からは「カタル性口内炎」、「アフタ性口内炎」、「潰瘍性 口内炎」に分類される。また痛みの有無から有痛性 ...
- 原因は不明ですが、卒業試験中の大学生などがしばしばアフタ性口内炎を起こすこと から、ストレスが一因ではないかと考えられています。アフタ性口内炎にかかると、赤く 縁取られた円形の白い潰瘍のアフタが、唇やほおの内側の軟らかでゆるみがある組織 や ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 38歳の男性。発熱を主訴に来院した。3か月前から38℃台の発熱と多発するアフタ性口内炎とが出現するようになった。1か月前から両眼が赤くなり、まぶしく感じるようになった。身長164cm、体重65kg。体温38.2℃。脈拍92/分、整。血圧128/78mmHg。呼吸数14/分。両眼が充血しており、左眼に前房蓄膿を認める。下~に皮疹がみられた。尿検査と血液検査とを行い、2日後に再診した。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球420万、Hb 13.0g/dl、Ht40%、白血球12,800、血小板42万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.4g/dl。CRP 12mg/dl。皮疹のみられた下腿の写真(別冊No.24)を別に示す。再診時に採血部位に小膿疱が生じていた。
- この膿疱内容物の培養で予想されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107D048]←[国試_107]→[107D050]
[★]
- 57歳の女性。口腔内の白色病変を主訴に来院した。約2週間前から、のどの違和感を自覚していたがそのままにしていた。昨日、鏡で見ると口蓋垂の周辺が点状に白くなっていることに気付いた。ざらざらとする違和感はあるが咽頭痛や発熱はない。約2年前から気管支喘息のため気管支拡張薬と副腎皮質ステロイド吸入薬を使用している。身長 157cm、体重 63kg。尿所見と血液所見とに異常を認めない。白色病変を綿棒でこすると剥離可能である。口腔、咽頭の写真(別冊No. 23)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I071]←[国試_111]→[111I073]
[★]
- 27歳の男性。口唇部の痛みを主訴に来院した。数年前から口腔内に痛みを伴う小さな病変ができ、5,6日で自然に治癒する。このようなことが年に数回ある。体の他の部位に異常はない。体温36.2℃。血液所見:赤血球402万、Hb 1.0g/dl、白血球4,600。CRP 0.1mg/dl(基準0.3以下)。口唇部の写真を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
※国試ナビ4※ [097D010]←[国試_097]→[097D012]
[★]
- 32歳の男性。発熱と嚥下困難とを主訴に来院した。4日前から発熱と咽頭痛とがあったが放置していた。昨日から高熱と開口障害とが出現している。血液所見:赤血球480万、Hb. 3.0g/d. 、白血球13,600。血清生化学所見:AST30単位、ALT28単位。CRP13.6mg/d. 。咽頭部の写真と咽頭部造影CTとを以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
※国試ナビ4※ [100F012]←[国試_100]→[100F014]
[★]
- 3歳の男児。咽頭痛と39.0℃の発熱とを主訴に来院した。胸部聴診で心雑音はなく、ラ音も認めない。腹部は平坦で軟、肝・肺を触知しない。リンパ節腫脹はなく、皮疹も認めない。咽頭部の写真を以下に示す。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096D009]←[国試_096]→[096D011]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E014]←[国試_099]→[099E016]
[★]
- 英
- Crohn disease activity index, CDAI, Crohn's disease activity index, Crohn's Disease Activity Index
- 関
- クローン病、IOIBDスコア、クローン病活動度分類
#
|
評価内容
|
ウェイト(倍数)
|
*1.
|
過去1週間の軟便または下痢の回数
|
×5
|
*2.
|
過去1週間の腹痛 (腹痛の状態を毎日評価し、7日分を合計する) 0=なし、1=軽度、2=中等度、3=高度
|
×5
|
*3.
|
過去1週間の主観的な一般状態 (一般状態を毎日評価し7日分を合計する) 0=良好、1=軽度不良、2=不良、3=重症、4=激症
|
×7
|
*4.
|
患者が現在持っている下記項目の数 1) 関節炎/関節痛 2) 虹彩炎/ブドウ膜炎 3) 結節性紅斑/壊死性膿皮症/アフタ性口内炎 4) 裂肛、痔瘻または肛門周囲膿瘍 5) その他の瘻孔 6) 過去1週間100°F(37.8℃)以上の発熱
|
×20
|
*5.
|
下痢に対してlomoti(Lopemin)またはオピアトの服用 0=なし、1=あり
|
×30
|
*6.
|
腹部腫瘤 0=なし、2=疑い、5=確実にあり
|
×10
|
*7.
|
ヘマトクリット: 男(47-Ht) 女(42-Ht)
|
×6
|
*8.
|
体重:標準体重;100x(1-体重/標準体重)
|
×1
|
*CDAI 150以下:非活動期 450以上:非常に重症
|
[★]
- 英
- aphthous ulcer
- 関
- アフタ、アフタ性口内炎
- 腸管で見られるアフタ様潰瘍は炎症性腸疾患(クローン病)で見られる。
- 口腔内で見られるアフタ様潰瘍はベーチェット病でみられる。
[★]
- 英
- canker sore
- 関
- アフタ、口内炎、アフタ性潰瘍、アフタ性口内炎
[★]
- canker sore
[★]
- 英
- aphthous stomatitis
- 関
- アフタ性口内炎
[★]
- 英
- stomatitis
- ラ
- stomatitis aphthosa
- 同
- 口腔炎
放射線・化学療法による口内炎に対して主に使用している含嗽剤一覧
製剤名
|
成分
|
Zungen Wasser T
|
500ml中、アズレン:20mg、グリセン:60ml、キシロカインビスカス:3ml(変更可)
|
プラチ・ナノテクトEX(Pt nano)
|
100ml中、白金:40μg
|
プラチ・ナノテクトEX・アイスボール
|
Pt nanoR:7ml、キシロカインビスカス:3 ml
|
アズノールうがい液
|
1ml中、アズレン:40mg
|
アロプリノール含嗽液
|
1ml中、アロプリノール:1mg
|
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- aphtha
- 同
- アフタ性口内炎 aphthous stomatitis