- 英
- Mallory-Weiss syndrome
- 同
- Mallory-Weiss症候群。Mallory-Weiss裂傷? Mallory-Weiss tears? Mallory-Weiss lesion Mallory-Weiss laceration
概念
- 定義:「嘔吐などにより腹腔内圧が急激に上昇して噴門部近傍に裂創が発生し、これを出血源として顕出血をきたしたもの」
- 頻回かつ激しいの嘔吐により粘膜裂傷を生じこれにより吐血する病態。
- 胸腔内圧の上昇により食道胃接合部付近に粘膜下層までの裂創を来たす。裂創は噴門部小弯部に好発する。
- 典型的には激しい嘔吐を繰り返し、2回目以降の嘔吐で多量の新鮮血を認めることが多い。
- 嘔吐を繰り返すどんな病態もMallory-Weiss症候群の引き金となり得る。
頻度
- 30-50歳代の男性に多く、全消化管出血例の約3-15%を占める。
原因
- 嘔吐(アルコール多飲、妊娠悪阻、乗り物酔い、脳腫瘍、髄膜炎、内視鏡検査時の嘔吐反射誘発)
- 咳嗽、くしゃみ、排便、分娩後 → 腹腔内圧および胃食道内圧の上昇
症状
Mallory-Weiss症候群自体で胸痛や腹痛を伴うことは少ない。
検査
- 上部消化管内視鏡:食道から胃噴門部小弯にかけて縦走する裂創を認める(主に接合部直下の胃側に生じるが、時に接合部をまたいで食道に及ぶことがある)。小弯に次いで後壁に多い。裂創は1-2 条が多く、深さは粘膜に限局することが多い。
- 胸部レントゲン:縦隔に気腫がないことを確認
- 胸部レントゲン:縦隔に気腫がないことを確認
分類
- I群:胃限局型 → 最も多い
- II群:食道、胃併存型
- III群:食道限局型
診断
鑑別診断
- IMD.843
治療
- 保存的治療でほとんどが自然止血され、再出血することはあまりない。
- 絶食、点滴、安静、輸血、止血剤投与
- 止血困難であれば、クリッピング術を施行する。
臨床経過
国試
参考
- http://vitaminex.exblog.jp/9065112
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/20 16:52:24」(JST)
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マロリー・ワイス症候群(Mallory-Weiss syndrome)とは、嘔吐後に下部食道に裂傷が生じ、出血を起こす症候群である。
目次
- 1 原因
- 2 疫学
- 3 症状
- 4 診断
- 5 治療
- 6 歴史
- 7 関連項目
原因
基本的には嘔吐で起こる嘔吐物の移動。外部的に何らかのショックを受けた後は胃または食道のショックの収縮による機械的刺激によって裂傷が生じる事が多いと考えられている。食道裂孔ヘルニアを伴っていることが多い。飲酒後、乗り物酔い、悪阻などが原因として多い。
疫学
消化管出血の約5%を占める。男性に多く、30〜50歳に多い。
症状
吐血が症状としては多いが、約10%は下血のみとなる。大量出血した場合はショック状態となりうる。
診断
内視鏡が最も有用である。嘔吐後の吐血という病歴の聴取が診断の手がかりとなる。
治療
大量出血した場合は輸血が必要となることもあるが、そうでなければ経過観察で問題ない。止血に時間がかかる場合は内視鏡下で止血し、それでもなお止血が困難であれば手術をすることもある。
歴史
1929年にジョージ・ケネス・マロリーとソーマ・ワイスが初めて報告した。マロリー・ワイス症候群の名は彼らに由来する。
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- カラービジュアルで理解! 消化器疾患ナビ(4)マロリー・ワイス症候群(mallory-weiss syndrome)
- 渡部 宏嗣,山田 篤生,岡 志郎,田中 信治,小池 和彦
- 日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy 54(5), 1678-1685, 2012-05-20
- … ながら行う.検査のすべての段階で,内視鏡をオーバーチューブ先端から最低20センチ以上突出させて行う必要がある.すべての操作は原則として直視下に行う必要がある.われわれが現在までに行ったスパイラル小腸内視鏡検査31例中16例に小腸病変を認めた.1例にマロリーワイス症候群を来たした.検査中比較的多量の鎮静剤も必要であり,今後更なる検査手技の習熟・改善が必要と思われる. …
- NAID 10030961242
- Alport 症状を伴った May-Hegglin 異常症の1透析導入例
- 渋谷 純,木谷 茜,黒田 達実
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 44(8), 689-694, 2011-08-28
- … ,腎炎)の発現に重要な役割を担っているものと考えられている.症例は45歳,女性.2007年6月より全身倦怠感,頻回の嘔吐を主訴として入院となった.胃内視鏡検査では潰瘍の所見はなくマロリーワイス症候群と診断され止血処置が施行された.末梢血のMay-Giemsa染色では血小板減少,巨大血小板,顆粒球封入体を認めた.血液生化学では著明なクレアチニンの上昇を認め血液透析治療を開始した. …
- NAID 10029583083
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- マロリー・ワイス症候群。マロリー・ワイス症候群とはどんな病気か 1929年、マロリーと ワイスという医師が飲酒後、嘔吐を繰り返すうちに吐血した患者さんを調べたところ、胃 の噴門部(ふんもんぶ)に縦走する裂創(れっそう)からの出血 gooヘルスケア 家庭の ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- spontaneous esophageal rupture, spontaneous rupture of the esophagus,
- 同
- ブールハーフェ症候群 Boerhaave症候群 Boerhaave syndrome Boerhaave's syndrome
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概念
- 食道内圧が急激に上昇(嘔吐、排便、分娩、咳)による有痛性の食道破裂で、特に横隔膜直上の下部食道が長軸・線状に破裂する。
- 食道下部の左壁に好発する(周囲の支持組織を欠くため)
- 食道粘膜全層の損傷 ⇔ マロリー・ワイス症候群(粘膜下層まで)
疫学
- 医療救急パーフェクトマニュアル改訂版 p.47
好発部位
- 医療救急パーフェクトマニュアル改訂版 p.47
症状
- 激烈な胸痛、心窩部痛、呼吸困難を訴え、縦隔気腫、膿気胸を認める。
- 二次的に縦隔気腫、皮下気腫、縦隔炎、胸水、気胸などが起こる。
身体所見
検査
- 胸腹部単純X線写真 + 水溶性造影剤(ガストログラフィン)を用いた食道造影
- 胸腹部単純X線写真:縦隔拡大、縦隔の変異、縦隔気腫像
- 食道造影:ガストログラフィンの食道外漏出
鑑別疾患
- 医療救急パーフェクトマニュアル改訂版 p.47
確定診断
- 医療救急パーフェクトマニュアル改訂版 p.47
治療
予後
- 縦隔炎は重篤
- 未治療24時間以上で死亡率70%以上(医療救急パーフェクトマニュアル改訂版 p.47)
国試
[★]
- 英
- upper gastrointestinal hemorrhage、gastrointestinal bleeding GIB
- 関
- 下部消化管出血、消化管出血、吐血
概念
上部消化管出血をきたす疾患
YN.A-40
IMD.382
- 1. 消化性潰瘍(胃潰瘍が十二指腸潰瘍の1.6-3倍)
- 2. 急性胃粘膜病変
- 3. 食道静脈瘤・胃静脈瘤
- 4. 悪性腫瘍
- 5. マロリー・ワイス症候群
頻度順
検査
- BUN/Cr比:有効循環血液量に対する反応として、腎前性高窒素血症が見られる。BUN 40mg/dl以上でCrが正常であれば1000ml以上の出血が考えられる。(IMD.386)
[★]
マロリー・ワイス症候群
[★]
マロリー・ワイス症候群
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候