- Greek, kathisis 'sitting'
- 英
- akathisia, acathisia
- 同
- 静座不能、着座不能、静止不能
-静座不能
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/04/13 22:43:16」(JST)
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アカシジア(akathisia)は、錐体外路症状(EPSという)による静座不能の症状のことを言う。ドーパミンD2受容体拮抗作用を持っている抗精神病薬による副作用として出現することがある。高力価な作用を持つ薬物ほどこの症状が出現しやすくなるという。依存性物質、例えばベンゾジアゼピン離脱症候群など[1]からの離脱の際に生じる身体的な症状でもある。アカシジアは、神経伝達物質のノルアドレナリンの濃度増加によることが発見された。ノルアドレナリンは攻撃、覚醒を制御する機序に関している[2]。
典型的なアカシジアの症状。(食事中の患者は、立ったままで食べるようにと指示を受けています。)
さらなる研究はまだ行われていないが、それはまた脳内のNMDAチャンネルの中断と関与する可能性がある。これはノルアドレナリンの相乗及び調節効果の両方を持っている。
症状はむずむず脚症候群と同じ症状である。主な症状は、座ったままでいられない、じっとしていられない、下肢のむずむず感の自覚症状であり、下肢の絶え間ない動き、足踏み、姿勢の頻繁な変更、目的のはっきりしない徘徊(タシキネジア)などが特徴である。また心拍数の増加、息切れ、不安、いらいら感、不穏感等も見られる。アカシジアに伴って、焦燥、不安、不眠などの精神症状が出ることもある[3]。
アカシジアは、急性アカシジア、遅発性アカシジア、離脱性アカシジア、慢性アカシジアに分類される[4]。最も頻度が高いのは急性アカシジアで、原因薬剤の投与開始あるいは増量後、または中止後6週間以内に現れる。投与開始後3か月以上経ってから発現するものを遅発性アカシジア、3か月以上薬剤が投与されており、その中断により6週間以内に発症するものを離脱性アカシジアという。アカシジアの症状が3ヶ月以上続くと、慢性アカシジアなどと呼称されることもある。
アカシジアは主に向精神病薬の副作用として現れるため、元来の精神疾患に伴う治療抵抗性の精神症状や不安発作と誤診されやすい。長期的に適切な処置がされないままで悪化し、自傷行為や自殺に繋がる可能性もある[5]。
アカシジアによる異常行動は、自己判断での薬の増量または中止によって悪化する恐れがある。
目次
- 1 原因
- 2 治療
- 3 脚注
- 4 参考文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
原因
アカシジアは、一般的に大抵抗精神病薬の副作用として起こる。
厚生労働省の 重篤副作用疾患別対応マニュアルによると、精神科領域では、向精神薬指定されている医薬品ではアカシジアは起こらない。離脱症状としては誘発される可能性がある。
- 抗精神病薬[6]。
- ハロペリドール(セレネース・リントン)、リスペリドン(リスパダール)、アリピプラゾール (エビリファイ)、ピモジド(オーラップ)、トリフルオペラジン(ヨシトミ・ミツビシ)、ペルフェナジン(PZC)、プロクロルペラジン(ノバミン)、ブロムペリドール(インプロメン)、チミペロン(トロペロン)
- アミスルピリド・アセナピン(日本未発売)
- ズクロペンチキソールやクロルプロマジン(ベゲタミンA/B)などの鎮静抗精神病薬は一般的に少ないといわれる。
- SSRI
- フルオキセチン (プロザック)、フルボキサミン(ルボックス・デプロメール)、セルトラリン(ジェイゾロフト)など[7]パロキセチン(パキシル)の使用についても記されている[8]。アカシジアはSSRI誘発性の自殺が発生する機序として研究されている[7]。
- 他の抗うつ薬。
- 三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、トラゾドン (デジレル・レスリン)、ミルナシプラン(トレドミン)
- 他の向精神薬。
- バルプロ酸ナトリウム(デパゲン)- 抗てんかん薬。タンドスピロン(セディール)- 抗不安薬、ドネペジル(アリセプト)- 抗認知症薬。
- 特定の制吐薬。
- とりわけメトクロプラミド(プリンペラン)・プロクロルペラジン(ノバミン)・プロメタジンなどのドーパミンブロッカー。
- 消化器用剤。
- ラニチジン、ファモチジン、クレボプリド、スルピリド、ドンペリドン、メトクロプラミド、イトプリド、オンダンセトロン、モサプリド。
- 抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬。
- シプロヘプタジンやジフェンヒドラミン、オキサトミド
- 血圧降下薬
- マニジピン、ジルチアゼム、レセルピン、メチルドパ
- 抗がん剤
- イホスファミド、カペシタビン、カルモフール、テガフール、フルオロウラシル
- その他
- ドロペリドール、フェンタニル、インターフェロン等の製剤[9]。
その他には以下のケースがある。
- オピオイド 離脱
- バルビツール酸 離脱
- コカイン(長期使用者では激しい)・大麻の離脱
- アンフェタミン[10]や興奮薬(コーヒーやタバコなど)
- ベンゾジアゼピン・アルコールの離脱。
- 膝蓋軟骨軟化症
- セロトニン症候群
治療
アカシジアは原因となった薬物の減薬、断薬、他の薬物投与によって減らすことができるが、薬物投与は治療者が神経生理学や薬物動態についての幅広い知識を持ち合わせていないならば多くの時間を費やすだけで非生産的である。アカシジアの第一選択治療は、通常はプロプラノロールやビペリデンである。ベンゾジアゼピン系などのクロナゼパムもある程度有効である。 ベンズトロピンとトリヘキシフェニジルも使用することができる。
しかしすでにベンゾジアゼピンを服用し、耐性生じたためにアカシジアないしむずむず脚が生じている状態に対して、クロナゼパムのような投薬はすでに依存であるため推奨できない[11]。
ある研究では ビタミンB6が神経遮断薬誘発性アカシジアの治療に有効であることが示された[12]。N-アセチルシステインもまたRCTでアカシジアにプラスの効果を示した[13]。
脚注
- ^ Kaye, Neil S. (April 2003). “Psychic Akathisia”. Journal of Clinical Psychopharmacology 23 (2): 206. doi:10.1097/00004714-200304000-00015. PMID 12640224. http://journals.lww.com/psychopharmacology/Citation/2003/04000/Psychic_Akathisia.15.aspx.
- ^ Marc E. Agronin, Gabe J. Maletta (2006). “Chapter 14: Pharmacotherapy in the Elderly”. Principles and Practice of Geriatric Psychiatry (illustrated ed.). Lippincott Williams & Wilkins. p. 215. ISBN 978-0-7817-4810-0. http://books.google.com/books?id=AQeQa5AtpXoC&pg=PA215&lpg=PA215&source=bl&ots=_AZBdDkZOg&sig=cyrLwQRUUijGlvTRNVpmKoLJmpc&hl=en&ei=C9HMTI3mJ5DSsAPbhNzzDg&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=2&ved=0CBcQ6AEwAQ#v=onepage&q 2013年11月23日閲覧。.
- ^ 融道男『向精神病薬マニュアル』第三版
- ^ “Managing antipsychotic-induced acute and chronic akathisia”. Drug Safety : an International Journal of Medical Toxicology and Drug Experience (1): 73–81. (January 2000). PMID 10647977.
- ^ “Akathisia: problem of history or concern of today”. CNS Spectrums (9 Suppl 14): 1–13. (September 2007). PMID 17805218. http://www.cnsspectrums.com/aspx/articledetail.aspx?articleid=1262.
- ^ Diaz, Jaime. How Drugs Influence Behavior. Englewood Cliffs: Prentice Hall, 1996.
- ^ a b Hansen L (2003). “Fluoxetine dose-increment related akathisia in depression: implications for clinical care, recognition and management of selective serotonin reuptake inhibitor-induced akathisia”. J. Psychopharmacol. (Oxford) 17 (4): 451-2. doi:10.1177/0269881103174003. PMID 14870959.
- ^ Healy D, Herxheimer A, Menkes DB (2006). “Antidepressants and violence: problems at the interface of medicine and law”. PLoS Med. 3 (9): e372. doi:10.1371/journal.pmed.0030372. PMC 1564177. PMID 16968128. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=1564177.
- ^ 厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル 「アカシジア」平成22年3月
- ^ ADHD Medication Options and Side Effects (PterryWave Health Center) 2014-07-03閲覧.
- ^ 佐谷誠司「ベンゾジアゼピン依存の治療」、『精神科治療学』第28巻増刊号、2013年10月、 225-331頁。
- ^ Lerner V, Bergman J, Statsenko N, Miodownik C (2004). “Vitamin B6 treatment in acute neuroleptic-induced akathisia: a randomized, double-blind, placebo-controlled study”. The Journal of clinical psychiatry 65 (11): 1550-4. doi:10.4088/JCP.v65n1118. PMID 15554771.
- ^ Berk, Michael; Copolo, David; Dean, Olivia; Lu, Kristy; Jeavons, Sue; Schapkaitz, Ian; Anderson-Hunt, Murray; Judd, Fiona et al. (September 2008). “N-Acetyl Cysteine as a Glutathione Precursor for Schizophrenia—A Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Trial”. Biological Psychiatry 64 (5): 361–368. doi:10.1016/j.biopsych.2008.03.004. PMID 18436195.
参考文献
関連項目
外部リンク
- 重篤副作用疾患別対応マニュアル アカシジア (PDF) (厚生労働省)
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Japanese Journal
- P-37 老年期うつ病にみられた薬剤誘発性アカシジアに対して抑肝散が有用であった1例(精神科治療他,ポスターディスカッション,今,心身医学に求められるもの-基礎から臨床まで-,第52回日本心身医学会総会ならびに学術講演会)
- 堀口 淳
- 精神神經學雜誌 = Psychiatria et neurologia Japonica 112(7), 677-679, 2010-07-25
- NAID 10028059153
Related Links
- る副作用です。アカシジアは抗精神病薬だけではなく、抗うつ薬や 一部の医師から処方された胃腸薬などによっても引き起こされる ことがあります。これらのお薬を服用していて、下に示したような 症状がみられた場合には、自己 ...
- 0 (なし) 内的不穏に対する自覚の事実がない。内的不穏の主観的な訴えや下肢を動かしたいという強迫的な欲求がない場合に、アカシジアの特徴的な運動不穏が観察された場合、仮性アカシジアに分類する。 1 (疑わしい)
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- 英
- achalasia
- 同
- (国試)食道アカラシア esophageal achalasia, 噴門無弛緩症
- 関
- ヒルシュスプルング病 Hirschsprung's disease
[show details]
- first aid step1 2006 p.273
概念
- 食道平滑筋層内アウエルバッハ神経叢細胞の変性・消失によって、下部食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動が消失することによる食物の通過障害や、食道の異常拡張を呈する機能的疾患
- 食道下端1-4cm辺りの狭窄(機能的開大欠如)とその口側食道の異常拡大を来す。
- 食道の拡大幅は3-4cmが多く、著しいものは6-10cmに達する
疫学
- 発症は稀で。10万人に1-2人
- 男女ほぼ同頻度,
- 年齢は20-50歳代(20-40歳ともいわれる(IMD.841))
- 新生児期から症状が出ることもあり、また症状は7-8歳ごろから出現することが多い(QB.O-171)。
病型 HIM chapter 286
- 特発性アカラシア:多くのアカラシアが特発性に分類される
- 二次性アカラシア:胃癌の食道への浸潤、リンパ腫、シャーガス病、ある種のウイルス感染、好酸球性胃腸炎、神経変性疾患
分類
形状
拡張度
- I度 :最大横径3.5cm
- II度 :3.5~6.0cm
- III度:6.0cm以上
内圧測定(IMD)
- A型:嚥下による食道の陽性波が認められるもの。
- B型:嚥下による食道の陽性波が認められないもの。
病理
- 食道固有筋層内のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失
- 下部食道括約筋(LES)は外見的に正常。筋層の肥厚などは認められない。 → 器質性疾患は否定的
病因
- 環境の変化、精神的ストレスが誘因となって比較的急激に発症し慢性に経過し、軽快~増悪を反復、感情の乱れの強いときに増悪傾向
- 冷たい飲食物の摂取、急いで摂食する場合でも誘発される
病態
- 食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動の消失は次の様に説明される。
- 1. 下部食道括約筋(噴門部括約筋)におけるアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失による蠕動の伝達とそれによる食道下端部開大が起こらない
- 2. VIPや一酸化窒素合成酵素を含む抑制性ニューロンの消失。進行期にはコリン作動性ニューロンも影響を受ける。(HIM chapter 286)
比較
アカラシア
|
下部食道括約筋(噴門部括約筋)のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞が減少
|
ヒルシュスプルング病
|
腸管内神経節細胞(肛門側腸管の壁内神経節細胞(アウエルバッハ神経叢、マイスナー神経叢))の欠如
|
症状
- 自覚症状が生じる段階ではすでに食道は異常拡張を呈している(IMD)
- 嚥下障害(食道内に食物の停滞・逆流)、悪心・嘔吐、前胸部痛、体重減少、誤嚥
-
- 固形物・流動物の両方で嚥下障害が生じる ← 固形物のみだったら、器質的な変性による閉塞が考えられる。
- 胸腔内圧を上昇させる手技(ex. Valsalva maneuver)は食道の食物を胃に通過させるのに有効な手技である
- 体位変換や就寝時に起こりやすい
- 嘔吐 → 嘔吐物の気道への吸引 → 咳嗽、呼吸困難、喘鳴 → 誤嚥性肺炎
- 3. 胸部不快感・胸痛:胸骨下に疼痛、圧迫感、狭窄感など ← 食道炎の合併は10%
- 4. 体重減少:十分な摂食ができないため。慢性期におこりうる。
検査
X線造影
- 1. 胸部X線写真:食道陰影の出現、胃泡の消失
- 2. 食道X線造影(上部消化管造影):
- 下部食道の辺縁平滑な狭窄(鳥のくちばし様) (barium swallow:bird beak)、食道内腔の拡張像(椎体より大)。
- 造影剤は食道内に停留(健常者では数秒間、食道アカラシアの患者では1時間程度)
- 食道の逆蠕動、攣縮、胃内流出の遅延などが認められる(IMD)
- (1) 嚥下時に陽性波消失(遠位食道の蠕動波の消失) ← 食塊の移動させるように上部から下部に向かって食道内圧の上昇が移動していく。
- (2) 噴門陰性波消失(下部食道括約筋弛緩(LES弛緩)の欠如)
- (3) LES圧の上昇
- (1) 内視鏡スコープの噴門部通過には問題はない → 器質的疾患ではないから
- (2) 食物残渣の存在、食道内腔の拡張、慢性例では食道炎、食道癌の合併
- コリン作動性薬物を投与すると食道壁の痙攣や異常蠕動運動が生じ、食道内圧が上昇
- 試験施行の結果、胸痛を来しうるため、食道内圧検査を行うのが一般的(IMD)
- CCKは括約筋の圧力を低下させるが、アカラシアではCCKは神経伝達抑制作用が失われる(HIM chapter 286)
診察
鑑別疾患
IMD
- 2. 二次的な、あるいは他の食道蠕動運動障害を示す疾患
DIF改変
治療
精神的ケア
薬物療法
- 抗コリン薬
- 亜硝酸薬:ニトログリセリン、硝酸イソソルビド。 副作用あり
- カルシウム拮抗薬:ニフェジピン。 副作用有り
- sildenafil:cGMPを増加させ症状の軽減をもたらす → cGMPの増加はLES圧を減少させ、嚥下に伴うLESの弛緩を増強する
- ボツリヌス毒素:コリン作動性ニューロンの神経終末からのコリン放出を抑制する。6ヶ月で60%の患者の症状を緩和できる。老人の一時的な症状緩和や高リスク患者に有用である。ただし、反復利用により食道の線維化を来しうる。
下部食道括約筋拡張術バルーン
- 標準的治療
- バルーン拡張術:有効率70%前後。繰り返して行う。合併症は出血や穿孔である。
ヘラー法(Heller method, 粘膜外筋切開法)
- 腹腔鏡下でHeller筋層切開術+噴門形成術(Dor手術)を施行
-
- A surgical procedure for achalasia performed by dividing the circular muscles of the oesophagogastric junction. Using an abdominal approach a longitudinal incision is made through the lower oesophageal and upper gastric muscle wall exposing the mucosa. The procedure may be combined with a Nissen to prevent the complication of post-procedure reflux.
- http://www.surgeryrevision.co.uk/10.htm
ウェンデル法(Wendel method, 下部食道・噴門部全層切開縫合法)
ジラール変法(Girard method, 噴門形成法)
下部食道筋層切除+胃底部縫着術
フォロー
- 粘膜病変の発生(食道炎、食道癌)の有無を上部消化管造影・内視鏡などで定期的に経過観察(1年ごと)
国試
[★]
- 英
- restless legs syndrome, RLS
- 同
- 下肢静止不能症候群、ムズムズ脚症候群、レストレスレッグ症候群
- 関
- 下肢静止不能、エクボム症候群。睡眠障害
概念
- 入眠前の不快な足の感覚によって特徴づけられ、足を動かさずにはいられなくなるような衝動を生じる
疫学
- 40-50歳で急激に上昇する
- 20歳(10%)-90歳(30%)まで漸増する
病型
- 鉄欠乏性貧血
- 終末期腎疾患
- 妊娠
- 末梢神経障害
- パーキンソン病
- その他
診断
診断基準
- 2003 NIH International RLS Study Group(IRLSSG)による
- 1.脚を動かしたいという強い欲求が存在し、また通常その欲求が、不快な下肢の異常感覚に伴って生じる
- 2.静かに横になったり座ったりしている状態で出現、増悪する
- 3.歩いたり下肢を伸ばすなどの運動によって改善する
- 4.日中より夕方・夜間に増強する
診断を補助する特徴
- 1.家族歴
- 2.ドパミン作動薬による効果
- 3.睡眠時のperiodic leg movementsが睡眠ポリグラフ検査上有意に多く出現
鑑別診断
- 鉄欠乏、パーキンソン病、人工透析患者、妊娠、リウマチ性疾患、糖尿病、多発ニューロパチー
- 抗精神病薬に伴うアカシジア:落ちつきのなさが特徴であり、じっとしていることができないが、不快な異常感覚を伴わず、概日リズムもなく、運動も全身性であることなどから鑑別
- 夜間の有痛性筋痙攣
- painful legs and moving toes syndrome 痛む脚と動く趾症候群:足趾に出現し、痛みに伴いゆっくりとした指の動きを不随意に呈し、概日リズムもなく、動かしたい衝動ではないことから鑑別
治療
- 確立された治療法はない
非薬物療法
薬物療法
- 日本神経治療学会 - 標準的神経治療より
-
- ベンゾジアゼピン系薬物:クロナゼパム
- 抗けいれん薬:ガバペンチン
- オピオイド
- 鉄剤
- KPS.835
- ベンゾジアゼピン系薬、レボドパ、あへん類、プロプラノロール、バルプロ酸、カルバマゼピン
参考
- https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/restless.pdf
国試
[★]
- 英
- chlorpromazine, CPZ
- 同
- 塩酸クロルプロマジン
- 商
- コントミン、ウインタミン、Thorazine、ベゲタミン-A配合
- 関
- 精神神経用剤
特徴
- 抗ヒスタミン薬の開発の過程で見いだされた
- 統合失調症患者に強い鎮静、睡眠作用を必要とする場合に使う
構造
作用機序
- →錐体外路症状は少ない。末梢性抗コリン作用による副作用が生じやすい
- →鎮静、催眠作用:強。興奮や不眠を示す患者によい。
薬理作用 (SPC.193)
- 鎮静作用(ノルアドレナリンが関与)
- 抗幻覚・抗妄想作用(ドーパミンが関与)
- 感情の安定化
- 賦活作用(セロトニンが関与)
動態
適応
注意
禁忌
副作用 (SPC.193)
- 抗コリン作用(口渇、かすみ目、便秘、尿閉、発汗減少)
- α-ブロック作用(頻脈、起立性低血圧、射精障害)
- 内分泌作用
- 体温調節以上
- けいれん誘発
- 錐体外路症状
末梢
相互作用
[★]
- 関
- 食道X線検査
- バリウムを嚥下して食道の構造や運動を評価する。この目的で行う検査としては第一選択となる。
- see HIM.chapter 286
Fig 286-1(HIM)
Fig 286-2(HIM)
[★]
- 英
- restlessness
- 関
- アカシジア、精神運動性激越、精神運動興奮、焦燥感、落ち着きのなさ、不穏
- 英
- restlessness
[★]
- 英
- tardive akathisia
- 関
- 薬物誘発性アカシジア、アカシジア
- 統合失調症治療薬の長期服薬などによる下肢の異常感覚と静坐不能
[★]
- 英
- drug-induced akathisia
- 関
- 遅発性アカシジア