- 英
- chronic glomerulonephritis CGN
- 同
- 慢性腎炎 chronic nephritis, 慢性腎炎症候群 chronic nephritic syndrome、慢性糸球体腎炎症候群 chronic glomerulonephritic syndrome
概念
- 蛋白尿・血尿が1年以上持続する病態
- 透析導入原疾患の第2位をしめる。
疫学
- 参考1
- 慢性糸球体腎炎が減少し続ける理由:学校検尿・健康健診・人間ドックによる早期発見治療。治療の進歩、生活環境の清潔化、RAA系の抑制薬の登場、腎炎に関する知識の普及
原疾患
診断基準
参考
- http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/CKDguide2009.pdf
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糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん、英語: Glomerulonephritis)は、腎疾患の一つで腎臓の炎症の一つ。
腎臓の炎症である腎炎は病理組織学的に炎症の首座がどこにあるかによって、糸球体腎炎、間質性腎炎、および腎盂腎炎に分類される。主に糸球体に炎症反応がみとめられるものを糸球体腎炎と呼ぶ。
目次
- 1 種類
- 2 急性糸球体腎炎
- 2.1 原因
- 2.2 症状
- 2.3 検査
- 2.4 治療
- 2.5 診断のメモ
- 3 急速進行性腎炎症候群
- 4 慢性糸球体腎炎
- 4.1 病型
- 4.2 原因
- 4.3 症状
- 4.4 検査
- 4.5 治療
- 5 関連
- 6 外部リンク
|
種類
- 急性糸球体腎炎(Acute glomerulonephritis)
- 急速進行性腎炎症候群(Rapidly progressive glomerulonephritis)
- 慢性糸球体腎炎(Chronic glomerulonephritis)
急性糸球体腎炎
急性糸球体腎炎(英語: Acute glomerulonephritis; AGN)は、その90%が連鎖球菌感染に続発していることから、溶連菌感染後急性糸球体腎炎(英: Poststreptococcal Acute GlomeruloNephritis; PSAGN) とも呼ばれており、抗原抗体反応(アレルギーIII型)によって発症するび慢性の炎症である。溶血性連鎖球菌感染後に起こる腎炎が最も多い。小児や青年期に罹患する事が多く、先行する感染としては扁桃炎・咽頭炎等が大部分を占める。
原因
A群β溶血性レンサ球菌感染症後に発症するものが大部分であり、この菌が抗原となる事で抗原抗体複合体を形成し、これが腎糸球体に付着することで炎症を引き起こす。
症状
上気道感染の2~4週間後に発症する。前症状として全身倦怠感、頭痛、咽頭痛、悪心、嘔吐、下痢、便秘等を生じ、その後に主症状である浮腫、血尿、高血圧が診られ、尿量も減少する。
検査
- 尿検査…蛋白尿・血尿・赤血球円柱尿が見られる。
- 細菌学的検査…鼻咽頭からβ-溶血連鎖球菌(溶連菌)を検出。
- 血清学的検査…ASO値の上昇。血清補体活性の低下 (CH50)。
- 腎機能検査…糸球体濾過の低下は見られるが、腎の血流量は正常。
治療
食事制限として塩分、蛋白質、水分の摂取を制限する。また、薬物的には特効薬は無いが、感染の拡大防止としてのペニシリン・マクロライドの投薬を行うことがある(現在ではその有効性は否定的)高血圧の改善目的で利尿薬を第一に使うことが多い。扁桃炎を繰り返す場合は扁桃の摘出も必要になる。なお治療率は小児で約90%以上、成人でも50~80%は完治する。
診断のメモ
-
- 顕微鏡的血尿も見られない場合は急性糸球体腎炎は考えにくい。
- ネフローゼ症候群を呈している場合も急性糸球体腎炎は考えにくい。
- 低補体血症が持続する場合は急性糸球体腎炎ではなく膜性増殖性糸球体腎炎を考える。
急速進行性腎炎症候群
急速進行性糸球体腎炎(英語: Rapidly progressive glomerulonephritis; RPGN)とはWHOにより、『急性あるいは潜在性に発症する肉眼的血尿、蛋白尿、貧血、急速に進行する腎不全症候群』と定義されており、日本では難病疾患に指定されている。
検査
- 尿検査…蛋白尿は高度であり、しばしばネフローゼ症候群を呈する。
顕微鏡的血尿は必発であり、沈渣に多数の赤血球、白血球、及び赤血球円柱が認められる。
- 血液生化学検査…BUN及び血清クレアチニン値は進行性に上昇する。
- 血清学的検査…抗基底膜抗体、p‐ANCA、あるいはc‐ANCAが検出されることがある。
- 腹部X線と腎超音波検査…腎は正常の大きさあるいは腫大を示す。
- 胸部X線検査…肺出血による異常陰影が認められることがある。
治療
副腎皮質ホルモン製剤と免疫抑制薬,抗血小板薬,抗凝固薬による多剤併用療法が基本となる。 症例に応じ血漿交換療法などが行われることがある。
慢性糸球体腎炎
急性糸球体腎炎の発症後、1年以上にわたって異常な尿所見や高血圧症状の持続するものを指す。また、発病時に明らかな腎炎症状は見えないが、1年以上異常尿所見の続くものも含む(ただし、膠原病・糖尿病性腎症・痛風腎・本態性高血圧・腎血管性高血圧・腎盂腎炎・起立性蛋白尿・中毒性腎症等の全身性疾患に因る物は除外する)。なお、進行により腎不全から尿毒症へと変化する。
病型
-
- 巣状糸球体硬化症・巣状糸球体炎(FGS)
- メザンギウム増殖性糸球体腎炎
- 膜性糸球体腎炎
- 膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)
- 硬化性糸球体腎炎
- その他
原因
不明。ただし、免疫機序が考えられている。
症状
急性糸球体腎炎と同様である。
検査
-
- 尿検査…蛋白尿・顕微鏡的血尿が見られる。
- 血液生化学検査…総蛋白/総コレステロール比の低下(尿蛋白排泄の多い時)。尿素窒素/クレアチニン比の上昇(糸球体濾過値低下時)
- 腎機能検査…血清尿素窒素、血清クレアチニンの上昇。クレアチニンクリアランス(Ccr)の低下。
- 腎生検…病型の確定。
治療
病状の進行が見られない場合は生活管理・食事療法を中心とし、薬物を補助的に用いる。病状の進行が見られる場合は、厳密な食事療法と薬物療法を組み合わせて用いる。薬物投与は蛋白尿に対してはジピリダモール、ネフローゼ症候群を呈する場合は副腎皮質ステロイドを使用する。また、高血圧の場合はα―メチルドーパを、浮腫の強い場合はフロセミドなどの利尿剤を投与する。
関連
- 腎臓学
- 連鎖球菌感染後糸球体腎炎(en:Post-streptococcal glomerulonephritis)
外部リンク
腎・泌尿器系の疾患 |
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疾患 |
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糸球体病変
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急性糸球体腎炎 | IgA腎症 | 急速進行性糸球体腎炎 | 慢性糸球体腎炎
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ネフローゼ症候群
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原発性
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微小変化群 | 巣状糸球体硬化症 | 膜性腎症 | 膜性増殖性糸球体腎炎
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遺伝性腎炎
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アルポート症候群 | 良性家族性血尿
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尿細管機能障害
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ファンコニ症候群 | バーター症候群 | ギッテルマン症候群 | リドル症候群 | 尿細管性アシドーシス | 腎性糖尿 | 尿細管間質性腎炎
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続発性腎障害
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膠原病
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全身性エリテマトーデス | 全身性強皮症 | シェーグレン症候群
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糖尿病性腎症 | 痛風腎 | クリオグロブリン血症 | アミロイドーシス | 溶血性尿毒症症候群
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腎循環障害
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腎血管性高血圧症 | 腎梗塞 | クルミ割り現象
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泌尿器疾患
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機能障害
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膀胱尿管逆流 | 神経因性膀胱 | 水腎症 |
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先天異常
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多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性嚢胞腎 | 常染色体劣性多発性嚢胞腎) | 尿管異所開口 | 重複腎盂尿管 |ポッター症候群
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感染症
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腎盂腎炎 | 腎膿瘍 | 膀胱炎 | 腎結核
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尿路結石
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膀胱結石
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腫瘍
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腎細胞癌 | 腎盂腫瘍 | 尿管腫瘍 | 前立腺肥大症 | 前立腺癌 | 精巣腫瘍 | 陰茎癌 |腎芽腫
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性器の疾患
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前立腺炎 | 停留精巣 | 精巣捻転 | 包茎 | 勃起不全
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病態・症状 |
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腎不全
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急性腎不全
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急性尿細管壊死
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慢性腎臓病
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慢性腎不全 | 尿毒症
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尿所見異常
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乏尿 | 無尿 |多尿 |頻尿 |血尿 | タンパク尿 | 尿円柱
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尿閉 |陰嚢腫大
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検査 |
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腎機能検査
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糸球体濾過量 | クレアチニンクリアランス | ナトリウムクリアランス | 尿中ナトリウム排泄率 | 腎不全指数
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腹部X線写真 | 腎盂造影 | レノグラム | 腎生検
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
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腎臓 |
肉眼解剖
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尿細管
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近位尿細管 - ヘンレのループ(下行脚 - 細い上行脚 - 太い上行脚) - 遠位尿細管 - 集合管 - 腎盤 ( - 尿管)
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腎循環
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腎動脈 - 傍尿細管毛細血管 - 輸入細動脈 - (糸球体) - 輸出細動脈 - 直細動脈 - 腎静脈
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ゲロタ筋膜
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顕微解剖
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ネフロン
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腎小体
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糸球体
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毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢
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傍糸球体装置
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緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞
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尿細管
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生理学
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アシドーシスとアルカローシス | 膠質浸透圧 | 糸球体濾過量 | 腎血漿流量 | クレアチニンクリアランス
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生化学
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バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系
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尿路 |
肉眼解剖
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尿管 - 膀胱 - 尿道
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顕微解剖
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移行上皮
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生殖器系 |
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女性器 |
尿道 - 陰核 - 陰裂 - 陰核亀頭 - 陰核亀頭冠 - 陰核包皮 - 陰核小帯 - Gスポット - 処女膜 - 陰唇 - 大陰唇 - 小陰唇 - 膣 - バルトリン腺 - スキーン腺 - 子宮頸部 - 子宮 - 子宮内膜 - 卵管 - 卵巣
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男性器 |
尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣
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Japanese Journal
- 金子 友香,徳山 博文,脇野 修,木田 可奈子,林 松彦,林 晃一,伊藤 裕
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 44(10), 1047-1052, 2011-10-28
- … 契機に多発膿瘍の合併に至った症例を経験した.透析患者のシャント感染を契機に,本症例のような重症多発性化膿性膿瘍を合併することはまれであり,文献的考察を加え報告する.症例は67歳,女性.慢性糸球体腎炎を原病として,慢性腎不全の進行に伴い,1988年に血液透析導入となった.1993年骨髄穿刺の結果骨髄異形成症候群と診断され(染色体異常なし),2007年から適宜赤血球輸血を施行されていた(合計40単 …
- NAID 10029861821
- 好酸球性腹膜炎を契機に被嚢性腹膜硬化症(EPS)を発症した長期腹膜透析患者の1例
- 中田 純一郎,濱田 千江子,中野 貴則,佐藤 大介,鈴木 祐介,鈴木 仁,井尾 浩章,堀越 哲,富野 康日己
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 44(10), 1031-1037, 2011-10-28
- … 症例は46歳,男性.慢性糸球体腎炎による慢性腎不全で,16年間の腹膜透析(PD)歴がある.血液透析へ移行後,右側腹部痛および嘔吐とともに腹水を認めるようになり精査したところ,好酸球性腹膜炎と診断された.Prednisolone(PSL)の内服により症状は改善し,PSLは漸減された.以後経過観察されていたが,好酸球性腹膜炎の再発は認められなかった.しかし,約17か月後より腸閉塞を繰り返すようになった.このためP …
- NAID 10029861769
- 多発性骨髄腫に対するサリドマイド治療中に肺塞栓症を発症した血液透析症例
- 鈴木 美貴,杉浦 秀和,秋山 健一,唐澤 一徳,武井 卓,土谷 健,秋葉 隆,新田 孝作
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 44(9), 951-956, 2011-09-28
- … 症例は76歳,女性.慢性糸球体腎炎による慢性腎臓病stage5にて1992年5月に血液透析を導入し,週3回の維持血液透析を施行していた.両肩の疼痛,汎血球減少,血清総蛋白の上昇を契機に,精査にて血清IgA高値を認め,2008年6月多発性骨髄腫(IgA-λ型)と診断された.2009年8月より多発性骨髄腫に対してMP療法(メルファラン6mg/日,プレドニゾロン60mg/日,4日間内服)が開始となった.血清IgAは751mg/dLから514mg/dLと減少し,MP …
- NAID 10029747411
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- 慢性糸球体腎炎には、IgA腎症、膜性腎症、膜性増殖性腎炎、急速進行型糸球体腎炎 など様々な腎炎があります。それぞれ原因も治療法も違いますが、共通した治療法も 多いのです。共通の異常を伴っていることが多いためです。
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★リンクテーブル★
[★]
- 13歳の男子。学校検尿で異常を指摘され来院した。自覚症状はない。脈拍72/分、整。血圧134/78mmHg。心雑音はない。腹部は平坦で、肝・脾を触れない。眼瞼と下腿とに浮腫を認めない。尿所見:蛋白3+、沈渣に赤血球10~15/1視野、白血球2~3/1視野を認める。血液所見:赤血球420万、白血球7,800。血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.6g/dl、尿素窒素17mg/dl、クレアチニン0.7mg/dl、総コレステロール190mg/dl。腎生検の光顕PAS染色標本と蛍光IgM免疫組織染色標本とを以下に示す。腎生検で採取された糸球体のいくつかに同様の所見を認める。
- この疾患について正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F039]←[国試_100]→[100F041]
[★]
- 34歳の女性。月経が遅れ妊娠の可能性があるため、慢性糸球体腎炎で長く通院中の主治医の外来を受診した。28歳から慢性糸球体腎炎に罹患しており、妊娠・出産により透析になる可能性があるため避妊を指導されていた。妊娠反応は陽性であった。夫とともに面談を繰り返したが、本人の「透析になってもよいから子供を産みたい」という強い希望は変わらない。
- 対応として正しいのはどれか。
- a 弁護士に連絡する。
- b 産科医を含めたチームで対応する。
- c 指示に従わないことを理由に診療しない。
- d 透析になったら医療保険の適用にならないと説明する。
- e 夫に人工妊娠中絶のための内服薬の入手方法を紹介する。
[正答]
※国試ナビ4※ [109H020]←[国試_109]→[109H022]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101C016]←[国試_101]→[101C018]
[★]
- ☆case59 尿中の血液
- 52歳 ビジネスマン
- 顕微鏡的血尿のため泌尿器科医に紹介があった。
- 主訴:顕微鏡的血尿
- 現病歴:6ヶ月前、new jofのためのisurance medicalで血尿を指摘された。以来、家庭医に2回血尿指摘された。以前の尿検査は正常だった。一度も顕微鏡は指摘されたことが無く、泌尿器系の症状もなかった。顕微鏡的血尿であることを除けば健康である。視覚、聴覚に問題なし。タバコ1日30本、アルコール35 unit/week(缶ビール(350ml)20本/週)
- 既往歴:特記無し。
- 家族歴:特記無し。腎臓病の家族歴無し
- ・身体所見
- 栄養状態良く体調はよい。心拍:72/分、整。血圧:146/102 mmHg。心血管系、呼吸器系、腹部、神経学所見:異常なし。眼底鏡でarteriovenous nippingを認める。
- ・検査
- (血液生化学)
- 上昇:尿素、クレアチニン、γ-GTP
-
- (尿検査)
- 蛋白:++。血尿:++。赤血球:>100 red cells
- 24時間尿蛋白:1.2g; 正常値 <200mg/24hr
- (その他)
- ECG:左室拡大。腎超音波検査:大きさは正常
- (第一パラグラフ)
- ・顕微鏡的血尿の原因は腎臓と尿路系のものがある(ex.前立腺病変、結石)。
- ・顕微鏡的血尿 + 高度のタンパク尿 + 高血圧 + 腎障害 = 慢性糸球体腎炎の病態
- ・γ-GTP高値はアルコールの過剰摂取による肝臓病であることに適合する
- ・男性で推奨されるアルコール摂取の上限は、28unit/週 ()
- (第二パラグラフ)IgA腎症
- ・IgA腎症は先進国における一般的な糸球体腎炎。メサンギウム領域におけるIgAの蓄積が特徴的
- ・患者はしばしば、上気道感染と同時におこる顕微鏡血尿のエピソードがある
- ・IgA腎症は多くは特発性だけど、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病(Henoch-Schonlein purpura)とアルコール性肝硬変(alcoholic cirrhosis)と関連するのが普通である。
- ・IgA腎症の患者の20%は20年の経過で末期腎不全(end-stage renal failure)に陥る。
- (第三パラグラフ)基底膜病・アルポート症候群
- ・菲薄基底膜病はisolated microscopic hematuria、minimal proteinuria及び正常腎機能(悪化しない)をしめす家族性の疾患である。
- ・電顕的にはびまん性の糸球体基底膜の菲薄化が見られる(300-400nm -> 150-225nm)
- ・アルポート症候群は進行性糸球体病態であり、聴覚消失と視覚異常と関連している。ふつうX連鎖優性遺伝で、男性がひどく影響を受ける。
- (第四パラグラフ)What further incestigations would you organize?
- ・腎生検
- ・age>50: 尿細胞診、前立腺特異抗原、膀胱鏡 → 除外診断のため(膀胱・前立腺病変)
- ・肝超音波検査が必要で、肝生検を考慮するべき。
- (第五パラグラフ)What advice would you give this patient
- ・指導:禁酒、血圧のコントロール
- ・経過観察:透析、腎移植に移行しうるため
- ・血清/血漿クレアチニン:これはGFRが50%減らないと上昇しない → この症例では軽度のクレアチニンの上昇は腎機能は正常の腎機能の40%であることを示す。
- ・治療:免疫抑制薬がIgA腎症の大部分で透析導入を遅らせるという証拠はない
- ■KEYPOINT
- ・50歳以下の血尿のみを訴える患者はまず腎臓専門医に紹介すべき。
- ・50歳以上の血尿のみを訴える患者は、膀胱や前立腺の疾患を除外するためにまず泌尿器科医に紹介すべき
- ・血清/血漿クレアチニンのわずかな上昇は腎機能の大きな喪失を示している。
- ・大量のアルコール摂取による肝障害は明らかな徴候なく起こるかもしれない。
- ■もっとも一般的な顕微鏡的血尿をきたす糸球体による原因
- IgA腎症
- 菲薄基底膜病(thin basement membrane disease)
- アルポート症候群(XR)
- ■高血圧の病理的帰結 HIM.1552
- ・高血圧が生み出すリスクファクター:粥状硬化症
- ・高血圧が悪化因子?(predisposing factor)となる疾患:心不全、冠動脈疾患、梗塞、腎臓病、末梢動脈疾患
- 心臓:高血圧性心疾患は高血圧に対する機能的・構造的適応 → 左心室肥大、拡張期機能不全(diastolic dysfunction)、うっ血性心不全、血行異常(冠状動脈の粥状硬化・微小血管障害による)、不整脈
- 左心室肥大(1遺伝的要因と血行動態要因による) → ↑リスク:冠動脈心疾患、梗塞、慢性心不全、突然死
- 拡張期機能不全:(左心室壁が肥厚して拡張期に十分拡張できないという意味での機能不全(written by s))
- 脳:(高血圧は脳梗塞と脳出血のリスクファクター)
- ・認知症(脳梗塞による)
- ・高血圧脳症(autoreguration(50-150mmHg)が傷害され、重度の頭痛、悪心・嘔吐、巣状神経徴候(focal neurologic sign)、精神状態の変調をきたす)
- 腎臓:高血圧は腎障害と末期腎臓病のリスクファクター。
- ・腎臓における粥状硬化性の高血圧に関連した血管損傷は、最初に糸球体の前の細動脈に及ぶ。これにより糸球体と糸球体の後の構造に虚血性の変化を起こす。
- ・糸球体の損傷は糸球体の高灌流による糸球体毛細血管の損傷の結果かもしれない。
- ・糸球体の病理は糸球体硬化症を呈し、そして尿細管は虚血により萎縮する。
- 末梢動脈:長期にわたって持続する高血圧により、下肢の動脈を狭窄させる → 跛行
- 網膜:交差現象(http://www.1stretinalscreen.com/ra_DR_NonDR.asp )
- AV nipping is indicative of hypertension and describes the changes which occur at arteriovenous crossings in the retina where an artery crosses a vein. In patients with hypertension and associated arteriolosclerosis (narrowing of the artery) the artery applies increased pressure on the vein at the point where it passes over the top of the vein.
- ■顕微鏡的血尿
- 血尿のうち、肉眼的には血尿ではないが、尿沈渣で400倍毎視野1個以上の赤血球を認める場合をいう。 しかしそれでは再現性に乏しいので、一般的には5個以上の赤血球を認める場合を顕微鏡的血尿といい病的意義をもつ。
- ■glossary
- modest adj. 謙虚な。慎み深い、控えめな、遠慮がちの。(主に女性が)しとやかにした、ひどく上品な。質素な、地味な。適度の、穏当な。大きくない、ささやかな。
[★]
- 英
- IgA nephropathy, immunoglobulin A nephrophathy
- 同
- IgAメサンギウム腎症 IgA mesangial nephropathy、免疫グロブリンA腎症 イムノグロブリンA腎症 immunoglobulin A nephropathy、IgA腎炎 IgA nephritis、IgA糸球体腎炎 IgA glomerulonephritis、Berger's disease、バージャー病 ベルガー病 ベルジェ病 Berger's disease Berger disease Berger病 Berger nephropathy
- 関
- 一次性糸球体疾患。
[show details]
- first aid step1 2006 p.385(Glomerular pathology)
定義
- → 同様の症状を示す、紫斑病性腎炎(Henoch-Schonlein purpura)、肝硬変、肺疾患とは区別する!!
疫学
- 日本-原発性糸球体腎炎の50-70% (約40%とする文献もある)。フランス-原発性糸球体腎炎の約20%
- 発症年齢:小児から成人まで認められる。20歳代に好発。男性が若干多い(男女比 3-6:1)
- 若年の新規透析患者の原因(約40%)として重要である。 → 透析導入原疾患の第2位
- 慢性糸球体腎炎のなかで最多(約半数)。
病因
- 免疫複合体型腎炎
- IgAを含む免疫複合体が糸球体に沈着し → 補体を活性化 → 腎炎
- 抗原:細菌、ウイルス、食物蛋白など
- begin as an episode of gross hematuria that occurs within 1 or 2 days of a nonspecific upper respiratory tract infection
病態
- 抗原と結合したIgAからなる免疫複合体が糸球体内皮下とメサンギウム領域に蓄積し腎炎像がみられる。(PRE.245) → 炎症により部分的に糸球体が破綻し血尿をきたす?
- 糸球体腎炎症状が主であって、蛋白尿は軽度。ネフローゼに至ることは稀
病理
- メサンギウム増殖性糸球体腎炎の像が見られる。
- 光学顕微鏡:メサンギウム増殖
- 蛍光顕微鏡:IgAが顆粒状にメサンギウムに沈着。C3, IgG, IgMの沈着が見られることがある
[show details]
メサンギウムにIgAが沈着する疾患
検査
- 蛋白尿は血尿に比べ軽度 ← ネフローゼ優位ではない?
診断
鑑別診断
治療
- 参考2
- 1. ACE阻害薬、アンジオテンシン受容体阻害薬
- 2. 糖質コルチコイド
- 3. 免疫抑制薬
- SPE.596
- 組織障害が軽い例:抗血小板薬、柴苓湯、ACE阻害薬、ARB
- 組織障害が強い例:副腎皮質ステロイド、抗凝固薬、抗血小板薬、免疫抑制薬の組み合わせ。
予後
- 著明な蛋白尿や腎機能低下をきたさない患者は完全に寛解するかもしれないが、ほとんどの患者ではゆっくり着実に進行する。
- 蛋白尿の持続 ± 高血圧 ± 血清Crの上昇 を下している患者は20年の経過で20-30%が末期腎不全に陥り、そのほかの20%は腎機能が低下する。
- 予後不良の腎組織像は、(稀)半月体の形成、糸球体の瘢痕化、尿細管質の萎縮、および間質の線維化である。
予後予測因子
- YN.E-43
- 血圧>160/95 mmHg、血清Cr>1.5 mg/dL、Ccr<50、尿蛋白>2g/日
予後不良因子
- 蛋白尿の持続、高血圧、高血清Cr、血清蛋白低値、高度な腎組織障害
参考
- http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/free/kousei/pdf/44_7.pdf
- 2. [charged] Treatment and prognosis of IgA nephropathy - uptodate [1]
国試
[show details]
[★]
- 英
- malignant hypertension
- 関
- 悪性腎硬化症、高血圧、高血圧性脳症、キース-ワゲナー分類
概念
- 拡張期血圧が120-130mmHg以上であり、腎機能障害が急進行し、放置すると全身症状が急激に増悪し、心不全、高血圧性脳症、脳出血などを発症する予後不良の病態である。長期の高度の高血圧による細動脈の内皮障害、血管壁への血漿成分の浸入に続くフィブリノイド壊死、増殖性内膜炎が病理学的特徴であり、腎の病理所見は悪性腎硬化症と呼ばれる。腎臓の小動脈の狭窄・閉塞に伴い腎血流量が低下し、RAA系の亢進により血圧を生じるなど、この病態では進行性の腎機能障害と昇圧の悪循環を生じる。眼底では網膜出血、軟性白斑、網膜浮腫や乳頭浮腫を認める。脳においては、血管障害によって血流の自動調節能が破綻し、脳浮腫が生ずれば、高血圧性脳症となりうる。(参考1を改変)
疫学
- 高血圧患者の1%。(YN.C-165)
- 男性、黒人に多い。(YN.C-165)
- 男性で40-50に多い。女性で30-40歳代に多い。(YN.C-165)
基礎疾患
病態生理
診断基準
- 病態で定義され、臨床診断される。
- 血圧、眼、腎、全身(脳、心臓)で診断する。
- 高血圧の基礎疾患に関係なく、次の症候を示す重症高血圧をいう。
悪性高血圧A群
- 定型的悪性高血圧
- 下記1)~4)のすべてを満たすもの
- 1) 治療前の拡張期血圧が常に130mmHg以上
- 2) 眼底所見はキース・ワグナー分類(Kieth-Wagener分類) IV度で、乳頭浮腫及び網膜出血を示す。
- 3) 腎機能障害をきたし、腎不全(血清クレアチニン5.0mg/dl以上)に至ったもの
- 4) 全身症状の急激な悪化を示し、特に脳症状(運動失調、知覚障害、頭痛、めまい、悪心など)や心症状(呼吸困難、胸痛、不整脈など)を伴うもの
悪性高血圧B群
- 非定型的悪性高血圧
- 次の3つの条件のどれかに該当すれば
- 1) 拡張期血圧が120mmHg以上、130mmHg未満で、上記1の2)、3)、4)のすべてを満たすもの
- 2) KW III度の高血圧性網膜症(眼底写真添付)で、上記1の1)、3)、4)のすべてを満たすもの
- 3) 腎機能障害(血清クレアチニン3.0mg/dl以上)はあるが腎不全には至らないもので、上記1の1)、2)、4)のすべてを満たすもの
症状
診断基準以外
- Extrinsic nonimmune hemolytic anemia due to mechanical damage: Fragmentation hemolysis and hypersplenism - uptodate
- http://www.uptodate.com/contents/extrinsic-nonimmune-hemolytic-anemia-due-to-mechanical-damage-fragmentation-hemolysis-and-hypersplenism?source=search_result&selectedTitle=2%7E150
診断基準の解説
- 眼底:高血圧により網膜細動脈の狭小に始まり、細動脈の攣縮、血管からの漏出による火炎状出血、軟性白斑、視神経乳頭浮腫をきたす(SOP.209)
- 腎機能:血清クレアチニン5.0mg/dl以上というと、GFRは20ml/min/1.73m2程度?CKDガイドラインでは<15で腎不全と定義していたが?
治療
- 高血圧:降圧薬。高血圧の病歴が長い患者が多いため,急速な降圧は重要臓器の虚血をきたす危険を伴う。最初の24時間の降圧は拡張期血圧100-110mmHgまでにとどめる(参考1)。
参考
- 1. 第11章 特殊条件下高血圧の治療 - 日本高血圧学会高血圧治療GL作成委員会/医療・GL(09年)/ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0019/1/0019_G0000180_0072.html
- http://www8.ocn.ne.jp/~halfboil/criteria/tab-c7.html
- http://homepage3.nifty.com/mickeym/No.101_200/183akuaeikou.html
[★]
- 英
- hematuria
- 関
- 顕微鏡的血尿、肉眼的血尿。尿潜血、尿沈渣
概念
分類
- 顕微鏡的血尿:≧5個/HPF
- 肉眼的血尿:尿1000mlに1-2mlの血液が混入している場合(0.1-0.2%)
- 症候性血尿:膀胱刺激症状(膀胱炎、膀胱結石)、疼痛(尿路結石などによる尿路閉塞)、排尿困難(尿路狭窄)、発熱
- 無症候性血尿:尿路悪性腫瘍、腎動静脈奇形
- 内科診断リファレンス.346
- 尿潜血(1+) ・・・ 尿沈渣 1桁
- 尿潜血(2+) ・・・ 尿沈渣 2桁
- 尿潜血(3+) ・・・ 尿沈渣 3桁
原因
-
-
資料
- http://www.mnc.toho-u.ac.jp/mmc/guideline/hyo-ketsunyo.pdf
- http://www.jsn.or.jp/guideline/pdf/hugl2013.pdf
- http://www.city.fukuoka.med.or.jp/kensa/ensinbunri/enshin_58_x.pdf
[★]
- 英
- acute nephritic syndrome
- 同
- 急性糸球体腎炎症候群 acute glomerulonephritic syndrome
- 関
- 急性糸球体腎炎
定義 YN.E-40、医学大事典
- WHO臨床症候分類(1995年改訂)に定められる臨床的特徴を示す病態の総称
- 突然に血尿、蛋白尿、GFR低下、高血圧、ナトリウム・水の貯留(浮腫、心不全)などを示して発症する病態。
急性腎炎症候群に分類される疾患 YN.E-40
[★]
- 英
- glomerulus (Z)
- 関
- ボウマン嚢、腎小体、腎臓、輸出細動脈#調節
概念
- 1個の腎臓に100万個存在。
- 房状の毛細血管からなる
- 糸球体の毛細血管は有窓型毛細血管である
糸球体の微細構造 (SP.785)
詳細には
血流の調節 (HIM.1742)
- 輸入細動脈:autonomous vasoreactive reflex in afferent arteriole, tubuloglomerular feedback
- 緻密斑でのCl-の低下 = 原尿流速が早い → 腎灌流量の低下と解釈
- 腎灌流圧↑→輸入細動脈の平滑筋収縮
- 腎灌流圧↓→輸入細動脈の平滑筋弛緩
- 緻密斑はNaClの再吸収にとともにATP、(アデノシン)を細胞外に放出。細胞外のecto-5'-nucleotidaseがATPからアデノシンを産生。アデノシンが輸入細動脈のvasoconstrictorとして作用
- loop diureticsは緻密斑でのNaClの再吸収を妨げるので、尿細管糸球体フィードバックを阻害→糸球体濾過量は高レベルに保たれる
- アンジオテンシンIIと活性酸素種は尿細管糸球体フィードバックを増強 → 輸入細動脈収縮 → 糸球体濾過量低下
- NOは尿細管糸球体フィードバックを減弱 → 輸入細動脈弛緩 → 糸球体濾過量上昇
- 輸出細動脈:angiotensin II-mediated casoconstriction of the efferent arteiole
-
臨床関連
[★]
- 英
- glomerulonephritis
- 同
- 腎炎
- 関
- 糸球体病変
症状
臨床的分類
メモ
- 081201
- E:\データセンター\学習\細々とした勉強ファイル\糸球体腎炎_など.xls
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- nephritis
- 同
- 糸球体腎炎 glomerulonephritis GN
[★]
- 英
- chronicity
- 関
- 慢性的、慢性型