- 英
- larynx (KL,K)
- 関
- 咽頭
解剖
- 第4~6頚椎の高さにある。約5cm (KL.612) <→ C3-C6椎体の高さにある(M.571)
組織
- 呼吸器の上皮の移行
- 呼吸上皮
- 重層扁平上皮:喉頭蓋、声帯遊離縁
- 声帯以外の粘膜下組織中には喉頭腺が存在。喉頭室部に多い。
リンパ
- 上喉頭動静脈に沿って舌骨甲状膜を貫通 → 上内頚静脈リンパ節、中内頚静脈リンパ節
- 喉頭粘膜のリンパ網は、仮声帯、喉頭入口部でよく発達。喉頭蓋基部の小孔を通じて喉頭蓋前間隙のリンパ組織に連絡し、さらに内深頚リンパ節につらなっている。このため声帯上部癌のリンパ節転移率は喉頭癌のうち最も高率(SOTO. 560)
- 下喉頭動静脈に沿って喉頭前リンパ節・気管リンパ節 → 下内頚静脈リンパ節
- 喉頭前リンパ節、気管周囲リンパ節につながっている(SOTO. 560)
機能
喉頭の固有筋→喉頭筋
臨床関連
- 喉頭先天性疾患
- 喉頭外傷
- 喉頭異物
- 喉頭炎症
- 喉頭非腫瘍性病変
- 喉頭ポリープ(声帯ポリープ):声帯縁にに好発する広基性、有茎性の浮腫性腫瘤。声帯前1/3に好発。一側性が多い。表面平滑、色調は声帯と異なる。種々の嗄声を示す。保存療法(沈黙療法)で軽快しなければ手術的に切除。
- 声帯結節:声帯の前1/3に好発。両側性が多い。女性に多く、声を酷使する職業に多い。幼児・学童では男性に多い。表面の色調は声帯と変わらない。嗄声をしめし、気息性嗄声が主。保存療法(沈黙療法)で軽快しなければ手術的に切除。
- ポリープ様声帯
- 喉頭肉芽腫
- 喉頭嚢胞
- 喉頭角化症/喉頭白色病変/喉頭白色病変/喉頭白板症
- 喉頭癌
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/04/20 21:24:09」(JST)
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喉頭 |
喉頭(Larynx)
|
英語 |
Larynx |
器官 |
呼吸器 |
動脈
|
上喉頭動脈
下喉頭動脈
|
神経
|
上喉頭神経
反回神経
|
喉頭(こうとう、larynx)とは、咽頭と気管の狭間で、舌骨より下にあり気管より上にある、頸部中央に一つ存在する器官のことをいう。体表からは、のど仏として触れることができ、嚥下時には上前方に移動する。嚥下時の食物の気管や肺への流入(誤嚥)の防止、発声などの機能を持つ。嚥下時には、喉頭蓋が後方に倒れ込み、声門が閉鎖することにより、気管に食物が入り込む事を阻止する。
解剖
- 甲状軟骨:
- 輪状軟骨:
- 披裂軟骨(対):
- 喉頭蓋:
- 喉頭前庭:
- 喉頭室:
- 輪状甲状筋:
- 仮声帯:
- 甲状披裂筋:声帯(声帯ひだ):声門を構成する、左右一対、腱状の構造物。発声時に呼気流を断続的に遮ることで振動、音声(喉頭原音)を生じる。
画像
関連項目
呼吸器系の正常構造・生理 |
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気道系 |
解剖学的構造
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上気道
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鼻
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鼻孔 | 鼻腔 | 鼻甲介 | 副鼻腔
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口
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口腔前庭 | 口腔 | 口蓋
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咽頭 - 喉頭
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下気道
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気管
|
|
気管支
|
主気管支 - 葉気管支 - 区域気管支 - 亜区域気管支
|
|
細気管支
|
小気管支 - 細気管支 - 終末細気管支
|
|
呼吸細気管支
|
|
|
ガス交換器
|
肺 - 肺胞管 - 肺胞嚢 - 肺胞
|
|
顕微解剖学
|
I型肺胞上皮細胞 | II型肺胞上皮細胞 | 杯細胞 | クララ細胞 | 気管軟骨輪
|
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|
生理学・生化学
|
生理学
|
肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A
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生化学
|
PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数
|
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血管系 |
肺循環系
|
(右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房)
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気管支循環系
|
(胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈)
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|
|
運動器系 |
骨格
|
肋骨 | 胸骨
|
|
呼吸筋
|
横隔膜 | 内肋間筋 | 外肋間筋 | 胸鎖乳突筋 | 前斜角筋 | 中斜角筋 | 後斜角筋 | 腹直筋 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 | 腹横筋
|
|
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神経系 |
中枢神経系
|
呼吸中枢 | 呼吸調節中枢 | 前頭葉
|
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末梢神経系
|
横隔神経 | 肋間神経
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Japanese Journal
- 後藤 姉奈,吉田 和枝,辻川 真弓,犬丸 杏里,坂口 美和,小幡 光子,Goto Shina,Yoshida Kazue,Tsujikawa Mayumi,Inumaru Anri,Sakaguchi Miwa,Obata Mitsuko
- 三重看護学誌 14(1), 19-28, 2012-03-15
- … 本研究の目的は, 喉頭全摘出術を受け失声となった患者を受け持った看護学生の学びの様相を明らかにすることである.対象は3年次の成人看護学実習において失声患者を受け持った学生5名である.データは実習記録と実習後に行った半構成面接より収集し, 質的帰納的に分析を行った.分析の結果, 『失声患者を受け持つための準備』『ボディイメージの変化, 機能喪失の受容に関する学び』『意思疎通の難しさと大切 …
- NAID 120003994115
- 喉頭摘出者と喉頭温存者の自己肯定意識と否定的感情の差の検討
- 白川 陽子,濱口 佳和,大川 一郎,Shirakawa Yoko,Hamaguchi Yoshikazu,Okawa Ichiro,シラカワ ヨウコ,ハマグチ ヨシカズ,オオカワ イチロウ
- 筑波大学心理学研究 (43), 43-48, 2012-02-10
- NAID 120003893664
- 全部床義歯装着が舌骨の位置と咽頭の幅径に与える影響
- 玉田 泰嗣,古屋 純一
- 岩手医科大学歯学雑誌 36(3), 141-152, 2012-01-24
- … は有意に減少した.舌骨の位置は,上下顎なしでは,上下顎ありに比べ有意に上方また前方に移動した.中咽頭の前後径は,喉頭蓋谷最深点の高さにおいて,上下顎なしでは,他の2条件に比べ有意に増加した.左右径は,上下顎なしでは,上下顎ありに比べ舌背と舌根の境界の高さ,および喉頭蓋谷最深点での高さにおいて有意に増加した.全部床義歯の撤去は,下顎を前上方に回転させ,舌骨を前上方に牽引する.そ …
- NAID 110008897706
- 19.Benjamin分類Type IIIの喉頭気管食道裂に対し披裂軟骨形成を追加したtranstracheal repairを施行した2例(セッション4 要望演題(喉頭気管食道裂),第21回日本小児呼吸器外科研究会)
- 米倉 竹夫,小角 卓也,山内 勝治,黒田 征加,神山 雅史,井原 欣幸
- 日本小児外科学会雑誌 47(7), 1090, 2011-12-20
- NAID 110008896835
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- 喉頭はいわゆる「のどぼとけ」(甲状軟骨先端)に位置しており、内面が粘膜でおおわれ た箱のようなものです。喉頭の内腔は上前方は舌根(ぜっこん: 舌のつけ根)につながり 、上から喉頭蓋、仮声帯、室、声帯、声門下腔に分けられ、下方は気管から肺へ続い ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アレルゲンスクラッチエキス「トリイ」卵黄
効能または効果
診断
- アレルギー性疾患のアレルゲンの確認
- 用法及び用量
診断
通常乱刺または切皮法により皮膚面に出血しない程度に傷をつけ、本品1滴を滴下し、15〜30分後に膨疹径が対照の2倍以上または5mm以上を陽性とする。
重大な副作用
ショック
(頻度不明)
- ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、くしゃみ、蕁麻疹、血管浮腫、不快感、口内異常感、喘鳴、耳鳴等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
★リンクテーブル★
[★]
- 23歳の男性。のどの痛みを主訴に来院した。
- 現病歴:2日前からのどの痛みと発熱とを自覚していた。痛みが次第にひどくなったため23時に救急外来を受診した。痛みが強く唾液を飲み込むことができないため口から吐き出している。
- 既往歴: 15歳時に虫垂炎の手術を受けた。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現 症:意識は清明。体温38.2℃。脈拍92/分、整。血圧124/80mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。咽頭後壁粘膜はやや発赤しているが、口蓋扁桃の腫脹はみられない。頸部に圧痛を認め、軽度喘鳴を聴取する。心音に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E059]←[国試_106]→[106E061]
[★]
- 39歳の男性。2日前から咽頭痛と発熱とが出現し、昨夜から呼吸困難、嚥下痛および嚥下困難が増強したため、明け方に救急外来を受診した。独歩できるが、喘鳴が強く、呼吸回数も多い,扁桃は軽度の発赤のみで腫脹や白苔付着はない。喉頭部で強い狭窄音を聴取するが、その他の聴診所見で異常を認めない。頚部の腫脹はなく、触診で腫瘤を触れない。この患者でまず行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G016]←[国試_095]→[095G018]
[★]
- 66歳の女性。左耳閉感を主訴に来院した。2週間前から左耳閉感を自覚するようになったため受診した。耳痛やめまいはない。鼻腔内および口腔内に異常を認めない。左上頸部に硬い腫瘤を複数触知する。左耳の鼓膜写真(別冊No. 8)を別に示す。
- 病変の有無を確認すべき部位はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D029]←[国試_113]→[113D031]
[★]
- 67歳の男性。嗄声と頸部腫瘤とを主訴に来院した。2か月前から嚥下時痛を自覚していた。20歳代から飲酒と喫煙とを続けている。背側から展開した手術摘出標本の写真を以下に示す。
- 切除された臓器はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101H037]←[国試_101]→[101H039]
[★]
- 49歳の女性。頚部のしこりを主訴に来院した。左鎖骨上窩に、径2cmの固く可動性に乏しいリンパ節を触知する。
- 検査として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H027]←[国試_106]→[106H029]
[★]
- 頸部造影CT(別冊No. 3)を別に示す。このスライスレベルで確認できないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G025]←[国試_111]→[111G027]
[★]
- 喉頭内視鏡の写真(別冊No. 3 ①~⑤)を別に示す。喉頭癌と考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D009]←[国試_106]→[106D011]
[★]
- (1) 喉頭部に炎症があれば適応とならない
- (2) 第2気管軟骨輪以下の高さで行う
- (3) 小児ではできるだけ避ける
- (4) 給湿が不十分であると無気肺が起こりやすい
- (5) 気管内挿管が3日以上続くときに行う
[★]
- 英
- thyroid gland
- ラ
- glandula thyroidea
- 関
- 甲状腺ホルモン、副甲状腺(上皮小体)
- 喉頭
- 図:N.24(全面の筋),25(全面の筋),70(血管),71(血管)
解剖学
部位
性状
- 成人の正常重量15-25g、女性の方が少し重い。妊娠中や性周期で重量が変化する。分泌期初期(early secretary phase排卵後2-5日目)には50%も重量が増加する。
大きさ
- よくわかる甲状腺疾患のすべて 永井書店 (2004/01) ISBN 481591673X
- 単位はmm?
|
n
|
峡部
|
横断厚
|
横径
|
縦経(右)
|
縦経(左)
|
男性
|
34
|
1.8±0.6
|
18±3.0
|
48±4.8
|
49±3.7
|
49±3.8
|
女性
|
16
|
1.3±0.8
|
16±2.2
|
46±3.6
|
45±6.0
|
46±3.0
|
血管
動脈
静脈
神経
- 声帯を支配する神経が甲状腺の裏側を通過 N.71
画像
- (高エコー)筋肉>甲状腺>気道(低エコー) ← 要確認
組織学
- 成人甲状腺全体の0.1%を占める
- カルシトニン産生細胞、HEでは判別困難。
- 銀染色(Glimerius)、免疫組織化学(chromogranin A、synaprophysin, carcitoninなど)により明らかとなる。
- 電顕では、electron dense な顆粒を有する(神経内分泌顆粒)。
機能
発生
神経支配
- 上頚部交感神経節、中頚部交感神経節。交感神経神経線維は濾胞近傍に終末し、分泌に影響を及ぼす。
臨床関連
診察所見と疾患
非腫瘍性疾患
- a) 無形成 Agenesis
- b) 低形成 Hypoplasia
- c) 異所性甲状腺:異残物
- mynocyclineによるblack thyroid:消耗性色素リポフスチンと他の物質(lipid-drug complexによりlysosomeに色素が沈着する)。
- a) 濾胞腺腫 follicular adenoma
- a) 乳頭癌 papillary carcinoma 88%
- b) 濾胞癌 follicular carcinoma 4.2% 甲状腺濾胞癌 thyroid follicular carcinoma
- c) 低分化癌 poorly differentiated carcinoma
- d) 未分化癌 undifferentiated carcinoma 1.5%
- e) 髄様癌(C細胞癌) medullary carcinoma, C-cell carcinoma 1.4%
- f) 悪性リンパ腫 malignant lymphoma 3.5%
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
分類
[★]
- 英
- laryngeal cancer
- ラ
- carcinoma laryngis
- 独
- Kehlkopfkrebs KKK
- 関
- 声帯癌、喉頭
- 喉頭粘膜のリンパ網は、仮声帯、喉頭入口部でよく発達。喉頭蓋基部の小孔を通じて喉頭蓋前間隙のリンパ組織に連絡し、さらに内深頚リンパ節につらなっている。このため声帯上部癌のリンパ節転移率は喉頭癌のうち最も高率(SOTO. 560)
T分類と治療
局在
|
T1
|
T2
|
T3
|
T4
|
|
限局
|
近隣組織に伸展
|
声帯固定
|
軟骨を破って浸潤or喉頭外浸潤
|
←厳密ではありません おおよその目安です!
|
声門上癌
|
放射線療法
|
放射線療法
|
喉頭全摘出術
|
喉頭全摘出術
|
・進行性。広範な局所伸展。早期のリンパ節転移。比較的高い割合での遠隔転移。 ・放 + 手 もあり。 ・化 + 放 もあり
|
喉頭部分切除術
|
喉頭部分切除術
|
喉頭部分切除術
|
|
|
喉頭全摘出術
|
放射線療法
|
|
声門癌
|
放射線療法
|
放射線療法
|
喉頭全摘出術
|
喉頭全摘出術
|
・症状が出やすい。リンパ節転移しにくい。 ・T1ほとんどの場合放。T1aの場合、生検と治療をかねてレーザー切除をすることがある。 ・T3では、「放」を行い、再発時に「手」を行う施設がある。
|
喉頭部分切除術
|
喉頭部分切除術
|
喉頭部分切除術
|
|
レーザー治療
|
喉頭全摘出術
|
放射線療法
|
|
声門下癌
|
喉頭部分切除術
|
喉頭部分切除術
|
喉頭全摘出術
|
喉頭全摘出術
|
・症状が出にくい。発見時には進行癌になっている。 ・放射線が第一選択となるものはない
|
|
喉頭全摘出術
|
|
|
参考
- 1. がん診療ガイドライン│頭頸部がん - 日本癌治療学会
- http://jsco-cpg.jp/item/15/index.html
- 診断:http://jsco-cpg.jp/item/15/intro_03.html
- 病期分類:http://jsco-cpg.jp/guideline/15.html#VI
- 治療アルゴリズム:http://jsco-cpg.jp/item/15/algo.html#06
- 2. 喉頭癌治療における喉頭温存療法の戦略に対する米国臨床腫瘍学会(ASCO)の臨床診療ガイドライン2006
- http://www.cancerit.jp/cancer_references/archive/No227_asco_rad_laryngealguideline.html
- http://www.gan-pro.com/professional/cancer/larynx.html
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/larynx.html
国試
[show details]
[★]
- ヒント:タイトルに騙されるな!
- 45歳 女性
- 主訴:肺炎
- 現病歴:過去6ヶ月の間、咳、発熱、および膿性痰をともなう3回のエピソードがあった。このうち1回のエピソードでは、右側の胸膜炎性胸痛があった。一連のエピソードはgeneral practitionerの外来で治療していた。これらのエピソードに加え、5年間の嚥下困難の既往がある。嚥下困難は最初は中等度であったが、だんだんと増悪している。食べ物が胸骨後部の下方に刺さる様だと言っている。どういう固形物であってもこのような症状がでる。体重は過去2ヶ月で5kg減少した。嚥下困難は食事中に改善することがあるようだ。最近、形のはっきりとした食物を嘔吐する問題を抱えている。
- 3年前外来で施行した上部消化管内視鏡では問題は認められなかった。器質的な問題がないことが保証されたが、症状はひどくなってきた。排尿障害はない。便秘傾向があるが、最近少し悪くなってきた。
- 既往歴:無し
- 家族歴:無し
- 社会歴:10年前まで4年間、アメリカ合衆国の北西の沿岸部にすんでいた。店員として働いている。
- 嗜好歴:喫煙なし。飲酒は週に5units以下。
- 服用薬:
- 身体所見 examination
- やせて見える。右の肺底部にcrackleを認める。心血管系、消化器系、およびそのほかの臓器系に異常を認めない。
- 検査所見 investigations
- 胸部単純X線写真(供覧)
- 問題
- 診断名は?
- どうやって診断をつけるの?
- 答え
- 噴門部のアカラシア
- ■嚥下障害の鑑別疾患
- DIF.125
- 嚥下というのは喉頭、咽頭、食道の機能で、1)機械的閉塞(ex. 腫瘍)、2)生理的閉塞(ex. 偽球麻痺)により機能が障害される。
- 機械的閉塞 喉頭、咽頭、あるいは食道自体の内的な疾患と周辺臓器の外的な疾患を考える。VINDICATEが有効。
- V vascular 大動脈瘤、心拡大
- I inflammatory 喉頭炎、扁桃炎、食道炎、縦隔炎。 infection シャーガス病
- N neoplasm 食道と気管の癌腫(carcinoma)、縦隔の皮様嚢腫
- D degenerative and deficiency Plummer-Vinson syndrome(鉄欠乏性貧血)
- I intoxication アルカリ狭窄(lye stricture)
- C congenital and acquired 食道閉鎖症(esophageal atresia)、食道憩室
- A autoimmune 強皮症
- T trauma 食道破裂
- E endocrine 甲状腺腫大(endemic goiter(風土病としての甲状腺腫)、グレーブス病)
- 生理的閉塞 神経から筋肉にいたるまでの障害であり、この経路を想像しながら鑑別を上げていく。
- 1. end organ 緊張性ジストロフィー、皮膚筋炎、アカラシア、びまん性食道痙攣
- 2. 神経筋接合部 重症筋無力症
- 3. 下位運動ニューロン 急性灰白髄炎、ジフテリア性神経炎、脳幹における感染症もしくは腫瘍
- 4. 上位運動ニューロン 偽性球麻痺(脳梗塞、脳塞栓、脳出血、多発性硬化症、認知症、びまん性脳動脈硬化症)、パーキンソン病や他の錐体外路症状を呈する疾患
[★]
- 英
- head and neck cancer, cancer of the head and neck
- 同
- 頭頸部癌
発生部位
管腔臓器
- SOTO.354
頚部組織
組織型
頭頚部扁平上皮癌
- 参考4
ガイドライン
- http://jsco-cpg.jp/guideline/15.html
参考
- http://www.cancer.gov/cancertopics/pdq/treatment/laryngeal/HealthProfessional/
- http://ganjoho.jp/professional/med_info/cancer/head_neck.html
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0059/0059_ContentsTop.html
- 4. [charged] Overview of head and neck cancer - uptodate [1]
[★]
- http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%83%A8-%EF%BE%85%EF%BE%8C-150-KOKUYO-%E3%83%8A%E3%83%95-150-%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%B0%E5%90%8D%E6%9C%AD%E5%AE%89%E5%85%A8%E3%83%94%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E4%B8%A1%E7%94%A8%E5%9E%8B%E5%90%8D%E5%88%BA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%BA%E7%94%A8%E3%83%A8%E3%82%B3%E5%9E%8B%E6%9C%AC%E4%BD%93R-PP/dp/B000NNK5A4/ref=sr_1_22?ie=UTF8&qid=1338660835&sr=8-22
解剖学用語について-改訂を検討中
- 椎骨の呼び方をを略しています。学術的には正しくないです。
第1頚椎 → C1椎体
第10胸椎 → T10椎体
第3腰椎 → L3椎体
- 脊髄の呼び方を略しています。学術的には正しくないです。
第8頚髄 → C8脊髄
- 脊髄神経から出る神経の呼び方を略しています。学術的には正しくないです。
第4腰神経 → L4神経
ツール
確認
要学習
[★]
- 英
- acute laryngotracheitis
- 関
- 急性声門下喉頭炎
[★]
- 英
- laryngeal tuberculosis
- 関
- 喉頭結核
[★]
- 英
- laryngopharyngeal reflux, LPR
[★]
- 英
- superior laryngeal neuralgia
[★]
- 英
-
- 関
- 頭部