- 英
- esophageal candidiasis
- 関
- 食道炎
概念
- 正常人の約半数に口腔内や胃内にカンジダが存在するが、何らかの原因により食道粘膜を主座にカンジダが増殖した疾患。
- 全身の重症疾患や抗生剤、ステロイド剤、抗癌薬などの使用例、胃切除例など全身的免疫機構(特に細胞性免疫)低下時に発症頻度が増す。
原因
- 悪性腫瘍、膠原病、AIDS、糖尿病、腎不全、肝硬変、高用量ステロイドの長期投与、広域抗菌薬長期投与
- 食道炎
- 食物・異物の停留にともなう機械的な食道粘膜傷害
- 吸入ステロイド
- プロトンポンプ阻害薬
症状
軽症例ではほとんどが無症状時
身体所見
検査
- 上部消化管内視鏡:数mm前後で光沢のない小隆起性の白色付着物(白苔)がびまん性、縦列状に存在。白苔は水洗しでも落ちにくい。重症例では白苔が増大癒合し、縦列融合や地図状白苔を形成する。
- 培養検査:サブロー培地(Sabouraud培地)で培養。検鏡ではHE染色、PAS染色、グラム染色にて菌体を同定する。
鑑別診断
治療
- 以前はアムホテリシンBの投与が行われていたが、抗真菌薬のゼリー剤で治療できるようになってきている。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- P-080 ニワトリを用いた食道カンジダ症ならびに全身性カンジダ症モデルの作成(深在性真菌症,ポスター討論,一般演題,医真菌学のコペルニクス的転回を目指して)
- 菊池 賢,西村 昌晃,村松 昌武,平山 紀夫,渋谷 和俊,篠崎 稔,大久保 陽一郎,槙村 浩一,田村 弘志,平松 啓一
- 日本医真菌学会総会プログラム抄録集 51(Supplement_1), 81, 2010-09-17
- NAID 110007767305
- アルゴンプラズマ凝固療法が奏功した難治性食道カンジダ症の1例
- 留置 辰治,松中 秀之,西川 泉,井畑 裕三子,田伏 弘行,森 良幸,篠永 卓郎,東 克彦,岡 政志,一瀬 雅夫
- 日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy 52(4), 1250-1256, 2010-04-20
- … 症例は74歳,男性.平成10年に下部食道に厚い白苔を伴う食道カンジダ症を認め,数年にわたり種々の抗真菌剤を繰り返し投与されたが白苔は残存したままであった.平成18年2月に食物の通過障害がひどくなり,内視鏡検査で咽頭部より食道胃粘膜接合部に広がるカンジダ病変を認め,特に下部食道は以前と同様に厚い白苔に覆われていた.抗真菌剤の投与とアルゴンプラズマ凝固療法(APC)を併用することで白苔は消 …
- NAID 10026910002
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- 食道モリニア症(食道カンジダ、カンジダ性食道炎)。食道モリニア症(食道カンジダ、 カンジダ性食道炎) とはどんな病気か モリニア・アルビカンス(カンジダ・アルビカンス) による病気で、いろいろなカンジダ種を起炎菌とする感染症です。現在は食道カン goo ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 81歳の男性。嚥下困難を主訴に来院した。1か月前から嚥下困難を自覚しており、2週間前から食事摂取が困難となったため受診した。前立腺癌でホルモン療法を受けている。身長 160cm、体重 56kg。体温 36.1℃。脈拍 72/分、整。血圧 136/88mmHg。呼吸数 14/分。甲状腺の腫大を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。上部消化管内視鏡像(別冊No. 17)を別に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113A043]←[国試_113]→[113A045]
[★]
- 75歳の男性。嚥下痛を訴えて来院した。40年前から糖尿病の治療を受けている。食道造影写真を以下に示す。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095C023]←[国試_095]→[095C025]
[★]
- 英
- echinocandin
[★]
- 英
- esophagus (Z)
- 関
- 消化器系
解剖
- 正中面付近を下行してくるが、横隔膜近傍で左側に寄り、背面で胸大動脈と交叉する。
- L10椎体の高さで、食道裂孔を食道神経叢と共に通過して腹腔に入る
部位区分
- SSUR.456
生理的狭窄部 (KL.283, KH. 139)
- 第1狭窄部位:輪状軟骨狭窄部:cricopharyngeal constriction
- 切歯から15cm
- 食道の上端で、咽頭に連なる部位
- 下咽頭収縮筋が食道を囲み、輪状軟骨に付き、この筋の緊張によると考えられる
- 第2狭窄部位:大動脈狭窄部:bronchoaortic constriction
- 切歯から25cm
- 食道の中部で、大動脈弓と左気管支が交叉し、それによって圧される。つまり大動脈弓の
- 第3狭窄部位:横隔膜狭窄部:diaphragmatic constriction
運動 (SP.720)
組織
- 食道腺は粘膜筋板の下に存在する。 ← 粘膜下組織に腺があるのは食道の固有食道腺と十二指腸のブルンネル腺だけ
- 食道は横隔膜より上位では漿膜がなく、癌が周囲に浸潤しやすい
食道の上皮と上皮下の組織
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層構造
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1
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2
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3
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4
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5
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6
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器官
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単層扁平上皮
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単層立方上皮
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単層円柱上皮
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角化重層扁平上皮
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非角化重層扁平上皮
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上皮表層の構成細胞
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粘膜固有層
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腺の構成細胞
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粘膜筋板
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粘膜下組織 (大抵、粗結合組織)
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筋層
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漿膜(結合組織+単層扁平上皮) 外膜(結合組織のみ)
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食道
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○
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食道噴門腺 (咽頭付近と胃付近に局在)、粘液腺
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粘液細胞 (スムーズに食べ物を流す)
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縱層 (縦走筋のみ)
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固有食道腺(粘液腺、管状胞状、ペプシノーゲン、リゾチーム)
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内輪筋層 外縱筋層 (食道上1/3:骨格筋、食道中1/3:骨格筋、平滑筋、食道下1/3:平滑筋)
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外膜(横隔膜まで) 漿膜
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臨床関連
- 食事の通過障害は生理的狭窄部でおこりやすい。特に第1狭窄部で異物が見られる (KH.141)
- 生理的狭窄部は癌の好発部位であり、第2,第3狭窄部位に多い (KH.141)
[★]
- 英
- candidiasis
- 同
- モニリア症 moniliasis
- 関
- 真菌症、真菌、カンジダ属、全身性カンジダ症
病原体
- 主にCandida albicans
分類
感染の局在性による分類
感染部位による分類
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- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- street, meatus
- 関
- 管、街路、街角