- 英
- osteomyelitis
- 同
- 骨膜骨髄炎 periosteomyelitis
- 関
- [[]]
分類
- 急性化膿性骨髄炎:成長期における長管骨骨幹端部の血行系の解剖学的特異性に起因する血行性感染で、小児、特に男児に多い。大腿骨、脛骨、上腕骨の順に多発する。黄色ブドウ球菌。骨髄内で膿瘍を形成、さらに骨膜下に波及して骨膜下膿瘍を形成する。骨壊死をきたした壊死骨は腐骨と呼ばれる。その周囲は膿や炎症性肉芽で取り囲まれ汚溝と呼ばれる。その外側を反応性に骨形成が起こり腐骨と汚溝を取り囲む。これが骨柩となる。
- 慢性骨髄炎
- ブローディ膿瘍 Brodie膿瘍:急性症状を欠く慢性骨髄炎。長管骨骨幹端部。黄色ブドウ球菌。小児や青年期に好発。辺縁の骨硬化を伴う円形ないし楕円形の骨透明巣
- ガレー硬化性骨髄炎 Garré硬化性骨髄炎:急性期を欠く慢性骨髄炎。膿瘍や腐骨の形成を欠きXP上骨硬化像を認める。皮質骨の骨肥厚により骨が紡錘状に膨隆する。下顎骨に多い。
- 化膿性脊椎炎
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/10 17:16:17」(JST)
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骨髄炎(こつずいえん)は、骨髄の炎症。細菌感染によるものがほとんど。原因菌としてはブドウ球菌、緑膿菌、表皮ブドウ球菌、変形菌、MRSAなどがある。化膿性骨髄炎ともいわれる。急性と慢性に分かれる。
目次
- 1 概要
- 2 検査と診断
- 3 病態
- 3.1 急性化膿性骨髄炎
- 3.2 慢性化膿性骨髄炎
- 3.3 治療の方法
概要
骨の組織に、細菌などの微生物が感染して化膿するもので、難治性の疾患である。
骨の外傷(開放性骨折、複雑骨折、粉砕骨折、外科手術、骨髄穿刺、銃による外傷等)などによって、細菌が骨髄に入って増殖して炎症を起こす場合や、血流に乗って細菌が骨髄に達して増殖(血行性感染)して骨髄炎となる場合がある。
そのほか、局所の血行障害(糖尿病、褥瘡)によって生じる皮膚の潰瘍では、バリアーである皮膚が破壊されて骨への感染が起こる場合もある。
検査と診断
血液検査とX線検査が基本となる。 血液検査では、白血球数の増加、赤血球沈降速度の亢進、C反応性蛋白(CRP)の陽性など、炎症性の変化を指標にすることが多い。 さらに、骨代謝をアルカリフォスファターゼなどの骨代謝マーカーで検討する場合もある。 急性化膿性骨髄炎の初期段階では、X線像では変化が現れにくく、その場合はMRIや骨シンチグラフィによる画像検査が有効である。 慢性化膿性骨髄炎では、X線検査、MRI、骨シンチグラフィ、瘻孔造影(うみが出ている孔から造影剤を注入)などで病変部の範囲を確認する。 また、問題のある箇所の骨やうみを採取し、創培養や血液培養を行い、原因となる菌を特定する。
病態
急性化膿性骨髄炎
新生児期や学童期に多くみられるが、外傷性の場合、成人にもみられる。多くは大腿骨や脛骨に起こる。かつては死亡する病気であったが、抗生物質の発達により今ではほとんど死亡することはなくなった。しかし近年、MRSAなどが感染し発病する場合もあり、治療の対応によっては、重篤な状態に陥ったり、慢性化して再発をくり返すこともある。成長に伴い下肢の変形や短縮などの問題がおこる場合もある。悪寒、高熱、局所の疼痛が主な症状である。亜急性とよばれるゆっくりとした症状もある。患部は腫れ、乳幼児では手足を動かそうとすることができなくなる。初期段階では、X線検査をしても変化が現われず、MRIや骨シンチグラフィーによる画像検査が有効とされる。一刻も早く治療開始することが重要である。
慢性化膿性骨髄炎
急性のものが慢性化するものと、最初から慢性型で発病し、骨腫瘍と疑われるようなものがある。慢性型は再発をくり返し、生涯続く場合もある。
治療の方法
一般的には、安静にし、抗生物質を4~8週間、静脈注射をする。抗生物質は原因菌に対する薬剤感受性検査を行い、感受性のある薬剤を使用する。 しかし、薬剤への耐性を獲得した耐性菌(MRSA等)が出現する場合もある。その場合は抗生物質の系統を変更し、投与を続ける。 こうした繰り返しの結果、殆どの抗生物質が効かない事態も出てくる。その場合、好中球の減少等、免疫力が低下し重篤になる場合も稀に起こりうる。 慢性化の場合、高圧酸素治療を行うこともある。
外科的治療は、感染部の異物や壊死した皮膚・腐骨組織を掻破、除去する。(デブリドマン) この時、縫合せず創を開放状態にし、患部に対し持続灌流(じぞくかんりゅう)を行うこともある。 持続灌流とは、生理食塩水を患部に流して洗浄するとともに、壊死に陥った組織を排出する目的で行うものである。 時間の経過とともに、欠損部の肉芽が自然に盛り上がってくるが、感染兆候が収まらない場合、再度、掻破、除去する。
骨欠損部が広範囲に渡るような場合には、骨を他の部位(腸骨等)から移植したり、変形や短縮が起こった場合にはイリザロフ創外固定術等により骨延長を行うこともある。 このような場合は治療期間が数年単位になる事も珍しくは無い。
|
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Japanese Journal
- 症例報告 造影MRIにて血行不全による足趾の骨髄炎と考えられた1例
- 新田 桐子,狩野 葉子,塩原 哲夫
- 臨床皮膚科 = Japanese journal of clinical dermatology 69(1), 65-68, 2015-01
- NAID 40020304102
- 下顎智歯歯胚感染が原因と考えられるGarre骨髄炎の1例
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- 骨髄炎(こつずいえん)は、骨髄の炎症。細菌感染によるものがほとんど。原因菌として はブドウ球菌、緑膿菌、表皮ブドウ球菌、変形菌、MRSAなどがある。化膿性骨髄炎 ともいわれる。急性と慢性に分かれる。
- 骨髄炎(化膿性骨髄炎)とはどんな病気か. 骨に細菌が侵入して、化膿性の炎症を 起こす病気です。骨の内部には骨髄がありますが、血流が豊富で、そこに最初の炎症が 起こるため、骨髄炎と呼ばれています。急に症状が現れる急性化膿性骨髄炎と、慢性化 した ...
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[★]
- 3歳の男児。発熱と下肢痛とを主訴に両親に連れられて来院した。1か月前に左足をひねって疼痛を自覚した。その後右下肢の疼痛も訴えるようになった。2週間前に38℃台の発熱が出現し、両下肢の疼痛も増強した。かかりつけ医を受診して抗菌薬を内服したが、発熱が持続している。身長 103cm、体重 17kg。体温 37.5℃。脈拍 128/分、整。血圧 106/70mmHg。皮膚に紫斑を認めない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に発赤を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。表在リンパ節は触知しない。下肢に関節腫脹や可動域制限を認めない。血液所見:赤血球 402万、Hb 11.1g/dL、Ht 33%、網赤血球 1.8%、白血球 3,400(桿状核好中球 3%、分葉核好中球 8%、好酸球1%、単球 4%、リンパ球 84%)、血小板 6.0万。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、アルブミン 4.4g/dL、総ビリルビン 0.3mg/dL、直接ビリルビン 0.1mg/dL、AST 27U/L、ALT 19U/L、LD 741U/L (基準 335~666)、ALP 456U/L(基準 307~942)、CK 60U/L(基準 59~332)、尿素窒素 10mg/dL、クレアチニン 0.3mg/dL、尿酸 5.5mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 101mEq/L、Ca 11.0mg/dL、P 6.0mg/dL。CRP 1.2mg/dL。両下肢エックス線写真で異常を認めない。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 6)を別に示す。
- 可能性が高い疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112E040]←[国試_112]→[112E042]
[★]
- 英
- fever of unknown origin FUO
- 同
- 原因不明熱
- 関
- 発熱、体温
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
定義
- 3週間以上の発熱。38.3℃以上、1週間の入院精査でも原因不明
鑑別疾患
3大疾患
- 1. 感染症(深部腫瘍、心内膜炎、結核、寄生虫、腸チフスなど)
- 2. 悪性疾患(悪性リンパ腫、白血病など)
- 3. 膠原病(血管炎、側頭動脈炎、成人still病など)
- 4. その他:薬剤性など
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- (各種病原体)感染性心内膜炎、骨髄炎、伝染性単核球症、副鼻腔炎、齲歯
- (細菌)結核、腸チフス、リケッチア感染症
- (ウイルス)HIV感染症、サイトメガロウイルス感染症
- (真菌)ニューモシスチス肺炎、クリプトコッカス症
- (寄生虫)マラリア
- UCSF.44
- 感染症26%, 腫瘍13%, 非感染性炎症疾患24%
- 感染症:背臥位結核、心内膜炎、膿瘍(肝臓、脾臓、腎臓、後腹膜、骨、脳、耳、脊椎)、HIV感染症、サイトメガロウイルス感染症、カンジダ感染症、その他(尿路感染症、副鼻腔、骨髄炎)、入院患者(尿路感染、カテーテル感染症、偽膜性腸炎、褥瘡、蜂窩織炎)
- 腫瘍:悪性リンパ腫、白血病、腎細胞癌、肝癌、心房粘液腫、VAHS(ウイルス関連性血球貪食症候群)、LAHS(リンパ腫関連性血球貪食症候群)
- 非感染性炎症疾患:成人スティル病、SLE(全身性エリテマトーデス)、顕微鏡的多発血管炎(MPA)/多発性結節性動脈周囲炎(PN)/高安病、側頭動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、サルコイドーシス、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)
- その他:薬剤熱、詐熱、肺塞栓症/深部静脈血栓症、脊椎損傷/頭蓋内疾患、副腎機能不全/甲状腺機能亢進症、家族性地中海熱、組織球性壊死性リンパ節炎(菊地病)
- 感染症専門医テキスト 第1部 解説編 p.53
- 不明熱の最終診断
| 診断
|
診断診断例 n=192
|
早期診断例 n=67
|
中期診断例 n=38
|
後期診断例 n=87
|
| 感染症
|
|
57(29.7)
|
25(37.3)
|
12(31.6)
|
20(23.0)
|
| 細菌性
|
|
43
|
1.8
|
8
|
17
|
| 心内膜炎
|
11
|
9
|
1
|
1
|
| 結核
|
8
|
0
|
0
|
8
|
| 尿跨感染症(1)
|
6
|
3
|
1
|
2
|
| 腹腔内膿瘍
|
5
|
2
|
2
|
1
|
| 骨・関節感染
|
4
|
2
|
1
|
1
|
| その他の細菌感染
|
9
|
2
|
3
|
4
|
| ウイルス性
|
|
10
|
5
|
3
|
2
|
| CMV
|
6
|
2
|
3
|
1
|
| EpsteinーBarrウイルス
|
3
|
3
|
0
|
0
|
| HIV
|
1
|
0
|
0
|
1
|
| 寄生虫性(2)
|
|
4
|
2
|
1
|
1
|
| 悪性新生物
|
|
29(15.1)
|
5(7.5)
|
6(15.8)
|
18(20.7)
|
| 血液疾患
|
|
22
|
2
|
6
|
14
|
| 非Hodgkinリンパ腫
|
9
|
0
|
2
|
7
|
| Hodgkin病
|
5
|
1
|
1
|
3
|
| 白血病
|
6
|
0
|
3
|
3
|
| 血管免疫芽球性リンパ酔症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
| 固形癌
|
|
7
|
3
|
0
|
4
|
| 腺癌
|
5
|
2
|
0
|
3
|
| その他(3)
|
2
|
1
|
0
|
1
|
| 非感染性炎症性疾患
|
|
68(35.4)
|
22(32.8)
|
.6)
|
34(39.1)
|
| 結合織疾患
|
|
35
|
15
|
6
|
14
|
| 成人Still病
|
18
|
5
|
4
|
9
|
| SLE
|
8
|
5
|
1
|
2
|
| リウマチ性多発性筋痛症
|
3
|
3
|
0
|
0
|
| 関節リウマチ
|
2
|
0
|
0
|
2
|
| Sjogren症候群
|
2
|
1
|
0
|
1
|
| その他(4)
|
2
|
1
|
1
|
0
|
| 血管炎症候群
|
|
19
|
5
|
3
|
11
|
| 巨細胞性動脈炎
|
11
|
4
|
3
|
4
|
| Wegener肉芽腫症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
| 結節性多発性動脈炎
|
2
|
0
|
0
|
2
|
| その他(5)
|
4
|
0
|
0
|
4
|
| 肉芽腫性疾患
|
|
14
|
2
|
3
|
9
|
| サルコイドーシス
|
10
|
0
|
2
|
8
|
| Crohn病
|
4
|
2
|
1
|
1
|
| その他
|
|
39(18.1)
|
15(22.4)
|
8(21.1)
|
15(17.2)
|
| 亜急性甲状腺炎
|
6
|
3
|
1
|
2
|
| Addison病
|
2
|
0
|
1
|
1
|
| 心筋梗塞後症候群
|
2
|
1
|
0
|
1
|
| 肺動脈塞栓症
|
2
|
1
|
0
|
1
|
| 習慣性高体温症
|
11
|
6
|
3
|
2
|
| 薬剤熱
|
4
|
3
|
0
|
1
|
| 詐熱
|
1
|
1
|
0
|
0
|
| その他(6)
|
10
|
0
|
3
|
7
|
- 数値は症例数で( )内は比率. %表示
- 1) 膿瘍を除く実質感染
- 2) マラリア(2例)、ジアルジア症、トリパノソーマ症を含む
- 3) germinoma, hypernephromaを含む
- 4) Reiter症候群, 多発性筋炎を含む
- 5) Behcet病, Schönlein-Henoch紫斑病, Schnitzler症候群, 分類不能型血管炎を含む
- 6) Sweet症候群, 原発性硬化性胆管炎, アルコール性肝炎, 出血を伴う巨大肝血管腫, 間質性肺炎, 特発性胸膜心膜炎, 特発性好酸球増多症候群, リンパ節の炎症性偽腫瘍, 後腹膜線維症, 線状IgA水疱症
- (Vanderschueren S. Knockaert D. et al. : From prolonged febrile illness to fever of unknown origin: the challenge continues. Arch Intern Med. 2003 : 163 : 1033-1041)
診断
問診
- 既往歴、家族歴、職業歴、旅行歴、薬剤歴、sick contact、動物との接触、同性とのまたはハイリスクな性的接触の有無、現病歴と発熱パターン、輸血歴
診察
- リンパ節腫脹、肝脾腫、心雑音、圧痛
- 培養
- 胸部XP
- 抗核抗体,C3,C4,RF,赤沈
- 抗HIVコウタイ
- 皮膚生検
- ツベルクリン反応/クオンティフェロン
- 腹部エコー
- 造影CT
- 心エコー:心内膜炎を最も疑えば経食道心エコーを。
- ガリウムシンチ
- 骨髄生検
- 腰椎穿刺
- 頭部CT
- 大腸ファイバー
- 肝生検
[★]
- 英
- pyrexia
- 同
- 熱 fever, thermogenesis
- 関
- 熱型、≠高体温(体温調節機構の破綻による)、不明熱
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
概念
分類
- 微熱:37.5℃以上 37.0~37.9℃(YN.)
- 発熱:38.0℃以上
- ジェネラリスト診療が上手になる本 p.9
- 37.1~38.0℃:微熱
- 38.1~38.5℃:軽度発熱
- 38.6~39.0℃:中等度発熱
- 39.1℃~:高熱
小児
病態生理
- 発熱サイトカイン(IL-1, TNF)が視床下部に作用してPGE2の産生を亢進し、PGE2により体温調節中枢を司る細胞内のcAMP濃度が上昇することでの体温セットポイントがあがる。
熱源の精査
- 咽頭、肺、胆道系、泌尿器系、皮膚・軟部組織(蜂窩織炎、褥瘡)
疾患と発熱
膠原病と発熱
発熱40℃(PMID 8107744)
発熱の後に関節炎(PMID 8107744)
原因不明の熱の鑑別
- 感染症
- 腫瘍
- 膠原病
- 薬剤熱 → 比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP
- 体温1℃上昇に付き心拍数20上がる。これ以上の上昇が見られる場合、敗血症を疑う。 ← 1℃に付き10上がるという資料もあり(比較的徐脈)
発熱を伴う内科的緊急疾患
- 内科レジデントの鉄則 第2版 p.6
院内における発熱の鑑別疾患
- 感染性 :肺、泌尿器、褥瘡、クロストリジウム・ディフィシル感染症、カテーテル関連感染症
- 非感染性:薬剤熱、偽痛風、深部静脈血栓症
小児科における発熱の原因
| 年齢
|
原因
|
| 乳児(生後3ヶ月未満)
|
敗血症、細菌性髄膜炎、尿路感染症、肺炎、B群溶連菌感染、グラム陰性桿菌
|
| 乳児(生後3ヶ月以降)
|
ウィルス感染(突発性発疹などの発疹性疾患)、中耳炎、尿路感染症、消化器・呼吸器疾患、川崎病
|
| 幼児、学童期
|
溶連菌感染症、伝染性単核球症、膠原病、factitious fever(詐病)、学校での感染症の流行
|
- 乳児における中耳炎、尿路感染症は症状が発熱であることが多く原因が追及しづらい。鼓膜を観察したり、尿の培養をすることが重要かもしれない。
小児における発熱
- SPE.63
新生児・乳児における発熱
see also step beyond resident 2 救急で必ず出会う疾患編 p.20
- 3ヶ月未満は免疫力が弱く重症細菌感染症にかかりやすい。
- 生後 :対処
- 0-1ヶ月 :入院。血液検査・各種培養検査を。
- 2-3ヶ月 :外来で小児科医が診察し、血液検査で細菌感染が疑われれば入院
- 4-6ヶ月 :外来で小児科医が診察し、発熱以外に所見がなければ、十分な水分摂取を指示し、翌日再診を。
- 6ヶ月以降:食欲・機嫌がよければ、翌日再診を。
漢方医学
[show details]
- 臨床医の漢方治療指針より
|
|
実熱
|
虚熱
|
| 発病
|
急速に発病
|
緩徐に発病
|
| 症状
|
悪寒、高熱 顔面紅潮 苦痛あり、四肢運動多 声大きく明瞭 口渇強い 便秘 色調濃い尿
|
軽度悪寒、熱覚 顔面蒼白 苦痛少なく、静かに臥床 声小さい 口渇少ない 軟便、下痢 薄い色調の尿
|
| 脈
|
早く大きく、緊張
|
小さく早く、緊張なし
|
| 舌苔
|
厚くて乾燥、白~黄~褐色
|
薄くて白い、無苔、鏡面舌
|
| その他
|
頭痛、関節痛、無汗~発汗
|
倦怠感、眩暈感、盗汗
|
| 実熱
|
麻黄湯
|
悪寒、発熱、頭痛、関節痛
|
| 葛根湯
|
悪寒、発熱、頭痛、肩背部のこり
|
| 小柴胡湯
|
午後からの発熱、食欲不振、口の苦み
|
| 柴胡桂枝湯
|
詳細孤島の症状、関節痛、腹痛
|
| 大柴胡湯
|
胆嚢炎、便秘
|
| 柴陥湯
|
詳細孤島の症状、咳嗽、胸痛
|
| 黄芩湯
|
発熱、腹痛、下痢
|
| 虚熱
|
桂枝湯
|
発熱、軽度の頭痛、発汗
|
| 桂麻各半湯
|
発熱、発疹
|
| 参蘇飲
|
発熱、食欲不振、咳嗽、あつがる
|
| 柴胡桂枝乾姜湯
|
微熱、上半身の自汗、盗汗、食欲不振、背部の冷汗
|
| 竹じょ温胆湯
|
発熱、咳嗽、不眠
|
| 補中益気湯
|
微熱、倦怠感、食欲不振、盗汗
|
| 滋陰降火湯
|
微熱、下半身の脱力感、盗汗、咳嗽
|
| 滋陰至宝湯
|
微熱、倦怠感、食欲不振、精神不安定状態
|
| 真武湯
|
陰病、微熱、食欲不振、倦怠感、いつも寝ている
|
| 麻黄細辛附子湯
|
陰病、微熱、寒がる
|
[★]
- 英
- antibacterial drug, antibacterial
- 関
- 抗生剤、薬理学、抗菌薬一覧、抗細菌薬
- first aid step 1 2006 p.165
定義
- 細菌/微生物に静菌作用、殺菌作用を示す物質。結果として、人において病原性を除去する目的で使用される。
- このうち、微生物によって産生される物質を抗生物質と呼ぶ
作用機序による分類
- first aid step 1 2006 p.165
|
|
Mechanism of action
|
Drugs
|
| 1
|
Block cell wall synthesis by inhibition of peptidoglycan cross-linking
|
penicillin, ampicillin, ticarcillin, piperacillin, imipenem, aztreonam, cephalosporins
|
| 2
|
Block peptidoglycan synthesis
|
bacitracin, vancomycin, cycloserine
|
| 3
|
Disrupt bacterial/fungal cell membranes
|
polymyxins
|
| 4
|
Disrupt fungal cell membranes
|
amphotericin B, nystatin, fluconazole/azoles
|
| 5
|
Block nucleotide synthesis
|
sulfonamides, trimethoprim
|
| 6
|
Block DNA topoisomerases
|
quinolones
|
| 7
|
Block mRNA synthesis
|
rifampin
|
| 8
|
Block protein synthesis at 50S ribosomal subunit
|
chloramphenicol, erythromycin/macrolides, lincomycin, clindamycin, streptogramins (quinupristin, dalfopristin), linezolid
|
| 9
|
Block protein synthesis at 30S ribosomal subunit
|
aminoglycosides, tetracyclines, spectinomycin ATuSi → あつし
|
薬物動態
- 濃度依存性:アミノグリコシド系抗菌薬、ニューロキノロン系抗菌薬
- 時間依存性:βラクタム系抗菌薬
治療期間
小児
- 尾内一信 ; 第 39 回日本小児感染症学会教育講演 2 小児感染症の抗菌薬療法 -耐性菌時代の適正使用-
| 感染臓器・臨床診断
|
原因菌
|
投与期間(抗菌薬)
|
| 髄膜炎
|
インフルエンザ菌
|
7-10日
|
| 肺炎球菌
|
10-14日
|
| 髄膜炎菌
|
7-10日
|
| GBS,腸内細菌,リステリア
|
21日
|
| 中耳炎
|
<2 歳
|
10日
|
| 2 歳≦
|
5-7日
|
| 咽頭炎
|
A 群連鎖球菌
|
10日(ペニシリン系薬)
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| 5日(セフェム系薬)
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| 肺炎
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肺炎球菌,インフルエンザ菌
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解熱後3-4日
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| 黄色ブドウ球菌
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3-4週間
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| マイコプラズマ,クラミジア
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10-21日
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| 腎臓、膀胱炎、腎盂腎炎
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大腸菌,プロテウス,腸球菌
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3日
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| 14日
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| 骨髄炎
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黄色ブドウ球菌
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21日
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| 連鎖球菌,インフルエンザ菌
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14日
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主要な感染症の抗菌薬投与期間
- 感染レジマニュ p.27
ソース不明
妊婦に避けるべき抗菌薬
- Antibiotics to avoid in pregnancy
- Sulfonamides––kernicterus.
- Aminoglycosides––ototoxicity.
- Fluoroquinolones––cartilage damage.
- Erythromycin––acute cholestatic hepatitis in mom
- (and clarithromycin––embryotoxic).
- Metronidazole––mutagenesis.
- Tetracyclines––discolored teeth, inhibition of bone growth.
- Ribavirin (antiviral)––teratogenic.
- Griseofulvin (antifungal)––teratogenic.
- Chloramphenicol––“gray baby.”
- SAFE Moms Take Really Good Care.
使っても良い
- YN.H-24
参考
- まとまっていてよい
- http://www.antibiotic-books.jp
[★]
- 英
- chest pain, thoracodynia, pectoralgia
- 同
- 胸部痛
- 関
- 胸壁痛。胸部圧迫感
鑑別疾患
- 診断エッセンシャルズ新訂版
救急疾患
その他
鑑別診断
- DIF.84
胸痛の質
- 圧迫されるような痛み:狭心症、心筋梗塞
- 刺すような痛み:心膜炎、胸膜炎、肋間神経痛
胸痛と呼吸困難
- 参考1
- 気胸、肺炎、胸膜炎、慢性閉塞性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患の悪化、肺癌などの肺疾患、心不全
診察
【現病歴】
誘因、発生様式(突発、緩徐)、経時的変化(一定、動揺、増悪/寛解傾向)、部位(一番痛い部位、放散する部位)、軽快因子、増悪因子、(反復するエピソードあれば)前回との比較、随伴症状
【既往歴】基礎疾患(DM, HT, DL)
【嗜好】smoking, alcohl
【服用薬】
【職業】
【身体所見】
Appearance: Face anguish, Diaphoresis, Cyanosis
Vital:
Consciousness:
BT , BP / , HR (L Arm/R Arm, Lower Extrimity), RR , SpO2
Lymphnode: swollen/no swollen, breath sound →/↑/↓
Chest
Heart:Is →/↑/↓, IIs →/↑/↓, IIIs(±)/IVs(±), murmur, friction rub ±
Lung: crackle/rale
Abdomen: soft/hard, tenderness
Extremity: cold/pulse/edema
Skin: dry/wet/hot/cold
【検査】
ECG: ST segment change
Blood test:
biochemistry: CK-MB, Troponine T, AST, LDH, H-FABP
Blood count: WBC
Arterial blood gas: PaO2 torr
A-aDO2 = 150 - PaCO2/ 0.8 (torr) - PaO2 (normal below 20 Torr)
Chest XP:
Heart echography:
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
[★]
- 英
- juvenile idiopathic arthritis, JIA
- 同
- 若年性関節リウマチ juvenile rheumatoid arthritis JRA、小児特発性関節炎
- 関
- 関節リウマチ
概念
- 15歳以下の小児に発病する慢性関節リウマチである。成人の関節リウマチに比べて全身症状が強く、リウマチ因子陽性率が低い。
- 若年性関節リウマチには3病型有り、スチル病は小児の関節リウマチ、つまり若年性関節リウマチの亜型のことである。(REU.228)
- 若年性特発性関節炎という病名でまとめようというのが最近の流れ。(uptodate; Classification of juvenile arthritis (JRA/JIA))
病型
- 1. 多関節型:40%:慢性多発性関節炎をきたす
- 2. 単関節型:40%:関節炎症はせいぜい4つくらいまでの関節にとどまる。眼に虹彩炎/虹彩毛様体炎をきたし、抗核抗体(ANA)陽性例が多い。
- 3. 全身型 :20%:軽度の関節痛、著明な発熱、一過性のサーモンピンクの皮疹、リンパ節腫脹、脾腫、心外膜 →スチル病
症状
- 多関節型:
- 単関節型:虹彩毛様体炎が合併しやすい(SOP.220)
- 全身型 :
検査
- 多関節型:関節リウマチに似てMMP-3高値となる
- 単関節型:
- 全身型 :フェリチン上昇
若年性関節リウマチ診断の手引き
- 旧厚生省研究班,1981
- 1.6週間以上続く多関節炎
- 2.6週間未満の多関節炎(または単関節炎、少関節炎)の場合には次の1項目を伴うもの
- 3.下記疾患と確定したものは除外し、鑑別不能の場合は「疑い」とする
注意すべき点
- 1) 関節炎は移動性でなく、固定性であること。
- 2) リウマトイド疹とは直径 数 mm ~1cm の鮮紅色の紅斑で、発熱とともに出現し、下熱時に消退することもある。
- 3) 弛張熱とは、日差が3~4℃で、下降時は平熱またはそれ以下となることがあり、1週間以上続くこと。
- 4) リウマトイド因子(RAテスト)は、肝疾患や、他の自己免疫疾患でも陽性となることがある。
参考
- 1. 若年性特発性関節炎初期診療の手引き(2007年)
- http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13gs40.nsf/0/358654b9c68ddf7a492572fa0025fab9/$FILE/20070614_1shiryou3.pdf
- http://mymed.jp/di/ifa.html
- http://www9.ocn.ne.jp/~ginzamed/ginzamed/tisiki/disease/answer/child_RA_diag.htm
- http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm120/kouza/jra.html
国試
[★]
- 英
- Garre sclerotic osteomyelitis, Garré sclerotic osteomyelitis
- 同
- ガレー骨髄炎 Garre osteomyelitis、Garre硬化性骨髄炎、ガレー病 Garre disease
- 関
- 顎骨骨髄炎
[★]
- 英
- chronic pyogenic osteomyelitis
- 関
- 化膿性骨髄炎、骨髄炎
- 骨髄内に細菌が定着して増殖し、慢性的な炎症状態となったもの
[★]
- 英
- staphylococcal osteomyelitis
- 関
- ブドウ球菌
[★]
- 英
- bone marrow (Z)
- ラ
- medulla ossium
- 関
- 骨髄組織
分類
性状
細胞成分の過少
造血
加齢変化
- 6歳以後は加齢とともに脂肪化が進み、黄色骨髄が増加
- 長管骨の末端から黄色骨髄に置換されていく。成人では脊椎骨、胸骨、肋骨などで造血が起こる
- 乏血、低酸素状態では黄色骨髄が赤色骨髄に置換され、造血ができるようになる。
[★]
- 関
- 炎光、炎症