SP. 基底膜振動の伝播は進行波と呼ばれる。
-周波数同調特性 SP. 240,251,252 -同調曲線 SP. 240,250,251 -特徴周波数 SP. 240,250
-周波数帯域 周波数帯SP. 239 -周波数局在性 SP. 202,206,241,250,258,260
SP. 240-243,245-252,259
SP. 50,185,219,220,243
SP. 247
SP. 246,247
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/30 22:26:51」(JST)
聴覚(ちょうかく)は、とは、一定範囲の周波数の音波を感じて生じる感覚のこと[1]。
外耳、中耳、内耳、聴神経(バスドラム)、聴覚皮質などの器官を使い、音の信号を神経活動情報に変換し、音の強さ、音高、音色、音源の方向、リズム、言語などを認識する能力・機能をさす。いわゆる五感のひとつ。 なお、この感覚が生じることを「聞く(きく)」といい、聴覚を用いつつ(耳だけでなく)心も充分に用いることを「聴く」と言う。特に、積極的な姿勢でこの感覚を用いつつ深い認識をしようとすることは「傾聴する」という。
ヒトでは通常、下は20Hz程度から、上は(個人差があるが)15,000Hzないし20,000Hz程度までの鼓膜振動を音として感じることができ、この周波数帯域を可聴域という。可聴域を超えた周波数の音は超音波という。可聴域を下回る、あるいは可聴域下限付近の低周波音は、これまで知られていなかったタイプの騒音被害(低周波騒音)を引き起こすものとして注目されている(低周波音参照)。なお、可聴域近傍の周波数の音は、振動として皮膚感覚などで感知できる場合がある。
上記の通り、ヒトには限られた周波数帯の音しか聞き取れないが、さらに加齢によって可聴域が縮小する。高周波の聴力から先に失われる傾向にあることを利用して、20代くらいまでのヒトには十分聞き取れるが、それ以上の年代では聞き取りにくい(場合によっては聞き取れない)ことを利用した商品開発も進んでいる(→モスキート音)。さらに、20代を過ぎると、個体差はあるものの、どの周波数の音に対しても徐々に聴力が低下し始め、最終的には老人性難聴になる。しかし、老人性難聴となっても、比較的低い周波数帯の音に対する聴力は良好に保たれている場合がある。
ヒトは、様々なアナログ楽器から発する音波を素材として広く音楽に採り入れ、聴覚の範囲を開拓してきた。楽器が発することのできる音波の特徴や周波数帯域は様々であるが、特に低音域については可聴域の限界を超えた試みがなされている。それに対して高音域については、超音波に近づくにしたがい物理的に発生が困難となる理由も相まって、素材として開拓の余地がまだ大きく残されている。
低音域については、西洋音楽におけるコントラバスより低い特殊な音域を大太鼓や銅鑼の打楽器で発することができることは古い時代より世界各地で知られており、これらは皮膚に振動を感じさせる特殊な効果を持っているため、独特な扱われ方を呼んできた。それ以外に、通常大型とされているパイプ・オルガンでは、巨大な32'ストップが常設されており、弱音から強音に至るまで全身に振動を感じさせる効果はある意味で聴覚の限界を追求しようという挑戦であるが、更に現代では、アトランティック・シティ・コンヴェンション・ホール(外部リンク:公式サイトによる写真)やシドニー・タウン・ホールにおいて64'ストップも登場し、音とは言いがたいほど超低音の空気振動を発する巨大な管によってより聴覚を超えた音素材の効果を活用しようという挑戦が続けられている。
音楽CDはサンプリング周波数に44,100Hzを採用しているが、これは理論上22,050Hzまで再現できるため(標本化定理 実際には音声出力時にローパスフィルタに通すため、22,050Hzよりは帯域が狭くなるが、フィルタによる減衰域を除外しても)ヒトの可聴域は十分カバーできると考えられたからである。
身近な例としては、FMラジオの19kHzのパイロット信号がある。比較的高い周波数であるため安価な機器では除去していないものも多いが、人によっては可聴域を超えるため、聴取にあまり影響を与えない。
古い時代のブラウン管テレビでは、走査線の走査回数は15,750Hz(525本×30フレーム/秒、NTSCを採用している地域)であるため人によっては可聴域内に入り、走査に伴って生じる高周波の雑音が聴こえてしまうことがあった。近年のテレビではノッチフィルタを入れており、この高周波は除去されている。また、デジタル放送ではこの種の高周波は含まれない。
外耳は耳介(じかい)、外耳道からなる。耳介は、パラボラアンテナのように空気中を伝わる音声の音圧をあげて集音する機能を持つのみならず、その複雑な形態から、音源の方向によって音響伝達特性が変わることで上・前後・左右といった音源定位に役立っている。外耳道は約20 - 30mmの長さを持っており、鼓膜で終わる。
中耳は、鼓膜、つち骨、きぬた骨、あぶみ骨の3つの耳小骨(じしょうこつ)よりなる。空気振動による鼓膜の振動が内耳のリンパ液に伝わる際、3つの耳小骨を伝わることで、鼓膜とあぶみ骨の面積比の関係とてこの原理により圧力が約22倍に上昇する。つまり天然の物理的変圧器の役割を果たしている。ベートーベンは耳小骨の動きが悪くなる耳硬化症に罹患していたといわれている。
内耳は側頭骨の中に位置し、直径1cm程度で2回り半巻いておりカタツムリのような形をした蝸牛(かぎゅう)、半規管、前庭よりなる。蝸牛は内部が3層構造になっており(上から前庭階、蝸牛管、鼓室階)それぞれリンパ液などで満たされている。あぶみ骨の振動が蝸牛の入り口の小窓(卵円窓:らんえんそう)に伝わり、内部のリンパ液を振動させ、コルチ器を載せた基底膜を振動させる。このとき最も強く振動する基底膜の位置が音の周波数により異なり、高い音の方が入り口付近、低い音の方が入り口から遠い位置の基底膜を振動させる。この振動がコルチ器のうちの内有毛細胞の不動毛を変形させ、イオンチャネルを開かせ細胞を電気的に興奮させ、内耳神経へと伝えられる。
このような基底膜の物理的な周波数特性に加え、内有毛細胞の特定の周波数への「チューニング」という生物的な要素により、我々は音声認知の初期から、周波数情報を神経細胞興奮という情報に変換しているのである。基底膜の周波数特性を発見したベケシー(Georg von Békésy)はその業績で1961年のノーベル医学生理学賞を受賞している。
その後、内耳神経に伝達された神経興奮は背側と腹側の蝸牛神経核を経て、ほとんどは対側の(一部同側の)上オリーブ核に中継され、外側毛帯、下丘、内側膝状体を経て大脳の聴覚皮質に伝達される。
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上行性伝導路 | 交叉のレベル | ニューロン | 一次
ニューロンの 種類 |
体性感覚 | 深部感覚 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 痛覚 | 温度覚 | 粗大な触圧覚 | 識別性触覚 | ||||
後索-内側毛帯系 | 毛帯交叉 | 脊髄神経節 | 薄束、楔状束 | 視床 | Aβ | ○ | ○ | ||||
外側脊髄視床路 | 脊髄 | 脊髄神経節 | 後角 | 視床 | C | ○ | ○ | ||||
前脊髄視床路 | 脊髄 | 脊髄神経節 | 後角 | 視床 | Aδ | ○ | |||||
脊髄網様体視床路 | 脊髄 | 脊髄神経節 | 後角 | 延髄網様体 | 視床 |
皮膚、特に四肢遠位端無毛部の触圧覚受容器や筋、関節受容器からの太い有髄線維は、脊髄に入り同側の後索を上行する。延髄レベルで、上下肢からの線維はそれぞれ楔状束核、薄束核のニューロンに終わる。これら後索核ニューロンの軸索は交差して内側毛帯となり、その大部分が視床外側部の腹側基底核に、一部は後核群にも終わっている(SP.231)。 深部感覚+繊細な触圧覚、振動覚(B.P-2)
後根から入力を受けた後、直ちに交差して対側の前側索を上行し、視床に達する。 脊髄視床路起始ニューロンには、腹側基底核や後核群など視床外側部に終わるものと、髄板内核など内側部に終わるものがある(SP.231)。 温覚+痛覚+粗大な触圧覚(識別力なし)(B.P-2)
視床下部や大脳辺縁系を介して痛みの情動的側面に関係(SP.231)。 視床、脳幹網様体を介して睡眠覚醒サイクル、意識レベル、注意などに影響を及ぼす(SP.231)。
外受容器 | 内受容器 | |||
接触性受容器 | 遠隔受容器 | 固有受容器 | 内蔵受容器 | |
機械受容器 | 皮膚感覚(触圧覚) | 聴覚 | 平衡感覚、深部感覚(運動覚、位置覚) | 臓器感覚 |
侵害受容器 | 皮膚感覚(痛覚) | 深部痛覚 | 内臓痛覚 | |
光受容器 | 視覚 | |||
化学受容器 | 味覚 | 嗅覚 | (頚動脈洞反射) | |
温度受容器 | 皮膚感覚(温冷覚) | (体温調節反射) |
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