- 英
- tricuspid atresia TA
- 同
- 三尖弁閉鎖
- 関
- 先天性心疾患、三尖弁、単心室
まとめ
- 先天的に三尖弁が閉鎖している疾患であり、大血管転位の有無、肺動脈狭窄/閉塞などのバリエーションがあるが、共通して言えることは肺循環、体循環の血流が左心室のみから駆出されることにより、左室肥大、チアノーゼを呈する疾患ということである。治療は肺動脈血流量のコントロール(BAS/Blalock-Hanlon手術, PA banding)をした後に、根治的にFontan手術を行う。(YN.C-126 SSUR.372)
概念
- 心房心室中隔の整列異常により、三尖弁口が心室中隔により閉鎖されている先天性心疾患
病型
- a:VSD(-)、肺動脈閉鎖。RA→ASD→LA→LV→A.Aorta→arterial canal→PA。動静脈血混合。
- b:VSD(小)、肺動脈狭窄。RA→ASD→LA→LV→小さいVSD→狭窄したPA。動静脈血混合。肺動脈血流量が少ない。
- c:VSD(大)、肺動脈正常。
病態
- 肺血流減少群(肺動脈閉鎖あるいは狭窄合併例。Ia型、Ib型):生下時より高度チアノーゼ、体重増加不良、低酸素発作。
- 肺血流増加群(心室中隔欠損孔が大きく、肺動脈狭窄の合併はない。Ic型):軽度チアノーゼ。うっ血性心不全。
症状
検査
胸部単純X線写真
治療
- 心房間短絡狭小例:balloon atrio-septostomy(BAS)
予後
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/11/09 23:22:04」(JST)
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心臓弁膜症のデータ |
ICD-10 |
I05-I08, I34-I39 |
統計 |
出典: |
世界の患者数 |
人
(20xx年xx月xx日) |
日本の患者数 |
人
(20xx年xx月xx日) |
学会 |
日本 |
|
世界 |
|
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心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう、英: valvular disease of the heart)は、心臓にある4つの弁のうちのひとつまたは2つ以上が機能障碍を起こす疾患の総称である。弁膜性心疾患と呼ぶ場合もある。
目次
- 1 概要
- 2 原因
- 3 種類
- 3.1 大動脈弁領域の疾患
- 3.1.1 大動脈弁狭窄症
- 3.1.2 大動脈弁閉鎖不全症
- 3.2 肺動脈弁領域の疾患
- 3.2.1 肺動脈弁狭窄症
- 3.2.2 肺動脈弁閉鎖不全
- 3.3 三尖弁領域の疾患
- 3.3.1 三尖弁狭窄症
- 3.3.2 三尖弁閉鎖症
- 3.3.3 三尖弁閉鎖不全症
- 3.4 僧帽弁領域における疾患
- 3.4.1 僧帽弁狭窄症
- 3.4.2 僧帽弁閉鎖不全症
- 4 統計
- 5 合併症
- 6 治療
- 7 診療科
- 8 各国において
- 9 関連項目
概要[編集]
ヒトの心臓は内部が4つの部屋(心房・心室)に分かれている。各部屋の出口には膜でできた弁があり、血液の逆流を防いでいる。この弁が何らかの原因によって硬化もしくは破損すると、血液の通過障害や逆流が起きる。これが心臓弁膜症である。心臓には4つの弁があり、障害される弁によって出現する症状が異なる。
原因[編集]
種類[編集]
大動脈弁領域の疾患[編集]
大動脈弁狭窄症[編集]
詳細は「大動脈弁狭窄症」を参照
大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう; AS)は、左心室から大動脈へ血液を流す大動脈弁が狭まった病気。
- 病態
- 狭まった大動脈弁に血液を通そうとして左心室が頑張り過ぎて左心室に負担が掛かる。左心室に負担が掛かる事を左室負荷という。
- 分類
- に分けられる。
- 統計
- 先天性 (ICD-10: Q23.0)
- 後天性 (ICD-10: I35.0)
- 治療
- 手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術では石灰化など器質的変化の強い大動脈弁を人工弁に取り替える。開胸術による弁置換が一般的である。
大動脈弁閉鎖不全症[編集]
詳細は「大動脈弁閉鎖不全症 」を参照
大動脈弁閉鎖不全症(だいどうみゃくべんへいさふぜんしょう; AR)は、大動脈弁が締まり切らない病気。
- 病態
- 拡張期に血液が大動脈から左心室に逆流してくるために、拡張期に開くはずの僧帽弁をこの血流が押して、相対的僧帽弁狭窄が生じる。
- 分類
-
- 梅毒性 (ICD-10: A52.0)
- リウマチ性 (ICD-10: I06.1)
- (ICD-10: I35.1)
- 先天性 (ICD-10: Q23.1)
- に分けられる。
- 検査
- 身体基本検査
-
- 聴診
- III音 : 拡張早期に大動脈から勢いよく逆流して来た血液が心室壁を振動させる事で生じる。
- オースチン・フリント雑音(Austin-Flint雑音) : 狭窄させられた僧帽弁を血液が通過する際に生じる雑音。
肺動脈弁領域の疾患[編集]
肺動脈弁狭窄症[編集]
詳細は「肺動脈弁狭窄症」を参照
肺動脈弁狭窄症(はいどうみゃくべんきょうさくしょう; PS)は、肺動脈弁が狭まった病気。
- 病態
- 狭まった肺動脈弁に血液を通そうとして右心室が頑張り過ぎて右心室に負担が掛かる。右心室に負担が掛かる事を右室負荷という。
- 分類
-
- 先天性 (ICD-10: Q22.1)
- 後天性 (ICD-10: I37.0)
- に分けられる。
- 症状
- 右室負荷によって右室の壁が厚くなる。右室の壁が厚くなる事を右室肥大と言う。
- 治療
- 右室圧が上昇してきたら手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術ではなく血管内カテーテル手術で行う。この血管内カテーテル手術は経皮的バルーン肺動脈形成術と言い、中心静脈からカテーテルを入れて、順行性に右心房、右心室、肺動脈へ向かい、バルーン(蒸留水で満たした風船)を膨らませてたり、ステント(金属等の網で出来た筒)を置いて狭まった部分を広げて、肺動脈弁を修復する。
肺動脈弁閉鎖不全[編集]
詳細は「肺動脈弁閉鎖不全症」を参照
肺動脈弁閉鎖不全症(はいどうみゃくべんへいさふぜんしょう: PR)は、肺動脈弁が締まり切らない病気。
三尖弁領域の疾患[編集]
三尖弁狭窄症[編集]
三尖弁狭窄症(さんせんべんきょうさくしょう: TS)は、三尖弁が狭まった病気。
-
- 概要
-
- 器質的; 右心房から右心室へ向かう血流が、三尖弁の狭窄により阻害される。
- 機能的; 三尖弁通過血流の相対的な増加により、三尖弁通過不全状態となる。
- 病態
-
- 器質的; 肺動脈および肺へ供給される血流が減少する。また右心房では血流が停滞し、右心房圧が上昇する。
- 機能的; 原疾患による症状が主。
- 治療
- 症状が軽度であれば、内服薬での治療を行う。重症であれば、内科的なカテーテル治療や外科的な切開・形成・弁置換などが行われることもある。
三尖弁閉鎖症[編集]
詳細は「三尖弁閉鎖症」を参照
三尖弁閉鎖症(さんせんべんへいさしょう: TA; ICD-10: Q22.4)は、右心房から右心室へ血液を流す三尖弁が閉じている先天性の病気。
-
- 概要
- 右心房から右心室への血流が途絶するためこのままでは出生出来ないが、心房中隔欠損症を合併することが多くここで右左短絡を生じ、さらに動脈管開存症等の左右短絡を合併すると、両循環が成立して出生できる。
- 病態
- 大きな右左短絡から大きな左室負荷が掛かり左室肥大を来たし、右左短絡からチアノーゼを来たす。チアノーゼ性心疾患の一つ。
- 治療
- 外科的治療を行う。手術は、フォンターン手術(Fontan手術)と言い、未発達の右心室を経由せず右心房から肺動脈へ直接血液を流すように吻合する。
三尖弁閉鎖不全症[編集]
詳細は「三尖弁閉鎖不全症」を参照
三尖弁閉鎖不全症(さんせんべんへいさふぜんしょう: TR)は、右心房から右心室へ血液を流す三尖弁の閉鎖不全により血液が逆流する病気。
- 病態
- 心室が収縮時に右心室から肺動脈へ駆出するだけでなく、右心房にも逆流してしまうため、右心房にも負荷がかかるし、無駄な血流を補うだけ右心室も頑張らないといけないため右心負荷もかかる。
- 症状
- 右心不全により静脈血が心臓へ戻りにくくなるため、下肢の浮腫や経静脈の怒張、肝臓の腫大がみとめられる。
- 分類
-
- リウマチ性 (ICD-10: I07.1)
- 非リウマチ性 (ICD-10: I36.1)
- に分けられる。
僧帽弁領域における疾患[編集]
僧帽弁狭窄症[編集]
詳細は「僧帽弁狭窄症」を参照
僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう: MS)は、左心房から左心室へ血液を流す僧帽弁が狭まった病気。
- 病態
- 肺循環から戻ってきた血液が左房で鬱滞し、左房に負荷が掛かる。
- 分類
-
- (ICD-10: I05.0)
- 非リウマチ性 (ICD-10: I34.2)
- 先天性 (ICD-10: Q23.2)
- に分けられる。
- 治療
- 手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術ではなく血管内カテーテル手術で行う。血管内カテーテル手術は、大腿動脈からカテーテルを入れて、逆行性に大動脈、心室と向かい、僧帽弁を修復する。
僧帽弁閉鎖不全症[編集]
詳細は「僧帽弁閉鎖不全症」を参照
僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう: MR)は、僧帽弁が締まり切らない病気。
- 検査
-
- 身体基本検査
- 聴診
- III音 : 収縮期に心房へ逆流していた血液の分だけ拡張早期に心房から勢いよく血液が心室壁を振動させる事で生じる。
- 分類
-
- リウマチ性 (ICD-10: I05.1)
- (ICD-10: I34.0)
- 先天性 (ICD-10: Q23.3)
- に分けられる。
統計[編集]
リウマチ治療の進歩によって本症に至る症例は減ってきている。
合併症[編集]
治療[編集]
- 手術
- 開心術(弁置換術、弁形成術)
- 血管内カテーテル手術
診療科[編集]
各国において[編集]
日本[編集]
- 社会的影響
- 本症を取り上げた作品に橋本紡の小説(ライトノベル)「半分の月がのぼる空」がある。アニメ化及び実写ドラマ化もされ、また実写映画が2010年に公開された。
関連項目[編集]
心血管疾患 |
|
疾患 |
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心疾患
|
不整脈
|
徐脈性
|
洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
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|
頻脈性
|
上室性
|
洞性頻脈 | 心房細動 | 心房粗動 | ブルガダ症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群
|
|
心室性
|
心室細動 | 心室頻拍
|
|
|
|
虚血性心疾患
|
狭心症 | 急性冠症候群 | 心筋梗塞 | 冠動脈血栓症
|
|
弁膜性心疾患
|
僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症 | 三尖弁閉鎖不全症 | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症
|
|
先天性心疾患
|
心房中隔欠損 | 心室中隔欠損 | 心内膜床欠損症 | 動脈管開存症 | ファロー四徴症(極型ファロー四徴症) | 大血管転位(左旋性 · 右旋性) | 総肺静脈還流異常症 | 大動脈縮窄 | 左心低形成症候群 | 両大血管右室起始症 | 三尖弁閉鎖
|
|
心内膜・心筋
・心膜疾患
|
心内膜疾患
|
感染性心内膜炎
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|
心膜疾患
|
心膜炎(急性心膜炎 · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ
|
|
心筋疾患
|
心筋症(特発性拡張型心筋症 · 肥大型心筋症 · 拘束型心筋症 · 特発性心筋症) | 心筋炎
|
|
|
心臓腫瘍 | 心臓神経症 | 心臓性喘息 | 肺性心
|
|
|
血管疾患
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動脈
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動脈硬化 | 大動脈瘤 | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群 | 動静脈瘻 | 閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | レイノー病
|
|
静脈
|
静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
|
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全
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血圧異常
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高血圧
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本態性高血圧症 | 二次性高血圧 | 悪性高血圧症
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低血圧
|
|
|
心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査
|
|
|
治療 |
|
外科的治療
|
冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー
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内科的治療
|
心臓作動薬
|
抗不整脈薬
|
Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
|
|
心不全治療薬
|
利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤
|
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狭心症治療薬
|
交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
|
|
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血管作動薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
|
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|
|
|
循環器系の正常構造・生理 |
|
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Japanese Journal
- 三尖弁閉鎖症を合併した歯科治療患者の鎮静管理経験 : 近赤外線酸素モニターの応用
- 四戸 豊,小川 さおり,坂本 望,佐藤 健一,佐藤 雅仁,城 茂治
- 岩手医科大学歯学雑誌 34(2), 51-58, 2009-08-20
- We experienced intravenous sedation management of a patient who had the tricuspid atresia (TA, 1b) and also investigated the change in intracerebral oxygen environment during intravenous sedation usin …
- NAID 110007339201
- Total cavo-pulmonary connection conversion後の中遠隔期成績の検討
- 上松 耕太,石原 和明,岩田 祐輔,黒澤 博身
- 東京女子医科大学雑誌 78(12), 531-537, 2008-12
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- 栄養管理にて良好な成長発育が得られた三尖弁閉鎖症術後腎不全の1乳児例
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- 日本小児腎不全学会雑誌 : 小児腎不全研究会記事 28, 76-77, 2008-08-31
- NAID 10025701542
- 三尖弁閉鎖症術後 (Bjork 手術) の心房頻拍に対してカテーテルアブレーションを施行した1症例(第98回日本循環器学会九州地方会)
- 市来 仁志,石田 実雅,濱崎 秀一,片岡 哲郎,折原 弘治,小川 正一,福留 剛,才原 啓司,奥井 英樹,白澤 尚宏,窪薗 琢郎,溝口 悦子,二宮 雄一,松下 毅彦,皆越 真一,鄭 忠和
- Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society 69(Supplement_III), 1001, 2005-10-20
- NAID 110004051543
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★リンクテーブル★
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- 1歳11か月の男児。手術のため入院した。出生直後からチアノーゼと心雑音とを指摘され、生後1か月目に右側のBlalock-Taussig短絡術を受けた。意識は清明。身長85cm、体重12kg。口唇に中等度のチアノーゼを認める。胸骨左縁第4肋間に2/6度の収縮期雑音を聴取する。血液所見:赤血球632万、Hb18.8g/dl、Ht54%、白血球9,400。心臓カテーテル検査所見:肺動脈圧12mmHg、右室圧74mmHg、左室圧74mmHg、Qp/Qs 0.6。心電図と心エコー図とを以下に示す。
[正答]
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- 2か月の乳児。顔色不良を主訴に来院した。呼吸数36/分、脈拍132/分、整。血圧80/50mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>85%。心雑音はないが、II音は単一である。胸部エックス線写真で心胸郭比0.5、肺血管陰影は減弱している。心電図と心エコー図とを以下に示す。
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[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E023]←[国試_099]→[099E025]
[★]
- 英
- congenital heart disease, CHD
- 同
- 先天性心血管奇形 congenital cardiovascular anomaly
- 関
- 先天性心奇形
先天性心疾患.xls
先天性心疾患
右→左シャントが優位な疾患 チアノーゼ性心疾患
左→右シャントが優位な疾患 非チアノーゼ性心疾患
疫学
症状
- 参考文献(2)より
心疾患による症状
|
|
肺血流増加
|
肺血流減少
|
低心拍出
|
1.新生児期・乳児早期
|
多呼吸,陥没呼吸, 呼吸困難,喘鳴, 多汗, 哺乳障害
|
チアノーゼ
|
蒼白,末梢冷感, 冷汗,網状チアノーゼ, 体重増加不良, 弱い泣き声
|
2.乳幼児期
|
多呼吸, 易感染性,反復する肺炎
|
チアノーゼ, 低酸素発作, 蹲踞
|
体重増加不良, 運動発達遅延, 易疲労性, 顔色不良,やせ
|
3.小児期
|
運動能低下, 息切れ
|
ばち状指
|
運動能低下, 動悸
|
4.思春期以後 合併症による症状
|
胸痛,失神発作,突然死,喀血,不整脈,出血傾向,痛風,けいれん 等
|
|
|
酸素投与の悪影響(1)
- 1)動脈管依存型 → 酸素投与により動脈管が閉鎖方向に向かう
-
- 肺動脈閉鎖、右室低形成、重症肺動脈狭窄
- 大動脈縮窄・大動脈離断、大動脈閉鎖
- 2)肺循環負荷型 → 酸素投与により肺血管が拡張し、肺血管抵抗も減少して肺うっ血が増強
-
- 心室中隔欠損、大動脈縮窄複合、完全心内膜床欠損、総動脈幹遺残、
- 完全大血管転位(II型)、三尖弁閉鎖(C型)、大動脈肺動脈窓など
- 総肺静脈環流異常、三心房心、僧帽弁狭窄、肺静脈狭窄など
合併症
- QB.C-478
先天性疾患と先天心疾患
参考文献
- http://nmcg.shiga-med.ac.jp/rc_lecture/lecture21.htm
- (2) 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf
[★]
- 英
- operation、surgery、operate
- 関
- 機能、外科、外科学、作動、操作、オペ、外科術、運用、操縦、術、外科手術、施行
脳外科
心臓外科
消化器
食道
直腸
-
耳鼻科
婦人科
子宮奇形
産科
[★]
- 英
- Fontan procedure
- 同
- 心房肺動脈吻合術 univentricular repair
- フォンタン術、Fontan手術、Fontan術、Fontan-Kreutzer手術
- 関
- ファロー四徴症、グレン手術
概念
- 単心室(三尖弁閉鎖症は単心室という広い疾患概念に含まれる)の根治手術。右房-肺動脈バイパス術。
- 右室を介さずに体循環から肺循環に血液を送り込む循環を形成する手術となる。
バリエーション
- フォンタン原法、
- Kreutzer変法
- TCPC手術
- 人工血管によるTCPC法
対象疾患
手術の概要
- 手術方法にはバリエーションがあるが、上大静脈と下大静脈をそれぞれ肺動脈に吻合し、左右の肺動脈分岐部から肺動脈間を結紮、あるいは切離し、一つの心室を体循環に用いるようにする。
シュサの10項目
- Choussat et al (1977)
- 4歳以上であること age older than 4 years
- 洞調律であること sinus rhythm
- 静脈還流が正常 normal systemic venous return
- 右心系の容量(RA,RVのvolume??)が正常であること normal right atrial volume
- 平均肺動脈圧が15mmHgであること mean pulmonary artery pressure less than 15 mm Hg
- 肺細動脈抵抗が4 Wood units/m2であること pulmonary arteriolar resistance less than 4 Wood units/m2
- pulmonary artery-aorta ratio more than 0.75
- 左室駆出分画が0.6以上であること left ventricular ejection fraction more than 0.60
- 僧帽弁に異常がないこと competent mitral valve
- 肺動脈に捻れがないこと absence of pulmonary artery distortion
参考
- 2. シェーマ lateral tunnel fontan, extracardiac fontan
- http://4.bp.blogspot.com/_AbLNpU_GDyQ/S85OiNhvTgI/AAAAAAAAAH8/vllsnnwPKss/s1600/Fontan+.jpg
- 3. シェーマ 左心低形成症候群に対する第3期手術。フォンタン変法
- http://www.abcparma.it/sindrome_fig%203.gif
- http://www.hgexperts.com/article.asp?id=7948
[★]
- 同
- チアノーゼ性心奇形?
- 関
- チアノーゼ性先天性心疾患
[★]
- 英
- single ventricle、univentricular heart
- 同?
- 単心室
- 関
- 先天性心疾患
病型
- 参考3
参考
- http://www.yorksandhumberhearts.nhs.uk/templates/Page.aspx?id=419
- http://lunaandwe.blogspot.com/2010/04/single-ventricle-alphabet-soup.html
- http://www.ctsnet.org/graphic/66_2_1.jpg
[★]
- 英
- tricuspid valve (Z), TV
- ラ
- valva tricuspidalis
- 同
- 右房室弁 right atrioventricular valve valva atrioventricularis dextra
- 関
- 房室弁
臨床関連
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- closure
- 同
- 縫合
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- atresia
- 関
- 閉鎖、閉塞症