- 英
- esophageal diverticulum
- 関
- 咽頭食道憩室、圧出性憩室
概念
分類
- SSUR.449
成因
- 牽引性憩室 traction diverticulum
- 圧出性憩室 pulsion diverticulum
組織学的
- 真性憩室 true diverticulum
- 仮性憩室 false diverticulum
部位別
- 下咽頭部:ツェンカー憩室 咽頭食道憩室:圧出性憩室、仮性憩室:上部食道括約筋である輪状喉頭筋の弛緩と咽頭の収縮の協調不全の結果、食道入口部の内圧が上昇し粘膜が脱出。
- 中部食道:中部食道憩室:牽引性憩室、真性憩室:炎症で縦隔リンパ節が食道壁と癒着し、次いで起こる瘢痕性収縮で食道壁が牽引されて生じる。
- 横隔膜上:横隔膜上憩室:圧出性憩室、 :下部食道の過剰収縮や下部食道括約筋の弛緩不全により横隔膜直上部の食道内圧が上昇し、食道粘膜が圧出することで生じる。
検査
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胸部X線造影
内視鏡
国試
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 宮津 克幸,小林 孝一郎,岩佐 桂一
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 34(2), 127-132, 2012-03-25
- … 部消化管内視鏡検査において偶然食道憩室が発見され,当科において精査を行った.胸部CTおよび造影検査の結果,瘻孔は下部食道右側の食道憩室より右肺S^6内部の嚢胞を介してB^6気管支に連続しており,Braimbridge分類のI+III型に相当すると考えられた.手術は食道気管支瘻離断+右肺下葉切除を施行,瘻孔離断時には術中食道内視鏡を併用した.食道憩室断端と気管支断端はそれぞれ大網 …
- NAID 110009437392
- 症例 Gastrointestinal stromal tumorを合併した腹部食道憩室に対し腹腔鏡下切除を施行した1例
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- 食道憩室とはどんな病気か. 食道憩室は、食道壁の一部がポケット状(嚢胞状(のう ほうじょう)、テント状)に外側に突出した状態で、表面は粘膜におおわれているものです( 図11)。 原因は何か. 嚢胞壁に筋層がある先天性のものと、後天性のものがあります。
- 家庭医学館 食道憩室の用語解説 - [どんな病気か] 食道の一部が外側に張り出す病気 です。 食道の弱い部分が内圧に押されて張り出してくる内圧性憩室(ないあつせい けいしつ)、周囲の組織が食道と癒着(ゆちゃく)し、食道を引っ張るためにおこる牽引性 憩室( ...
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★リンクテーブル★
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- 81歳の女性。胸やけを主訴に来院した。3年前から胸やけと前胸部痛とを自覚することがあった。症状が次第に増悪し、最近2か月で5の体重減少がみられる。体温36.1℃。脈拍72/分、整。心雑音はなく、呼吸音に異常を認めない。血液所見:赤血球325万、Hb9.9g/dl、Ht30%、血小板29万。血清生化学所見:総蛋白6.7g/dl、アルブミン3.6g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総ビリルビン0.6mg/dl、AST18単位、ALT10単位。上部消化管造影写真を以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F026]←[国試_100]→[100F028]
[★]
- 55歳の男性。嚥下障害を主訴に来院した。3か月前から食事の時につかえる感じが出現し、1か月前から固型物のつかえ感が顕在化してきた。水を大量に飲んで流しこむ状態で、この3か月で体重が5kg減少した。横臥すると数時間前に食べたものが口腔内に逆流してくる。逆流内容物は食物残渣のみで、血液の混入はなく、酸味もない。食道造影写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A022]←[国試_097]→[097A024]
[★]
- 40歳の女性。嚥下困難と嘔吐とを主訴に来院した。35歳を過ぎたころから前胸部に食物のつかえを感じるようになった。1年前から食物がつかえたときにお茶で流し込むことが月に2回程度あった。最近、食後に嘔吐するようになったため受診した。吐物はほとんど飲み込んだ食物であり体重減少はない。上部消化管造影像(別冊No. 2)を別に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109F019]←[国試_109]→[109F021]
[★]
- 74歳の女性。胸やけを主訴に来院した。
- 10年前から前屈あるいは高脂防食摂取で増悪する胸やけの症状があり、制酸薬と酸分泌抑制薬との処方を受けていた。服薬による改善と中断による再燃とを繰り返してきた。
- 食道造影写真を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [098D029]←[国試_098]→[098D031]
[★]
- 75歳の男性。健康診査の上部消化管造影で異常を指摘され来院した。
- 高血圧と慢性気管支炎とに対して外来治療中であった。上部消化管造影写真と食道内視鏡写真とを以下に示す。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A023]←[国試_098]→[098A025]
[★]
- 上部消化管内視鏡像(別冊No. 2)を別に示す。診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I010]←[国試_109]→[109I012]
[★]
- 出生直後から泡沫状の唾液排出と呼吸困難とをきたすのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098H031]←[国試_098]→[098H033]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096G102]←[国試_096]→[096G104]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G098]←[国試_100]→[100G100]
[★]
- 英
- chest pain, thoracodynia, pectoralgia
- 同
- 胸部痛
- 関
- 胸壁痛。胸部圧迫感
鑑別疾患
- 診断エッセンシャルズ新訂版
救急疾患
その他
鑑別診断
- DIF.84
胸痛の質
- 圧迫されるような痛み:狭心症、心筋梗塞
- 刺すような痛み:心膜炎、胸膜炎、肋間神経痛
胸痛と呼吸困難
- 参考1
- 気胸、肺炎、胸膜炎、慢性閉塞性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患の悪化、肺癌などの肺疾患、心不全
診察
【現病歴】
誘因、発生様式(突発、緩徐)、経時的変化(一定、動揺、増悪/寛解傾向)、部位(一番痛い部位、放散する部位)、軽快因子、増悪因子、(反復するエピソードあれば)前回との比較、随伴症状
【既往歴】基礎疾患(DM, HT, DL)
【嗜好】smoking, alcohl
【服用薬】
【職業】
【身体所見】
Appearance: Face anguish, Diaphoresis, Cyanosis
Vital:
Consciousness:
BT , BP / , HR (L Arm/R Arm, Lower Extrimity), RR , SpO2
Lymphnode: swollen/no swollen, breath sound →/↑/↓
Chest
Heart:Is →/↑/↓, IIs →/↑/↓, IIIs(±)/IVs(±), murmur, friction rub ±
Lung: crackle/rale
Abdomen: soft/hard, tenderness
Extremity: cold/pulse/edema
Skin: dry/wet/hot/cold
【検査】
ECG: ST segment change
Blood test:
biochemistry: CK-MB, Troponine T, AST, LDH, H-FABP
Blood count: WBC
Arterial blood gas: PaO2 torr
A-aDO2 = 150 - PaCO2/ 0.8 (torr) - PaO2 (normal below 20 Torr)
Chest XP:
Heart echography:
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
[★]
- ヒント:タイトルに騙されるな!
- 45歳 女性
- 主訴:肺炎
- 現病歴:過去6ヶ月の間、咳、発熱、および膿性痰をともなう3回のエピソードがあった。このうち1回のエピソードでは、右側の胸膜炎性胸痛があった。一連のエピソードはgeneral practitionerの外来で治療していた。これらのエピソードに加え、5年間の嚥下困難の既往がある。嚥下困難は最初は中等度であったが、だんだんと増悪している。食べ物が胸骨後部の下方に刺さる様だと言っている。どういう固形物であってもこのような症状がでる。体重は過去2ヶ月で5kg減少した。嚥下困難は食事中に改善することがあるようだ。最近、形のはっきりとした食物を嘔吐する問題を抱えている。
- 3年前外来で施行した上部消化管内視鏡では問題は認められなかった。器質的な問題がないことが保証されたが、症状はひどくなってきた。排尿障害はない。便秘傾向があるが、最近少し悪くなってきた。
- 既往歴:無し
- 家族歴:無し
- 社会歴:10年前まで4年間、アメリカ合衆国の北西の沿岸部にすんでいた。店員として働いている。
- 嗜好歴:喫煙なし。飲酒は週に5units以下。
- 服用薬:
- 身体所見 examination
- やせて見える。右の肺底部にcrackleを認める。心血管系、消化器系、およびそのほかの臓器系に異常を認めない。
- 検査所見 investigations
- 胸部単純X線写真(供覧)
- 問題
- 診断名は?
- どうやって診断をつけるの?
- 答え
- 噴門部のアカラシア
- ■嚥下障害の鑑別疾患
- DIF.125
- 嚥下というのは喉頭、咽頭、食道の機能で、1)機械的閉塞(ex. 腫瘍)、2)生理的閉塞(ex. 偽球麻痺)により機能が障害される。
- 機械的閉塞 喉頭、咽頭、あるいは食道自体の内的な疾患と周辺臓器の外的な疾患を考える。VINDICATEが有効。
- V vascular 大動脈瘤、心拡大
- I inflammatory 喉頭炎、扁桃炎、食道炎、縦隔炎。 infection シャーガス病
- N neoplasm 食道と気管の癌腫(carcinoma)、縦隔の皮様嚢腫
- D degenerative and deficiency Plummer-Vinson syndrome(鉄欠乏性貧血)
- I intoxication アルカリ狭窄(lye stricture)
- C congenital and acquired 食道閉鎖症(esophageal atresia)、食道憩室
- A autoimmune 強皮症
- T trauma 食道破裂
- E endocrine 甲状腺腫大(endemic goiter(風土病としての甲状腺腫)、グレーブス病)
- 生理的閉塞 神経から筋肉にいたるまでの障害であり、この経路を想像しながら鑑別を上げていく。
- 1. end organ 緊張性ジストロフィー、皮膚筋炎、アカラシア、びまん性食道痙攣
- 2. 神経筋接合部 重症筋無力症
- 3. 下位運動ニューロン 急性灰白髄炎、ジフテリア性神経炎、脳幹における感染症もしくは腫瘍
- 4. 上位運動ニューロン 偽性球麻痺(脳梗塞、脳塞栓、脳出血、多発性硬化症、認知症、びまん性脳動脈硬化症)、パーキンソン病や他の錐体外路症状を呈する疾患
[★]
- 英
- Zenker's diverticulum、Zenker's diverticula、Zenker diverticulum、Zenker diverticula
- 同
- ツェンケル憩室 Zenker憩室、咽頭食道憩室 pharyngoesophageal diverticulum、咽頭憩室
- 関
- 憩室、仮性憩室、食道憩室
[show details]
まとめ
- 圧出性憩室、仮性憩室:上部食道括約筋である輪状喉頭筋の弛緩と咽頭の収縮の協調不全の結果、食道入口部の内圧が上昇し粘膜が脱出。
概念
- 咽頭食道移行部後壁の食道筋層の抵抗減弱部から圧出して生じた憩室(圧出性憩室)。筋層を欠く(仮性憩室)。(SSUR.449)
- 成因:上部食道括約筋である輪状咽頭筋の弛緩と喉頭の弛緩の強調不全の結果、食道入口部の内圧が上昇し粘膜が脱出する。(SSUR.449)
- Killian三角とよばれる筋層が薄い部分から粘膜が圧出される。
症状
- SSUR.449
- Zenker憩室は入口の狭い嚢状の構造のため、飲食物が貯留しやすいうえ、咽頭や喉頭に近いため、他の憩室に比べて症状が出やすい。
診断
- 食道X線写真造影検査:側面像で食道の背側に突出する嚢状構造。(SSUR.449)
治療
- SSUR.449
- 憩室切除
- 憩室のつり上げ固定
- 輪状咽頭筋切開術:食道入口部の内圧を下げるため。
[★]
- 英
- transesophageal echocardiography, trans-esophageal echocardiography, TEE
- 同
- 経食道心エコー法、経食道心エコー検査
- 経食道心エコー図, 経食道心エコー像, transesophageal echocardiogram
- 関
- 心エコー
適応
- 解離性大動脈の術前診断、左房内血栓の検索などに有用
禁忌
- 参考1
- [[上部消化管出血(3カ月以内)
- [[最近の胃手術後(3カ月以内)
- (相対的禁忌)
参考
- http://www.maruishi-pharm.co.jp/med/libraries_ane/anet/pdf/31/31spe_2.pdf
- http://suuchan.net/note/Chapter-041401.html
- http://www.jcc.gr.jp/navy/ic/tuh-008.pdf
[★]
- 英
- pressure diverticulum, pulsion diverticulum
- 同
- 内圧性憩室 pulsion diverticulum
- 関
- 憩室、食道憩室、牽引性憩室
[show details]
-pulsion diverticulum
[★]
- 英
- esophagus (Z)
- 関
- 消化器系
解剖
- 正中面付近を下行してくるが、横隔膜近傍で左側に寄り、背面で胸大動脈と交叉する。
- L10椎体の高さで、食道裂孔を食道神経叢と共に通過して腹腔に入る
部位区分
- SSUR.456
生理的狭窄部 (KL.283, KH. 139)
- 第1狭窄部位:輪状軟骨狭窄部:cricopharyngeal constriction
- 切歯から15cm
- 食道の上端で、咽頭に連なる部位
- 下咽頭収縮筋が食道を囲み、輪状軟骨に付き、この筋の緊張によると考えられる
- 第2狭窄部位:大動脈狭窄部:bronchoaortic constriction
- 切歯から25cm
- 食道の中部で、大動脈弓と左気管支が交叉し、それによって圧される。つまり大動脈弓の
- 第3狭窄部位:横隔膜狭窄部:diaphragmatic constriction
運動 (SP.720)
組織
- 食道腺は粘膜筋板の下に存在する。 ← 粘膜下組織に腺があるのは食道の固有食道腺と十二指腸のブルンネル腺だけ
- 食道は横隔膜より上位では漿膜がなく、癌が周囲に浸潤しやすい
食道の上皮と上皮下の組織
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層構造
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1
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2
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3
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4
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5
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6
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器官
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単層扁平上皮
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単層立方上皮
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単層円柱上皮
|
角化重層扁平上皮
|
非角化重層扁平上皮
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上皮表層の構成細胞
|
粘膜固有層
|
腺の構成細胞
|
粘膜筋板
|
粘膜下組織 (大抵、粗結合組織)
|
筋層
|
漿膜(結合組織+単層扁平上皮) 外膜(結合組織のみ)
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|
|
|
食道
|
|
|
|
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○
|
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食道噴門腺 (咽頭付近と胃付近に局在)、粘液腺
|
粘液細胞 (スムーズに食べ物を流す)
|
縱層 (縦走筋のみ)
|
固有食道腺(粘液腺、管状胞状、ペプシノーゲン、リゾチーム)
|
内輪筋層 外縱筋層 (食道上1/3:骨格筋、食道中1/3:骨格筋、平滑筋、食道下1/3:平滑筋)
|
外膜(横隔膜まで) 漿膜
|
臨床関連
- 食事の通過障害は生理的狭窄部でおこりやすい。特に第1狭窄部で異物が見られる (KH.141)
- 生理的狭窄部は癌の好発部位であり、第2,第3狭窄部位に多い (KH.141)
[★]
- 英
- diverticulum
[★]
- 英
- ventricle、ventriculus、ventriculi、ventricular
- 関
- 胃、腔、心室、心室性、脳室