- 英
- acute myeloid leukemia AML, acute myelogenous leukemia, acute myelocytic leukemia
- 同
- 急性骨髄芽球性白血病 acute myeloblastic leukemia
- 関
- 骨髄性白血病、白血病、急性白血病。急性非リンパ性白血病、急性非リンパ球性白血病
[show details]
en
"acute myeloid leukemia" の検索結果 約 871,000 件中 1 - 100 件目 (0.27 秒)
"acute myelogenous leukemia" の検索結果 約 2,130,000 件中 1 - 100 件目 (0.29 秒)
"acute myelocytic leukemia" の検索結果 約 85,100 件中 1 - 100 件目 (0.44 秒)
jp
"acute myeloid leukemia" に一致する日本語のページ 約 36,400 件中 1 - 100 件目 (0.44 秒)
"acute myelogenous leukemia" に一致する日本語のページ 約 2,920 件中 1 - 100 件目 (0.40 秒)
"acute myelocytic leukemia" に一致する日本語のページ 約 417 件中 1 - 100 件目 (1.03 秒)
pubmed
"acute myeloid leukemia"Items 1 - 20 of 9850
"acute myelogenous leukemia"Items 1 - 20 of 4241
"acute myelocytic leukemia" Items 1 - 20 of 864
- see 白血病まとめ.xls
概念
- 骨髄で分化に異常をきたした白血球系の腫瘍性増殖により、末梢血に幼弱な細胞(未分化な細胞)が出現する病態である。このため、末梢血で幼弱な白血球と成熟した白血球のみしか観察されない(白血球裂孔)。骨髄では病的な白血球の増加により赤血球系、巨核球系の血球の増殖が抑制される。このような急性白血病の病態の中で、MPO染色において(leukemic blastの)3%以上が陽性の場合に急性骨髄性白血病と呼ばれる。
FAB分類
治療
- M3とそれ以外で異なる。
M3以外
化学療法
- 多剤併用化学療法による白血病細胞の完全な消失を目指す。寛解導入療法、地固め療法、維持療法/維持強化療法の段階に分けて治療を勧める。
造血幹細胞移植療法
対症療法
- 輸血(赤血球、血小板)、G-CSF、利尿薬、アロプリノール、ヘパリン、アンチトロンビン
M3
参考
- http://www.sysmex-tmc.co.jp/cd/rinsyou/demo/VI/HTML/6_2130.HTM
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/AML.html
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/13 20:27:09」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この項目では、急性白血病の中の急性骨髄性白血病について説明しています。
- より広範な総論的な事項の説明については「急性白血病」をご覧ください。
- 一般的な内容については「白血病」をご覧ください。
|
急性骨髄性白血病の所見を示す骨髄液。矢印の先にかろうじて見える棒状のものはアウエル小体と呼ばれるもので急性骨髄性白血病の多くで見られるものである。
|
ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
急性骨髄性白血病(きゅうせいこつずいせいはっけつびょう、英: acute myelogenous leukemia; AML)は白血病の一種で、骨髄系の造血細胞が腫瘍化し、分化・成熟能を失う疾患である(ICD-10: C92.0)。
目次
- 1 概要
- 2 症状
- 3 診断
- 4 治療
- 5 疫学
- 6 病型分類
- 7 脚注
- 8 参考文献
|
概要
正常な造血細胞は造血幹細胞から分化を始めた極初期にリンパ系と骨髄系の2系統に分かれ、それぞれ成熟していく。この造血細胞が腫瘍化したものが白血病であり、その中でも細胞が成熟能を失うものを急性白血病と呼ぶ。さらに急性白血病の中で白血病細胞に骨髄系への分化の傾向が見られるものを急性骨髄性白血病という[1]。骨髄系への分化は早い段階で止まり、正常に成熟することはない。
急性骨髄性白血病では白血病細胞は分化・成熟能に異常を来たし、白血病細胞は造血細胞の幼若な形態をとることから、芽球とも呼ばれる。急性骨髄性白血病はこの芽球が増殖する疾患である。
白血病細胞は正常な造血細胞と比べて増殖(細胞分裂)が速いわけではなく、むしろ増殖の速度は遅い[2]。正常な血球は寿命を持ち、造血が適切なコントロールを受けているために一定の数を保っている。しかし白血病細胞はコントロールを受けることなく増殖を続けるために無制限に数を増し、骨髄中で正常な造血細胞を圧倒して正常な造血を阻害し、骨髄中から末梢血へとあふれ出てくるのである[1][2]。
白血病細胞が増殖して骨髄を占拠してしまうために正常な造血が行えなくなり、赤血球、白血球、血小板が減少するために出血、易感染症、貧血などの諸症状を起こす。また、末梢血にあふれ出た白血病細胞が各臓器に浸潤し、各臓器の組織を破壊することで様々な症状を引き起こす[1]。
なお、慢性白血病は急性白血病が慢性化した疾患ではない。この両群の発生機序は基本的に異なり、急性白血病が慢性化することはないが、逆に慢性白血病が急性化することは少なからずある(急性転化)[1]。
症状
受診のきっかけとなる初期症状としては、
- 鼻血や歯肉からの出血が止まりにくい、紫斑、点状出血ができるなどの易出血症状
- 風邪だと思っていたがなかなか熱が下がらないなどの感染症
- 全身倦怠感・息切れなどの貧血症状
などがある。
健康診断で数値異常を指摘され、発見される場合もまれにはある。早期発見すれば当然症状も軽度であり、診断までの期間が遅れるほど白血病細胞は増加して初期症状の強さがまし、脾臓、肝臓やリンパ節などに浸潤して臓器腫大をきたし、様々な症状が現れるようになる[1]。
診断
通常、症状が出る段階になれば血液検査にて貧血、血小板減少が認められ、病院における標準的な血液検査さえ行えば健康人の末梢血では見られないはずの芽球が出現していることが多く、血液中に芽球が出現していれば専門医でなくとも白血病を疑うのはさほど難しくはない。ただし、血液中に芽球が出現する疾患、あるいは骨髄で芽球が正常より増える疾患は急性骨髄性白血病だけではなく、したがって2008年WHO分類では骨髄中の芽球の割合が20%以上と定義している。急性骨髄性白血病では症状がでる段階まで進んでいると、すでに体内の白血病細胞の総数は膨大なものになっているので、血液内科専門医を緊急に受診する必要がある。通常は診察を担当した医師がすぐさま血液専門医に紹介を行い血液専門医のいる病院に緊急に転院させる。血液専門医は白血病が疑われる場合、すぐに骨髄検査および遺伝子検査などを行い、診断を確定する[1]。
治療
診断確定後はすぐに入院し、複数の抗がん剤を用いての化学療法(寛解導入療法)を行いまずは寛解を目指す。寛解導入療法終了後、状態が落ち着けば地固めおよび強化療法・維持療法を繰り返し行い白血病細胞の根絶を目指す。予後不良が予想される病型や再発例には化学療法だけでなく造血幹細胞移植も検討される。急性前骨髄球性白血病 (AML-M3) 以外の型では 寛解導入剤として アントラサイクリン(ダウノルビシン)あるいは イダルビシン 3日間 と シタラビン(キロサイド)7日間の併用療法が一般的である。これで血液学的には白血病細胞が見られなくなった状態になれば完全寛解 CR とされる。しかし、血液学的に白血病細胞が見られなくなっても白血病の大本である白血病幹細胞は隠れて存在し、そのままでは再発するので、隠れた白血病幹細胞の根絶を目指す地固め療法を行う。地固め療法は アントラサイクリン, シタラビンに加え, エトポシドやビンカアルカロイドを加えた併用化学療法, あるいはシタラビン大量療法を行う。完全寛解の状態が5年続けば再発の可能性は低く治癒とみなしてよいとされている[1]。
造血幹細胞移植では、致死量をはるかに超えた大量の抗がん剤と放射線[註 1]によって白血病幹細胞を含めて病的細胞を一気に根こそぎ死滅させることを目指す(前処置という)。しかし、この強力な治療によって正常な造血細胞も死滅するので患者は造血能力を完全に失い、そのままでは患者は確実に死亡する。そのためにHLA型の一致した健康人の正常な造血幹細胞を移植して健康な造血システムを再建してやる必要がある[3][4]。
しかしこの方法(通常移植の前処置)はあまりに強力なため、体力の乏しい患者や高齢者は治療に耐えられない。そのためミニ移植という手段もある。ミニ移植では前処置の抗がん剤投与や放射線治療はあまり強力にはしない。その為に白血病幹細胞は一部が生き残る可能性は高いが、移植した正常な造血システムによる免疫によって残った白血病幹細胞が根絶されることを期待する。ただし、ミニ移植でもかなり強力な治療には違いないので、すべての患者が適応になるわけではない[5]。
急性前骨髄球性白血病(AML-M3)のみ治療法はまったく異なり、オールトランスレチノイン酸(ATRA)による分化誘導療法が用いられる(参考記事)。この薬剤の登場により, M3はAMLのなかで最も予後良好な群となった。しかし、治療中にレチノイン酸症候群と呼ばれる急激な白血球増加とARDS様の呼吸不全が生じることがあるため、予防として抗がん剤アントラサイクリンを併用する。レチノイン酸症候群が発症した場合は副腎皮質ホルモンを投与する。なお、ATRA治療中は、絶対にトラネキサム酸を投与してはならない(参考記事)。急性前骨髄球性白血病(AML-M3)が再発してしまった場合には亜ヒ酸が著効することが知られている[1]。
疫学
急性骨髄性白血病の発症率は年間人口10万人あたり3-4人と考えられている[6][7]ので年間人口10万人あたり500人強罹患[註 2]するがん全体の中では稀ながんである[8]。しかし、他のがんは青年者ではほとんど罹患しないので青年者のがんの中では急性骨髄球性白血病はもっとも頻度が高く、また青年者の死亡のなかで急性骨髄性白血病による死亡は事故死についで多い[9]。
とはいえ急性骨髄性白血病は若年者も発症するものの、高齢者の発症率はより高い為、人口の高齢化とともに発症率は増加している[6][7]。
病型分類
骨髄の中には造血幹細胞から種々の血球に分化していく途中の細胞があり、それらの内のどの段階の細胞が腫瘍化したかによるFAB分類 (French-American-British criteria) に基づいてM0-M7の病型、およびそれらの亜型に分類される。FAB分類は染色を用いた顕微鏡的観察に基づくものである。近年は分子遺伝学的な観点に基づいたWHO分類が用いられてきている(下記参照)。
FAB分類
腫瘍細胞の形態を重視し、それに細胞化学染色(ペルオキシダーゼ染色等)を組み合わせて判断する。近年は細胞表面マーカーも診断に用いられるようになっているが、あくまで補助的なものと考えるべきである。M0、M7以外はミエロペルオキシダーゼ (MPO) 陽性である。
- M0 急性骨髄球性白血病、未分化型
- 最も未分化なタイプであり、MPO陰性。CD13・CD33陽性。全体の5%(成人)。
- M1 急性骨髄芽球性白血病
- 芽球が90%以上。
- M2 分化傾向を持つ急性骨髄芽球性白血病
- t(8;21)、(q22;q22)転座が代表的な遺伝子異常。t(8;21)のものは化学療法の感受性が極めて高い。成熟傾向のある顆粒球系細胞が10%以上存在。AMLの中では比較的予後良好。
- M3 急性前骨髄球性白血病 (APL)(ICD-10: C92.4)
- 前骨髄球の腫瘍。前骨髄球は、血液を凝固させるトロンボプラスチンという物質に似たトロンボプラスチン類似様物質を大量に持つため、大量のがん化した前骨髄球が壊される際に大量のトロンボプラスチン類似様物質が血中に漏れ出し、激烈な播種性血管内凝固 (DIC) を伴うことが多いため、脳出血などによる早期の死亡リスクが高く、注意を要する。
- 血液検査では、白血球中に多く含まれるミエロペルオキシダーゼ (MPO) が細胞の分裂と破壊の亢進により高値になる。白血球数は正常な場合も多く参考にならないが、骨髄の白血球分画を見ると、骨髄細胞が増えすぎて過形成を起こしていたり、アズール顆粒と言うトロンボプラスチン類似様物質を前骨髄球の細胞質中に認めたりする。また、アズール顆粒が集まり融合するとアウエル小体と呼ばれる針状の構造を形成する。特に多量のアウエル小体を前骨髄球中に認める場合、ファゴット細胞 (faggot cell) と呼ばれる。
- 治療は、ビタミンA製剤である全トランスレチノイン酸 (all-trans retinoic acid, ATRA) の投与による分化誘導療法を行う。予後は、分化誘導療法での完全寛解、および長期生存が期待でき、AMLのなかでは良好な部類に属する。レチノイン酸症候群(白血球上昇を伴うARDS様呼吸不全)の予防として抗がん剤を併用することが多い。またレチノイン酸症候群が発症した場合は副腎皮質ホルモンを用いる。なお、ATRA投与例に対しては、トラネキサム酸(トランサミン)は絶対に投与してはいけない(参考文献)。
- 染色体異常として、15番染色体と17番染色体の相互転座(t(15;17)と表す)と呼ばれる現象が認められる。t(15:17)(q22;q21)はPML-レチノイン酸レセプター (RARα) 異常を来す。PML/RARαは正常RARと異なりコリプレッサーと解離しにくいが、ATRA投与により解離し、転写が進行し、APL細胞は分化を開始する。
- なお、2004年10月、再発例、および難治性の症例を適応として、三酸化二ヒ素(亜ヒ酸)製剤が厚生労働省から承認された。
- M4 急性骨髄単球性白血病 (AMMoL)
- M4Eoではinv(16),t(16;16)転座が代表的な遺伝子異常。化学療法の感受性が高い。
- M5 急性単球性白血病 (AMoL)
- 骨髄有核細胞中で単級系が80%以上を占める。特異的エステラーゼは陰性であるが、非特異的エステラーゼが強陽性となることが多い。11q23(MLL遺伝子)の異常を伴うものがある。
- M5a
- 単芽球が単球細胞の80%以上を占める未分化型場合。MPO陰性であることもある。
- M5b
- 単芽球が単球細胞の80%未満の時。
- M6 赤白血病
- 骨髄有核細胞中赤芽球が50%以上あり、赤血球を除いた細胞中で骨髄芽球が30%以上を占めるもの。
- M7 急性巨核芽球性白血病
- 白血病細胞は小型で偽足様突起を持つ。MPO陰性であるが、PPO、CD41、CD61陽性。予後は極めて不良。
WHO分類
近年では、血液腫瘍疾患における病態生理の分子レベルでの解明に従い、分類の再構成が試されてきた。その結果、2000年にはWHO造血器・リンパ組織・腫瘍分類が発表された。WHO分類では急性骨髄性白血病は大きく以下の四つに分けられる。
- 再現性のある染色体転座を伴うAML (AMLs with recurrent cytogenetic translocations)
-
- t(8;21)(q22;q22) 転座を持つAML
- FAB分類のM2の一部
- 急性前骨髄球性白血病 (Acute promyelocytic leukemia)
- FAB分類のM3。転座t(15;17)がみられる
- 骨髄中の好酸球増加を伴うAML(AML with abnormal bone marrow eosinophils)
- FAB分類でのM4Eoに相当する。inv(16)(p13;q22),t(16;16)(p13;q22)転座がみられる
- 11q23MLL異常を伴うAML (AML with 11q23 abnormalities)
-
この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
- 多系列の異形成を伴うAML (AML with multilineage dysplasia)
-
- 骨髄異形成症候群由来のAML
-
この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
- 骨髄異形成症候群由来でないAML
-
この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
- 治療関連性のAMLと骨髄異形成症候群 (AML and myelodysplastic syndromes, therapy-related)
-
- アルキル化薬によるもの
- 投与後5~6年で骨髄異形成症候群をへて急性骨髄性白血病へと移行する。
- Epipodophyllotoxinによるもの
-
この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
- 他に分類できないAML (AML not otherwise categorized)
- FAB分類のM0,M1,M2,M4,M5,M6,M7やその他が含まれる。治療や予後を考える上ではさほど重要ではない分類であったため、残りはここにすべて含まれた。
脚注
註釈
- ^ 施設や状況によって異なるが、標準的な前処置では放射線を2Gy×6回で計12Gyと同時に抗がん剤のシクロホスファミドを120mg/体重1kgあたりを投与、あるいはブスルファン12.8mg/kgとシクロホスファミドを120mg/kgを投与するが-出典、豊嶋『造血幹細胞移植』p.60-63、放射線6Gyだけでも致死量と言われ-出典がんサポート情報センターブスルファン12.8mg/kgとシクロホスファミドを120mg/kgも致死量をはるかに超えている。放射線量や抗がん剤の量を増やすほど再発の可能性は低くなるが治療関連死は増える。-出典、豊嶋『造血幹細胞移植』p.60-63
- ^ 罹患と発症は違う物で、その病気にかかったら症状が無くとも罹患、病気にかかって症状が出たら発症である。ただし、急性骨髄性白血病では罹患率と発症率には大きな差はないのでここでは明確には区別していない。
出典
- ^ a b c d e f g h 国立がん研究センター・白血病2011.04.16閲覧
- ^ a b 浅野『三輪血液病学』p300
- ^ http://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/HSCI/index.html 国立がん研究センター・造血幹細胞移植]2011.06.09閲覧
- ^ 愛知県がんセンター・造血幹細胞移植の基礎知識2011.06.09閲覧
- ^ http://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/HSCI/mini_transplant.html 国立がん研究センター・造血幹細胞移植ミニ移植] 2011.06.09閲覧
- ^ a b 杉本『内科学』p.1651
- ^ a b 小川『内科学書』p.118
- ^ 財団法人がん研究振興財団・部位別がん粗罹患率2011.04.27閲覧
- ^ 愛知県がんセンター・白血病の発生率2011.04.27閲覧
参考文献
書籍
- 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』文光堂、2006年、ISBN 4-8306-1419-6
- 小川聡 総編集 『内科学書』Vol.6 改訂第7版、中山書店、2009年、ISBN 978-4-521-73173-5
- 杉本恒明、矢崎義雄 総編集 『内科学』第9版、朝倉書店、2007年、ISBN 978-4-254-32230-9
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 臨床報告 急性白血病患者に発症したTrichosporon asahiiによる内因性真菌性眼内炎
- 急性骨髄性白血病/慢性骨髄性白血病 (造血器腫瘍学 : 基礎と臨床の最新研究動向) -- (小児造血器腫瘍の臨床)
- 小児白血病の分類と特徴 (造血器腫瘍学 : 基礎と臨床の最新研究動向) -- (小児造血器腫瘍の臨床)
- 再発・難治急性骨髄性白血病の治療 (造血器腫瘍学 : 基礎と臨床の最新研究動向) -- (骨髄系腫瘍の臨床)
Related Links
- 急性骨髄性白血病(きゅうせいこつずいせいはっけつびょう、英 acute myelogenous leukemia, AML)とは白血病の一種で、骨髄系の造血細胞が腫瘍化し、分化・成熟能を 失う疾患である。(ICD-10: C92.0) ...
- 2006年10月1日 ... 急性骨髄性白血病(きゅうせいこつずいせいはっけつびょう) ... 分類方法だけでなく、 FAB分類で骨髄中の芽球の割合を「30%以上」としていた急性骨髄性白血病の定義を、 新しいWHO分類では、「20%以上」としていることも大きな違いです。
- 急性骨髄性白血病では、未熟な白血球が急速に骨髄に蓄積して、正常な血球をつくる 細胞を破壊します。白血病細胞は血流に放出されて他の臓器に運ばれ、そこで成長と 増殖を続けます。これが皮膚や歯ぐきの表層付近や、眼の中に小さなかたまり(緑色腫) を ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 遠山○男、48歳の男性。急性骨髄性白血病と診断され、現在、寛解導入化学療法中である。昨日の血液検査では白血球1,760、血小板2.6万であった。本日午前10時ころ、心窩部痛とともに大量の吐血があり血圧が低下した。救急部と消化器内科とから医師が呼ばれ、緊急の救命処置がとられた。緊急内視鏡検査で胃潰瘍からの動脈性の出血を認め、内視鏡的に止血を試みたが、充分な止血が得られなかった。緊急に輸血が必要と考え、A医師によってO型Rh(+)赤血球濃厚液6バッグが輸血部にオーダーされた。15分後、交叉試験済みの血液6バッグが病棟に届けられ、4バッグがすぐに輸血され、2バッグは病棟の冷蔵庫に保管された。この病棟では、血液保管用冷蔵庫は4つの部分に分けられ血液型ごとに分けて保管することになっていた。患者の血圧がさらに下がったため、A医師の指示で輸血が追加されることになった。冷蔵庫から輸血バッグが看護師によってベッドサイドに運ばれ、B医師によって輸液ルートにつながれた。約10分後、A医師が輸血されている輸血バッグはO型Rh(+)であるものの「遠藤△子」と記されていることに気付いて、直ちに輸血を止めた。
- この事故において最も重大な過誤はどれか。
- a. 余分の血液バッグを病棟で保存した。
- b. 冷蔵庫の内部を血液型ごとに分けた。
- c. 冷蔵庫から持ち出す際に名前を確認しなかった。
- d. 輸血を指示した医師と実際につないだ医師が異なった。
- e. 輸血バッグを輸液ルートにつなぐ際に名前を確認しなかった。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D029]←[国試_100]→[100D031]
[★]
- 59歳の男性。易疲労感と発熱とを主訴に来院した。2か月ほど前から易疲労感を自覚していた。2週前に感冒様症状と37℃前後の微熱とを自覚し自宅近くの診療所で投薬を受けたが改善しなかった。身長 169cm、体重 66kg。体温 37.5℃。脈拍 92/分、整。血圧 118/72mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。頸部、腋窩および鼠径部の表在リンパ節を触知しない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫や紫斑を認めない。血液所見:赤血球 202万、Hb 6.9g/dL、Ht 19%、網赤血球 0%、白血球 59,400(桿状核好中球 10%、分葉核好中球 1%、単球 0%、リンパ球 5%、異型細胞 86%)、血小板5万。血液生化学所見:総蛋白 5.7g/dL、アルブミン 3.5g/dL、AST 34IU/L、ALT 45IU/L、LD 756IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 19mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、Fe 134μg/dL。骨髄染色体検査では46,XYであった。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 16A)とペルオキシダーゼ染色標本(別冊No. 16B) とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I052]←[国試_110]→[110I054]
[★]
- 28歳の女性。急性骨髄性白血病のため、HLA一致の兄から同種骨髄移植を受け、70日が経過している。急性GVHDは皮膚のみI度であったが、移植後56日から38℃前後の発熱と持続する咳とが出現し、右背部痛も伴うようになった。意識は清明。体温38.4℃。脈拍96/分、整。血圧122/74mmHg。心雑音はない。右中肺野にcoarse cracklesを聴取する。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球324万、Hb10.1g/dl、Ht31%、網赤血球1.2%(12‰)、白血球3,600(桿状核好中球5%、分葉核好中球36%、好酸球3%、好塩基球1%、単球12%、リンパ球43%)、血小板7.3万。血清生化学所見:総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.2g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、尿酸4.1mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、直接ビリルビン0.4mg/dl、AST32IU/l、ALT391U/l、LDH320IU/l(基準176~353)、ALP116IU/l(基準260以下)、Na134mEq/l、K4.2mEq/l、Cl 102mEq/l。免疫学所見:CRP12.8mg/dl、β-D-グルカン35pg/ml(基準20以下)、ツベルクリン反応陰性。胸部エックス線写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G057]←[国試_101]→[101G059]
[★]
- 57歳の男性。発熱と倦怠感を主訴に来院した。1か月前に右頸部腫瘤に気付いた。2週間前から38℃台の発熱と倦怠感をきたし、軽快しないため受診した。右頸部に径1.5cmのリンパ節を3個触知する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長 170cm、体重 68kg。体温 37.4℃。脈拍 100/分、整。血圧 132/90mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 98%(room air)。血液所見:赤血球 210万、Hb 7.4g/dL、Ht 23%、白血球 16,000(異常細胞 60%)、血小板 5万。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 23)を別に示す。骨髄細胞の染色体分析では正常男性核型であった。異常細胞のペルオキシダーゼ反応は陰性。表面マーカー解析ではCD19 陽性、CD20 陰性、CD33 陰性、TdT(terminal deoxynucleotidyl transferase)陽性であった。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D053]←[国試_113]→[113D055]
[★]
- 40歳の女性。動悸と息切れとを主訴に来院した。 10日前から月経出血が止まらず、出血量もこれまでより多かった。さらに数日前から階段を昇るときに息切れと動悸とを感じるようになった。脈拍96/分、整。血圧120/78mmHg。皮膚は蒼白で前胸部と下腿とに点状出血を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平盤、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 250万、Hb 7.5g/dL、Ht 24%、網赤血球 3%、白血球 8,800(骨髄球1%、桿状核好中球9%、分葉核好中球55%、好酸球1%、単球9%、リンパ球25%)、血小板3,000。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.6A、B)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D026]←[国試_105]→[105D028]
[★]
- 10歳の女児。顔色蒼白と息切れとを主訴に来院した。4か月前から徐々に顔色が蒼白になり、動作時に息切れがある。成長発達は正常。体温37.0℃。呼吸数30/分。脈拍92/分、整。皮膚蒼白。前胸部と下肢とに点状出血を認める。胸骨左縁で2/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音は正常である。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球215万、Hb6.5g/dl、Ht19%、白血球2,100(好中球30%)、血小板2.6万。血清生化学所見:総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.2mg/dl。AST19単位、ALT14単位、LDH265単位(基準176~353)。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G031]←[国試_099]→[099G033]
[★]
- 57歳の男性。38℃台の発熱と倦怠感とを主訴に来院した。頭部に小指頭大のリンパ節を数個触知する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。血液所見: 赤血球 210万、Hb 7.4g/dl、Ht 23%、白血球 16,000(異常細胞60%)。血小板 5.6万。異常細胞のペルオキシダーゼ反応は陰性。骨髄塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.10)を別に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I050]←[国試_104]→[104I052]
[★]
- 32歳の女性。妊娠26週。2週前から下腿に点状出血があり来院した。血液所見:赤血球420万、Hb11.9g/dl、Ht38%、網赤血球10‰、白血球5,300、血小板2.2万、プロトロンビン時間11.5秒(基準対照11.3)、APTT32.0秒(基準対照32.2)、フィブリノゲン297mg/dl(基準200~400)、血清FDP8μg/ml(基準10以下)。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [099H015]←[国試_099]→[099H017]
[★]
- 29歳の男性。発熱と全身倦怠感とを訴えて来院した。体温37.8℃。四肢に紫斑の散在を認める。リンパ節腫脹はなく、肝と脾とを触知しない。血液所見:赤血球203万、Hb 6.5 g/dl、Ht 20 %、白血球16,300、血小板1.3万。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095D032]←[国試_095]→[095D034]
[★]
- 61歳の男性。急性骨髄性白血病に対する抗がん化学療法開始後13日。今朝から悪寒戦慄を伴う39℃台の発熱を認める。白血球1,100(好中球10%、好酸球1%、好塩基球1%、単球7%、リンパ球81%)。 CRP23mg/dL。
- 発熱の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E048]←[国試_106]→[106E050]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105E068]←[国試_105]→[105F001]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097H035]←[国試_097]→[097H037]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106H012]←[国試_106]→[106H014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B037]←[国試_100]→[100B039]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 英
- myelodysplastic syndrome, MDS
まとめ
- 異常な幹細胞(造血幹細胞レベルでの原因不明の質的異常)から単クローン性に血球が産生される疾患であり、慢性・非可逆性に進行する。治療不応性の経過をとり、予後不良であり、高率に白血病に移行する。汎血球減少がみられ、また形態の異常がみられる。NAPスコアは減少する。骨髄では無効造血がみられ、正形成~過形成となる。症状は無症状であることがあり、ある場合は汎血球減少に基づく症状である。治療は造血幹細胞移植が根治量であるが、適応がない場合は免疫抑制薬、ステロイド、造血因子(蛋白同化ステロイド)の投与、また赤血球、血小板の輸血を行う。
概念
- 異常な幹細胞(造血幹細胞レベルでの原因不明の質的異常)から単クローン性に血球が産生される
- 無効造血による血球減少、異形成(血球形態異常)、治療不応性、前白血球病的(白血病への移行)性質
- 本疾患に含まれる不応性貧血は難病に指定されている。
疫学
- 中高年層に好発し、50歳以上が70%以上。男女比は1.6:1。
病因
- 続発性:ファンコニ貧血
- 薬剤性・医原性:化学物質、放射線、抗悪性腫瘍薬(アルキル化剤)
- 放射線や抗悪性腫瘍薬(アルキル化剤)による悪性腫瘍は治療後5-7年後に起こることが多く、MDSを経てAMLとなる。染色体異常は-5/5q or -7/7q-が多い。
分類
- FAB分類とWHO分類がある。芽球の比率におけるMDSの定義が異なり、FAB分類では芽球の比率30%未満。WHO分類では芽球の比率20%未満としている。これ以上は急性白血病としている。
FAB分類
WHO分類
病態
- 造血幹細胞に発生した遺伝子異常に基づく血球減少症。
- 染色体異常は40-60%で認められ、-5、5q-、-7、7q-や第8染色体のトリソミーがある。
検査
末梢血
- 汎血球減少(1-3系統):(頻度)汎血球減少47.9%、貧血+血小板減少17.7%、貧血+白血球減少17.2%、貧血13.2%
-
- 数:正球性~大球性の貧血。ときに小球性。網赤血球数は低下するが、ときに上昇
- 形態:大小不同や奇形
- 数:好中球減少。
- 形態:好中球の過分葉。偽ペルゲル・フェット核異常。顆粒の減少。NAPスコア低下
骨髄
- 正形成~過形成 ← 造血能は失われておらず、補償的に過形成となるのではないか?異常な血球が産生される結果、無効造血をきたす。
- 80-90%の症例:正~過形成骨髄
- 10-20%の症例:低形成 → 再生不良貧血との鑑別必要
- 芽球比率は予後を左右する
鉄代謝
- 無効造血を反映
症状
- 無症状であることがあり、健診の血液検査異常で見つかることがある。
- 汎血球減少に基づく諸症状。
- 赤血球減少:貧血(動悸、息切れ、倦怠感)
- 白血球減少:不明熱、易感染性(発熱、咽頭痛)
- 血小板減少:出血傾向
合併症
- 約1/3の症例で急性骨髄性白血病(AML)に進展 ← 異常造血幹細胞の増殖は前白血病状態であり、進展は遺伝子異常の付加がきっかけとなる。
- Sweet症候群(急性好中球性皮膚症)(発熱、好中球増加、好中球湿潤性紅斑)
- 壊疽性膿皮症
治療
- 同種造血幹細胞移植:根治療法。適応は55歳以下。
- 免疫抑制薬、ステロイド、造血因子(蛋白同化ステロイド)
- 赤血球、血小板の輸血。
- 参考1
- リスクで治療法が変わる。
-
- 貧血:赤血球輸血、(輸血後鉄過剰症に対して)鉄キレート剤、(低EPO例)エリスロポエチン、(del5q例)レナリドミド
- 血小板減少:(<10,000/ulで出血症状を伴う)血小板輸血
- 好中球減少:(感染を併発したときに)G-CSF
- 重篤な造血不全による症状:アザシチジン
ガイドライン
- 1. 造血細胞移植ガイドライン骨髄異形成症候群(成人)
- http://www.jshct.com/guideline/pdf/2009MDS.pdf
参考
- 1. 難病情報センター | 不応性貧血(骨髄異形成症候群)
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/327
- 2. 財団法人国際医学情報センター:がん Info / 骨髄異形成症候群
- http://www.imic.or.jp/cancer/c2033.html
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/MDS.html
- 4. [charged] 骨髄異形成症候群の臨床症状および診断 - uptodate [1]
- 5. IV.MDS の治療 1. 本邦における診療のガイドライン (京都大学 内山 卓/石川隆之)2005.4.4 改訂
- http://plaza.umin.ac.jp/~mhlw-mds/doctor/MDS.pdf
症例
- 78歳男性。微熱と全身倦怠感のため来院した。赤血球220万、Hb6.2g/dL、Ht23%、白血球2700、骨髄球3%、後骨髄球4%、好酸球3%、好塩基球2%、血小板3.6%、LDH 320IU/dL、CRP 3.4mg/dL、骨髄の過形成像、微小巨核球。
国試
[★]
- 英
- acute lymphoblastic leukemia, acute lymphocytic leukemia, acute lymphoid leukemia, ALL
- 同
- 急性リンパ球性白血病
- 関
- 急性白血病、急性骨髄性白血病 AML
疫学
- 小児ALL:B前駆細胞系ALLは75-80%、T前駆細胞系ALLは10-15%
分類
リンパ球の種類
[show details]
FAB分類
- FAB分類L1:小型で均一なリンパ芽球。クロマチン構造繊細。 → 小児型。予後良好
- FAB分類L2:大小不同で大型のリンパ芽球。クロマチン構造粗造。 → 成人型。予後やや不良
- FAB分類L3:大型で塩基性の細胞質を有する。クロマチンは細やかな点状で密。細胞質、核に空胞。 → 予後不良
病態
- リンパ球系の細胞に分化障害が起こり腫瘍性に増殖して、骨髄における異常リンパ球の占拠や臓器への浸潤がみられ
、末梢血中にも認められるようになる。
- この結果として造血障害や臓器浸潤による症状が認められるようになる。
症状
- 貧血、易感染性、出血傾向
- 異常リンパ球の浸潤(肝臓、脾臓、リンパ節、髄膜、精巣、皮膚、歯肉
検査
- 血算:赤血球減少、血小板減少、白血球減少~増加
- 骨髄穿刺:20%以上の芽球
- 免疫染色:PAS染色陽性、MPO染色陰性。
予後
- SPE.535改変
|
予後良好群
|
予後不良群
|
初診末梢血白血球数
|
1万/μl未満
|
10万/μl以上
|
年齢
|
1歳~10歳
|
1歳未満。10歳以上
|
免疫学的細胞形質
|
B細胞前駆性
|
T細胞性、 B細胞性、 mixed lineage
|
胸腺腫大
|
無
|
有
|
初診時中枢神経系/精巣浸潤
|
無
|
有
|
著明な肝脾腫
|
無
|
有
|
著明なリンパ節腫大
|
無
|
有
|
染色体
|
高2倍体、t(12;21)
|
低2倍体、t(9;22), t(4;11)
|
治療14日目の骨髄中の芽球
|
5%未満
|
25%以上
|
ステロイドに対する感受性
|
良好
|
不良
|
- 参考5
|
染色体異常
|
遺伝子異常
|
予後
|
B前駆細胞型ALL
|
t(9;22)
|
BCR/ABL融合
|
不良
|
t(4;11)
|
MLL/AF4融合
|
不良
|
染色体数45本未満
|
|
不良
|
t(12;21)
|
TEL/AML1融合
|
良好
|
t(1;19)
|
E2A/PBX1融合
|
良好
|
染色体数50本以上
|
|
良好
|
T細胞型ALL
|
t(11;19)
|
TAL1変異
|
不良
|
MLL/ENL
|
良好
|
HOX11高発現
|
良好
|
NOTCH1変異
|
不明
|
メモ
参考
- 1. 急性リンパ性白血病 (ALL) - 血液腫瘍画像データベース
- http://www.midb.jp/blood_db/db.php?module=FAB&action=Index&id=2
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/ALL.html
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%A5%E6%80%A7%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%91%E6%80%A7%E7%99%BD%E8%A1%80%E7%97%85
- http://www.gan-pro.com/public/cancer/hemat/acute-lymphoid-leukemia.html
- 5. 小児の白血病 受診から診断、治療、経過観察への流れ - がん情報サービス
- http://ganjoho.jp/public/qa_links/brochure/odjrh3000000puq6-att/leukemia01.pdf
http://www.news-medical.net/health/Acute-Lymphoblastic-Leukemia-Prognosis-(Japanese).aspx
- 7. [charged] Risk group stratification and prognosis for acute lymphoblastic leukemia in children - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- acute leukemia, AL
- 関
- 白血病、FAB分類
概念
分類
- 急性リンパ性白血病:MPO染色において(leukemic blastの)3%未満が陽性の場合
- 急性骨髄性白血病 :MPO染色において(leukemic blastの)3%以上が陽性の場合
M0
|
|
minimally differentiated acute myeloblastic leukemia
|
AML
|
M1
|
|
acute myeloblastic leukemia, without maturation
|
M2
|
|
acute myeloblastic leukemia, with granulocytic maturation
|
M3
|
|
promyelocytic, or acute promyelocytic leukemia
|
APL
|
M4
|
|
急性骨髄単球性白血病
|
acute myelomonocytic leukemia
|
AMMoL
|
M4eo
|
|
myelomonocytic together with bone marrow eosinophilia
|
M5
|
M5a
|
急性単芽球性白血病
|
acute monoblastic leukemia
|
AMoL
|
M5b
|
急性単球性白血病
|
acute monocytic leukemia
|
M6
|
M6a
|
赤白血病
|
acute erythroid leukemias, including erythroleukemia
|
|
M6b
|
and very rare pure erythroid leukemia
|
|
M7
|
急性巨核芽球性白血病
|
acute megakaryoblastic leukemia
|
|
M8
|
急性好塩基球性白血病
|
acute basophilic leukemia
|
|
L1
|
小細胞型
|
|
|
L2
|
大細胞型
|
|
|
L3
|
Burkitt型
|
|
|
病態
- 白血球系芽球の腫瘍性増殖
- 骨髄機能障害
- 腫瘍細胞の臓器浸潤
- 腫瘍細胞の破壊亢進
徴候
- 全身:息切れ、全身倦怠感、発熱(免疫力低下による感染症、腫瘍細胞の崩壊)
- 皮膚:点状出血、紫斑
- 口腔内:歯肉出血
- 骨・関節:骨痛、関節痛 ← 腫瘍細胞の関節への浸潤
- 肝臓・脾臓:肝脾腫
- リンパ節:腫脹(頚部リンパ節、鼡径リンパ節)
- 唾液腺:顎下唾液腺腫大
検査
治療
小児
- 化学療法:小児のALLでは著効する
- 骨髄移植:小児のALLでは再発例に行う
成人
急性骨髄性白血病
急性前骨髄球性白血病
急性リンパ性白血病
- VACAP
予後
小児急性白血病の予後不良因子
- YN.G-44改変
小児急性白血病の予後不良因子
- 1. 年齢:1歳以下、10歳以上
- 2. 男児
- 3. FAB分類:L2, L3
- 4. 非リンパ球性
- 5. WBC:2万以上
- 6. Ph染色体 t(9;22) (小児のALLの数%)
成人急性白血病の予後不良因子
- YN.G-44改変
AMLの予後不良因子
- 染色体核型、年齢、初発時白血球数、FAB分類、3系統の形態異常、二次性白血病
NCCNガイドラインに基づくAMLの予後分類
- 参考1
|
染色体核型
|
遺伝子異常
|
予後良好群
|
inv(16), t(8;21), t(15;17)(付加的染色体異常の有無を問わない)
|
正常核型におけるNPM1のみの異常
|
中間群
|
正常核型, +8, t(9;11),その他の予後良好にも不良にも属さない染色体異常
|
t(8;21), inv(16)患者におけるc-kit異常
|
予後不良群
|
複雑核型(3以上の異常), -5, -7, 5q-, 7q-,11q23異常(t(9;11)を除く), inv(3), t(3;3),t(6;9), t(9;22)
|
正常核型におけるFLT3-ITDのみの異常
|
参考
- 1. 造血細胞移植ガイドライン - 急性骨髄性白血病
- http://www.jshct.com/guideline/pdf/2009AML.pdf
[★]
- 英
- paroxysmal nocturnal hemoglobinuria PNH
- 同
- 発作性夜間ヘモグロビン尿症 *難病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/116_2_i.htm
- マルキアファーヴァ-ミケリ症候群 Marchiafava-Micheli syndrome
- 関
- 難病
- first aid step1 2006 p.187
- red urine in the morning
概念
疫学
原因
- 補体活性化異常、活性化経路制御分子の欠損 → 造血幹細胞レベルの異常
- 発作性夜間血色素尿症 PNH:paroxysmal nocternal hemglobulinemia
- CD55 DAF decay accelerating factor C3b,C5bの酵素阻害
- CD59 HRF homologous restriction factor MAC形成阻害
- =Protectin, Mac inhibitor
- PIG-A GPIアンカー型蛋白質の欠損
病態
- 静脈血栓症:原因は不明。血小板膜上の補体が小胞化による補体複合体の除去を活性化する。循環中に流れ出たこのmicroparticleはホスファチジルセリンに富んでおり、血栓原性が高い。(参考1)
症状
- 貧血、黄疸、夜間の溶血発作(血中CO2濃度の上昇が原因)
合併症
検査
血算
- → 正球性正色素性貧血、慢性経過で鉄が不足し小球性低色素性貧血
- 好中球アルカリフォスファターゼスコア:低値(NAPスコア:低下)
血液生化学
- LDH:上昇
- ハプトグロビン:減少
- 間接ビリルビン:上昇
- 慢性の血管内溶血により鉄が欠乏 → 血清鉄↓、血清フェリチン↓
尿検査
- 血管内溶血によりヘム鉄は糸球体濾過されて、ヘモグロビンは尿細管で再吸収され、鉄はヘモジデリンとして尿中に排泄される。 (ポルフィリンどこいった?)
- 発作時に認められる
治療
- ほとんどの患者で生涯にわたる支持療法(suppertive care)を受ける人が多い。(HIM.661)
- 若い患者で重症のPNHであれば同種骨髄移植を提案すべき(should be offered) (HIM.661)
支持療法
- フィルターで白血球を除去した赤血球製剤を使用。伝統的に溶血を引き起こすwhite cell reaction(白血球に対する抗HLA抗体による抗原抗体反応、のこと?)を防止するために洗浄赤血球が用いられてきたが、これは無駄である。(HIM.661)(also see. 参考2)
- 葉酸
- 鉄剤
- 補体成分C5に対するヒト化モノクローナル抗体 エクリズマブ eclizumab
- ×
糖質コルチコイド:長期にわたる使用におけるエビデンスなし
根治療法
USMLE
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria - uptodate [3]
- 2. [charged] Diagnosis and treatment of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria - uptodate [4]
[★]
- 英
- trisomy 21
- 同
- ダウン症候群 Down症候群 Down syndrome Down's syndrome、トリソミー21、21番染色体トリソミー 21-トリソミー trisomie 21 autosomale、trisomy G syndrome、蒙古人症 蒙古症 mongolismus モンゴリスムス
- 関
- 染色体核型、トリソミー
[show details]
疫学
- 20-25歳:1/1600
- 25-30歳:1/870
- 30-35歳:1/300
病因
- 21番染色体が3コピーになる21トリソミーが基本病態。大多数は自然発生する。3種類の核型が存在する。
- 1.標準型 95% 21番染色体が1本多く、全体が47本となる。
- 2.転座型 4% 14あるいは21番染色体にRobertson転座する。
- 3.モザイク型 1% 正常細胞とトリソミー細胞が混在する。
ロバートソン転座による14q,21qを有する21trisomy保因者
- 13,14,15,,21,22は短腕が短くrRNAしかコードされていないので、これらの染色体の間でロバートソン転座により短腕が失われても問題が起きにくい。ロバートソン転座により染色体が45本になっている人は1000人に1人の割合で存在する。(参考1)
- 14番と21番染色体でロバートソン転座が起きたとすると、核型はder(14;21)(q10;q10)と表記される。この場合染色体は、14番染色体、21番染色体、der(14;21)(q10;q10)の3本を有することになる。配偶子が減数分裂の際に作られるとき、6つの組み合わせができるという。すなわち、1本のみ( 14, 21, der(14;21)(q10;q10) )の場合および2本( 14+21, der(14;21)(q10;q10) + 14, der(14;21)(q10;q10) + 21 )の場合ができる。このうち、14, 21, der(14;21) + 14 の場合は受精後にモノソミーが生じることになり致死的である。14+21、der(14;21)(q10;q10)の場合は正常となる。問題はder(14;21)(q10;q10) + 21の場合であり、この場合受精後に21の長腕が3つ存在することになりダウン症候群を発症しうる。
- 転座型ダウン症候群の場合、同胞発生するリスクがある。経験的な危険率は母が保因者の場合10-15%、父親が保因者の場合は2%である。(参考1)
形態
特有な顔貌
合併症
- 出現頻度:約50% ←特徴
- 肺高血圧症が合併
- 動脈管開存症もありうる
-
- transient abnormal myelopoiesis(類白血病反応)
- 生下時末梢血に芽球細胞が見られる。症状はM7と同じ。2割以下で白血病を引き起こす。
- blast cell, LDH, WBCが高値であるが2-6ヶ月で正常となる。
- 4. 筋骨格系:環軸椎亜脱臼(20-30%の例。呼吸障害につながる)
- 5. 内分泌:甲状腺機能低下症(1/3の例で自己抗体を有する)
- 6. 耳鼻咽喉:内耳炎。種々の程度の中耳・内耳奇形。聴力障害(40-75%)。
- 7. 眼:屈折異常(約60%)、白内障、斜視、眼振、睫毛内反症、視神経異常
- 8. 神経:てんかん(5-10%の例。点頭てんかんが多い)
- 9. 易感染性:原因不明
- 10. 成長発達:軽度~中等度の精神遅滞。学童期に肥満。身長は145(♂),141cm(♀)
参考
- 1. [charged]Chromosomal translocations, deletions, and inversions - uptodate [5]
- 2. DOWN SYNDROME
- http://omim.org/entry/190685
- 3. [charged] ダウン症の臨床的特徴および診断 - uptodate [6]
[★]
- 英
- AML with recurrent genetic abnormalities?
- 関
- 急性骨髄性白血病。再現性のある染色体転座を伴うAML AMLs with recurrent cytogenetic translocations
[★]
- 英
- AML, minimally differentiated AML-M0 M0
- 同
- 最小分化型急性骨髄性白血病 最小分化型AML
- 関
- 急性骨髄性白血病 AML
[★]
- 英
- treatment-related acute myeloid leukemia
[★]
- 英
- bone marrow (Z)
- ラ
- medulla ossium
- 関
- 骨髄組織
分類
性状
細胞成分の過少
造血
加齢変化
- 6歳以後は加齢とともに脂肪化が進み、黄色骨髄が増加
- 長管骨の末端から黄色骨髄に置換されていく。成人では脊椎骨、胸骨、肋骨などで造血が起こる
- 乏血、低酸素状態では黄色骨髄が赤色骨髄に置換され、造血ができるようになる。
[★]
- 英
- leukemia
- 関
- 造血器腫瘍
- see 白血病まとめ.xls, 造血器腫瘍マップ.ppt
疫学
- 小児:ALL > AML >>> CML, CLL(小児では無) ← 急性型が多い
分類
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患
[★]
- 英
- myeloid、myelogenous
- 関
- 骨髄、骨髄球性、ミエロイド
[★]
- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型