- 英
- Auerbach plexus Auerbach's plexus
- ラ
- plexus Auerbachi
- 同
- 筋層間神経叢 myenteric plexus plexus myentericus
- Auerbach神経叢、アウエルバッハ筋層間神経叢
- 腸筋層間神経叢 plexus entericus
- 関
- マイスナー神経叢=粘膜下神経叢
- (⇔粘膜下神経叢:粘膜筋板と輪走筋の間に存在する神経叢)
臨床関連
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/01/20 20:38:49」(JST)
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アウエルバッハ神経叢(アウエルバッハしんけいそう、英語: Auerbach's plexus, ドイツ語: Auerbach-Plexus)は、腸管神経系の一部である。消化管の縦走筋層と輪走筋層との間に位置し、このふたつの筋層に運動刺激を、また粘膜に分泌刺激を及ぼす。アウエルバッハ神経叢は交感神経線維と副交感神経線維の両方を有するのに対し、マイスナー神経叢は副交感神経線維のみを有する。筋層間神経叢(きんそうかんしんけいそう)とも。
この神経叢は延髄の迷走神経三角から延展している。神経線維は前神経幹と後神経幹のいずれをも走行する。この神経叢は食道、胃、小腸と大腸の筋肉内にみられる。[1] 筋層間神経叢は、消化管の主要な支配神経であり、消化管の運動性を調節するはたらきをしている。[2]
名称の由来
筋層間神経叢は、この神経叢をはじめて文献に記したレオポルト・アウエルバッハ(英語版)にちなみ「アウエルバッハ神経叢」と呼ばれている。
脚注
- ^ myenteric+plexus - eMedicine Dictionary
- ^ Human Anatomy and Physiology, Marieb & Hoehn, seventh edition
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 消化管壁筋層にみられるギャップ結合による細胞性ネットワーク : 消化管運動ペースメーカー系
- 中村 桂一郎,西井 清雅,柴田 洋三郎
- 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 123(3), 134-140, 2004-03-01
- … ーカーとして認められ,さらに,c-Kitおよびそのリガンド遺伝子変異動物の解析により研究が急速に進んだ.臓器および組織特異的に分布する消化管壁の主要なc-Kit発現細胞は,食道から大腸に至るアウエルバッハ神経叢(myenteric plexus)に沿ったIC-MY,小腸深部筋神経叢(deep muscular plexus)のIC-DMP,大腸の粘膜下層と筋層の境界部(submuscular plexus)にあるIC-SMP,そして胃と大腸の筋層内(intramuscular)の神経線維に沿った …
- NAID 10017018974
- 孵化前後のガチョウ(Anser anser)大腸の組織学的観察(解剖学)
- Liman N.,Aslan S.,Gulmez N.
- The journal of veterinary medical science 64(8), 705-709, s・iii, 2002-08-25
- … 化後1日目に出現した.粘膜筋板は,孵化前では結腸のみに存在した.粘膜下組織は,孵化前では粗に配列した結合組織からなっていたが,孵化後では非常にうすい一層の結合組織からなっていた.哺乳類のアウエルバッハ神経叢に相当する神経叢と粘膜下神経叢は,孵卵15日までに出現した.孵卵15日目から28日目までに,盲腸の筋層は輪走平滑筋細胞からなっていた.孵卵28日目になると,よりうすい縦走筋層が輪走筋層に加わった. …
- NAID 110003920902
- 林 秀樹,横山 健郎,柏原 英彦,蜂巣 忠,大森 耕一郎,粟野 友太,木下 弘寿,浜口 欣一,原 輝彦,平島 毅
- 日本消化器外科学会雑誌 21(5), 1308-1311, 1988-05-01
- … あり切除術をなしえたとの報告は少ない.一方,食道アカラシアそのものは良性疾患であり死に至ることは少ない.そのため病因解明の鍵となる全長にわたる食道の標本を得ることがほとんどないのが現状である.今回,われわれは食道アカラシアの術後に発生した比較的早期の食道癌の1症例に対し根治的切除術を行い,治癒せしめ,摘出した胸部食道全長にわたってアウエルバッハ神経叢の詳細な検討を成しえたので報告する. …
- NAID 110001307590
Related Links
- アウエルバッハ神経叢(アウエルバッハしんけいそう、英語: Auerbach's plexus, ドイツ 語: Auerbach-Plexus)は、腸管神経系の ... アウエルバッハ神経叢は交感神経線維と 副交感神経線維の両方を有するのに対し、マイスナー神経叢は副交感神経線維のみを ...
- マイスナー神経叢(マイスナーしんけいそう、英語: Meissner's plexus, ドイツ語: Meissner-Plexus)は、小腸に配分する神経叢のひとつである。粘膜下神経叢ないし マイスネル神経叢ともよぶ。 小腸の神経は、上腸間膜動脈の周囲にある副交感神経の 神経叢 ...
- 栄養・生化学辞典 アウエルバッハ神経叢の用語解説 - 筋層間神経叢ともいう.消化管 の外縦筋と内輪筋の間にある自律神経線(繊)維網と神経節細胞群の総称.平滑筋の 運動を支配して,ぜん(蠕)動を調節する....
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- achalasia
- 同
- (国試)食道アカラシア esophageal achalasia, 噴門無弛緩症
- 関
- ヒルシュスプルング病 Hirschsprung's disease
[show details]
- first aid step1 2006 p.273
概念
- 食道平滑筋層内アウエルバッハ神経叢細胞の変性・消失によって、下部食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動が消失することによる食物の通過障害や、食道の異常拡張を呈する機能的疾患
- 食道下端1-4cm辺りの狭窄(機能的開大欠如)とその口側食道の異常拡大を来す。
- 食道の拡大幅は3-4cmが多く、著しいものは6-10cmに達する
疫学
- 発症は稀で。10万人に1-2人
- 男女ほぼ同頻度,
- 年齢は20-50歳代(20-40歳ともいわれる(IMD.841))
- 新生児期から症状が出ることもあり、また症状は7-8歳ごろから出現することが多い(QB.O-171)。
病型 HIM chapter 286
- 特発性アカラシア:多くのアカラシアが特発性に分類される
- 二次性アカラシア:胃癌の食道への浸潤、リンパ腫、シャーガス病、ある種のウイルス感染、好酸球性胃腸炎、神経変性疾患
分類
形状
拡張度
- I度 :最大横径3.5cm
- II度 :3.5~6.0cm
- III度:6.0cm以上
内圧測定(IMD)
- A型:嚥下による食道の陽性波が認められるもの。
- B型:嚥下による食道の陽性波が認められないもの。
病理
- 食道固有筋層内のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失
- 下部食道括約筋(LES)は外見的に正常。筋層の肥厚などは認められない。 → 器質性疾患は否定的
病因
- 環境の変化、精神的ストレスが誘因となって比較的急激に発症し慢性に経過し、軽快~増悪を反復、感情の乱れの強いときに増悪傾向
- 冷たい飲食物の摂取、急いで摂食する場合でも誘発される
病態
- 食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動の消失は次の様に説明される。
- 1. 下部食道括約筋(噴門部括約筋)におけるアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失による蠕動の伝達とそれによる食道下端部開大が起こらない
- 2. VIPや一酸化窒素合成酵素を含む抑制性ニューロンの消失。進行期にはコリン作動性ニューロンも影響を受ける。(HIM chapter 286)
比較
アカラシア
|
下部食道括約筋(噴門部括約筋)のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞が減少
|
ヒルシュスプルング病
|
腸管内神経節細胞(肛門側腸管の壁内神経節細胞(アウエルバッハ神経叢、マイスナー神経叢))の欠如
|
症状
- 自覚症状が生じる段階ではすでに食道は異常拡張を呈している(IMD)
- 嚥下障害(食道内に食物の停滞・逆流)、悪心・嘔吐、前胸部痛、体重減少、誤嚥
-
- 固形物・流動物の両方で嚥下障害が生じる ← 固形物のみだったら、器質的な変性による閉塞が考えられる。
- 胸腔内圧を上昇させる手技(ex. Valsalva maneuver)は食道の食物を胃に通過させるのに有効な手技である
- 体位変換や就寝時に起こりやすい
- 嘔吐 → 嘔吐物の気道への吸引 → 咳嗽、呼吸困難、喘鳴 → 誤嚥性肺炎
- 3. 胸部不快感・胸痛:胸骨下に疼痛、圧迫感、狭窄感など ← 食道炎の合併は10%
- 4. 体重減少:十分な摂食ができないため。慢性期におこりうる。
検査
X線造影
- 1. 胸部X線写真:食道陰影の出現、胃泡の消失
- 2. 食道X線造影(上部消化管造影):
- 下部食道の辺縁平滑な狭窄(鳥のくちばし様) (barium swallow:bird beak)、食道内腔の拡張像(椎体より大)。
- 造影剤は食道内に停留(健常者では数秒間、食道アカラシアの患者では1時間程度)
- 食道の逆蠕動、攣縮、胃内流出の遅延などが認められる(IMD)
- (1) 嚥下時に陽性波消失(遠位食道の蠕動波の消失) ← 食塊の移動させるように上部から下部に向かって食道内圧の上昇が移動していく。
- (2) 噴門陰性波消失(下部食道括約筋弛緩(LES弛緩)の欠如)
- (3) LES圧の上昇
- (1) 内視鏡スコープの噴門部通過には問題はない → 器質的疾患ではないから
- (2) 食物残渣の存在、食道内腔の拡張、慢性例では食道炎、食道癌の合併
- コリン作動性薬物を投与すると食道壁の痙攣や異常蠕動運動が生じ、食道内圧が上昇
- 試験施行の結果、胸痛を来しうるため、食道内圧検査を行うのが一般的(IMD)
- CCKは括約筋の圧力を低下させるが、アカラシアではCCKは神経伝達抑制作用が失われる(HIM chapter 286)
診察
鑑別疾患
IMD
- 2. 二次的な、あるいは他の食道蠕動運動障害を示す疾患
DIF改変
治療
精神的ケア
薬物療法
- 抗コリン薬
- 亜硝酸薬:ニトログリセリン、硝酸イソソルビド。 副作用あり
- カルシウム拮抗薬:ニフェジピン。 副作用有り
- sildenafil:cGMPを増加させ症状の軽減をもたらす → cGMPの増加はLES圧を減少させ、嚥下に伴うLESの弛緩を増強する
- ボツリヌス毒素:コリン作動性ニューロンの神経終末からのコリン放出を抑制する。6ヶ月で60%の患者の症状を緩和できる。老人の一時的な症状緩和や高リスク患者に有用である。ただし、反復利用により食道の線維化を来しうる。
下部食道括約筋拡張術バルーン
- 標準的治療
- バルーン拡張術:有効率70%前後。繰り返して行う。合併症は出血や穿孔である。
ヘラー法(Heller method, 粘膜外筋切開法)
- 腹腔鏡下でHeller筋層切開術+噴門形成術(Dor手術)を施行
-
- A surgical procedure for achalasia performed by dividing the circular muscles of the oesophagogastric junction. Using an abdominal approach a longitudinal incision is made through the lower oesophageal and upper gastric muscle wall exposing the mucosa. The procedure may be combined with a Nissen to prevent the complication of post-procedure reflux.
- http://www.surgeryrevision.co.uk/10.htm
ウェンデル法(Wendel method, 下部食道・噴門部全層切開縫合法)
ジラール変法(Girard method, 噴門形成法)
下部食道筋層切除+胃底部縫着術
フォロー
- 粘膜病変の発生(食道炎、食道癌)の有無を上部消化管造影・内視鏡などで定期的に経過観察(1年ごと)
国試
[★]
- 英
- mucosa (KL), mucous membrane (KH), endometrium (Z. L-20), mucosae (Z. P-27)
- ラ
- tunica mucosa
- 関
- 粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下組織、筋層
定義
粘膜
粘膜下の深層にある組織
[★]
- 英
- Meissner plexus (Z)
- 同
- マイスネル神経叢
- 粘膜下神経叢 submucous plexus (Z), submucosal plexus, plexus nervorum submucosus
- Meissner神経叢
- 関
- アウエルバッハ神経叢 筋層間神経叢
[show details]
臨床関連
[★]
- 英
- enteric plexus
- 同
- 腸壁内神経叢
- ラ
- plexus entericus
- 関
- アウエルバッハ神経叢
[★]
アウエルバッハ神経叢
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS