- 英
- genital ulcer
- 関
- 外陰部潰瘍、外陰潰瘍
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/04 16:20:46」(JST)
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Genital ulcer |
分類及び外部参照情報 |
DiseasesDB |
19297 |
陰部潰瘍(genital ulcer)または生殖器潰瘍とは、陰部に生じた潰瘍である。また、下疳(げかん)は、陰部潰瘍の漢語的表現である。
通常、性器ヘルペス、硬性下疳(梅毒)、軟性下疳などの性行為感染症によって発生する。陰部の潰瘍以外にも、鼠径部におけるリンパ節腫脹や有痛無痛の小水疱なども徴候として挙げられる。陰部潰瘍をさらに分類すると、男性の陰部に潰瘍形成するもの(penile ulceration)と女性の陰部に潰瘍形成するもの(vulval ulceration)の二種類がある。
なお、性行為感染症以外でも、例えばベーチェット病や全身性エリテマトーデスなどの膠原病でも陰部潰瘍を生じことがあるため、性行為感染症に特異的な徴候というわけではない。
鑑別
性行為感染症における陰部潰瘍の鑑別
区別 |
軟性下疳 |
硬性下疳 |
鼠径リンパ肉芽腫 |
鼠径肉芽腫 |
性器ヘルペス |
性器カンジダ症 |
潜伏期 |
2~7日 |
3週間 |
1~2週間 |
10週間 |
2~10日 |
日和見 |
数 |
多発 |
単発 |
多発 |
多発 |
多発 |
多発 |
硬結 |
なし |
あり |
なし |
あり |
あり |
なし |
疼痛 |
あり |
なし |
なし |
なし |
あり |
あり |
鼠径リンパ節腫脹 |
片側性 |
両側性 |
片側性 |
なし |
両側性 |
なし |
病原体 |
軟性下疳菌 |
梅毒トレポネーマ |
クラミジア・トラコマチス |
カリマトバクテリウム |
単純ヘルペスウイルス |
カンジダ |
伊東反応 |
陽性 |
陰性 |
陰性 |
陰性 |
陰性 |
陰性 |
梅毒血清反応 |
陽陰性 |
陽性 |
陰性 |
陰性 |
陰性 |
陰性 |
頻度 |
僅少 |
少ない |
僅少 |
僅少 |
多い |
多い |
参考文献
- 熊本悦明ら 編『性感染症―症候からみた検査の進め方』医薬ジャーナル社、1991年、43-44頁、68-69頁。
- 山本忠治郎 「軟性下疳」、国府達郎ら 編『感染症III』新内科学大系54巻、中山書店、1974年、237頁-239頁。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ドセタキセルとネダプラチンによる化学療法中に生じた口腔内・陰部潰瘍の1例
- 藤田 美穂,大久保 ゆかり,坪井 良治,小出 綾希
- Journal of environmental dermatology and cutaneous allergology = / the Japanese Society for Dermatoallergology and Contact Dermatitis 5(4), 400-403, 2011-07-31
- NAID 10029330146
- Q40 Behcet病の外陰部潰瘍とLipschutz潰瘍の関係は? (日常診療で盲点となる皮膚科疾患 : 毛,爪,粘膜を中心とするQ&A) -- (粘膜)
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- 潰瘍(かいよう、英ulcer)とは皮膚や粘膜や眼球(角膜や結膜)などを覆う上皮組織、 即ち被覆上皮が欠損しその下層の組織に至った状態。 「潰瘍」より軽度の被覆上皮損傷 で、肉眼的には上皮が欠損しているが顕微鏡的に上皮粘膜内に留まり、その下層に 至ら ...
- 胃・十二指腸潰瘍とはどんな病気か. 胃酸の影響を受けて潰瘍を形成するものを総称し て消化性潰瘍(しょうかせいかいよう)と呼んでいます。消化性潰瘍の代表は、胃潰瘍と 十二指腸潰瘍です。 胃潰瘍は、40歳以降の人に多くみられるのに対し、十二指腸潰瘍 ...
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- 次の文を読み、1~3の問いに答えよ。
- 24歳の女性。全身倦怠感とむくみとを主訴に来院した。
- 現病歴 : 4週前に海水浴に行き、日焼けをしてから微熱と全身倦怠感とを自覚し、数日前から顔面と下腿とにむくみが出現した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 身長154 cm、体重52kg。体温37.8℃。脈拍88/分、整。血圧124/88mmHg。意識は清明。前頭部の脱毛と両手指の凍瘡様皮疹とを認める。頚部と腋窩とに小豆大のリンパ節を数個触知する。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白3+、糖(-)、沈渣に赤血球20~30/1視野、白血球20~30/1視野、顆粒円柱(+)。血液所見:赤沈85mm/1時間、赤血球350万、Hb 9.2g/dl、Ht32%、白血球2,500(桿状核好中球5%、分葉核好中球65%、好酸球1%、単球7%、リンパ球22%)、血小板9万。血清生化学所見:総蛋白5.0g/dl、アルブミン2.1g/dl。尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総コレステロール360mg/dl。抗核抗体640倍(基準20以下)。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G060]←[国試_095]→[095H002]
[★]
- 60歳の女性。関節痛を主訴に来院した。2週間前に38℃台の発熱が出現したが、自宅近くの医療機関で解熱薬を処方され、数日で解熱した。1週間前に手指、手関節を中心とした多発関節痛が出現し、持続するため受診した。3週間前に同居している5歳の孫に発熱と顔面紅斑が出現していたという。体温 36.5℃。脈拍 76/分、整。血圧 128/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。両手関節に圧痛を認める。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 320万、Hb 9.8g/dL、Ht 31%、白血球 2,900(桿状核好中球 10%、分葉核好中球 57%、好酸球 2%、好塩基球 1%、単球 3%、リンパ球 27%)、血小板 12万。血液生化学所見:AST 68U/L、ALT 72U/L、γ-GTP 98U/L(基準8~50)。免疫血清学所見:CRP 0.5mg/dL、リウマトイド因子(RF) 陰性、抗核抗体 40倍(基準 20以下)、CH50 25U/mL(基準 30~40)、C3 45mg/dL(基準 52~112)、C4 12mg/dL(基準 16~51)。
- 診断のために追加して聴取すべき情報として最も重要なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A045]←[国試_112]→[112A047]
[★]
- 64歳の女性。腹痛と血便とを主訴に来院した。10数年前から慢性関節リウマチのため近医に通院していた。1か月前から時々臍周囲から下腹部に痛みを覚えるようになり、今朝から激しい腹痛と血便とが出現した。体温37.6℃。脈拍96/分、整。血圧136/88mmHg。手指にスワンネック変形と尺側偏位とを認める。血液所見:赤沈102mm/1時間、赤血球320万、Hb 9.6 g/dl、Ht31%、白血球12,600(桿状核好中球12%、分葉核好中球73%、好酸球1%、単球2%、リンパ球12%)、血小板56万。CRP10.6mg/dl(基準0.3以下)、RAHAテスト2,560倍(基準40以下)。この疾患でみられるのはどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095C024]←[国試_095]→[095C026]
[★]
- 44歳の女性。左眼の視力低下を主訴に来院した。3日前に左眼が見えにくくなったことに気付いた。外傷の既往はない。身長 179cm、体重 60kg。矯正視力は右 1.5、左 0.5。左眼の細隙灯顕微鏡写真(散瞳下、徹照による観察)(別冊No. 7)を別に示す。眼底に異常を認めない。
- この疾患で見られる可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109A025]←[国試_109]→[109A027]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110I037]←[国試_110]→[110I039]
[★]
- 英
- Behçet disease, Behcet disease, Behcet's disease, BD
- 同
- ベーチェット症候群 Behcet syndrome, (国試)Behcet病
- 関
概念
- 難病であり、特定疾患治療研究事業の対象疾患である。
- 急性の炎症が反復し、増悪と寛解を繰り返す慢性疾患であり、繰り返す口内アフタが特徴的である。その他、性器潰瘍、皮膚病変、眼病変、神経病変、血管病変、消化管病変、関節病変を伴う。全身の血管(動静脈)にそのサイズに関係なく炎症を起こすのが特徴的である(参考2)。
病因
疫学
- 20歳代に初発。中年男性では多発する。日本人に多い。(NDE.145)
症状
- 特殊型は予後が悪い。
主症状:4主徴
- 1. 口腔内アフタ性潰瘍:ほぼ全例に出現。初発症状で最多。口腔粘膜、舌。有痛性。再発性。
- 2. 陰部潰瘍:70-80%に出現。有痛性の深い潰瘍。男性は陰嚢、女性は大小陰唇。
- 3. 皮膚症状:下腿に好発する結節性紅斑。毛嚢炎様皮疹。血栓性静脈炎(高頻度らしい(NDE.145))など。 皮膚症状の出現頻度は90%(QB.F-147)
- 4. 眼症状:40-50%。男性に多い。網膜ぶどう膜炎、虹彩毛様体炎(前眼房蓄膿)。霧視羞明、眼痛。
副症状
- 5. 関節症状:関節炎症状(腫脹、疼痛)。大関節に多く、骨の破壊や変形は起きない傾向。
- 6. 精巣上体炎:10%以下。腫脹と疼痛。
特殊型
- 7. 消化器症状:回盲部潰瘍。回盲部を中心とした腹痛、下痢、黒色便など。腸Behcet病
- 難治性のことが多い。
- 8. 血管炎症状:大血管の動脈瘤や閉塞。脈拍や血圧の左右差。脳、腎などの循環障害症状。無症状の場合もありうる。血管Behcet病
- 9. 中枢神経症状:髄膜炎症状から、四肢麻痺、痙攣、運動失調、精神症状の出現など。神経Behcet病
ベーチェット病による血管疾患
- 参考1
検査
- 針反応:皮膚を針で刺すと膿疱ができる。皮膚の被刺激性、好中球機能過剰による
診断
治療
- 前部ぶどう膜炎:ステロイド点眼、散瞳薬
- 後部ぶどう膜炎:ステロイド結膜下注射/テノン嚢下注射
- 眼炎症予防:コルヒチン、炎症が起きればNSAIDを用いる。
- 難治例ではシクロスポリンを投与、インフリキシマブ投与
症例
- 35歳男性。発熱、関節痛を認める。今までに皮膚に結節性潰瘍、陰部潰瘍が繰り返し出現し、最近、右眼の霧視が出現したため来院。
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations and diagnosis of Behçet’s disease - uptodate [1]
- 2. [charged] Pathogenesis of Behçet’s disease - uptodate [2]
- 3. [charged] Treatment of Behçet’s disease - uptodate [3]
- 4. ベーチェット病 - 難病情報センター
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/330
[★]
- 英
- uveitis
- 同
- ブドウ膜炎
- 関
- ぶどう膜 uvea
病型
病因
- SOP.48
[★]
- 英
- ulcus vulvae, genital ulcer
- 関
- 外陰部潰瘍、陰部潰瘍
外陰潰瘍をきたす疾患
[★]
[★]
- 英
- genital ulcerative lesion, genital ulcerative lesions
[★]
- 英
- genital ulcer
- 関
- 陰部潰瘍、外陰潰瘍
[★]
- 英
- ulcer
- ラ
- ulcus
- 関
- びらん
- 粘膜の損傷が粘膜筋板に達し、その筋層を貫通した場合。
[★]
- 英
- genital
- 関
- 生殖、生殖器、性器