- 英
- gastric juice
胃液の分泌
- 1-2 L/day (2007年度後期生理学授業プリント)
- 2-3 L/day (PT. 384)
定義
組成
1. 電解質:Na+,Cl-,K+,H+
特に、Cl-,H+の濃度が高い
2 .有機物:ペプシノゲンI、ペプシノゲンII、粘液、内因子
塩酸の機能
1. 蛋白分解(変性)作用、
2. ペプシンの至適pH (pH1.5-2.0)までpHを低下させる
3. ペプシノゲンをペプシンに変換する。
→ペプシンは不活性型(ペプシノゲン)で分泌され、塩酸と触れて初めて発生を持つ
4. 細菌発育阻害
各相の分泌調節機構
1. 頭相
全食事中の約1/2分泌
味覚、嗅覚(無条件性)
聴覚、視覚(条件性)
2. 胃相
全食事中の約1/2分泌
2-1) 食物流入→頭相による胃液の中和(pH↑)→G細胞のガストリン分泌抑制が解除される
2-2) 食物流入→胃体部・胃幽門洞拡張→胃壁伸展受容器→(迷走神経-迷走神経反射 or 局所反射)
→ACh→壁細胞が塩酸を分泌、G細胞がガストリンを分泌、主細胞がペプシノーゲンを分泌
2-3) 胃液→pH↓→粘膜受容器→局所反射→主細胞がペプシノーゲンを分泌
2-4) 食物中のペプチド、アミノ酸→G細胞がガストリンを分泌
3. 腸相
少量
糜粥→十二指腸粘膜からガストリンとセクレチン分泌の分泌→セクレチンにより主細胞からペプシノゲン分泌、HCO3-に富む膵液分泌
物質毎の分泌調節
1. 壁細胞による塩酸の分泌
塩酸分泌↑
細胞内における二次メッセンジャー(Ca2+、cAMP)の濃度上昇が引き金となり、Cl-チャネル活性化、H+-K+-ATPase活性化、K+チャネル活性化が起こる。
アセチルコリン→M3ムスカリン受容体→[Ca2+]↑
ヒスタミン→H2受容体→[cAMP]↑
ガストリン→ガストリン受容体→[Ca2+]↑
塩酸分泌↓
セクレチン,GIP→壁細胞の塩酸産生が抑制される。
2. 主細胞によるペプシノーゲンの分泌
迷走神経→ACh→主細胞がペプシノーゲンを分泌
pH↓→局所反射→主細胞がペプシノーゲンを分泌
臨床関連
- 塩酸分泌を抑制するために、次のようなH2受容体遮断剤(抗潰瘍剤)が用いられている
シメチジン cimetidine
ラニチジン ranitidine
胃液からの胃の保護
胃粘膜防壁 Gastric mucosal barrier
1. 粘液分泌
2. 粘膜上皮細胞の増殖・分化
細胞新生が早く、3日で新しい粘膜に置換
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/02/02 01:49:41」(JST)
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胃液(いえき、英: gastric juice)は、食べ物を消化するために胃で分泌される体液(消化液)である。中に含まれる塩酸は胃酸とも呼ばれる。
概要
強酸性で、pHは通常 1 - 1.5 程度。塩酸および酸性条件下で活性化するタンパク分解酵素(ペプシン)が含まれており、これによってタンパク質を分解し(ペプトン)小腸での吸収を助ける。また同じく酵素のリパーゼは主に脂肪を分解する。胃液分泌には脳相、胃相、腸相がある。
胃液はまた、感染症の原因になる細菌やウイルスを殺菌したり、あるいは一部の有害物質を分解することで、これらから身を守る生体防御システムとしての役割も担っている。例えばコレラ菌は胃酸によってほとんどが死滅してしまうため、大量の菌を摂取しないかぎり感染は起こらないが、胃酸の分泌が少ない低酸症の患者などでは少量の菌でも発症する。多くの細菌が胃液によって殺菌されるが、中には赤痢菌のように胃酸に強く100個以下の菌でも感染するものや、ヘリコバクター・ピロリなどのように胃酸を中和して胃の内部で生息するものもいる。
胃自体は胃液による消化を免れるシステムを備えているが、そのシステムの弱体化、胃酸の過剰によって潰瘍が起こることがある。塩酸は分泌細胞のプロトンポンプで生成され、ヒスタミンH2受容体刺激によって分泌が亢進する。そのためこれらを薬理学的に抑制すると症状を緩和することができる。
名称
日本語の俗称として虫酸(虫唾、むしず)と呼ぶことがあり、「虫酸が走る」という慣用句でよく用いられる。胃液が、食道や口腔内に流れ出る事を指し、嘔吐しそうに気分が悪い事を表す。
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Japanese Journal
- 胃液培養陽性で暫定診断した肺Mycobacterium avium complex症の臨床的検討
- 松本 吉史,小柏 靖直,甲能 直幸
- Nippon Jibiinkoka Gakkai Kaiho 117(3), 184-190, 2014
- … 周囲への感染拡大を防止する観点から, 胃液や喀痰の培養検査やPCR, クオンティフェロン検査により周囲への拡散のリスクを十分に評価した上で超音波ガイド下の穿刺吸引細胞診を行い, 診断に難渋する場合にはリンパ節の開放生検を考慮することが重要である. …
- NAID 130003395300
- 各種増粘剤を用いた医薬品栄養剤における半固形化 : 人工胃液中での経時的粘度比較 (症例特集 半固形状流動食の検証と実践) -- (半固形状流動食の検証)
- 中山 環,鬼海 るみ,高木 加奈子 [他]
- ヒューマンニュートリション : 人間栄養 5(5), 20-24, 2013-09
- NAID 40019797435
- 山川 英晃,高柳 昇,石黒 卓,河手 絵理子,鍵山 奈保,杉田 裕
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 35(4), 430-434, 2013-07-25
- … ため当センターへ入院した.入院時CT検査では,肺野の浸潤影に加え,縦隔および肺門部リンパ節腫大を認めた.臨床経過および10日間の抗菌薬投与が無効であったことなどより,肺浸潤影は肺炎ではないと考えた.胃液から結核菌が同定され,抗結核薬の投与で陰影が改善したこと,入院1か月後の気管支鏡検査で,右主気管支壁に白苔を伴う浮腫性の病変を認め,同部位の生検で壊死を伴う類上皮細胞性肉芽腫を認めたことより,リ …
- NAID 110009635597
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- 胃液の働きの情報を紹介しています。胃液の3つの成分と働きなど。家族の健康生活を 応援する総合ヘルスケア情報サイト「健康キレイナビ」。
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- 次の文を読み、69~71の問いに答えよ。
- 中年の女性。意識障害のため救急車で搬入された。
- 現病歴:ホテルの部屋で倒れているのを従業員が発見し、呼びかけに反応が乏しいため救急車を要請した。救急隊到着時にはけいれんしていたが、搬送開始直後に治まった。
- 既往歴:不明生活歴:不明
- 家族歴:不明
- 現症:意識レベルはJCSⅡ-20。身長 160cm、体重 50kg。体温 38.6℃。心拍数 106/分、整。血圧94/50mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 100%(マスク5L/分酸素投与下)。皮膚はやや乾燥。瞳孔径は両側 6.5mmで、対光反射は両側やや緩慢。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥している。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音は減弱している。四肢に麻痺はなく、腱反射は正常。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 450万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、白血球 11,200、血小板 16万、PT-INR 1.2(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白 7.0g/dL、アルブミン 3.9g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、直接ビリルビン 0.2mg/dL、AST 46U/L、ALT 32U/L、CK 1,500U/L(基準 30~140)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、血糖 98mg/dL、Na 141mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 102mEq/L。動脈血ガス分析(マスク5L/分酸素投与下):pH 7.35、PaCO2 28Torr、PaO2 100Torr、HCO3- 15mEq/L。心電図は洞調律で不整はないが、QRS幅が広がりQT間隔の延長を認める。ST-T変化を認めない。胸部エックス線写真で心胸郭比と肺野とに異常を認めない。頭部CTに異常を認めない。
- ホテルの部屋のごみ箱に錠剤の空包が多数捨ててあったとの情報が得られた。
- 中毒物質の迅速簡易定性に用いられる検体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112F069]←[国試_112]→[112F071]
[★]
- 51歳の男性。嚥下困難と体重減少とを主訴に来院した。6年前から食物のつかえ感を自覚していた。最近症状の悪化があり、体重が1か月で5kg減少した。身長169cm、体重47㎏。胸腹部に異常所見を認めない。血液所見:赤血球384万、Hb11.5g/dl、Ht34%、白血球7,500。血清生化学所見:総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.7g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、AST19単位、ALT21単位。上部消化管造影写真を以下に示す。この疾患で正しいのはどれか。
- a. 男性に多い。
- b. 嗄声をきたす。
- c. 吐血することが多い。
- d. 嚥下性弛緩反応がない。
- e. 胃液の逆流によって発生する。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A023]←[国試_099]→[099A025]
[★]
- 23歳の男性。吐血を主訴に来院した。昨夜、会社の歓迎会で日本酒を5合以上飲んだが、正確な飲酒量は記憶していない。本日、起床直後から胃液を嘔吐し、数回目の嘔吐内容が新鮮血であったため驚いて受診した。身体診察所見に異常を認めない。来院後にも少量の新鮮血を嘔吐したため、緊急上部消化管内視鏡検査を行った。食道の内視鏡写真(別冊No. 17)を別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I067]←[国試_106]→[106I069]
[★]
- 日齢Oの新生児。出生30分後から多呼吸を認めた。在胎29週、出生体重1,100g。体温 37.4℃。心拍数 160/分、整。呼吸数 80/分。全身のチアノーゼ、陥没呼吸および呼気時の呻吟を認める。外表奇形はなく、心雑音は聴取しない。胸部エックス線写真ですりガラス陰影を認める。診断確定のため、マイクロバブルテストを行うこととした。
- 必要な検体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D025]←[国試_112]→[112D027]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G041]←[国試_100]→[100G043]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104A017]←[国試_104]→[104A019]
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[正答]
※国試ナビ4※ [100G099]←[国試_100]→[100G101]
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- 英
- gastric secretion
- 同
- 胃分泌
- 関
- 精神性胃液分泌
[★]
- 英
- psychic gastric secretion
- 同
- 胃液分泌の反射相