- 英
- renal biopsy, kidney biopsy
- 同
- 腎バイオプシー
適応
- タンパク尿が多い(1g/day以上)
- 活動性の腎炎所見(円柱、白血球)
- 急激な腎機能低下
- タンパク尿と血尿が持続
- 出典不明
- 適応:慢性腎炎、全身性の血管炎で腎合併症がある場合、遺伝性腎症、間質性腎炎、原因不明の腎不全
- 禁忌:出血傾向、悪性新生物、易感染性、慢性腎不全、高度の浮腫・腹水、片側腎
- 腎生検ガイドブック
- 適応:検尿異常(蛋白尿、血尿)、ネフローゼ症候群、急性腎不全、移植腎
- 禁忌:出血傾向、片腎、萎縮腎、管理困難な高血圧
参考
- 1. [charged] 腎生検の適応および合併症 - uptodate [1]
国試
- 101A037:末期腎不全患者では多嚢胞化萎縮腎となっており、腎生検は禁忌。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 南 香名[他]
- 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 88(1), 81-88, 2013-03-25
- … 血液画像所見と合わせ、膠原病などの全身性疾患に伴う間質性腎炎を念頭に置き腎生検を施行した。 … 本例は胆道系酵素上昇、肝脾腫・腹腔内リンパ節腫大が先行し、腎生検を契機に診断に至った貴重な症例であるため報告する。 …
- NAID 110009577975
- 増栄 成泰,増栄 孝子,加藤 成一,宇野 雅博,藤本 佳則
- 泌尿器科紀要 59(3), 149-152, 2013-03-00
- We performed ultrasound-guided biopsies on 14 patients having tumors that were difficult to distinguish as benign or malignant on computed tomography. The study took place from January 2004 to Decembe …
- NAID 120005244610
- 経皮的腎生検が診断に有用であった転移性腎腫瘍の1例
- 大迫 洋一,森 勝久,徳田 浩喜 [他]
- 西日本泌尿器科 = The Nishinihon journal of urology 75(1), 31-34, 2013-01-00
- NAID 40019549162
- 白血球除去療法が有効であった下部消化管出血を伴った成人Henoch-Schönlein紫斑病(HSP)の2例
- 小林 園実,田端 秀日朗,安藤 明利,西村 英樹,佐中 孜,新田 孝作,内藤 隆
- 日本透析医学会雑誌 46(7), 671-680, 2013
- … 症例1は57歳,男性.感冒様症状が出現後,腹痛や関節痛および両下肢浮腫・紫斑が出現した.ネフローゼ症候群をきたし,皮膚生検および腎生検の病理結果よりHenoch-Schönlein紫斑病(HSP)と診断した.Prednisolone(PSL)投与にて両下肢の紫斑および関節痛は軽快傾向であったが,腹痛および下血は改善せず,白血球除去療法(leukocytapheresis:LCAP)を計7回施行した.LCAP後,両下肢の紫斑,腹痛および下血症状は改善し, …
- NAID 130003372798
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- 私たちの施設では、病棟の処置室で超音波装置で腎臓の刺す位置を確かめて、バネの ついた自動の腎生検針で行います。麻酔は局所麻酔だけです。 年間100~120人の方 が腎生検を受けられていますが、この方法は簡単でしかも苦痛がほとんどありません。
- 腎生検とは、「腎臓から組織をとる手技・操作」のことをいいます。蛋白尿、血尿、腎機能 低下等の腎臓病を患っている患者さんにとってはっきりと診断をつけ最もふさわしい治療 法を決定するために、腎臓の組織の一部をとり、顕微鏡で評価する検査がとても大切 ...
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[★]
- 24歳の女性。発熱と左下腿の浮腫とを主訴に来院した。1年前から海水浴やスキーに行った際に顔面の紅斑が出現した。1か月前から37℃台の発熱と顔面紅斑が持続し、1週間前から左下腿の浮腫を自覚したため受診した。体温 37.5℃。脈拍 80/分、整。血圧 124/76mmHg。呼吸数 12/分。SpO2 98%(room air)。頬部と爪周囲とに紅斑を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。両手関節と肘関節とに圧痛を認める。左下腿部の腫脹と把握痛とを認める。尿所見:蛋白(±)、潜血1+、沈渣に赤血球5~10/1視野、白血球1~4/1視野、細胞円柱を認めない。血液所見:赤血球 330万、Hb 10.5g/dL、Ht 32%、白血球 3,200(桿状核好中球 20%、分葉核好中球 45%、好酸球2%、好塩基球1%、単球3%、リンパ球 29%)、血小板 12万、PT-INR 1.1(基準 0.9~1.1)、APTT 44.5秒(基準対照 32.2)、Dダイマー 6.5μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 7.4g/dL、アルブミン 4.0g/dL、CK 52U/L(基準 30~140)、尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL。免疫血清学所見:CRP 0.2mg/dL、リウマトイド因子(RF)陰性、抗核抗体 2,560倍(基準 20以下)、抗dsDNA抗体 107IU/mL(基準 12以下)、CH50 17U/mL(基準 30~40)、C3 32mg/dL(基準 52~112)、C4 7mg/dL(基準 16~51)。
- 心電図、胸部エックス線写真および心エコー検査で異常を認めない。次に行うべき検査はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A074]←[国試_112]→[112B001]
[★]
- 48歳の女性。尿検査の異常を主訴に来院した。 2年前に健康診断で尿検査の異常を指摘されたが、受診しなかった。今年の健康診断でも同じ異常を指摘されたため精査目的で来院した。身長160cm.体重60kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧142/84mmHg。口蓋扁桃の腫大、発赤および白苔の付着を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。四肢に浮腫を認めない。尿所見:蛋白2+、糖(-)、潜血3+、尿蛋白1.8g/日。血液所見:赤血球 380万、Hb 11.2g/dl、Ht 34%、白血球 6,600、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dl、アルブミン 3.8g/dl、IgG 1,560mg/dl(基準739-1,649)、IgA 360mg/dl(基準107-363)、尿素窒素 24mg/dl、クレアチニン 1.4mg/dl、尿酸 8.5mg/dl、Na 136mEq/l、K 4.0mEq/l、C1 104mEq/l。免疫学所見:CRP 0.3mg/dl、抗核抗体陰性。腎生検のPAS染色標本(別冊No.16A)、蛍光抗体IgA染色標本(別冊No.16B)及びC3染色標本(別冊No.16C)を別に示す。
- この患者に対する治療方針として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A045]←[国試_105]→[105A047]
[★]
- 66歳の女性。下腿の浮腫を主訴に来院した。2年前に関節リウマチと診断された。発症時には朝のこわばりが昼過ぎまで続き家事にも支障があったが、現在はプレドニゾロンとブシラミンの内服治療で症状はほとんどない。1か月前から顔と両下腿の浮腫を自覚し、体重が2kg増加したため受診した。今まで尿所見に異常は認められなかった。家族歴で父方祖母に関節リウマチがあるが、腎疾患はない。身長 160cm、体重 55kg。脈拍 72/分、整。血圧 154/80mmHg。呼吸数 12/分。頭頸部と胸腹部に異常を認めない。両下腿に圧痕を残す浮腫を認める。関節の圧痛、腫脹、変形を認めない。尿所見:蛋白 3+、糖 (-)、潜血 (±)、沈渣に変形赤血球 2~3/HPFを認める。随時尿の尿蛋白/クレアチニン比は1.5g/gクレアチニン(基準 0.15未満)。血液所見:赤血球 395万、Hb 13.2g/dL、Ht 40%、白血球 7,800、血小板 10万。血液生化学所見:総蛋白 6.2g/dL、アルブミン 3.5g/dL、尿素窒素 13mg/dL、クレアチニン 0.5mg/dL。CRP 0.2mg/dL。腹部超音波検査で腎臓に異常を認めない。
- 対応として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113A042]←[国試_113]→[113A044]
[★]
- 52歳の女性。ふらつきと視力低下とを主訴に来院した。 1か月前から頭重感があり、 1週前からふらつきと左眼の見にくさとを自覚していた。既往歴に特記すべきことはない。母親が高血圧。意識は清明。身長 157 cm、体重 56 kg。体温 36.0 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 268/166 mmHg。呼吸数 16/分。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。尿所見:蛋白 1+、糖 (-)、潜血 (-)、沈渣に円柱を認めない。血液所見:赤血球 382万、 Hb 10.5 g/dl、Ht 32%、白血球4,000、血小板 2.5万。血液生化学所見:総蛋白 7.6 g/dl、アルブミン 4.9 g/dl、尿素窒素 38 mg/dl、クレアチニン 2.6 mg/dl、尿酸 6.2 mg/dl、血糖 106mg/dl、HbA1c(NGSP)5.8%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 242 mg/dl、Na 141 mEq/l、K 3.8 mEq/l、Cl 107mEq/l、Ca 9.6 mg/dl、P 4.0 mg/dl。心電図で左室肥大所見を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比 56%。腹部超音波検査で腎尿路系に異常を認めない。各種ホルモン検査を提出した。
- 次に行う検査として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D042]←[国試_108]→[108D044]
[★]
- 42歳の女性。 1か月前からの全身倦怠感と高血圧とを主訴に来院した。 36歳時にうつ病との診断で抗不安薬と抗うつ薬とを処方され、継続して服用していた。 1年前からめまいがあり、友人の勧めで様々なサプリメントや漢方薬を服用していたという。 3か月前の健康診断では、血圧124/74mmHg、尿蛋白(-)、尿潜血(-)、クレアチニン0.8mg/dlであった。
- 身長158cm、体重52kg。体温36.2℃。脈拍96/分、整。血圧162/102mmHg。呼吸数16/分。眼瞼結膜は蒼白である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟である。下腿に浮腫を認めない。
- 尿所見:蛋白2+、潜血3+。血液所見:赤血球241万、 Hb7.0g/dl、 Ht21%、白血球7,000、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白6.2g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素46mg/dl、クレアチニン6.9mg/dl、尿酸6.1mg/dl、 Na135mEq/l、 K4.5mEq/l、 Cl102mEq/l。 CRP0.5mg/dl。腎生検のPAS染色標本(別冊No. 17)を別に示す。
- この患者の検査所見として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A042]←[国試_106]→[106A044]
[★]
- 68歳の男性。血尿を主訴に来院した。 1か月前から間欠的に血尿があった。 15年前から高血圧症に対し降圧薬を内服中であり、糖尿病に対しインスリン療法を行っている。 12年前に肝血管腫を疑われ、腹部造影CTを撮影した際に、蕁麻疹と重篤な呼吸困難とをきたしたことがある。喫煙は20本/日を48年間。身長165cm、体重70kg。体温36.0℃。脈拍76/分、整。血圧162/92mmHg。呼吸数14/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白3+、糖2+、沈渣に赤血球多数/1視野、白血球10-20/1視野。血液所見:赤血球358万、 Hb10.6g/dL、Ht33%、白血球7,800、血小板24万。血液生化学所見:血糖180mg/dL、 HbA1c7.0%(基準4.3-5.8)、総蛋白6.0g/dL、アルブミン2.9g/dL、尿素窒素50mg/dL、クレアチニン3.2mg/dL、 Na132mEq/L、 K5.6mEq/L、 Cl98mEq/L。免疫学所見: CRP0.8mg/dL。 PSA2.6ng/mL(基準4以下)。腹部超音波検査で左腎盂内に径20mmの腫瘤を認める。膀胱鏡検査で膀胱と尿道とに異常はないが、左尿管口から血尿の流出を認める。
- 血尿の原因精査のために行う検査として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E042]←[国試_106]→[106E044]
[★]
- 66歳の女性。倦怠感と腰痛とを主訴に来院した。半年程前から倦怠感があり徐々に増惑していたが、昨夕から急に腰痛を生じた。意識は清明。身長165cm、体重58kg。体温35.8℃。脈拍88/分、整。血圧128/76mmHg。肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白1+、糖(-)。血液所見:赤血球 320万、Hb 9.8g/dl、Ht 30%、網赤血球 1.2%、白血球 6,300(桿状核好中球4%、分葉核好中球56%、好酸球3%、好塩基球1%、単球4%、リンパ球32%)、血小板 13万。血液生化学所見:血糖 96mg/dl、総蛋白 9.8g/dl、アルブミン 3.4g/dl、尿素窒素 38mg/dl、クレアチニン 2.1mg/dl、尿酸 8.2mg/dl、総コレステロール 212mg/dl、トリグリセリド 120mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、直接ビリルビン 0.4mg/dl、AST 28IU/l、ALT 32IU/l、LD 280IU/l(基準176-353)、Na 142mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 102mEq/l、Ca 10.4mg/dl、P 4.0mg/dl。血清蛋白電気泳動検査結果(別冊No.14)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A032]←[国試_104]→[104A034]
[★]
- 35歳の男性。2週前から続く血尿と血痰とを主訴に来院した。意識は清明。身長171cm.体重63kg。体温37.2℃。脈拍80/分、整。血圧172/104mmHg。眼瞼と両側下腿とに浮腫を認める。両側上中肺野にcoarse cracklesを聴取する。尿所見:肉眼的血尿、蛋白2+、糖(-)。血液所見:赤血球 350万、Hb 10.2g/dl、Ht 30%、白血球 8,200、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.4g/dl、アルブミン 4.5g/dl、尿素窒素 52mg/dl、クレアチニン 4.7mg/dl、尿酸 7.5mg/dl。胸部エックス線写真で両側上中肺野に斑状陰影を認める。全身状態が悪く、腎生検を施行できない。正常ヒト糸球体組織に患者血清と標識抗ヒトIgG抗体とを反応させた蛍光写真(別冊No、21)を別に示す。
- a 感染病原体が糸球体に沈着
- b 血清中の免疫複合体が糸球体に沈着
- c 破壊された肺の成分が糸球体に沈着
- d 血清中の抗体が糸球体構成成分に結合
- e 糸球体に沈着した流血抗原に血清中の抗体が結合
[正答]
※国試ナビ4※ [104A046]←[国試_104]→[104A048]
[★]
- 48歳の女性。尿の泡立ちを主訴に来院した。半年前にネフローゼ症候群を発症し、腎生検で微小変化群と診断された。副腎皮質ステロイドの処方後2週間で完全寛解し、4か月前からは投与量を漸減していた。2週間前の外来で、体重52kgで浮腫を認めず、尿蛋白(-)、尿潜血(-)、血清アルブミン 4.4g/dL、総コレステロール 210mg/dLだったため、副腎皮質ステロイドを10mg/日から10mg/隔日に減量したが、4日前から尿の泡立ちが強くなってきたため受診した。体重 54kg。脈拍 76/分、整。血圧 120/60mmHg。両下腿から足背に軽度の圧痕性浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血(-)、沈渣に卵円形脂肪体を認める。血液生化学所見:アルブミン 3.5g/dL、尿素窒素 15mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、総コレステロール 290mg/dL。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D060]←[国試_112]→[112D062]
[★]
- 75歳の女性。膝と踵との痛みを主訴に来院した。25年前から糸球体腎炎による末期腎不全のため血液透析を受けている。6か月前から歩行時の両膝の痛みを自覚し、最近は踵にも痛みを感じるようになった。血液所見:赤沈40mm/1時間、赤血球360万、Hb10.8g/dl、Ht32%。血清生化学所見:尿素窒素86mg/dl、クレアチニン9.2mg/dl、ALP600IU/l(基準260以下)、Na140mEq/l、K5.3mEq/l、Cl 106mEq/l、Ca1 1.5mg/dl、P6.4mg/dl、PTH880pg/ml(基準10~60)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.43、PaO2 82Torr、PaCO2 47Torr、HCO3- 28mEq/l。
- ほかに行う検査として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A036]←[国試_101]→[101A038]
[★]
- 14歳の男子。学校検尿で異常を指摘され来院した。昨年も同様の尿の異常を指摘され、他院で経過観察されていた。自覚症状はない。血圧126/74mmHg。眼瞼に浮腫を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白3+、沈さに赤血球50~60/1視野。尿蛋白は安静臥位でも消失せず、この1年間ほぼ同じ所見である。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。腎超音波検査所見も正常である。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102D052]←[国試_102]→[102D054]
[★]
- 16歳の男子。 2日前からの発熱と左の側腹部痛とを主訴に来院した。小児期から年に2回ほど高熱を出し、そのたびに抗菌薬治療を受けていたという。体温39.0℃。左肋骨脊柱角に叩打痛を認める。血清クレアチニンl.0mg/dl。排尿後の腹部超音波検査で残尿を認めない。左腎に水腎症と軽度の萎縮とを認める。尿培養でグラム陰性桿菌を認めた。抗菌薬投与で解熟し、症状は消失した。
- 引き続き行う必要がある検査で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D034]←[国試_106]→[106D036]
[★]
- 70歳の女性。全身倦怠感と食欲不振とのため入院した。3年前から、腰痛と膝関節痛とのため非ステロイド性抗炎症薬を服用していた。尿所見:尿量2,200ml/日、蛋白(±)、蛋白定量1.5g/日。血液所見:赤血球320万、Hb 9.0g/dl、白血球4,000、血小板12万。血清生化学所見:総蛋白9.5 g/dl、アルブミン4、0g/dl、尿素窒素28mg/dl、クレアチニン1.7mg/dl、Na 138 mEq/l、K4.5mEq/l、Cl 115mEq/l、Ca 13.0mg/dl、P3.7mg/dl。診断に必要な検査はどれか。
- (1) 血清蛋白免疫電気泳動
- (2) 血清活性型ビタミンD3測定
- (3) 血清PTH測定
- (4) 腎生検
- (5) 骨髄生検
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095G034]←[国試_095]→[095G036]
[★]
- 70歳の女性。全身倦怠感を主訴として来院した。3年前から腰痛と膝関節痛のため非ステロイド性抗炎症薬を服用している。2か月前から全身倦怠感と食欲不振とが出現し、徐々に増悪している。尿所見:尿量2,200ml/日、蛋白定性(±)、蛋白定量1.5g/日。血清生化学所見:総蛋白6.5g/dl、アルブミン4.0g/dl、尿素窒素28mg/dl、クレアチニン1.7mg/dl、Na138mEq/l、K4.5mEq/l、Cl115mEq/l、Ca14.0mg/dl。診断に有用な検査はどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097D036]←[国試_097]→[097D038]
[★]
- 32歳の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。母親が慢性腎不全で血液透析を受けている。両側季肋部から両側側腹部に腫瘤を触知し、軽度の圧痛を認める。血圧 146/92mmHg。尿所見:蛋白 (±)、潜血 (-)。血液生化学所見:尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL。左の側腹部の腹部超音波像(別冊No. 8A)と腹部CTの冠状断像(別冊No. 8B)とを別に示す。
- 次に行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G043]←[国試_111]→[111G045]
[★]
- 26歳の男性。健康診断で蛋白尿と血尿とを指摘されて来院した。数年前から尿潜血を指摘されていたがそのままにしていた。血圧 120/76mmHg。尿所見:蛋白2+、潜血2+、沈渣に変形赤血球と赤血球円柱とを認める。血液所見:尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL。腹部超音波検査で異常を認めない。
- 次に行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D025]←[国試_111]→[111D027]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101C016]←[国試_101]→[101C018]
[★]
- 急速進行性糸球体腎炎を呈した患者の腎生検の PAS染色標本 (別冊 No.6A)と蛍光抗体 IgG染色標本 (別冊 No.6B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I023]←[国試_108]→[108I025]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F042]←[国試_101]→[101F044]
[★]
- ☆case59 尿中の血液
- 52歳 ビジネスマン
- 顕微鏡的血尿のため泌尿器科医に紹介があった。
- 主訴:顕微鏡的血尿
- 現病歴:6ヶ月前、new jofのためのisurance medicalで血尿を指摘された。以来、家庭医に2回血尿指摘された。以前の尿検査は正常だった。一度も顕微鏡は指摘されたことが無く、泌尿器系の症状もなかった。顕微鏡的血尿であることを除けば健康である。視覚、聴覚に問題なし。タバコ1日30本、アルコール35 unit/week(缶ビール(350ml)20本/週)
- 既往歴:特記無し。
- 家族歴:特記無し。腎臓病の家族歴無し
- ・身体所見
- 栄養状態良く体調はよい。心拍:72/分、整。血圧:146/102 mmHg。心血管系、呼吸器系、腹部、神経学所見:異常なし。眼底鏡でarteriovenous nippingを認める。
- ・検査
- (血液生化学)
- 上昇:尿素、クレアチニン、γ-GTP
-
- (尿検査)
- 蛋白:++。血尿:++。赤血球:>100 red cells
- 24時間尿蛋白:1.2g; 正常値 <200mg/24hr
- (その他)
- ECG:左室拡大。腎超音波検査:大きさは正常
- (第一パラグラフ)
- ・顕微鏡的血尿の原因は腎臓と尿路系のものがある(ex.前立腺病変、結石)。
- ・顕微鏡的血尿 + 高度のタンパク尿 + 高血圧 + 腎障害 = 慢性糸球体腎炎の病態
- ・γ-GTP高値はアルコールの過剰摂取による肝臓病であることに適合する
- ・男性で推奨されるアルコール摂取の上限は、28unit/週 ()
- (第二パラグラフ)IgA腎症
- ・IgA腎症は先進国における一般的な糸球体腎炎。メサンギウム領域におけるIgAの蓄積が特徴的
- ・患者はしばしば、上気道感染と同時におこる顕微鏡血尿のエピソードがある
- ・IgA腎症は多くは特発性だけど、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病(Henoch-Schonlein purpura)とアルコール性肝硬変(alcoholic cirrhosis)と関連するのが普通である。
- ・IgA腎症の患者の20%は20年の経過で末期腎不全(end-stage renal failure)に陥る。
- (第三パラグラフ)基底膜病・アルポート症候群
- ・菲薄基底膜病はisolated microscopic hematuria、minimal proteinuria及び正常腎機能(悪化しない)をしめす家族性の疾患である。
- ・電顕的にはびまん性の糸球体基底膜の菲薄化が見られる(300-400nm -> 150-225nm)
- ・アルポート症候群は進行性糸球体病態であり、聴覚消失と視覚異常と関連している。ふつうX連鎖優性遺伝で、男性がひどく影響を受ける。
- (第四パラグラフ)What further incestigations would you organize?
- ・腎生検
- ・age>50: 尿細胞診、前立腺特異抗原、膀胱鏡 → 除外診断のため(膀胱・前立腺病変)
- ・肝超音波検査が必要で、肝生検を考慮するべき。
- (第五パラグラフ)What advice would you give this patient
- ・指導:禁酒、血圧のコントロール
- ・経過観察:透析、腎移植に移行しうるため
- ・血清/血漿クレアチニン:これはGFRが50%減らないと上昇しない → この症例では軽度のクレアチニンの上昇は腎機能は正常の腎機能の40%であることを示す。
- ・治療:免疫抑制薬がIgA腎症の大部分で透析導入を遅らせるという証拠はない
- ■KEYPOINT
- ・50歳以下の血尿のみを訴える患者はまず腎臓専門医に紹介すべき。
- ・50歳以上の血尿のみを訴える患者は、膀胱や前立腺の疾患を除外するためにまず泌尿器科医に紹介すべき
- ・血清/血漿クレアチニンのわずかな上昇は腎機能の大きな喪失を示している。
- ・大量のアルコール摂取による肝障害は明らかな徴候なく起こるかもしれない。
- ■もっとも一般的な顕微鏡的血尿をきたす糸球体による原因
- IgA腎症
- 菲薄基底膜病(thin basement membrane disease)
- アルポート症候群(XR)
- ■高血圧の病理的帰結 HIM.1552
- ・高血圧が生み出すリスクファクター:粥状硬化症
- ・高血圧が悪化因子?(predisposing factor)となる疾患:心不全、冠動脈疾患、梗塞、腎臓病、末梢動脈疾患
- 心臓:高血圧性心疾患は高血圧に対する機能的・構造的適応 → 左心室肥大、拡張期機能不全(diastolic dysfunction)、うっ血性心不全、血行異常(冠状動脈の粥状硬化・微小血管障害による)、不整脈
- 左心室肥大(1遺伝的要因と血行動態要因による) → ↑リスク:冠動脈心疾患、梗塞、慢性心不全、突然死
- 拡張期機能不全:(左心室壁が肥厚して拡張期に十分拡張できないという意味での機能不全(written by s))
- 脳:(高血圧は脳梗塞と脳出血のリスクファクター)
- ・認知症(脳梗塞による)
- ・高血圧脳症(autoreguration(50-150mmHg)が傷害され、重度の頭痛、悪心・嘔吐、巣状神経徴候(focal neurologic sign)、精神状態の変調をきたす)
- 腎臓:高血圧は腎障害と末期腎臓病のリスクファクター。
- ・腎臓における粥状硬化性の高血圧に関連した血管損傷は、最初に糸球体の前の細動脈に及ぶ。これにより糸球体と糸球体の後の構造に虚血性の変化を起こす。
- ・糸球体の損傷は糸球体の高灌流による糸球体毛細血管の損傷の結果かもしれない。
- ・糸球体の病理は糸球体硬化症を呈し、そして尿細管は虚血により萎縮する。
- 末梢動脈:長期にわたって持続する高血圧により、下肢の動脈を狭窄させる → 跛行
- 網膜:交差現象(http://www.1stretinalscreen.com/ra_DR_NonDR.asp )
- AV nipping is indicative of hypertension and describes the changes which occur at arteriovenous crossings in the retina where an artery crosses a vein. In patients with hypertension and associated arteriolosclerosis (narrowing of the artery) the artery applies increased pressure on the vein at the point where it passes over the top of the vein.
- ■顕微鏡的血尿
- 血尿のうち、肉眼的には血尿ではないが、尿沈渣で400倍毎視野1個以上の赤血球を認める場合をいう。 しかしそれでは再現性に乏しいので、一般的には5個以上の赤血球を認める場合を顕微鏡的血尿といい病的意義をもつ。
- ■glossary
- modest adj. 謙虚な。慎み深い、控えめな、遠慮がちの。(主に女性が)しとやかにした、ひどく上品な。質素な、地味な。適度の、穏当な。大きくない、ささやかな。
[★]
- ☆case34 てんかん発作
- ■症例
- 23歳 アフリカ-カリブ系 女性 銀行の店員
- 主訴:てんかん発作
- 現病歴:強直間代発作を2回起こしたところを母親が目撃していた。娘の行動は次第におかしくなり、また娘は自分のことを話している声が聞こえていた(幻聴)。最近、頭痛を訴えていた。体重が減少し、脱毛があった。盗汗と主に足と手の小関節に及ぶflitting 関節痛を訴えていた。服用薬なし。タバコ1日5-10本、アルコール10 unit/week(缶ビール(350ml)6本弱)
- 既往歴:特記なし(medical or psychiatric history)
- 家族歴:
- 生活歴:
- ・身体診断
- 意識:眠そうだが痛みに反応。頚部硬直:なし。頭髪:薄く斑状。体温38.5℃。リンパ節:たくさんの部位で触知。
- 心拍:104/分、整。血圧:164/102 mmHg。心血管系、呼吸器系、腹部:異常なし。
- 神経所見:focal anormalityなし(局所性異常)。乳頭浮腫:認めず。
- ・検査
- (血液生化学)
- 上昇:erythrocyte sedimentation rate、urea、creatinine
- 低下:hemoglobin、white cell count、platelet
- 正常:mean corpuscular volume、sodium、potassium、glucose
- (腰椎穿刺)
- 上昇:leukocytes、CSF protein
- 正常:CSF glucose
- (尿検査)
- 蛋白:+++。血尿:+++。赤血球:++。赤血球円柱:あり。
- (その他)
- 胸部X線:異常なし。ECG:洞性頻脈。頭部CT:正常。CSFグラム染色:陰性(光顕レベルで細菌なし)
- ■glossary
- fall out (毛髪などが)抜ける
- night sweat 盗汗、寝汗
- tonic-clonic generalized seizure 全般性強直間代発作
- flit vi (鳥・蝶など)すいすい/ひらひら飛ぶ、飛び回る、飛翔する。(人が)軽やかに通る、行き交う。(時が)(飛ぶように)すぎる。(幻想など)去来する、よぎる、(表情が)かすめる
- drowsy adj. 眠い。眠そうな。眠気を誘う。ものうい。眠ったような
- stiffness n. 堅いこと、堅ぐるしさ、がんこさ
- delirium tremens 振戦譫妄
- hypertensive encephalopathy 高血圧性脳症
- alopecia 脱毛症
- African-Caribbean アフリカ-カリブ系
- fit n. (病気の)発作。引きつけ、痙攣。(感情の)激発、一時的興奮、気まぐれ
- chorea n. 舞踏病
- recreational drug 耽溺性があり乱用される脱法薬物
- urgent adj. (物・事が)急を要する、緊急の、背拍質(pressing)。(~を)緊急に必要とする(in)。(S is ~ (with O1) for [in] O2)(人が)(O1(人)に)O2(物・事)をしつこく求める。(人に/~するように)催促する(for/to do)。(要求などが)執拗な。
- □てんかん発作
- ・新規発生したてんかん発作の原因(ICU.805-806)
- ・薬物中毒(テオフィリンなど)
- ・薬物からの離脱(アルコールなど)
- ・感染症(髄膜炎、膿瘍など)
- ・頭部外傷
- ・虚血障害(虚血あるいはびまん性)
- ・占拠性病変(腫瘍あるいは血腫)
- ・代謝性障害(肝性脳症、尿毒症性脳症、敗血症、低血糖、低ナトリウム血症、低カルシウム血症など)
- ・合併症(ICU.805-806)
- ・全身性てんかん発作の場合:高血圧、乳酸アシドーシス、高体温、呼吸障害、誤嚥、肺水腫、横紋筋融解、自傷、不可逆性の神経学的障害(30分間以上てんかん発作が持続した場合)
- ■可能性の高い診断
- 全身性エリテマトーデス systemic lupus erythematosus(SLE)
- ■鑑別診断のポイント
- 自己免疫疾患は多彩な症状を示す。そのため、個々の症状に着目して鑑別診断をあげるのではなく、症状や検査値の異常を総合的に見て判断する必要がある。
- ■解答
- (第1パラグラフ)SLEの病態
- 精神症状:(SLEは脳で血管炎を呈することで生じる)うつ(depression)、統合失調症様の精神病、痙攣(fits)、舞踏病(chorea)、脳梗塞/脊髄梗塞
- 脳脊髄液:白血球増多(leukopenia)、蛋白増加
- 血液:自己免疫性溶血貧血(Coombs'-positive hemolytic anemia)がありうる。白血球減少と血小板減少症は普通にみられる。
- 腎症状:ループス腎炎は普通に見られ、顕微鏡的血尿・タンパク尿、ネフローゼ、あるいは腎不全が現れるかもしれない。
- 関節症状:変形を伴わない関節痛(PIP関節(近位指節間関節)、MP関節(中手指節関節)、手関節)
- (第2パラグラフ)SLEの確定診断のための検査・治療
- ・すぐにすべきことは降圧薬、抗痙攣薬の投与
- ・確定診断のために次の検査を行っていく(もっとも、症例の提示された所見で(日本の?)SLEの診断基準を満たすけど)
- ・検疫血清検査:抗DNA抗体、C3、C4
- ・腎生検:ループス腎炎の程度を把握
- ・治療:活動性の感染がないことを確認 ← 薬物療法ではステロイドや免疫抑制薬を使うため
- ・ステロイド静脈内投与、あるいはシクロホスファミドなどの細胞毒性薬(cytotoxic agents)の投与
- ・重症、治療抵抗性だったら血漿交換を行う。
- ■鑑別診断 頭痛/精神病的様態(psychiatric features)/痙攣
- ・髄膜炎、脳炎
- ・レクリエーショナルドラッグの中毒(例えばコカイン)
- ・脳腫瘍
- ・急性のアルコール禁断症状:振戦譫妄
- ・高血圧脳症
- ■KEYPOINT
- ・SLEは特に若いアフリカ系-カリブ系に普通に一般的
- ・SLEでは主に神経症状と精神症状をを伴って現れることがある
- ・白血球低下と血小板の低下はしばしばSLEを示唆する
- □tonic-clonic seizure 強直間代発作
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- □細胞毒性薬
- 免疫抑制薬や抗腫瘍薬として用いられる。
- antimetabolites
- アザチオプリン azathioprine
- メトトレキセート methotrexate
- ミコフェノール酸 mycophenolic acid, ミコフェノール酸モフェチル mycophenolate mofetil
- レフルノミド leflunomide
- alkylating agents
- シクロホスファミド cyclophosphamide
[★]
- 英
- biopsy
- 同
- バイオプシー、診査切除術 exploratory excision、試験切除術
- 関
施行
条件付き
- リンパ節腫脹:感染によるリンパ節腫脹は自然消退しうるので一ヶ月以上経過観察してから。
禁忌
- 悪性黒色腫:転移しやすいため
- 精巣腫瘍:血行転移のおそれ → ゆえに精巣腫瘍を否定できない陰嚢腫脹に対しては診断を兼ねた高位精巣摘除が標準的治療