出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/11/26 22:34:17」(JST)
サルファ薬(サルファやく、英: sulfonamides)とはスルホンアミド (-S(=O)2-NR2) 部位を持つ合成抗菌剤・化学療法薬の総称。(生物由来ではないため、抗生物質とは呼ばれない。)サルファ薬はジヒドロプテロイン酸合成酵素(en)の基質であるパラアミノ安息香酸(PABA)に構造的に類似しており、PABAの競争阻害物質として作用し、葉酸合成過程におけるジヒドロプテロイン酸合成を阻害することによって静菌的に作用する。ヒトでは葉酸の生合成系を欠いているため、サルファ薬は病原体にのみ選択的に作用する。またサルファ剤は、微生物の代謝阻害という性質から、細菌のみならず、真菌や原虫にも効果を示す。
サルファ剤は、葉酸代謝物であるテトラヒドロ葉酸の細胞内供給を決定的に不足させ、結果的にプリンとチミジンの新たな合成停止させることによって、病原微生物のDNA合成とRNA合成を阻害する。ジヒドロプテロイン酸合成酵素が変異を起こし、PABA親和性が変化することにより耐性菌が出現する。細菌が1種のサルファ薬に対する耐性を獲得すると他のサルファ薬に対しても耐性を示すようになる(交差耐性)。単独で使用すると耐性菌が出現しやすいことや相乗効果が期待できることから、サルファ薬は葉酸活性化阻害薬(トリメトプリム)と併用されることが多い。(ST合剤参照。)プロカインは分解されるとPABAを生じるため、プロカインとの併用ではサルファ薬の作用は低下する。
1935年 ドイツのゲルハルト・ドーマクが染料・プロントジルに抗マラリア作用があることを発見した。また自分の娘が敗血症を起こしたときにプロントジルを投与し命を救った。
その後、プロントジルの持つスルフォン環に抗菌作用のあることが判明し、次々とサルファ剤が開発された。ドーマクは後にプロントジルの開発に対してノーベル医学賞を受賞した。
サルファ剤を治療に用いる感染症
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関連記事 | 「剤」「サル」「サルファ」 |
CYP 代謝による 分類 |
薬物 | 商品名 | 性質1) | CYP代謝 2) |
代謝物の活性 3) |
排泄形態 3) |
bioavailability (%) 3) |
尿中排泄 (%) 2) |
半減期 (hr) 2) | |
定性 | 定量(LogP) | |||||||||
非代謝型 | プラバスタチン | メバロチン | 水溶性 | -0.47 | ほとんどなし | ー | 未変化体 | 18 | 20 | 1ー2 |
ロスバスタチン | クレストール | 水溶性 | ー 5) | 未変化体 5) | 29 | 10 5) | 15~19 5) | |||
ピタバスタチン | リバロ | 脂溶性 | 1.49 | ー | 未変化体 | 60 | <2 | 11 | ||
代謝型 | フルバスタチン | ローコール | 脂溶性 | 1.73 | CYP2C9 | なし | 代謝物 | 10-35 | <6 | 1.2 |
シンバスタチン | リポバス | 脂溶性 | 4.4 | CYP3A4 | あり | 代謝物 | <5 | 13 | 1ー2 | |
アトルバスタチン | リピトール | 脂溶性 | 1.53 | CYP3A4 | あり | (データ無し) | 12 | 2 | 14 | |
1)Prog Med, 18:957-962,1998. 2)Heart, 85:259-264,2001. 3)PHarmacol Ther, 80:1-34 改変 4)興和(株)社内資料 5)添付文書 |
CYP | 代謝されるスタチン | 代謝される薬物 | 強く阻害する薬物 |
CYP2C9 | フルバスタチン | ワーファリン ジクロフェナク フェニトイン |
サルファ剤 ST合剤 |
CYP3A4 | シンバスタチン セリバスタチン アトルバスタチン |
ニフェジピン シクロスポリン ジルチアゼム など多数 |
エリスロマイシン シメチジン イトラコナゾール ベラパミル |
Mechanism of action | Drugs | |
1 | Block cell wall synthesis by inhibition of peptidoglycan cross-linking | penicillin, ampicillin, ticarcillin, piperacillin, imipenem, aztreonam, cephalosporins |
2 | Block peptidoglycan synthesis | bacitracin, vancomycin, cycloserine |
3 | Disrupt bacterial/fungal cell membranes | polymyxins |
4 | Disrupt fungal cell membranes | amphotericin B, nystatin, fluconazole/azoles |
5 | Block nucleotide synthesis | sulfonamides, trimethoprim |
6 | Block DNA topoisomerases | quinolones |
7 | Block mRNA synthesis | rifampin |
8 | Block protein synthesis at 50S ribosomal subunit | chloramphenicol, erythromycin/macrolides, lincomycin, clindamycin, streptogramins (quinupristin, dalfopristin), linezolid |
9 | Block protein synthesis at 30S ribosomal subunit | aminoglycosides, tetracyclines, spectinomycin ATuSi → あつし |
感染臓器・臨床診断 | 原因菌 | 投与期間(抗菌薬) |
髄膜炎 | インフルエンザ菌 | 7-10日 |
肺炎球菌 | 10-14日 | |
髄膜炎菌 | 7-10日 | |
GBS,腸内細菌,リステリア | 21日 | |
中耳炎 | <2 歳 | 10日 |
2 歳≦ | 5-7日 | |
咽頭炎 | A 群連鎖球菌 | 10日(ペニシリン系薬) |
5日(セフェム系薬) | ||
肺炎 | 肺炎球菌,インフルエンザ菌 | 解熱後3-4日 |
黄色ブドウ球菌 | 3-4週間 | |
マイコプラズマ,クラミジア | 10-21日 | |
腎臓、膀胱炎、腎盂腎炎 | 大腸菌,プロテウス,腸球菌 | 3日 |
14日 | ||
骨髄炎 | 黄色ブドウ球菌 | 21日 |
連鎖球菌,インフルエンザ菌 | 14日 |
骨 | 骨髄炎 | 4-6週 | |
耳鼻咽喉 | 中耳炎 | 5-7日 | |
副鼻腔炎 | 5-14日 | ||
A群溶連菌咽頭炎 | 10日 | ||
肺 | 肺炎 | 肺炎球菌 | 7-10日 or 解熱後3日間 |
インフルエンザ菌 | 10-14日 | ||
マイコプラズマ | 14日(7-10日) | ||
レジオネラ | 21日 | ||
肺化膿症 | 28-42日 | ||
心臓 | 感染性心内膜炎 | α連鎖球菌 | 2-4週 |
黄色ブドウ球菌 | 4-6週 | ||
消化管 | 腸炎 | 赤痢菌 | 3日 |
チフス | 14日(5-7日) | ||
パラチフス | |||
腹膜炎 | 特発性 | 5日 | |
二次性 | 10-14日 | ||
胆肝膵 | 肝膿瘍 | 細菌性 | 4-8週 |
アメーバ性 | 10日 | ||
尿路 | 膀胱炎 | 3日 | |
急性腎盂腎炎 | 14日(7-10日) | ||
急性腎盂腎炎・再発 | 6週 | ||
慢性前立腺炎 | 1-3ヶ月 | ||
髄腔 | 髄膜炎 | インフルエンザ菌 | 7-10日 |
髄膜炎菌 | |||
肺炎球菌 | 10-14日 | ||
リステリア | 21日 | ||
敗血症 | 敗血症 | コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 | 5-7日 |
黄色ブドウ球菌 | 28日(14日) | ||
グラム陰性桿菌 | 14日(7-14日) | ||
カンジダ | 血液培養陰性化後, 14日 |
疾患 | 所見 |
細菌,真菌,ウイルスによる感染アレルギー | 各種感染症の他症状 |
ベーチェット病 | ほかの所見の存在(口腔内アフタ、眼ぶどう膜炎、外陰部潰瘍)、針反応 |
結核 | ツ反、組織にて結核性肉芽腫、胸部Xp |
サルコイドーシス | 胸部XpにてBHL、眼ぶどう膜炎、血中Ca・ACE、リゾチームの高値、ツ反陰性化 |
薬疹 | 薬剤内服歴の調査 |
潰瘍性大腸炎,Crohn病 | 便潜血、消化管検査 |
骨髄異形成症候群 | 骨髄および末梢血の血球像の異型性、染色体異常 |
Hansen病 | 組織所見、レプロミン反応、神経学的所見 |
結節性紅斑 | 硬結性紅斑 | |
圧痛 | ○ | × |
潰瘍 | × | ○ |
病理 | 皮下脂肪組織隔壁の炎症 | 小葉性脂肪織炎 |
病因 | 感染アレルギー ベーチェット病 結核 サルコイドーシス 薬疹 潰瘍性大腸炎、クローン病 骨髄異形成症候群 ハンセン病 |
結核によるアレルギー(結核疹) |
first aid step1 2006 p.139
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