- 英
- achalasia
- 同
- (国試)食道アカラシア esophageal achalasia, 噴門無弛緩症
- 関
- ヒルシュスプルング病 Hirschsprung's disease
[show details]
- first aid step1 2006 p.273
概念
- 食道平滑筋層内アウエルバッハ神経叢細胞の変性・消失によって、下部食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動が消失することによる食物の通過障害や、食道の異常拡張を呈する機能的疾患
- 食道下端1-4cm辺りの狭窄(機能的開大欠如)とその口側食道の異常拡大を来す。
- 食道の拡大幅は3-4cmが多く、著しいものは6-10cmに達する
疫学
- 発症は稀で。10万人に1-2人
- 男女ほぼ同頻度,
- 年齢は20-50歳代(20-40歳ともいわれる(IMD.841))
- 新生児期から症状が出ることもあり、また症状は7-8歳ごろから出現することが多い(QB.O-171)。
病型 HIM chapter 286
- 特発性アカラシア:多くのアカラシアが特発性に分類される
- 二次性アカラシア:胃癌の食道への浸潤、リンパ腫、シャーガス病、ある種のウイルス感染、好酸球性胃腸炎、神経変性疾患
分類
形状
拡張度
- I度 :最大横径3.5cm
- II度 :3.5~6.0cm
- III度:6.0cm以上
内圧測定(IMD)
- A型:嚥下による食道の陽性波が認められるもの。
- B型:嚥下による食道の陽性波が認められないもの。
病理
- 食道固有筋層内のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失
- 下部食道括約筋(LES)は外見的に正常。筋層の肥厚などは認められない。 → 器質性疾患は否定的
病因
- 環境の変化、精神的ストレスが誘因となって比較的急激に発症し慢性に経過し、軽快~増悪を反復、感情の乱れの強いときに増悪傾向
- 冷たい飲食物の摂取、急いで摂食する場合でも誘発される
病態
- 食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動の消失は次の様に説明される。
- 1. 下部食道括約筋(噴門部括約筋)におけるアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失による蠕動の伝達とそれによる食道下端部開大が起こらない
- 2. VIPや一酸化窒素合成酵素を含む抑制性ニューロンの消失。進行期にはコリン作動性ニューロンも影響を受ける。(HIM chapter 286)
比較
アカラシア
|
下部食道括約筋(噴門部括約筋)のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞が減少
|
ヒルシュスプルング病
|
腸管内神経節細胞(肛門側腸管の壁内神経節細胞(アウエルバッハ神経叢、マイスナー神経叢))の欠如
|
症状
- 自覚症状が生じる段階ではすでに食道は異常拡張を呈している(IMD)
- 嚥下障害(食道内に食物の停滞・逆流)、悪心・嘔吐、前胸部痛、体重減少、誤嚥
-
- 固形物・流動物の両方で嚥下障害が生じる ← 固形物のみだったら、器質的な変性による閉塞が考えられる。
- 胸腔内圧を上昇させる手技(ex. Valsalva maneuver)は食道の食物を胃に通過させるのに有効な手技である
- 体位変換や就寝時に起こりやすい
- 嘔吐 → 嘔吐物の気道への吸引 → 咳嗽、呼吸困難、喘鳴 → 誤嚥性肺炎
- 3. 胸部不快感・胸痛:胸骨下に疼痛、圧迫感、狭窄感など ← 食道炎の合併は10%
- 4. 体重減少:十分な摂食ができないため。慢性期におこりうる。
検査
X線造影
- 1. 胸部X線写真:食道陰影の出現、胃泡の消失
- 2. 食道X線造影(上部消化管造影):
- 下部食道の辺縁平滑な狭窄(鳥のくちばし様) (barium swallow:bird beak)、食道内腔の拡張像(椎体より大)。
- 造影剤は食道内に停留(健常者では数秒間、食道アカラシアの患者では1時間程度)
- 食道の逆蠕動、攣縮、胃内流出の遅延などが認められる(IMD)
- (1) 嚥下時に陽性波消失(遠位食道の蠕動波の消失) ← 食塊の移動させるように上部から下部に向かって食道内圧の上昇が移動していく。
- (2) 噴門陰性波消失(下部食道括約筋弛緩(LES弛緩)の欠如)
- (3) LES圧の上昇
- (1) 内視鏡スコープの噴門部通過には問題はない → 器質的疾患ではないから
- (2) 食物残渣の存在、食道内腔の拡張、慢性例では食道炎、食道癌の合併
- コリン作動性薬物を投与すると食道壁の痙攣や異常蠕動運動が生じ、食道内圧が上昇
- 試験施行の結果、胸痛を来しうるため、食道内圧検査を行うのが一般的(IMD)
- CCKは括約筋の圧力を低下させるが、アカラシアではCCKは神経伝達抑制作用が失われる(HIM chapter 286)
診察
鑑別疾患
IMD
- 2. 二次的な、あるいは他の食道蠕動運動障害を示す疾患
DIF改変
治療
精神的ケア
薬物療法
- 抗コリン薬
- 亜硝酸薬:ニトログリセリン、硝酸イソソルビド。 副作用あり
- カルシウム拮抗薬:ニフェジピン。 副作用有り
- sildenafil:cGMPを増加させ症状の軽減をもたらす → cGMPの増加はLES圧を減少させ、嚥下に伴うLESの弛緩を増強する
- ボツリヌス毒素:コリン作動性ニューロンの神経終末からのコリン放出を抑制する。6ヶ月で60%の患者の症状を緩和できる。老人の一時的な症状緩和や高リスク患者に有用である。ただし、反復利用により食道の線維化を来しうる。
下部食道括約筋拡張術バルーン
- 標準的治療
- バルーン拡張術:有効率70%前後。繰り返して行う。合併症は出血や穿孔である。
ヘラー法(Heller method, 粘膜外筋切開法)
- 腹腔鏡下でHeller筋層切開術+噴門形成術(Dor手術)を施行
-
- A surgical procedure for achalasia performed by dividing the circular muscles of the oesophagogastric junction. Using an abdominal approach a longitudinal incision is made through the lower oesophageal and upper gastric muscle wall exposing the mucosa. The procedure may be combined with a Nissen to prevent the complication of post-procedure reflux.
- http://www.surgeryrevision.co.uk/10.htm
ウェンデル法(Wendel method, 下部食道・噴門部全層切開縫合法)
ジラール変法(Girard method, 噴門形成法)
下部食道筋層切除+胃底部縫着術
フォロー
- 粘膜病変の発生(食道炎、食道癌)の有無を上部消化管造影・内視鏡などで定期的に経過観察(1年ごと)
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/03/15 21:33:21」(JST)
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アカラシア |
分類及び外部参照情報 |
進行したアカラシアの胸部X線写真。黒色の矢印で示された陰影のラインが拡張した食道である。
|
ICD-10 |
K22.0 |
ICD-9 |
530.0 |
OMIM |
200400 |
DiseasesDB |
72 |
MedlinePlus |
000267 |
eMedicine |
radio/6 med/16 |
MeSH |
C06.405.117.119.500.432 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
アカラシア(英: achalasia)もしくは食道アカラシア(しょくどうアカラシア、英: esophageal achalasia)は、食道の機能障害の一種である。食道噴門部の開閉障害もしくは食道蠕動運動の障害(あるいはその両方)により、飲食物の食道通過が困難となる疾患である。
少なくとも、1970年代初頭までには医学的に認知され、日本国内において名称の統一が行われているが、原因等について解明されていない点が多く、現在に至っても、根本的な治療方法はない。動物実験等により、迷走神経に障害を生じると発症することが分かっている(日本消化器外科学会雑誌. 1978;11(8):589-94、他)が、人間において原因と迷走神経の損傷の程度、アカラシアの症状との因果関係までは明らかになっていない。
目次
- 1 症状
- 2 診断方法
- 3 治療法
- 3.1 薬物療法
- 3.2 内視鏡下バルーン拡張術
- 3.3 腹腔鏡下手術
- 3.4 内視鏡的筋層切開術
- 4 補足
- 5 脚注
症状[編集]
アカラシアに特徴的な症状は以下のようなものが挙げられる。
- 食物が食道を通過しないことが原因のため、嘔吐物に胃液は含まれておらず、食物は咀嚼したままの形状で吐き出され、悪臭もない。また、口臭の悪化も伴わない。逆流性胃腸炎等との違いは、この点で明確に判断することが出来る。
- 食道に飲食物が通過しにくくなるため、背筋が圧迫されるという解釈が一般的であるが、末梢神経系の疾患が併発している事による筋肉の凝り、という解釈もある。これも逆流性胃腸炎等との違いである。
- 末梢神経もしくは中枢神経の障害が原因と考えられる場合に、軽度の症状が現れる場合がある(日本消化器病学会では「進行性の神経筋疾患」を原因とする嚥下障害を疑う場合に見られる症状、という見解がある)。
- その他
- 幼少期から、食事中に食べ物がつかえて、背伸びや飲水等で障害を取り除いた経験がある人は、発症率が高いといわれている。アカラシア発症者のほとんどは同様の経験をしており、一般的な確率と有意な差があると言われている。
- 飲料でさえも食道の通過障害を生じる場合が多く、重度の場合は、吐き出してしまう、もしくは窒息する場合もある。
- 一時的に症状が緩和して良くなったと思って油断していると、再び重い症状に襲われることを繰り返し、徐々に悪化することが多いと言われる。
- 「補足」にある原因及び病症の知識不足によって、初期で発見されることは少なく、初期の症状がどの様なものであるかは正確に把握されていない。
- 敢えて、初期の対策を考えるとすると、原因が心身のストレス(過労、病気、手術等)の蓄積によるものと推定されるため、十分な休息をとり、生活習慣を改めることが病状の悪化を最小限に食い止める上で有効である可能性がある。
診断方法[編集]
食道造影による典型的なアカラシアの像。鳥をひっくり返したように見えることから「鳥のくちばし状」と呼ばれる。
アカラシアが疑われる場合、「症状」にある内容の問診の他、一般的に以下のような診断方法がとられる。
- 食道内・口腔内pH検査
- アカラシアは胃液の逆流がないのが特徴であり、外形的な症状に反し、食道内及び口腔内pHは正常値になる。
- 食道内視鏡検査
- アカラシアは運動障害であるため、初期~中期の段階では、内視鏡で異常が見られないのが特徴である。症状が重度となると、食道の拡張、異常蛇行が生じ、更に悪化すると潰瘍、腫瘍、食道癌の併発が見られる。
- 食道造影(消化管透視)
- 希釈したバリウムが食道を通過する様子を観察することにより、症状を判断する。典型的には噴門部が狭窄し、それよりも口側の食道が拡張し、「鳥のくちばし状」を呈する。ただし、初期の症状では液体の通過障害が見えにくい場合もあり、診断が難しい。
- 食道内圧測定
- カテーテルを食道内に入れて内圧を測定することで、下部食道括約筋の弛緩不全による下部食道括約筋圧の上昇や食道蠕動波の消失を確認する。
治療法[編集]
薬物療法[編集]
初期で発見されることが少ないため、初期の症状に有効な治療法は確立されていない。敢えて考えられる治療法としては、
- 漢方薬(芍薬甘草湯、等)の経口投与
- ビタミンB12製剤の経口投与(1.5mg/日 程度以上の大量投与で初期の末梢神経障害の回復に効果)
- カルシウム拮抗薬の投与(血圧降下作用があるため、低血圧の患者や日常生活を送る患者には向かない)
等の内科的治療がある。症状が完全回復したという報告はなく、悪化の程度を抑制するために投与を続ける必要性があると言われている。
内視鏡下バルーン拡張術[編集]
中程度の症状には、バルーンを用いて、食道を拡張することによって通過障害を取り除く。効果は一時的であり、根本的な治療とは言えない。
腹腔鏡下手術[編集]
重度の症状の場合は、腹腔鏡を用いた外科手術による方法が一般的である。「Heller筋層切開術」と呼ばれる方法で食道の筋肉を開いて通過障害を取り除き、「Dor噴門形成術」と呼ばれる方法で、噴門部からの胃液の逆流を抑制する(食道は胃液を保護する粘膜がないため、噴門部が開いたままだと食道炎、食道癌を併発する)。多い病院では年間20例ほどの手術が行われており、外科的治療法としては確立していると考えられる。
内視鏡的筋層切開術[編集]
新しい根治的治療として経口内視鏡的筋層切開術(POEM:per‐oral endoscopic myotomy)が発案され、低侵襲治療として注目を浴びている。POEMでは腹腔鏡手術と異なり、体表に傷がつかないことが外科手術治療との大きな違いである。[1][2]
補足[編集]
日本における発症率は10万人に1人程度とされているが、潜在的な発症率はもう少し高いと考えられる。実際、アカラシアの分野は消化器内科よりも消化器外科で発達しており、症状から消化器内科で診察される場合がほとんどであるが、症状が特定されない、もしくは誤診されたまま症状が悪化し、食道癌等になってしまうことによって、アカラシアという初期の原因が見過ごされているケースが少なくないと言われる。
日本人と比べて欧米人の方が発症率が高く、一般的に、食生活の違いが原因ではないかと推察されている。日本においてアカラシアの発症件数が増えているとの報告もあるらしいが、これも日本人の食生活が欧米化していることが原因ではないかという推察の根拠の一つとなっている。
脚注[編集]
- ^ POEM for esophageal achalasia,Inoue H et al,Endoscopy 2010; 42(4): 265-271 DOI: 10.1055
- ^ 食道アカラシアに対する経口内視鏡的筋層切開術(POEM)の臨床,日本臨床68巻9号page1749-1752 (2010.09)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 手術症例報告 食道アカラシアの初回手術から40年後に発生した早期食道癌の1例
- アカラシア (特集 上部消化管疾患 : 診断と治療の進歩) -- (食道)
- カラービジュアルで理解! 消化器疾患ナビ(5)食道アカラシア(esophageal achalasia)
- Y-04 若年アカラシア患者の病態と手術成績の検討(優秀演題賞候補口演1,第54回日本平滑筋学会総会)
- 坪井 一人,小村 伸朗,矢野 文章,星野 真人,山本 世怜,柏木 秀幸,矢永 勝彦
- 日本平滑筋学会雑誌 16(1), "J-24", 2012-07-02
- NAID 110009479558
Related Links
- 食道アカラシア。Esophageal achalasia. 図あり。食道アカラシアの原因は何か食道平滑筋部(へいかつきんぶ)にある壁内のアウエルバッハ神経叢(そう)内の節細胞が変性したため、食道胃接合部が弛緩不全を起こし、収縮したままの状態と ...
- 食道アカラシアの説明、診断方法。投薬治療、内視鏡を用いた治療(バルーン拡張術、POEM)および手術治療について解説と比較、東京慈恵会医科大学病院での治療、成績の紹介。
- アカラシアは、食道のリズミカルな収縮を調節している神経の機能不全の結果生じます。神経が機能不全を起こす原因は不明ですが、ウイルス性および自己免疫性の原因が疑われています。ある種の腫瘍が、下部食道括約筋を直接狭く ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 51歳の男性。嚥下困難と体重減少とを主訴に来院した。6年前から食物のつかえ感を自覚していた。最近症状の悪化があり、体重が1か月で5kg減少した。身長169cm、体重47㎏。胸腹部に異常所見を認めない。血液所見:赤血球384万、Hb11.5g/dl、Ht34%、白血球7,500。血清生化学所見:総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.7g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、AST19単位、ALT21単位。上部消化管造影写真を以下に示す。この疾患で正しいのはどれか。
- a. 男性に多い。
- b. 嗄声をきたす。
- c. 吐血することが多い。
- d. 嚥下性弛緩反応がない。
- e. 胃液の逆流によって発生する。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A023]←[国試_099]→[099A025]
[★]
- 37歳の女性。8年前から嚥下障害を自覚していたが、最近症状の増悪があり来院した。食道造影写真を以下に示す。この疾患で正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095C009]←[国試_095]→[095C011]
[★]
- 72歳の女性。嚥下困難を主訴に来院した。2か月前から固形物が飲み込みにくいことを自覚し徐々に増悪するため受診した。体温36.4℃。脈拍60/分、整。血圧 132/72mmHg。表在リンパ節を触知しない。腹部は平坦、軟。食道の内視鏡写真(別冊No. 20)を別に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I060]←[国試_110]→[110I062]
[★]
- 75歳の男性。嚥下痛を訴えて来院した。40年前から糖尿病の治療を受けている。食道造影写真を以下に示す。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095C023]←[国試_095]→[095C025]
[★]
- 疾患と腹部エックス線単純写真の所見の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098G098]←[国試_098]→[098G100]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096H028]←[国試_096]→[096H030]
[★]
- attend
- vt.
- ~に出席/参列する、(学校に)行く(go toより堅い語)
- The normal ECG and chest X-ray when he attended hospital after an episode do not rule out an intermittent conduction problem.
- (結果として)~に伴う
- ~に同行/同伴する、付き添う、仕える。往診する。~の世話をする、~に気をつける、見張る
- vi.
- 出席/参列/出勤する(at)
- 留意/注目/傾聴する(to)。身を入れる、勢力を注ぐ、心を傾注する(to)。世話をする、気を配る(to)
- 仕える、付きそう(on)。(危険・困難などが)伴う(on)
- productive
- outflow
- obstruction
-
- the clinical picture suggests obstruction to outflow from the stomach.(この臨床像は胃流出障害を示唆している)
- obstruction to outflow
- 流出障害
-
- the clinical picture suggests obstruction to outflow from the stomach.(この臨床像は胃流出障害を示唆している)
- aqueous outflow from the eye (眼球からの房水流出)
- retain
- re + tent (tineo=teneo) = to hold back
- 保持する、保有する、保留する、持ち続ける、維持する。(使用のために)確保しておく
- (ある場所に)保つ、保持する。(熱などを)保っている、失わないでいる
- 忘れないでいる、覚えている
- (弁護士・気腫・召使いなどを)雇っておく、抱える
- 使用/実行し続ける。(廃止しないで)そのままにしておく
- palliation
- n.
- 寛解、緩和
- volvulus
- 腸捻転
- bezoar
- 胃石
- malrotation
- 腸回転異常
- intussusception
- 腸重積
- succussion
- n.
- 強く揺り動かすこと、強く揺れること
- splash
- n.
- はね返し、はねかけ。はねかす音。
- どっと流れる水。
- □unit
- 1 unit = 10 ml of ethanol
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- http://pohwa.adam.ne.jp/you/hobby/ryori/sake2.html
- 1unitの量が国によって違う。純エタノール換算で、1英unitは8g=10ml(英糖尿病協会採用の数値)、1米unitは15g(20ml弱:1drinkとも)で、日本では10~14g程度(代謝熱量80Kcalが基準:食品成分表5訂版,2002)や20ないし23g(日本酒1合分)を1unitとしている。日本の医学界では1unit=20g(体積に換算すると25ml)を採用することが多いので、ここでもそれに従う。この基準(1unit=20g=25ml)で計算すると、40度のウィスキー1ショット(=1オンス:英液量オンスで28.41ml、米液量オンスで29.57ml、日本の1ショットで30ml)が約0.5unitとなる。5度のビールなら500mlでだいたい1unit(この、日本酒1合≒ウィスキーダブル≒ビール500cc≒1unitという関係は、覚えておくと便利かもしれない:ワインなどは日本酒に準じるので、1本750mlがだいたい4unit強である)。
- 主訴:体重減少
- (主訴にまつわる症状)
- ・4ヶ月で10kg減少、食欲の減少、嘔吐(頻度:次第に増えてきている。嘔吐物と量:何時間も前に食べたものを多量に嘔吐する)
- (主訴以外の症状)
- ・一ヶ月前から脱力感(部位:特に下肢で著しい(丘に登ったり、階段を上ったりするとき))
- 嗜好歴:喫煙 20/day、飲酒 10units/week (ビール 6本弱)
- 家族歴:なし
- 既往歴:高血圧(2年間β遮断薬で治療、4ヶ月前に服薬中止)
- 身体所見 examination
- バイタル:82/分、血圧 148/86 mmHg
- 全身:やせ、体調が悪そう(unwell)。
- 呼吸器、心血管系に異常なし
- 腹部:腫瘤触知せず、圧痛なし、振盪音/振水音を認める
- 検査所見 investigations
- 低値:ナトリウム、カリウム、クロライド、尿素
- 高値:重炭酸
- Q
- 1. これらの所見の説明は?
- 2. もっともな診断は?
- A
- ★
- 胃流出路の閉塞 = 食後の嘔吐 + 胃の振水音
- 高BUN + 低CRE → 脱水
- 低Na,Cl,H+ → 嘔吐
- HClの喪失 → 代謝性アルカローシス
- H:細胞内→外
- K:細胞外→内
- 従って、低カリウム血症 → 筋力低下・脱力
- ★
- 胃流出路の閉塞の原因:胃癌とか胃潰瘍による瘢痕
- 診断には上部消化管内視鏡・生検(組織診)、その後にCT(局所浸潤、転移巣検索)
- 治療法:腫瘍だったら腹腔鏡による腫瘍の摘出術。その他の場合は手術をしたり、薬物療法をしたり、、、
- 学習ポイント
- ・嘔吐・嘔気 nausea and vomiting DIF.321, vomitus DIF.449 IMD.351
- 解剖で考えよう。縦に解剖、横に病因
- 鼻咽頭 扁桃、外来異物
- 食道 アカラシア、逆流性食道炎、食道癌 ・・・嚥下困難があるはず
- 胃 胃炎、消化性潰瘍、胃癌、幽門部の病変(ポリープ、癌、潰瘍;胃の出口を閉塞させる)。子供だったら幽門狭窄症
- 十二指腸:潰瘍、十二指腸炎、Billroth II法による輸出脚の閉塞、Billroth I/II法によるダンピング症候群。胆汁性胃炎も原因となる。
- 小腸:小腸閉塞(腸重積、腸回転異常症、胃石症、癌腫、限局性回腸炎)
- 結腸:潰瘍性大腸炎、アメーバ症、腫瘍男。腸間膜動脈血栓症、
- 消化管全体:Strongyloides, Ascaris, Taenia solium
- ・β遮断薬の服用中止で何が起こる?
- 狭心症や発作性の高血圧。
- なんでやめたんだろう? → 副作用:(1%程度に)めまい、全身倦怠感、頭痛、徐脈が出現
- ・振盪音
- 腹水や胃内容物の貯留によって聴取される。
- ・BUN高値、Cre低値
- suggest a degree of dehydration
・BUN
- ==検査値の異常 (異常値の出るメカニズム第5版 p.144)==
- ===BUN上昇===
[★]
- 英
- trisomy 21
- 同
- ダウン症候群 Down症候群 Down syndrome Down's syndrome、トリソミー21、21番染色体トリソミー 21-トリソミー trisomie 21 autosomale、trisomy G syndrome、蒙古人症 蒙古症 mongolismus モンゴリスムス
- 関
- 染色体核型、トリソミー
[show details]
疫学
- 20-25歳:1/1600
- 25-30歳:1/870
- 30-35歳:1/300
病因
- 21番染色体が3コピーになる21トリソミーが基本病態。大多数は自然発生する。3種類の核型が存在する。
- 1.標準型 95% 21番染色体が1本多く、全体が47本となる。
- 2.転座型 4% 14あるいは21番染色体にRobertson転座する。
- 3.モザイク型 1% 正常細胞とトリソミー細胞が混在する。
ロバートソン転座による14q,21qを有する21trisomy保因者
- 13,14,15,,21,22は短腕が短くrRNAしかコードされていないので、これらの染色体の間でロバートソン転座により短腕が失われても問題が起きにくい。ロバートソン転座により染色体が45本になっている人は1000人に1人の割合で存在する。(参考1)
- 14番と21番染色体でロバートソン転座が起きたとすると、核型はder(14;21)(q10;q10)と表記される。この場合染色体は、14番染色体、21番染色体、der(14;21)(q10;q10)の3本を有することになる。配偶子が減数分裂の際に作られるとき、6つの組み合わせができるという。すなわち、1本のみ( 14, 21, der(14;21)(q10;q10) )の場合および2本( 14+21, der(14;21)(q10;q10) + 14, der(14;21)(q10;q10) + 21 )の場合ができる。このうち、14, 21, der(14;21) + 14 の場合は受精後にモノソミーが生じることになり致死的である。14+21、der(14;21)(q10;q10)の場合は正常となる。問題はder(14;21)(q10;q10) + 21の場合であり、この場合受精後に21の長腕が3つ存在することになりダウン症候群を発症しうる。
- 転座型ダウン症候群の場合、同胞発生するリスクがある。経験的な危険率は母が保因者の場合10-15%、父親が保因者の場合は2%である。(参考1)
形態
特有な顔貌
合併症
- 出現頻度:約50% ←特徴
- 肺高血圧症が合併
- 動脈管開存症もありうる
-
- transient abnormal myelopoiesis(類白血病反応)
- 生下時末梢血に芽球細胞が見られる。症状はM7と同じ。2割以下で白血病を引き起こす。
- blast cell, LDH, WBCが高値であるが2-6ヶ月で正常となる。
- 4. 筋骨格系:環軸椎亜脱臼(20-30%の例。呼吸障害につながる)
- 5. 内分泌:甲状腺機能低下症(1/3の例で自己抗体を有する)
- 6. 耳鼻咽喉:内耳炎。種々の程度の中耳・内耳奇形。聴力障害(40-75%)。
- 7. 眼:屈折異常(約60%)、白内障、斜視、眼振、睫毛内反症、視神経異常
- 8. 神経:てんかん(5-10%の例。点頭てんかんが多い)
- 9. 易感染性:原因不明
- 10. 成長発達:軽度~中等度の精神遅滞。学童期に肥満。身長は145(♂),141cm(♀)
参考
- 1. [charged]Chromosomal translocations, deletions, and inversions - uptodate [1]
- 2. DOWN SYNDROME
- http://omim.org/entry/190685
- 3. [charged] ダウン症の臨床的特徴および診断 - uptodate [2]
[★]
- ヒント:タイトルに騙されるな!
- 45歳 女性
- 主訴:肺炎
- 現病歴:過去6ヶ月の間、咳、発熱、および膿性痰をともなう3回のエピソードがあった。このうち1回のエピソードでは、右側の胸膜炎性胸痛があった。一連のエピソードはgeneral practitionerの外来で治療していた。これらのエピソードに加え、5年間の嚥下困難の既往がある。嚥下困難は最初は中等度であったが、だんだんと増悪している。食べ物が胸骨後部の下方に刺さる様だと言っている。どういう固形物であってもこのような症状がでる。体重は過去2ヶ月で5kg減少した。嚥下困難は食事中に改善することがあるようだ。最近、形のはっきりとした食物を嘔吐する問題を抱えている。
- 3年前外来で施行した上部消化管内視鏡では問題は認められなかった。器質的な問題がないことが保証されたが、症状はひどくなってきた。排尿障害はない。便秘傾向があるが、最近少し悪くなってきた。
- 既往歴:無し
- 家族歴:無し
- 社会歴:10年前まで4年間、アメリカ合衆国の北西の沿岸部にすんでいた。店員として働いている。
- 嗜好歴:喫煙なし。飲酒は週に5units以下。
- 服用薬:
- 身体所見 examination
- やせて見える。右の肺底部にcrackleを認める。心血管系、消化器系、およびそのほかの臓器系に異常を認めない。
- 検査所見 investigations
- 胸部単純X線写真(供覧)
- 問題
- 診断名は?
- どうやって診断をつけるの?
- 答え
- 噴門部のアカラシア
- ■嚥下障害の鑑別疾患
- DIF.125
- 嚥下というのは喉頭、咽頭、食道の機能で、1)機械的閉塞(ex. 腫瘍)、2)生理的閉塞(ex. 偽球麻痺)により機能が障害される。
- 機械的閉塞 喉頭、咽頭、あるいは食道自体の内的な疾患と周辺臓器の外的な疾患を考える。VINDICATEが有効。
- V vascular 大動脈瘤、心拡大
- I inflammatory 喉頭炎、扁桃炎、食道炎、縦隔炎。 infection シャーガス病
- N neoplasm 食道と気管の癌腫(carcinoma)、縦隔の皮様嚢腫
- D degenerative and deficiency Plummer-Vinson syndrome(鉄欠乏性貧血)
- I intoxication アルカリ狭窄(lye stricture)
- C congenital and acquired 食道閉鎖症(esophageal atresia)、食道憩室
- A autoimmune 強皮症
- T trauma 食道破裂
- E endocrine 甲状腺腫大(endemic goiter(風土病としての甲状腺腫)、グレーブス病)
- 生理的閉塞 神経から筋肉にいたるまでの障害であり、この経路を想像しながら鑑別を上げていく。
- 1. end organ 緊張性ジストロフィー、皮膚筋炎、アカラシア、びまん性食道痙攣
- 2. 神経筋接合部 重症筋無力症
- 3. 下位運動ニューロン 急性灰白髄炎、ジフテリア性神経炎、脳幹における感染症もしくは腫瘍
- 4. 上位運動ニューロン 偽性球麻痺(脳梗塞、脳塞栓、脳出血、多発性硬化症、認知症、びまん性脳動脈硬化症)、パーキンソン病や他の錐体外路症状を呈する疾患
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- 英
- operation、surgery、operate
- 関
- 機能、外科、外科学、作動、操作、オペ、外科術、運用、操縦、術、外科手術、施行
脳外科
心臓外科
消化器
食道
直腸
-
耳鼻科
婦人科
子宮奇形
産科
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- 英
- operation for achalasia, operation for esophageal achalasia
- 同
- 特発性食道拡張症手術 idiopathic dilatation of esophagus operation for idiopathic esophageal dilatation、機能的食道拡張症手術 機能的食道拡張手術 functional esophageal dilatation、噴門痙攣症手術 operation for cardiospasm、巨大食道症手術 operation for megaesophagus
- 関
- アカラシア、噴門形成術
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- 英
- laparoscopic operation for esophageal achalasia
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- 英
- thoracoscopic operation for achalasia
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- 英
- chalasia
- 関
- 食道カラシア