- 英
- labyrinthitis、internal otitis
- ラ
- otitis interna
- 同
- 迷路炎 labyrinthitis
WordNet
- inflammation of the inner ear; can cause vertigo and vomiting (同)otitis_interna
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/12 14:12:37」(JST)
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内耳炎(ないじえん)とは、何らかの原因で内耳に発生した炎症のことである。内耳は、音を感知する部分であり、かつ、重力の向きと加速度を感知する部分であるために、内耳炎は、音の感知に影響を及ぼして難聴を生ずるだけではなく、平衡覚、回転覚にも影響を及ぼしてめまいなども生ずる。
| 
 目次
1 概要
2 色々な内耳炎
2.1 ウイルス性内耳炎2.2 髄膜炎性内耳炎2.3 中耳炎性内耳炎3 注釈4 出典5 関連項目 | 
概要
内耳炎は、内耳の周囲からの細菌感染やウイルス感染といったことが原因で発生する。他、中耳にできた真珠腫が原因になることもある [1] 。 内耳には、音を電気信号に変換する、つまり聴覚に関わっている蝸牛や、重力の向きを電気信号に変換する、つまり平衡覚に関わっている前庭や、加速度を電気信号に変換する、つまり回転覚に関わっている三半規管があるため、ここに炎症が起こると、これらの感覚の感度などに悪影響を受ける。
聴覚への影響
内耳の炎症が原因で起こる音に対する感度の低下に伴う難聴についてだが、これを換言すると、内耳が原因の感音難聴が起きた状態、すなわち、内耳性難聴が起こった状態だと言うことができる。内耳炎には、その原因による分類も存在し、ウイルス感染によって起こるウイルス性内耳炎、髄膜炎から炎症が広がって起こる髄膜炎性内耳炎、中耳炎から炎症が広がって起こる中耳炎性内耳炎といったものがある。これらは全て、内耳炎の結果によって感音難聴が起こるわけだが、中耳炎が起きている場合には基本的に伝音難聴も生じているので、中耳炎性内耳炎については、感音難聴と伝音難聴とを併発した混合難聴となっている。
平衡感覚への影響
ヒトの場合、平衡感覚に関係しているのは、内耳だけではないが、それでも内耳は、平衡覚と回転覚を感知する感覚器として重要な地位にある。一般的なヒトの平衡感覚は、内耳が正常に機能していることを前提として成り立っているわけだが、内耳炎が起こると、当然のように内耳の機能は正常ではなくなり、結果として平衡感覚に異常が発生する。しかしながら、ヒトにとって音を音として感知したことを脳へと伝えることができる感覚器、つまり、音による振動を直接電気信号に変換できる場所として、内耳は唯一無二の器官であるのに対して、ヒトの平衡感覚は、内耳以外にも視覚、皮膚感覚、筋肉や関節などの動きの状態などなど、様々な場所からの情報を脳で統合することによって成り立っている。このために、内耳が完全にその機能を失った場合、聴力は完全に失われて失聴となるが [注釈 1] 、平衡感覚は内耳からの情報が得られないことを前提に再構成され得るため、平衡感覚が失われることはない。無論、この再構成には時間がかかるので、その間、平衡感覚に混乱が起こってめまいなどが発生するのである。
色々な内耳炎
以下、タイプ別の解説をする。
ウイルス性内耳炎
何らかのウイルスが感染したことによって発生した内耳炎を、ウイルス性内耳炎と呼ぶ。内耳炎は、麻疹や風疹や流行性耳下腺炎によって引き起こされることもあるが、これらもウイルス性内耳炎に分類される。ウイルス性内耳炎は、不可逆的な(二度と回復しない)感音難聴を生ずる [2] 。 また、平衡感覚にも影響を受けて、めまいなども生じるが、こちらは内耳以外が正常であれば回復し得る。
髄膜炎性内耳炎
髄膜炎から炎症が広がったことによって発生した内耳炎を、髄膜炎性内耳炎と呼ぶ。髄膜炎性内耳炎で起こった感音難聴の回復は難しく、これが原因で中途失聴者となることも多い [2] 。
中耳炎性内耳炎
各種の中耳炎から炎症が広がったことによって発生した内耳炎を、中耳炎性内耳炎と呼ぶ。急性中耳炎が原因で起こった中耳炎性内耳炎は、感音難聴やめまいを引き起こすものの、これらの症状は完全に回復することが多い[2]。また、急性中耳炎によって発生した伝音難聴についても、ほとんどの場合、中耳炎の治癒と共に回復する。したがって、急性中耳炎が原因で起こった中耳炎性内耳炎では、炎症が慢性化しなければ、一時的な聴力低下で済むことが多いと言える。慢性中耳炎が原因で起こった中耳炎性内耳炎も、やはり感音難聴やめまいを引き起こす。ただし、慢性的な炎症のため、最初は高音障害型の感音難聴(可聴域の内、高音域を感知しにくくなったことが原因の難聴)だったものが、次第に全音域で感音難聴となり、そのまま二度と聴力が回復しなくなる場合がある[2]。また、慢性中耳炎によって発生した伝音難聴についても、炎症が続くことで二度と回復しなくなる場合があるので、慢性中耳炎が原因で起こった中耳炎性内耳炎では、永続的な混合難聴となる場合がある。なお、これらの中耳炎性内耳炎で発生しためまいについては、仮に内耳の機能が完全に失われたとしても、内耳以外が正常であれば回復し得る。
注釈
- ^ ここで人工内耳に置き換える手術などを行えば聴力が復活し得るので、 その意味において聴力が完全に失われるという言い方には語弊があるかもしれない。 これは、内耳が完全に機能不全となっても回復し得る平衡感覚との対比による表現だと理解して欲しい。
出典
- ^ 馬場 俊吉 『耳鼻咽喉科(改訂第2版)』 p.55 医学評論社 1999年12月3日発行 ISBN 4-87211-413-2
- ^ a b c d 馬場 俊吉 『耳鼻咽喉科(改訂第2版)』 p.57 医学評論社 1999年12月3日発行 ISBN 4-87211-413-2
関連項目
 
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Japanese Journal
- 岸本 真由子,内田 育恵,野々山 宏,片平 信行,平山 肇,谷川 徹,植田 広海
- Audiology Japan 54(5), 349-350, 2011-09-30
- NAID 10029741858
 
 
- 五島 史行,守本 倫子,大原 卓哉,本村 朋子,泰地 秀信
- 日本耳鼻咽喉科學會會報 114(6), 562-567, 2011-06-20
- … 診断はBPVが8例, 起立性調節障害2例, 内耳炎2例, 遅発性内リンパ水腫一例, 転換性障害一例 (重複有り) であった. …
- NAID 10029380853
 
 
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- 内耳炎は、主に中耳腔の炎症が、中耳と内耳を隔てている2つの窓(正円窓(せいえん  そう)と卵円窓(らんえんそう))を通して内耳に及んだものです。しかし、時には真珠腫性  中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)によって内耳の骨が破壊され、そこを通して中耳腔  の ...
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★リンクテーブル★
  [★]
- 5歳の男児。難聴と言語発達の遅れとを主訴に来院した。
- 出生後の精神・身体発育は順調であった。2歳時に髄膜炎と中耳炎とに罹患した。オージオグラムを以下に示す。
- 難聴の原因はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098D008]←[国試_098]→[098D010]
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- 受動喫煙によって発症リスクが増加する小児の疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I016]←[国試_108]→[108I018]
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[正答]
※国試ナビ4※ [105G024]←[国試_105]→[105G026]
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D114]←[国試_099]→[099D116]
  [★]
- 日
- げんうん、めまい
- 英
- vertigo, dizziness
- ラ
- vertigo
- 同
- めまい発作 dizzy spell
- 関
- めまい、耳鳴り
めまいの分類
IMD. 276
- SOD.134
原因部位による分類
めまいをきたしうる疾患
- IMD.277
原因部位と眼振
原因部位の鑑別
- 研修医当直御法度 症例帳 p.22
- IMD.279
|  | 末梢前庭性めまい | 中枢性めまい | 
| 性状 | 回転性が多い | 回転性は少ない | 
| 強さ | 強い | 軽度 | 
| 持続時間 | 数日まで | 数日以上 | 
| 眼振の方向 | 一方向性 | 注視方向性 | 
| 自発眼振の性状 | 水平回旋性が多 | 純回旋性、垂直性 | 
| 固視の影響 | 抑制される | 抑制されない | 
| 注視眼振の増強する方向 | 健側 | 患側 | 
| 蝸牛症状 | 多い | 稀 | 
| 中枢神経症候 | なし | あり | 
| 悪心・嘔吐 | 軽度~重度 | ない or 軽度 | 
疫学
- IMD.277
- 1. 末梢前庭性眩暈:4-5割 → 良性発作性頭位眩暈が多い。
- 2. 中枢性眩暈  :3割
眩暈、難聴をきたす疾患
検査
参考
- 1. [charged] Benign paroxysmal positional vertigo - uptodate [1]
  [★]
- 英
- trisomy 21
- 同
- ダウン症候群 Down症候群 Down syndrome Down's syndrome、トリソミー21、21番染色体トリソミー 21-トリソミー trisomie 21 autosomale、trisomy G syndrome、蒙古人症 蒙古症 mongolismus モンゴリスムス
- 関
- 染色体核型、トリソミー
[show details]
疫学
- 20-25歳:1/1600
- 25-30歳:1/870
- 30-35歳:1/300
 
病因
- 21番染色体が3コピーになる21トリソミーが基本病態。大多数は自然発生する。3種類の核型が存在する。
- 1.標準型		95%		21番染色体が1本多く、全体が47本となる。
- 2.転座型		 4%		14あるいは21番染色体にRobertson転座する。
- 3.モザイク型	 1%		正常細胞とトリソミー細胞が混在する。
ロバートソン転座による14q,21qを有する21trisomy保因者
- 13,14,15,,21,22は短腕が短くrRNAしかコードされていないので、これらの染色体の間でロバートソン転座により短腕が失われても問題が起きにくい。ロバートソン転座により染色体が45本になっている人は1000人に1人の割合で存在する。(参考1)
- 14番と21番染色体でロバートソン転座が起きたとすると、核型はder(14;21)(q10;q10)と表記される。この場合染色体は、14番染色体、21番染色体、der(14;21)(q10;q10)の3本を有することになる。配偶子が減数分裂の際に作られるとき、6つの組み合わせができるという。すなわち、1本のみ( 14, 21, der(14;21)(q10;q10) )の場合および2本( 14+21, der(14;21)(q10;q10) + 14, der(14;21)(q10;q10) + 21 )の場合ができる。このうち、14, 21, der(14;21) + 14 の場合は受精後にモノソミーが生じることになり致死的である。14+21、der(14;21)(q10;q10)の場合は正常となる。問題はder(14;21)(q10;q10) + 21の場合であり、この場合受精後に21の長腕が3つ存在することになりダウン症候群を発症しうる。
- 転座型ダウン症候群の場合、同胞発生するリスクがある。経験的な危険率は母が保因者の場合10-15%、父親が保因者の場合は2%である。(参考1)
形態
特有な顔貌
合併症
- 出現頻度:約50% ←特徴
- 肺高血圧症が合併
- 動脈管開存症もありうる
- 
 - transient abnormal myelopoiesis(類白血病反応)
 - 生下時末梢血に芽球細胞が見られる。症状はM7と同じ。2割以下で白血病を引き起こす。
- blast cell, LDH, WBCが高値であるが2-6ヶ月で正常となる。
 
 
- 4. 筋骨格系:環軸椎亜脱臼(20-30%の例。呼吸障害につながる)
- 5. 内分泌:甲状腺機能低下症(1/3の例で自己抗体を有する)
- 6. 耳鼻咽喉:内耳炎。種々の程度の中耳・内耳奇形。聴力障害(40-75%)。
- 7. 眼:屈折異常(約60%)、白内障、斜視、眼振、睫毛内反症、視神経異常
- 8. 神経:てんかん(5-10%の例。点頭てんかんが多い)
- 9. 易感染性:原因不明
- 10. 成長発達:軽度~中等度の精神遅滞。学童期に肥満。身長は145(♂),141cm(♀)
参考
- 1. [charged]Chromosomal translocations, deletions, and inversions - uptodate [2]
- 2. DOWN SYNDROME
- http://omim.org/entry/190685
- 3. [charged] ダウン症の臨床的特徴および診断 - uptodate [3]
  [★]
- 英
- inner ear deafness, inner ear hearing loss
- 同
- 蝸牛性難聴 cochlear deafness、迷路性難聴 labyrinthine deafness
- 関
- 感音性難聴、後迷路難聴、伝音性難聴
特徴
感音性
原因
  [★]
- 英
- paralabyrinthitis, perilabyrinthitis
- 関
- 内耳炎
  [★]
- 英
- labyrinthitis
- 関
- 内耳炎
  [★]
- 英
- meningeal labyrinthitis
- 同
- 髄膜炎性迷路炎 meningitic neurolabyrinthitis
  [★]
- 英
- necrotic labyrinthitis, necrotizing labyrinthitis
  [★]
- 英
- suppurative labyrinthitis
  [★]
- 英
- hematogenic labyrinthitis
  [★]
- 関
- 炎光、炎症
  [★]
- 英
- inner ear
- ラ
- auris interna
- 同
- 迷路 labyrinth