- 英
- rituximab
- 同
- anti-CD20
- 商
- リツキサン
GOO.1375t,
分類
-
概念
- CD20に対するモノクローナル抗体
- 放射性同位体をラベルしたものも使われている
- 131I-tositumomab
- 90Y-ibritumomab tiuxetan
標的
作用機序
薬理作用
適応
注意
禁忌
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/17 14:15:12」(JST)
[Wiki ja表示]
リツキシマブ ?
モノクローナル抗体 |
原料 |
chimeric (mouse/human) |
抗原 |
CD20 |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
C(US) (no adequate human studies) |
法的規制 |
℞-only (US) |
投与方法 |
intravenous infusion only (never bolus or "push") |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
100% (IV) |
半減期 |
30 to 400 hours (varies by dose and length of treatment) |
排泄 |
Uncertain: may undergo phagocytosis and catabolism in RES |
識別 |
CAS登録番号 |
174722-31-7 |
ATCコード |
L01XC02 |
DrugBank |
BTD00014 |
KEGG |
D02994 |
化学的データ |
化学式 |
C6416H9874N1688O1987S44 |
分子量 |
143859.7 g/mol |
リツキシマブ(rituximab)は、抗ヒトCD20ヒト・マウスキメラ抗体からなるモノクローナル抗体であり、その製剤は分子標的治療薬のひとつとして抗がん剤などとして使用されている。製剤としてのリツキシマブが注射剤であり、日本はリツキサン(Rituxan)®の商品名で全薬工業および中外製薬から発売されている。
リツキシマブは2011年現在、金額ベースにおいて世界でベストセラーの抗がん剤となっている。この背景には各国での治療適応疾患の拡大のほか、薬剤価格が高価であることがあり、日本でも1瓶(500mg/50mL)あたりの薬価(保険適用前)が約21万円(2008年薬価改正時点)に設定されている。
概要[編集]
ヒトCD20はヒトB細胞のみに発現し、正常・腫瘍細胞は問わず、preB~成熟Bにかけて細胞膜表面に認められる。preB、形質細胞はみられない。ヒトCD20に対する抗体はヒトは持たないため、マウスのヒトCD20に対する抗体のFabとヒトFcをキメラとして、1991年米国のIDEC Pharmaceuticals社(現Biogen Idec社)がリツキシマブを創製した[1]。 日本での健康保険適応は、CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫、免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患、ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎。非ホジキンリンパ腫、リンパ増殖性疾患の治療では単独での使用も行われるが、CHOP療法との併用も行われている。
近年では臓器移植の際の拒絶反応治療や、腎炎などこれまで治療が困難であった一部の自己免疫疾患への効果も期待されており、関節リウマチ、ループスエリテマトーデス(SLE)[2]については各国で治験が進んでいる。また日本では2008年より小児難治性ネフローゼ症候群、特発性血小板減少性紫斑病での治験が行われている。 同効薬に90Y Ibritumomab, 131I Tositumomabがある。
副作用[編集]
B型肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の投与により、劇症肝炎又は肝炎が増悪することがある。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者においても、B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎を発症し、死亡に至った症例も報告されている。
参考文献[編集]
- ^ 「開発の経緯-医薬品インタビューフォーム リツキサン注10mg/mL」全薬工業、中外製薬、2008年8月改訂(第10版)
- ^ 「全身性エリテマトーデス リンパ腫の治療薬が効果」熊本日日新聞2004年5月12日夕刊
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- P2-05-3 自己免疫性血小板減少性紫斑病に対してリツキシマブが有効であったIgG4関連疾患の1例(P2-05 自己免疫疾患5,ポスターセッション,第23回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 特発性血小板減少性紫斑病を有した腎不全患者に行った血液型不適合生体腎移植の1例
- 内山 結理,堀田 記世彦,吉田 美穂,高田 徳容,佐藤 択矢,望月 端吾,村橋 範浩,山本 聡,関 利盛,富樫 正樹,平野 哲夫,原田 浩
- 2011-03-31
- … 治療抵抗性のITPであったがリッキシマブを使用した免疫抑制により術後良好な腎機能とITPの改善を認め、 本症例はITP患者の腎移植に対しリツキシマブを使用した初めての報告である。 …
- NAID 120003145497
- 抗体薬 リツキシマブ (分子標的治療薬--最新の選び方・使い方) -- (がん分子標的治療薬の使い方)
Related Links
- リツキシマブ(rituximab)は、抗ヒトCD20ヒト・マウスキメラ抗体からなるモノクローナル 抗体であり、その製剤は分子標的治療薬のひとつとして抗癌剤などとして使用されて いる。製剤としてのリツキシマブが注射剤であり、日本はリツキサン(Rituxan)®の商品 名で ...
- 薬剤 患者のためのがんの薬事典. ★★★リツキサン(一般名 リツキシマブ) (1)B細胞型 の非ホジキンリンパ腫に有効な新しい薬. 監修:増田道彦 東京女子医科大学血液内科 講師文:平出 浩(2005年02月号). |1|2|. 次のページへ. リツキサンは悪性 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
リツキサン注10mg/mL (100mg/10mL)
組成
成分・含量 (1瓶中)
有効成分
- リツキシマブ(遺伝子組換え)注2) 100mg
*注2)
本剤は、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。マスターセルバンク構築時にはウシの血清由来成分(ウシ胎児血清及びフェツイン)を使用している。また、製造工程において、培地成分としてウシの乳由来成分(D-ガラクトース)を使用している。
添加物
- ポリソルベート80 7mg
塩化ナトリウム 90mg
クエン酸ナトリウム 71.4mg
無水クエン酸 1.4mg
pH調整剤 適量
効能または効果
※CD: cluster of differentiation
- ○インジウム (111In) イブリツモマブ チウキセタン (遺伝子組換え) 注射液及びイットリウム (90Y) イブリツモマブ チウキセタン (遺伝子組換え) 注射液投与の前投与
- 本剤投与の適応となる疾患の診断は、病理診断に十分な経験をもつ医師又は施設により行うこと。
- CD20抗原は、免疫組織染色法又はフローサイトメトリー法等により検査を行い、陽性であることが確認されている患者のみに投与すること。
- <CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に用いる場合>
通常成人には、リツキシマブ (遺伝子組換え) として1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。最大投与回数は8回とする。
<インジウム (111In) イブリツモマブ チウキセタン (遺伝子組換え) 注射液及びイットリウム (90Y) イブリツモマブ チウキセタン (遺伝子組換え) 注射液投与の前投与に用いる場合>
通常成人には、リツキシマブ (遺伝子組換え) として250mg/m2を1回、点滴静注する。
- 本剤は用時生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液にて10倍に希釈調製し使用する。
- 本剤投与時に頻発してあらわれるinfusion reaction(発熱、悪寒、頭痛等)を軽減させるために、本剤投与の30分前に抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤等の前投与を行うこと。
- 初回投与時は、最初の1時間は25mg/時の速度で点滴静注を開始し、患者の状態を十分観察しながら、その後注入速度を100mg/時に上げて1時間点滴静注し、さらにその後は200mg/時まで速度を上げることができる。なお2回目以降の注入開始速度は、初回投与時に発現した副作用が軽微であった場合、100mg/時まで上げて開始できる。
- 注入速度に関連して血圧下降、気管支痙攣、血管浮腫等の症状が発現するので本剤の注入速度を守ること。これらの症状は注入速度を上げた直後から30分以内に発現しやすいので、十分観察すること。症状が発現した場合は注入速度を緩めるかもしくは中止する。重篤な症状の場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。また、投与を再開する場合は症状が完全に消失した後、25mg/時の注入速度で投与を開始する。
慎重投与
- 感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染等)を合併している患者[免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある。HBs抗体陽性患者に本剤を投与した後、HBs抗体が陰性の急性B型肝炎を発症した例が報告されている。]
- 心機能障害のある患者又はその既往歴のある患者[投与中又は投与後に不整脈、狭心症等を悪化又は再発させるおそれがある (「重大な副作用」の項参照)。]
- 肺浸潤、肺機能障害のある患者又はその既往歴のある患者[投与中又は投与直後に気管支痙攣や低酸素症を伴う急性の呼吸器障害があらわれ、肺機能を悪化させるおそれがある (「重大な副作用」の項参照)。]
- 重篤な骨髄機能低下のある患者あるいは腫瘍細胞の骨髄浸潤がある患者[好中球減少及び血小板減少を増悪させ重篤化させるおそれがある (「重大な副作用」の項参照)。]
- 降圧剤による治療中の患者[本剤投与中に一過性の血圧下降があらわれることがある。]
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- アレルギー素因のある患者
重大な副作用
アナフィラキシー様症状、肺障害、心障害
(頻度不明注3))
- 低血圧、血管浮腫、低酸素血症、気管支痙攣、肺炎(間質性肺炎、アレルギー性肺炎等を含む)、閉塞性細気管支炎、肺浸潤、急性呼吸促迫症候群、心筋梗塞、心室細動、心原性ショック等がinfusion reactionの症状としてあらわれることがある (「警告」欄参照)。
バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)のモニタリングや自他覚症状の観察など、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、気管支拡張剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
腫瘍崩壊症候群
(頻度不明注3))
- 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎、肝炎の増悪
(頻度不明注3))
- B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎又は肝炎の増悪による肝不全があらわれることがあるので、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど患者の状態を十分に観察すること (「重要な基本的注意」の項参照)。
肝機能障害、黄疸
(0.1?5%未満)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、総ビリルビン等の肝機能検査値の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜症状
(頻度不明注3))
- 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis: TEN)、天疱瘡様症状、苔癬状皮膚炎、小水疱性皮膚炎等があらわれ、死亡に至った例が報告されている。これらの症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少
( 汎血球減少(頻度不明注3))、白血球減少、好中球減少(10%以上)、血小板減少(5%未満) )
- 重篤な血球減少があらわれることがあり、好中球減少については、本剤の最終投与から4週間以上経過して発現する例が報告されているので、本剤の治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は休薬等の適切な処置を行うこと。
感染症
(頻度不明注3))
- 細菌、真菌、あるいはウイルスによる重篤な感染症 (敗血症、肺炎等) があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
進行性多巣性白質脳症 (PML)
(頻度不明注3))
- 進行性多巣性白質脳症 (PML) があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状 (片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
(頻度不明注3))
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心障害
(頻度不明注3))
- 心室性あるいは心房性の不整脈、狭心症、心筋梗塞が報告されている。これらの症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腎障害
(頻度不明注3))
- 透析を必要とする腎障害が報告されていることから、患者の状態を十分に観察し、尿量減少、血清クレアチニンやBUNの上昇が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
消化管穿孔
(頻度不明注3))
- 消化管穿孔があらわれることがあるので、消化管穿孔の初期症状としての腹痛、腹部膨満感、下血、吐血、貧血等の観察を十分に行い、異常が認められた場合は、直ちにX線、CT検査等を実施して出血部位、穿孔所見の有無を確認し、適切な処置を行うこと。
血圧下降
(頻度不明注3))
- 一過性の血圧下降が発現することがあるので、このような症状があらわれた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
可逆性後白質脳症症候群等の脳神経症状
(頻度不明注3))
- 可逆性後白質脳症症候群 (症状: 痙攣発作、頭痛、精神症状、視覚障害、高血圧等) があらわれることがある。また、本剤の治療終了後6か月までの間に、失明、難聴等の視聴覚障害、感覚障害、顔面神経麻痺等の脳神経障害が報告されている。患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
CD20抗原8)
- ヒトCD20抗原は、Pro-B細胞、形質細胞を除くほとんど全ての正常及び腫瘍化したBリンパ球に発現している分化抗原(リンタンパク質)であり、Bリンパ球以外の細胞には発現していない。
薬理作用8, 9)
in vitro CD20抗原特異的結合作用
- IDEC-2B8 (リツキシマブと同一のCD20抗原認識部位(可変部領域)を有するマウス型CD20モノクローナル抗体) は、既存の抗CD20抗体であるB1のヒトCD20抗原に対する結合を濃度依存的に阻害し、そのIC50(50%阻害濃度)値はB1、Leu16(抗ヒトCD20抗体)の1/2?1/3と、ヒトCD20抗原に対して強い抗原特異的結合能を示した。この強い抗原特異的結合能は、本剤(マウス?ヒトキメラ型抗体)でも維持されていた。
in vitro Bリンパ球特異的結合作用
- 本剤は、ヒト末梢血Bリンパ球やヒト低悪性度Bリンパ腫細胞と特異的に結合し、他の免疫系細胞とは反応しなかった。
in vivo Bリンパ球傷害作用
- カニクイザルに週1回4週間及び4日間連日静注投与した結果、末梢血液、骨髄及びリンパ節中のBリンパ球は著明に減少した。なお、Tリンパ球には変化を認めなかった。
ヒト正常組織との交叉反応性
- 成人ヒト正常組織の凍結切片との交叉反応性を調べた結果、本剤が反応性を示したのは、リンパ節、骨髄、末梢血細胞、扁桃、脾臓のみで、これ以外の非リンパ系組織とは反応しなかった。
作用機序8)
補体依存性細胞傷害作用 (complement-dependent cytotoxicity, CDC)
- 本剤はヒト補体の存在下、2.2μg/mLの濃度でSB細胞(ヒト由来CD20陽性細胞)の50%を溶解したが、HSB細胞(ヒト由来CD20陰性細胞)は溶解せず、CD20抗原を有する細胞に対して補体依存性細胞傷害作用を有することが確認された。
また、ヒト補体存在下、造血幹細胞(CD34陽性細胞)のコロニー形成能に影響しなかった。
抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用 (antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity, ADCC)
- 本剤はヒトエフェクター細胞の存在下、3.9μg/mLの濃度でSB細胞の50%を溶解したが、HSB細胞は溶解せず、CD20抗原を有する細胞に対して抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用を有することが確認された。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
rituximab (genetical recombination) (JAN)
本質:
- ヒトBリンパ球表面に存在する分化抗原CD20(リンタンパク質)に結合するモノクローナル抗体で、CD20抗原の認識部位(可変部領域)がマウス由来、それ以外の部分(定常部領域)がヒト由来(IgG1κ)のマウス?ヒトキメラ型抗体であり、1,328個のアミノ酸から構成されている。
分子量:
★リンクテーブル★
[★]
- 30歳の男性。貧血の精査のため来院した。昨年の健康診断では異常を指摘されなかったが、2週前から労作時息切れが出現したため自宅近くの診療所を受診したところ、貧血を指摘され精査のため紹介されて受診した。脈拍 88/分、整。血圧 122/78mmHg。眼瞼結膜は貧血様で眼球結膜に黄染を認めない。胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 302万、Hb 8.3g/dL、Ht 28%、白血球 2,400(桿状核好中球 3%、分葉核好中球 28%、好酸球 2%、単球 5%、リンパ球 62%)、血小板 5万。血液生化学所見:総蛋白 7.4g/dL、アルブミン 4.2g/dL、総ビリルビン 0.5mg/dL、直接ビリルビン 0.2mg/dL、AST 27U/L、ALT 19U/L、LD 948U/L(基準 120~245)、ALP 476U/L(基準 115~359)、尿素窒素 12mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、尿酸 8.5mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 102mEq/L、Ca 10.0mg/dL、P 6.0mg/dL。CRP 0.8mg/dL。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 5)を別に示す。異常細胞のペルオキシダーゼ染色は陰性で、表面マーカー解析ではCD10とCD19が陽性で、CD20とCD33は陰性であった。染色体検査でPhiladelphia染色体が検出された。
- この患者に投与すべき薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D021]←[国試_114]→[114D023]
[★]
- 24歳の男性。発熱と頸部腫瘤とを主訴に来院した。1か月前に左頸部の腫瘤に気付いた。そのころから時々37~38℃の発熱も出現した。その後腫瘤はやや増大傾向にあった。生来健康で喫煙、飲酒はしない。意識は清明。体温37.8℃。左頭部および鎖骨上窩に径2cm、表面平滑で圧痛のないリンパ節を2個、両側腋窩に径2cmのリンパ節を1個ずつ、右鼠径部に径1.5cmのリンパ節を1個触知する。左口蓋扁桃の腫大を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球462万、Hb14.2g/dl、Ht43%、白血球12,000(桿状核好中球5%、分葉核好中球62%、好酸球8%、好塩基球1%、単球4%、リンパ球20%)、血小板26万。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dl、アルブミン4.2g/dl、尿素窒素16.0mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、尿酸7.6mg/dl、総コレステロール120mg/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST45IU/l、ALT32IU/l、LDH420IU/l(基準176~353)。CRP1.2mg/dl。胸部エックス線写真で両側肺門部に腫瘤影を認める。頭部リンパ節生検H-E染色標本を以下に示す。
- この患者の治療で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102D047]←[国試_102]→[102D049]
[★]
- 27歳の女性。咳と呼吸困難とを主訴に来院した。 1週前から前胸部の圧迫感を自覚していた。 2日前から息苦しくなり、昨日から咳が出始めた。自宅近くの医療機関を受診したところ、胸部エックス線写真の異常所見を指摘され、精査のために紹介されて受診した。既往歴に特記すべきことはない。体温36.8℃。脈拍96/分、整。血圧110/64mmHg。呼吸数20/分。 SpO2 95%(room air)。口腔内に点状出血斑を認める。眼瞼結膜は貧血様である。呼吸音は左胸部で減弱している。右肋骨弓下に肝を3cm触知する。血液所見:赤血球308万、 Hb9.2g/dl、 Ht28%、白血球24,000、血小板2.2万。胸部エックス線写真(別冊No. 23A)、骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 23B)及びペルオキシダーゼ染色標本(別冊No. 23C)を別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D053]←[国試_106]→[106D055]
[★]
- 56歳の女性。気が遠くなるようなめまいを主訴に来院した。1年前に鼻翼に丘疹が出現した。皮膚サルコイドーシスと診断され、副腎皮質ステロイド外用薬の塗布により、3か月程度で皮疹は改善した。今朝から気が遠くなるようなめまいが出現したため受診した。体温 36.7℃。脈拍 40/分、整。血圧 132/72mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 414万、Hb 12.6g/dL、白血球 5,400、血小板 27万。血液生化学所見:総蛋白 7.4g/dL、アルブミン 4.3g/dL、AST 21U/L、ALT 22U/L、LD 261U/L(基準 120~245)、CK 78U/L(基準 30~140)、クレアチニン 0.5mg/dL。CRP 0.1mg/dL。胸部エックス線写真で異常を認めない。心電図で完全房室ブロックを認める。心エコー図(別冊No. 21)を別に示す。左室駆出率は45%であった。完全房室ブロックに対して一時的ペースメーカーを挿入した。
- 適切な治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114A049]←[国試_114]→[114A051]
[★]
- 48歳の女性。尿の泡立ちを主訴に来院した。半年前にネフローゼ症候群を発症し、腎生検で微小変化群と診断された。副腎皮質ステロイドの処方後2週間で完全寛解し、4か月前からは投与量を漸減していた。2週間前の外来で、体重52kgで浮腫を認めず、尿蛋白(-)、尿潜血(-)、血清アルブミン 4.4g/dL、総コレステロール 210mg/dLだったため、副腎皮質ステロイドを10mg/日から10mg/隔日に減量したが、4日前から尿の泡立ちが強くなってきたため受診した。体重 54kg。脈拍 76/分、整。血圧 120/60mmHg。両下腿から足背に軽度の圧痕性浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血(-)、沈渣に卵円形脂肪体を認める。血液生化学所見:アルブミン 3.5g/dL、尿素窒素 15mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、総コレステロール 290mg/dL。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D060]←[国試_112]→[112D062]
[★]
- 24歳の女性。発熱と頸部腫瘤を主訴に来院した。2か月前から左頸部腫瘤を自覚していた。2週間前に発熱と寝汗が出現し、改善しないため受診した。6か月で7kgの体重減少があった。体温 37.8℃。脈拍 96/分、整。左頸部、左鎖骨上窩および両側鼠径部に弾性硬、圧痛のない径2~3cmのリンパ節を4個触知する。左頸部リンパ節の生検組織のH-E染色標本(別冊No. 6)を別に示す。免疫染色ではCD30陽性の細胞を認める。
- この患者に行う治療に含むべき薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C046]←[国試_113]→[113C048]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107I022]←[国試_107]→[107I024]
[★]
- 英
- microscopic polyangiitis, MPA
- 同
- 顕微鏡的多発性血管炎、顕微鏡的多発動脈炎 microscopic polyarteritis
- 関
- 血管炎。MPO-ANCA、ANCA関連血管炎
概念
- 古典的なクスマウル・マイアー型(Kussmaul-Maier)の多発動脈炎に対し、分節状壊死性糸球体腎炎のような微小血管炎を伴う多発動脈炎を顕微鏡型と称したのに由来する。
- 小血管の炎症であるので、小血管が集まった臓器が冒される、腎臓(急速進行型糸球体腎炎 RPGN)、肺(間質性肺炎)
定義
- CHCC 2012
- 免疫沈着を全くまたはほとんど認めない壊死性血管炎。主に小型血管(すなわち毛細血管、細静脈、または細動脈)を侵す。壊死性血管炎は小型動脈や中型動脈にも認めることがある。壊死性糸球体腎炎は非常によくみられる。肺毛細血管炎もしばしば生じる。肉芽腫性炎症は認めない。
症状
- https://www.nanbyou.or.jp/entry/245
全身症状
|
約70%
|
高血圧
|
約30%
|
皮疹
|
約60%
|
多発性単神経炎
|
約60%
|
関節痛
|
約50%
|
筋痛
|
約50%
|
間質性肺炎
|
約25%
|
肺胞出血
|
約10%
|
心不全
|
約18%
|
消化管病変
|
約20%
|
検査
尿検査
治療
- ANCA関連血管炎 診療ガイドライン2017
- https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0094/G0000931
- ベースとなるのはステロイドであるが、単独で使われるより、組み合わせて使われていることが多い。
- どの治療が最適化は議論中のようである。
- GC
- GC+POCY/IVCY
- GC+RTX
- GC+MTX
- GC+MMF
国試
|
|
症状
|
検査
|
病理
|
治療
|
結節性多発動脈炎
|
polyarteritis nodosa,PN
|
細動脈に壊死性血管炎を引き起こす。糸球体腎炎なし。
|
① 全身症状あり ② 他臓器の虚血障害〈脳出血、肺出血、虚血性心疾患(心臓の冠動脈が虚血)〉 ③ 進行性腎機能低下、腎血管性高血圧(炎症動脈狭窄→レニン分泌)
|
尿所見に乏しい進行性腎機能低下、腰痛
|
・ 腎臓を含む多臓器の動脈に炎症が生じる。 ・ 腎動脈造影で弓状動脈に生じた結節様病変、糸球体病変は軽度。
|
ステロイド&免疫抑制剤(シクロホスファミド)
|
顕微鏡的多発動脈炎
|
microscopic polyangitis,MPA
|
小血管の炎症。糸球体腎炎あり。
|
①全身症状:発熱、体重減少、多発関節炎、筋肉痛 ②多臓器の虚血障害:肺出血(血痰) ③進行性腎機能低下(急性進行性糸球体腎炎)(高齢者のRPGNにMPAが多い)
|
①RPGN症状が(血尿、蛋白尿、円柱、週単位での腎機能低下) ②MPO-ANCA陽性が85%を占める。
|
腎の微小血管と糸球体及び、肺の微小血管に炎症が生じる。 ① 半月体形成:糸球体係蹄壁の外側に増殖した細胞が半月状の形態をとる。 ② 免疫グロブリンや補体の沈着はなし。(p-ANCAがELIZA法で検出される。)
|
|
[★]
- 関
- モノクローナル抗体
mab
[★]
商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
- CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫、免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患、ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎を効能・効果とするバイオ後続品