- 英
- bone marrow aspiration, bone marrow puncture
- 同
- 骨髄穿刺法
- 関
- 骨髄生検
穿刺部位
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/22 23:07:37」(JST)
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骨髄検査(英:Bone marrow examination)とは、骨髄を穿刺して骨髄液(骨髄血)を吸引する「骨髄穿刺」(英:Bone marrow aspiration)、または骨組織を含む造血組織を採取する「骨髄生検」(英:Bone marrow biopsy)の方法によって行われる造血組織の検査である。ドイツ語のKnochenmark(クノッヘンマルク:骨髄)から、医療業界用語(略語)ではマルクと呼ばれる。
主として血液疾患の検査のために行われる。末梢血は骨髄で産出された血液細胞で構成されるが、同等のものではない。血液疾患の原因あるいは状態を探る為には、造血の場である骨髄の状態を知ることが必要になることが多い。
骨髄液採取、ただし写真は骨髄移植の為の骨髄液採取であり大量に採取する必要がある。検査目的で採取する骨髄液はごく少量である
目次
- 1 検査の対象になる骨髄
- 2 骨髄穿刺
- 3 骨髄生検
- 4 dry tap
- 5 出典
- 6 関連項目
検査の対象になる骨髄
骨髄には造血機能を有している赤色骨髄と造血機能を失い主に脂肪で構成される黄色骨髄があるが、通常骨髄検査は血液造血組織および細胞の状態を調べることが目的であり、骨髄検査の対象はもっぱら赤色骨髄である。 造血を行う赤色骨髄は幼児期は全身の骨に存在するが、加齢と共に四肢の骨の造血機能は失われ黄色骨髄に置き換わる。 25歳を過ぎた成人では体躯の骨にほとんどの赤色骨髄が存在する。 したがって成人では検査用の骨髄は採取しやすく大量の骨髄が存在する腸骨もしくは胸骨から採取する。 胸骨は穿刺箇所の皮下組織が薄く、平板であり採取し易い。また腸骨に比べ細胞密度が濃いためより良い標本が採取できる。しかし心臓に近いため、事故の際には重大なことになる可能性がある。 骨髄生検を同時に行うときは腸骨から採取する。 小児では脛骨前面から採取することもある。
骨髄穿刺
骨髄穿刺の概要
骨髄液(骨髄血)を採取し骨髄塗末標本を作り、骨髄液内の細胞の形態学的観察を行う。 あるいは、細胞免疫学的マーカーや遺伝子検査も行うこともある。
骨髄穿刺の方法
施設・術者によるが、穿刺を行う医師と骨髄液の処理を行う検査技師のペアで行うことが多い。 穿刺箇所を消毒後、皮膚、皮下組織、骨膜(骨の表面の膜)を局所麻酔する。 麻酔後、骨髄穿刺針を骨表面に垂直に立て回転させながら針を進める。 骨髄穿刺針は2重構造になっており、外筒と内針で構成され内針は抜けるようになっている。 十分に骨髄穿刺針が骨髄内に達したら、内針を抜き、ディスポシリンジを外筒にセットし骨髄液を吸引する。 採取後は採取箇所に十分な圧迫をかけ止血する。
骨髄生検
骨髄生検の概要
骨髄穿刺で採取するのは骨髄液であり、骨髄のそのままの状態ではない。 したがって正確な骨髄細胞密度や病理組織学的検査の為に、骨髄内骨組織を含めてそのまま骨髄組織を採取する。 骨髄生検は腸骨で行う。
骨髄生検の方法
骨髄生検針も骨髄穿刺針と同様に2重針になっており、針先端が骨皮質に達する所までの方法は骨髄穿刺と同等である。 骨髄生検針が骨皮質を貫通したら、内針を抜き、外筒をそのまま進め外筒内に骨髄組織片を収める。 その後、針を左右上下に動かして外筒内に入った組織を骨髄組織全体から折って切断し、骨髄組織が中に入っている状態で外筒を引き抜く。
dry tap
ときに骨髄液吸引が不能の時がありdry tapと呼ばれる。 dry tapは多くの場合、骨髄の線維化など骨髄の異常が原因である。
出典
浅野茂隆、内山卓、池田康夫監修 『三輪血液病学』第3版、文光堂、2006年、ISBN 4-8306-1419-6、pp.550-552
関連項目
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 骨髄穿刺と骨髄採取 (特集 周産期医が習得したい専門的手技 : 新生児編)
- 慢性再発性多発骨髄炎との鑑別が困難であった小児急性リンパ性白血病の1例
- 木澤 敏毅,加藤 辰輔,重富 浩子,田中 藤樹,飯田 一樹,永井 和重,五十嵐 敬太,山本 雅樹,畠山 直樹,鈴木 信寛,堤 裕幸
- 日本臨床免疫学会会誌 = Japanese journal of clinical immunology 35(2), 150-155, 2012-04-28
- … はCRP,赤沈値の持続的な上昇,軽度の貧血を認めた1女児例を経験した.当初は若年性特発性関節炎,慢性再発性多発骨髄炎を疑ったが,約6カ月後にLDH 573 U/mLと上昇し,また末梢血中に芽球が出現したため骨髄穿刺を行い急性リンパ性白血病と診断した.骨痛,関節痛を主訴とする慢性炎症性疾患には感染性骨髄炎,リウマチ性疾患,血液・悪性腫瘍,骨の自己炎症症候群(とくに慢性再発性多発骨髄炎)などが鑑別に …
- NAID 10030573883
Related Links
- 血液の血球成分は骨髄でつくられています。骨髄はカルシウムなどでできた骨の中心部 の空洞(髄腔)を満たしている赤いドロドロした組織です。この骨髄に針を刺して採取する ことを骨髄穿刺といい、その組織を調べる検査を、骨髄像検査あるいは骨髄検査と ...
- 施設・術者によるが、穿刺を行う医師と骨髄液の処理を行う検査技師のペアで行うこと が多い。 穿刺箇所を消毒後、皮膚、皮下組織、骨膜(骨の表面の膜)を局所麻酔する。 麻酔後、骨髄穿刺針を骨表面に垂直に立て回転させ ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 42歳の男性。微熱を主訴に来院した。 4か月前から微熱を自覚していた。 3週前から全身倦怠感と手足の関節痛とが出現し、微熱も続いているため心配になって受診した。 1週前に数秒間の眼前暗黒感を生じたという。 4か月間で 5 kgの体重減少がある。意識は清明。身長 163 cm、体重 62 kg。体温 37.2 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 136/82 mmHg。呼吸数 18/分。 SpO2 98% ( room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心尖部に体位によって強さが変化する拡張期の心雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音は正常。関節の腫脹を認めない。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 468万、 Hb 13.9 g/dl、Ht 42%、白血球 12,300(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 45%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 17% )、血小板 21万。血液生化学所見に異常を認めない。免疫血清学所見: CRP 1.0 mg/dl、リウマトイド因子〈RF〉陰性、抗核抗体陰性、 CH50 36 U/ml(基準 30~40)、 C3 52 mg/dl(基準 52~112)、 C4 20 mg/dl(基準 16~51)、ツベルクリン反応陰性。血液培養は陰性。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。
- 診断のために有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D024]←[国試_108]→[108D026]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 65歳の男性。両側頸部と鼠径部とのリンパ節腫脹を主訴に来院した。
- 現病歴 : 3か月前からリンパ節腫脹が出現し、次第に増大してきた。この間、発熱や体重減少は認めていない。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長166cm、体重62kg。体温36.7℃。脈拍72/分、整。血圧116/66mmHg。皮膚は正常。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。両側頸部と鼠径部とに、直径2~3cm大の表面平滑で弾性硬のリンパ節を各々数個触知する。可動性を認めるが圧痛はない。下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 524万、Hb 15.2g/dl、Ht 47%、白血球 5,800(桿状核好中球2%、分葉核好中球 56%、単球10%、好酸球 4%、好塩基球 3%、リンパ球 25%)、血小板 34万。血清生化学所見:総蛋白 7.3g/dl、アルブミン 4.2g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.7mg/dl、総コレステロール 217mg/dl、AST 50単位、ALT 28単位、LDH 530単位(基準176~353)、可溶性IL-2受容体 2,280U/ml(基準220~530)。免疫学所見:CRP 5.4mg/dl、ツベルクリン反応陰性。
- a. 骨髄穿刺
- b. リンパ節生検
- c. 胸腹部造影CT
- d. 胸部エックス線撮影
- e. 全身骨エックス線単純撮影
[正答]
※国試ナビ4※ [100D031]←[国試_100]→[100D033]
[★]
- 13歳の女子。咳嗽と嚥下困難とを主訴に来院した。1か月前に胸がつまった感じがして近医を受診したが異常は指摘されなかった。その後も続く湿性咳嗽に対して去痰薬とβ刺激薬とを処方されていた。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。意識は清明。身長158cm、体重63kg。体温 36.6℃。呼吸数 26/分。脈拍 80/分、整。血圧 122/72 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側の頸部と鼠径部とに母指頭大のリンパ節を触知する。血液所見:赤血球 450万、Hb 12.5 g/dl、白血球 4,200(桿状核好中球 1 %、分葉核好中球 60 %、単球 9 %、リンパ球 25%、異常細胞 5%)、血小板 13万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dl、尿素窒素 5.1 mg/dl、クレアチニン 0.6 mg/dl、尿酸8.1 mg/dl、総ビリルビン 0.9 mg/dl、AST 16 IU/l、ALT 8 IU/l、LD(LDH) 772 IU/l(基準176~353)、Na 141 Eq/l、K 4.1 mEq/l、Cl 109 mEq/l、Ca 9.1 mg/dl。CRP 0.1 mg/dl。胸部エックス線写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A024]←[国試_103]→[103A026]
[★]
- 66歳の女性。倦怠感と腰痛とを主訴に来院した。半年程前から倦怠感があり徐々に増惑していたが、昨夕から急に腰痛を生じた。意識は清明。身長165cm、体重58kg。体温35.8℃。脈拍88/分、整。血圧128/76mmHg。肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白1+、糖(-)。血液所見:赤血球 320万、Hb 9.8g/dl、Ht 30%、網赤血球 1.2%、白血球 6,300(桿状核好中球4%、分葉核好中球56%、好酸球3%、好塩基球1%、単球4%、リンパ球32%)、血小板 13万。血液生化学所見:血糖 96mg/dl、総蛋白 9.8g/dl、アルブミン 3.4g/dl、尿素窒素 38mg/dl、クレアチニン 2.1mg/dl、尿酸 8.2mg/dl、総コレステロール 212mg/dl、トリグリセリド 120mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、直接ビリルビン 0.4mg/dl、AST 28IU/l、ALT 32IU/l、LD 280IU/l(基準176-353)、Na 142mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 102mEq/l、Ca 10.4mg/dl、P 4.0mg/dl。血清蛋白電気泳動検査結果(別冊No.14)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A032]←[国試_104]→[104A034]
[★]
- 78歳の男性。皮下出血を主訴に来院した。1週前に誘因なく左上肢に皮下出血が出現し、その2日後には右上肢、そして今朝目が覚めると両側大腿部にも広範な皮下出血が出現した。労作時息切れもあり家族に付き添われて受診した。意識は清明。身長 168cm、体重 58kg。体温 36.3℃。脈拍 104/分、整。血圧 130/80mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。表在リンパ節を触知しない。胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢と側腹部に広範な紫斑を認める。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 284万、Hb 8.6g/dL、Ht 25%、白血球 4,200(分葉核好中球 66%、好酸球 5%、好塩基球 1%、単球 13%、リンパ球 15%)、血小板 32万。PT-INR 1.1(基準 0.9~1.1)、APTT 72.2秒(基準対照 32.2)。
- 診断に有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114A020]←[国試_114]→[114A022]
[★]
- 19歳の男性。発熱とのどの痛みとを主訴に来院した。2日前から咽頭痛と39℃の発熱が出現し、市販の総合感冒薬を内服したが、症状が改善しなかった。意識は清明。体温38.2℃。脈拍92/分、整。血圧110/70mmHg。両側の頸部に圧痛を伴う径1.5cmのリンパ節をそれぞれ3個触知する。咽頭粘膜の発赤を認める。偽膜を伴う,桃腫大を認める。呼吸音に異常を認めない。右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を2cm触知する。血液所見:赤血球475万、Hb 15.2g/dl、Ht 45%、白血球16,000(分葉核好中球26 %、好酸球3%、単球%、リンパ球37%、異型リンパ球30%)、血小板28万。血液生化学所見:総蛋白7.4g/dl、尿素窒素22mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、AST 50IU/l、ALT 88IU/l。CRP 5.3mg/dl。
- 確定診断に最も有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A051]←[国試_107]→[107A053]
[★]
- 73歳の女性。腰痛を主訴に来院した。1年前から腰痛があり、3か月前から次第に増強したため受診した。顔面は蒼白で眼瞼結膜は貧血様であり、眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。表在リンパ節は触知しない。尿所見:蛋白1+。血液所見:赤血球 300万、Hb 8.1g/dL、白血球 4,400、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 10.1g/dL、アルブミン 2.9g/dL、IgG 5,475mg/dL(基準 960~1,960)、IgA 36mg/dL(基準 110~410)、IgM 22mg/dL(基準 65~350)。総ビリルビン 1.4mg/dL、AST 52U/L、ALT 45U/L、尿素窒素 30mg/dL、クレアチニン 1.5mg/dL、血糖 124mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 108mEq/L、Ca 8.8mg/dL。
- 診断確定のために必要な検査はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D065]←[国試_114]→[114D067]
[★]
- 67歳の女性。3か月前からの腹部膨満感を主訴に来院した。脈拍76/分、整。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し、右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を5cm触知する。血液所見:赤血球 360万, Hb 10.5g/dl、Ht 32%、白血球 18,700(骨髄芽球1%、好中球58%、好酸球5%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球30%、赤芽球4個/100白血球)、血小板65万、末梢血塗抹標本で巨大血小板を認め、骨髄穿刺はdry tapであった。骨髄の生検組織のH-E染色標本(別冊No.18A)と鍍銀染色標本(別冊No.18B)とを別に示す。
- 適切な対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D043]←[国試_105]→[105D045]
[★]
- 70歳の女性。全身倦怠感を主訴として来院した。3年前から腰痛と膝関節痛のため非ステロイド性抗炎症薬を服用している。2か月前から全身倦怠感と食欲不振とが出現し、徐々に増悪している。尿所見:尿量2,200ml/日、蛋白定性(±)、蛋白定量1.5g/日。血清生化学所見:総蛋白6.5g/dl、アルブミン4.0g/dl、尿素窒素28mg/dl、クレアチニン1.7mg/dl、Na138mEq/l、K4.5mEq/l、Cl115mEq/l、Ca14.0mg/dl。診断に有用な検査はどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097D036]←[国試_097]→[097D038]
[★]
- 56歳の男性。妻に顔色が悪いといわれて来院した。1か月前から強い腰痛を自覚していた。眼瞼結膜に貧血を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腰部に叩打痛を認める。血液所見:赤血球 353万、Hb 10.8g/dl、Ht33%、白血球 3,600(好中球70%、単球2%、リンパ球28)、血小板 22万。総蛋白 8.8g/dl。胸腰椎エックス線写真(別冊No.23)を別に示す。
- 診断確定のために必要な検査はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I071]←[国試_105]→[105I073]
[★]
- 45歳の女性。体動時の息切れを主訴に来院した。半年前から駅の階段を上がる際に息切れと動悸とを自覚していた。最近、平地での早歩き程度でも動悸を感じるようになった。意識は清明。身長154cm、体重49kg。呼吸数18/分。脈拍92/分、整。血圧126/82mmHg。眼瞼結膜は貧血様。大動脈弁領域に駆出性の収縮期雑音を認める。血液所見:赤血球300万、Hb8.1g/dl、Ht23%、白血球4,200、血小板40万、白血球分画に異常はない。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D015]←[国試_101]→[101D017]
[★]
- 68歳の女性。皮膚の出血斑を主訴に来院した。打撲した記憶がないにもかかわらず、数か月前から両側の手背と前腕とに出血斑が見られることが気になっていたという。鼻出血と歯肉出血とを認めない。口腔粘膜に点状出血を認めない。両側の手背と前腕とに径 5cmの紫斑を3個認める。血液所見:赤血球468万、 Hb13.9g/dL、 Ht42%、白血球6,300、血小板20万、 PT98%(基準80-120)、 APTT33秒(基準対照32)。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I044]←[国試_106]→[106I046]
[★]
- 広義の多臓器不全の診断基準に含まれる検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100G060]←[国試_100]→[100G062]
[★]
- 英
- Gaucher disease, Gaucher's disease
- 同
- グルコシルセラミドーシス glucosyl ceramidosis、Gaucher病
- 関
- リピドーシス lipidosis。リソソーム蓄積症、スフィンゴ脂質蓄積症。リソソーム病
- 表:HIM.2452
- first aid step1 2006 p.99
- グルコセレブロシド(グルコシルセラミド)--(×グルコセレブロシダーゼ)-→セラミド + グルコース
概念
病型
- I型(成人型, 慢性非神経型)
- II型(乳児型, 急性神経障害型)
- III型(若年型, 亜急性神経型)
遺伝形式
病変形成&病理
症候
- 主徴:肝脾腫、貧血、骨痛、出血傾向
- 肝脾腫、大腿骨無菌性壊死、皮膚色素沈着、脳神経症状。
- hepatosplenomegaly, aseptic necrosis of femur, bone crises, Gaucher’s cells (macrophages) (first aid step1 p.99)
I型
II型
- 乳児期に発症し、急激に進行。
- 肝脾腫
- 身体発達:遅延?
- 神経症状:痙攣、後弓反張、咽頭痙攣
- 精神症状:知能障害、精神発達遅滞?
- 予後:
III型
- 肝脾腫に加え神経症状を伴うが、その発症は2型に比べて遅く、神経症状の程度も進行も緩徐。
検査
- ゴーシェ細胞(肝臓、脾臓、骨髄、リンパ節に見られる。PAS陽性の巨大細胞)
[★]
- 癆 aplasia
- 英
- pure red cell aplasia, PRCA
- 同
- 純赤血球形成不全?
- 関
- 貧血、再生不良性貧血
概念
- 赤芽球形成が選択的に障害される再生不良性貧血
- 正球性正色素性貧血をきたす。
病態
- 何らかの原因により骨髄から赤血球系の前駆細胞が消失する。
- 無構造血、溶血性貧血も見られないし、間接ビリルビン、ハプトグロビン、LDHも上昇しない。
検査
- 血算:血小板数、白血球数は正常。網状赤血球が正常~減少。
- 骨髄穿刺:網状赤血球が正常~減少をみたら骨髄穿刺を施行し、過形成であれば脾機能亢進症、腎性貧血、悪性腫瘍、低形成であれば再生不良性貧血、
赤芽球癆?、正形成であれば赤芽球癆が疑われる。赤芽球癆の場合、赤血球系の細胞は存在しない。パルボウイルス感染症の場合にはgiant proerythroblastが見られる(参考1)。
- 血製鉄:上昇
- UIBC:↓ (トランスフェリンが鉄で飽和してしまう)
鉄の動態にまつわる検査
- %RCU:低下 ← 赤芽球が少ないので、ヘムにとりこまれ末梢血に出現するのが遅い
- PIDT1/2:延長 ← 赤芽球が少ないので骨髄で取り込まれるのが遅い
USMLE
参考
- 1. [charged] Acquired pure red cell aplasia - uptodate [1]
[★]
- 英
- sternum
発生学
臨床関連
- 胸骨下部で拍動性の膨隆を触れた場合は大動脈瘤、あるいは右心不全に伴う肝拍動などを考慮。
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- sternal biopsy (M)
- 関
- 骨髄穿刺
-検査のための試料を得るのに使われる
- 乳児では骨化していないため、してはいけない? ←要調査
- 英
- sternal puncture
[★]
- 英
- dry tap
- 関
- 骨髄生検、骨髄穿刺
[★]
- 関
- 骨髄穿刺液 bone marrow aspirate、組織切片 tissue section
[★]
- 関
- dry tap。骨髄穿刺。骨髄穿刺液
[★]
- 英
- bone marrow aspiration
- 関
- 骨髄穿刺
[★]
- 英
- bone marrow aspirate
- 関
- 骨髄液
[★]
- 英
- bone marrow (Z)
- ラ
- medulla ossium
- 関
- 骨髄組織
分類
性状
細胞成分の過少
造血
加齢変化
- 6歳以後は加齢とともに脂肪化が進み、黄色骨髄が増加
- 長管骨の末端から黄色骨髄に置換されていく。成人では脊椎骨、胸骨、肋骨などで造血が起こる
- 乏血、低酸素状態では黄色骨髄が赤色骨髄に置換され、造血ができるようになる。
[★]
- 英
- puncture、paracentesis、prick、stab、needling、pricking
- 関
- 穿開術、穿刺術、微小穿刺、プリッキング、パンクチャー