腎尿細管性アシドーシス
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尿細管性アシドーシス(にょうさいかんせいあしどーしす, 英 renal tubular acidosis; RTA)は、腎臓の尿細管障害により起こる代謝性アシドーシス。腎尿細管性アシドーシスとも言う。
目次
- 1 病態
- 2 分類
- 3 検査
- 4 治療
- 5 診療科
病態
- 近位尿細管性アシドーシス
- 近位尿細管性アシドーシス(きんいにょうさいかんせいあしどーしす)は、尿細管の中でも糸球体に近い部分である近位尿細管が何らかの障害によって、重炭酸イオン(HCO3−)を再吸収できない事で起こる尿細管性アシドーシス。
- 遠位尿細管性アシドーシス
- 遠位尿細管性アシドーシス(えんいにょうさいかんせいあしどーしす)は、尿細管の中でも糸球体から遠い部分である遠位尿細管が何らかの障害によって、水素イオン(H+)を排泄できない事で起こる尿細管性アシドーシス。近位尿細管性アシドーシスよりも重篤である。また腎石灰化を伴うことが多い。
一般にアシドーシスと高カリウム血症、アルカローシスと低カリウム血症は並行するという経験則があり、例えばアルドステロン症では代謝性アルカローシスで低カリウム血症がある。しかし、腎尿細管性アシドーシスは低カリウム血症と代謝性アシドーシスを合併する。原則としてはGFRは正常であり、アニオンギャップも正常で高Cl性代謝性アシドーシスを呈する。
分類
- 部位別に、近位尿細管性アシドーシスと遠位尿細管性アシドーシスに分けられる。
- 成因別に、先天性・後天性に分類される。
- I〜IV型に分類することもある。I型が遠位尿細管性アシドーシスであり、II型が近位尿細管性アシドーシスである。IV型は高カリウム血症を伴うタイプである。大部分はI型尿細管性アシドーシスである。
原因
- 近位尿細管性アシドーシス
- 遠位尿細管性アシドーシス
- シェーグレン症候群
- 間質性腎炎から遠位尿細管性アシドーシスを起こす。
検査
尿のpHを測るのが一番簡便である。通常はアシドーシスがある場合は尿中に酸を排出しアルカリを再吸収しようと生体は代償する。即ち尿中pHは低下する。しかしRTA(尿細管性アシドーシス)の場合は尿を酸性化できないので尿中pHは低下しない。塩化アンモニウム負荷試験を行えばタイプまで調べることができるが、分類することで治療方針が変わるわけではない。原疾患を探すのが一番大切である。
治療
アルカリとカリウムの補充が主となる。尿細管性アシドーシス自体には根本的な治療がないため、対症療法しかできない。
診療科
腎・泌尿器系の疾患 |
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疾患 |
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糸球体病変
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急性糸球体腎炎 | IgA腎症 | 急速進行性糸球体腎炎 | 慢性糸球体腎炎
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ネフローゼ症候群
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原発性
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微小変化群 | 巣状糸球体硬化症 | 膜性腎症 | 膜性増殖性糸球体腎炎
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遺伝性腎炎
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アルポート症候群 | 良性家族性血尿
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尿細管機能障害
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ファンコーニ症候群 | バーター症候群 | ギッテルマン症候群 | リドル症候群 | 尿細管性アシドーシス | 腎性糖尿 | 尿細管間質性腎炎
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続発性腎障害
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膠原病
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全身性エリテマトーデス | 全身性強皮症 | シェーグレン症候群
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糖尿病性腎症 | 痛風腎 | クリオグロブリン血症 | アミロイドーシス | 溶血性尿毒症症候群
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腎循環障害
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腎血管性高血圧症 | 腎梗塞 | クルミ割り現象
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泌尿器疾患
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機能障害
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膀胱尿管逆流 | 神経因性膀胱 | 水腎症 |
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先天異常
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多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性嚢胞腎 | 常染色体劣性多発性嚢胞腎) | 尿管異所開口 | 重複腎盂尿管 |ポッター症候群
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感染症
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腎盂腎炎 | 腎膿瘍 | 膀胱炎 | 腎結核
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尿路結石
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膀胱結石
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腫瘍
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腎細胞癌 | 腎盂腫瘍 | 尿管腫瘍 | 前立腺肥大症 | 前立腺癌 | 精巣腫瘍 | 陰茎癌 |腎芽腫
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性器の疾患
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前立腺炎 | 停留精巣 | 精巣捻転 | 包茎 | 勃起不全
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病態・症状 |
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腎不全
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急性腎不全
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急性尿細管壊死
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慢性腎臓病
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慢性腎不全 | 尿毒症
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尿所見異常
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乏尿 | 無尿 |多尿 |頻尿 |血尿 | タンパク尿 | 尿円柱
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尿閉 |陰嚢腫大
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検査 |
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腎機能検査
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糸球体濾過量 | クレアチニンクリアランス | ナトリウムクリアランス | 尿中ナトリウム排泄率 | 腎不全指数
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腹部X線写真 | 腎盂造影 | レノグラム | 腎生検
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
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腎臓 |
肉眼解剖
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尿細管
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近位尿細管 - ヘンレのループ(下行脚 - 細い上行脚 - 太い上行脚) - 遠位尿細管 - 集合管 - 腎盤 ( - 尿管)
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腎循環
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腎動脈 - 傍尿細管毛細血管 - 輸入細動脈 - (糸球体) - 輸出細動脈 - 直細動脈 - 腎静脈
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ゲロタ筋膜
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顕微解剖
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ネフロン
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腎小体
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糸球体
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毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢
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傍糸球体装置
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緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞
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尿細管
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生理学
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アシドーシスとアルカローシス | 膠質浸透圧 | 糸球体濾過量 | 腎血漿流量 | クレアチニンクリアランス
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生化学
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バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系
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尿路 |
肉眼解剖
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尿管 - 膀胱 - 尿道
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顕微解剖
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移行上皮
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生殖器系 |
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女性器 |
尿道 - 陰核 - 陰裂 - 陰核亀頭 - 陰核亀頭冠 - 陰核包皮 - 陰核小帯 - Gスポット - 処女膜 - 陰唇 - 大陰唇 - 小陰唇 - 膣 - バルトリン腺 - スキーン腺 - 子宮頸部 - 子宮 - 子宮内膜 - 卵管 - 卵巣
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男性器 |
尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 糖尿病の併発により病態が増悪した遠位型尿細管性アシドーシスと腎性尿崩症の合併例
- 劉 和幸,供田 文宏,小池 勤,大原 麻衣子,中川 泰三,鍵谷 聡志,井上 博
- The Japanese journal of nephrology 53(5), 726-731, 2011-07-25
- NAID 10029737381
- Sjogren症候群 (特集 全身性疾患と腎障害) -- (全身性疾患に伴う腎障害の診断と治療の実際)
Related Links
- 尿細管性アシドーシスは,アシドーシスと電解質異常であり,原因は腎の水素イオン排泄障害(1型),HCO 3 再吸収障害(2型)または異常なアルドステロンの産生または反応(4型)である。(3型は非常にまれであるので考察しない。
- 尿細管性アシドーシス(にょうさいかんせいあしどーしす, 英 renal tubular acidosis; RTA)は、腎臓の尿細管障害により起こる代謝性アシドーシス。腎尿細管性アシドーシスとも言う。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 57歳の女性。全身倦怠感、脱力および食欲不振を主訴に来院した。1か月前から全身倦怠感と食欲不振とを自覚するようになった。数日前から脱力も認めるようになり受診した。50歳時に眼や口腔内の乾燥症状を自覚し、自宅近くの診療所でSjogren症候群と診断され治療を受けている。55歳時に腎結石を指摘されている。身長 158cm、体重 45kg。体温 36.1℃。脈拍 64/分、整。血圧 124/76mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。上下肢に徒手筋力テスト4程度の筋力低下を認める。尿所見:pH 7.0、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 380万、Hb 12.8g/dL、Ht 36%、白血球 3,200、血小板 16万。血液生化学所見:CK 386IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、Na 138mEq/L、K 2.3mEq/L、Cl 109mEq/L。CRP 0.2mg/dL。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I070]←[国試_110]→[110I072]
[★]
- 21歳の女性。下肢の脱力を主訴に来院した。これまで時々手足のしびれや脱力を自覚していたが自然に軽快していた。意識は清明。身長155cm、体重40kg。血圧98/66mmHg。眼瞼結膜に軽度の貧血を認める。四肢に筋力低下を認める。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 350万、Hb 11.0g/dl、Ht 32%、白血球 6,800、血小板 26万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dl、アルブミン 3.5g/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、尿酸 4.2mg/dl、Na 138mEq/l K 2.8mEq/l、Cl 96mEq/l、Ca 9.0mg/dl、P 3.8mg/dl、血漿レニン活性 PRA 5.0ng/ml/時間(基準1.2-2.5)、アルドステロン 45ng/dl(基準5-10)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.44, PaO2 96Torr、PaCO2 42Torr、HCO3- 28mEq/l。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A034]←[国試_104]→[104A036]
[★]
- 36歳の女性。微熱と手足の関節痛とを訴えて来院した。数年前から家事で冷水を使用すると手指が白くなることに気付いた。また最近、労作時の息切れも自覚するようになった。体温36.5℃。脈拍96/分、整。血圧136/88mmHg。手指、手背および顔面皮膚の硬化と舌小帯の短縮とを認める。抗核抗体1,280倍(基準20以下)、抗Scl-70抗体陽性。この疾患でみられるのはどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095C016]←[国試_095]→[095C018]
[★]
- 27歳の女性。朝起床しようとして、足に力が入らず歩行困難となったことを主訴に来院した。昨日までは普通に歩行していた。下痢と嘔吐とはみられない。血圧102/68mmHg。両下肢の筋力が同程度に低下している。血清生化学所見:Na139mEq/l、K1.7mEq/l、Cl 114mEq/l、クレアチニン0.9mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.26、PaO2 111Torr、PaCO2 24Torr、HCO3-16.1mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [100I033]←[国試_100]→[100I035]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B076]←[国試_100]→[100B078]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105D017]←[国試_105]→[105D019]
[★]
[★]
[★]
- 英
- Bartter syndrome, Bartter's syndrome
- 同
- Bartter症候群
- 関
- ギテルマン症候群 Gitelman症候群
概念
- 常染色体劣性遺伝 AR
- RAA系の亢進 にもかかわらず 正常血圧、浮腫の欠如
- 低カリウム血症、代謝性アルカローシス
- 傍糸球体細胞の過形成
- 多飲、多尿 ← アルドステロンのエスケープ現象(尿濃縮脳の障害)。これにより血圧上昇がキャンセル?
- ヘンレループ太い上行脚にあるループ利尿薬の標的輸送体の機能異常 → 常にフロセミドが効いた状態と考えてみる。
病因
- 1つは、NKCC2をコードしているSLC12A1の遺伝子異常
原因遺伝子
|
Location
|
Phenotype
|
Phenotype
|
Gene/Locus
|
Gene/Locus
|
MIM number
|
|
|
MIM number
|
|
1
|
15q21.1
|
[[1]]
|
Bartter syndrome, type 1
|
601678
|
[[2]]
|
SLC12A1
|
600839
|
[[3]]
|
2
|
11q24.3
|
[[4]]
|
Bartter syndrome, type 2
|
241200
|
[[5]]
|
KCNJ1
|
600359
|
[[6]]
|
3
|
1p36.13
|
[[7]]
|
Bartter syndrome, type 3
|
607364
|
[[8]]
|
CLCNKB
|
602023
|
[[9]]
|
4A
|
1p36.13
|
[[10]]
|
Bartter syndrome, type 4, digenic
|
602522
|
[[11]]
|
CLCNKB
|
1p32.3
|
[[12]]
|
Bartter syndrome, type 4a
|
BSND
|
606412
|
[[13]]
|
Sensorineural deafness with mild renal dysfunction
|
4B
|
1p36.13
|
[[14]]
|
Bartter syndrome, type 4b, digenic
|
613090
|
[[15]]
|
CLCNKA
|
602024
|
[[16]]
|
病態
- uptodate.1
- 尿希釈能低下:ヘンレループ上行脚と遠位曲尿細管の療法は尿希釈に重要な部位であり(ADHの作用がない条件下で、水の移動なしにNaClを再吸収できるので)、本疾患では尿希釈能の低下をきたす。
- 尿濃縮能低下:尿濃縮にはループヘンレの正常な働きととADHが必要 → 本疾患では尿濃縮能の低下をきたす ⇔ ギテルマン症候群ではnot substantially impaired
症候および検査異常
- uptodate.1
- しかし、出典不明の情報では、RAA系の亢進による血圧上昇がプロスタグランジンE2による血圧低下で相殺され、血圧正常とあるが、、、どうなの?出典はYNらしい。
- 発育遅滞、精神発達遅滞 ← 幼小児で発見されるきっかけ?
- 低カリウム血症
- 代謝性アルカローシス
- 多尿、多飲 ← 尿濃縮能低下
- 尿中カルシウム:正常~増加
- 血清マグネシウム:正常~軽度低下
- (時に)低リン酸血症 ← 二次性副甲状腺亢進症による
鑑別診断
- IMD.1003
バーター症候群とギテルマン症候群
- 出典不明
参考
uptodate
- 1. [charged] バーター症候群およびギテルマン症候群 - uptodate [17]
- 2. [charged] 原因不明の代謝性アルカローシスおよび低カリウム血症:嘔吐;利尿薬;ギテルマンまたはバーター症候群 - uptodate [18]
OMIM
- 1. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 1
- http://omim.org/entry/601678
- 2. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 2
- http://omim.org/entry/241200
- 3. BARTTER SYNDROME, TYPE 3
- http://omim.org/entry/607364
- 4. BARTTER SYNDROME, TYPE 4A
- http://omim.org/entry/602522
- 5. BARTTER SYNDROME, TYPE 4B
- http://omim.org/entry/613090
国試
[★]
- 英
- hypophosphatemia、hypophosphataemia
- 同
- (国試)低リン血症、低P血症
- 関
- リン。低リン血症性。低リン血症性。hypophosphatemic、hypophosphataemic
[show details]
概念
原因
uptodate
- 改変
生体内での再分布
腸管からの吸収低下
- 摂取量低下
- リン酸の吸収を阻害する薬剤の摂取(制酸剤(アルミニウム制酸剤)、リン酸結合物質(炭酸カルシウム)、ナイアシンなど)
- 嘔吐
- 脂肪便、下痢
- 吸収不良症候群
- ビタミンD欠乏、ビタミンD抵抗性
尿からの排泄増加
腎代替療法による除去
臨床関連
- リンは骨や歯を形成するのに不可欠な物質であり、血清リン酸の低下が持続すると骨石灰化障害を来す
参考
- Hypophosphatemia - Sandeep Sharma; Muhammad F. Hashmi; Danny Castro.
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK493172/
[★]
- 英
- Fanconi's syndrome, Fanconi syndrome
- 同
- ファンコニ症候群、ファンコニー症候群、Fanconi症候群、近位腎尿細管機能障害 proximal renal tubular dysfunction、デトーニ・ドゥブレ・ファンコニ症候群 De Toni-Debre-Fanconi syndrome、腎ファンコニー症候群 renal Fanconi syndrome
- 関
- 腎尿細管転送障害症、尿細管性アシドーシス、近位尿細管
概念
- 以下の病態の総称 : 近位尿細管の障害 → アミノ酸 + 糖 + リン酸 などの漏出 & 近位尿細管アシドーシス(RTA I)
原因
- 参考1,2
-
病態
- 近位尿細管の障害により、吸収されるべき分子が尿中に排出され、その結果として生じる血液検査、尿検査、様々な症候を呈する。
- 血液検査:低リン血症、低カルシウム血症、低カリウム血症、低尿酸血症
- 尿検査:腎性糖尿、汎アミノ酸尿、尿細管性蛋白尿(β2ミクログロブリン)、高リン酸尿症
参考
- 1. SPE.606
- 2. Etiology and clinical manifestations of renal tubular acidosis in infants and children - uptodate [19]
[★]
- 英
- periodic paralysis
- 関
- 神経系 091028III HIM.2691-2692 NHB.1114
疫学
- 罹患率10万人対0.5-4.1人 (IMD.1076)
- 発症年齢:家族性では10歳代までが最多、甲状腺中毒性では20歳代男性が最多 (IMD.1076)
- 二次性のものでは甲状腺機能亢進症によるものが多い
分類
- NHB.1114改変
-
-
病型
参考
- http://www.jmda.or.jp/6/hyakka/kin240.htm
- http://www.hosp.go.jp/~esaitama/shinkei/syuukisei.htm
- 3. [charged] Hypokalemic periodic paralysis - uptodate [20]
- 4. [charged] Hyperkalemic periodic paralysis - uptodate [21]
- 5. [charged] Thyrotoxic periodic paralysis - uptodate [22]
国試
[★]
- 英
- renal tubular acidosis, RTA
- 関
- 尿細管アシドーシス 、尿細管性アシドーシス
- 代謝性アシドーシス
- 遠位尿細管性アシドーシス、近位尿細管性アシドーシス、1型尿細管性アシドーシス、尿細管性アシドーシスI型
[show details]
概念
分類
- 遠位尿細管性アシドーシス RTA I :H+の排泄障害。代わりにK+が排泄。高度の血清K低下。尿pH≧5.5(酸性化できない)。尿路結石を生じやすい。
- 近位尿細管性アシドーシス RTA II:近位尿細管でのHCO3-再吸収障害による。遠位尿細管でK+が排泄され、低カリウム血症を生じる。尿pH≦5.5(酸性化ok)。
- 低アルドステロン症 RTA IV:アルドステロン欠乏やアルドステロン抵抗性と関連した病態。高カリウム血症を呈し代謝性アルカローシスとなる。HCO3-≧17mEq/L, pH≦5.3 (参考)
参考
- 1. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [23]
[★]
- 英
- proximal renal tubular acidosis, proximal RTA, pRTA, proximal tubular acidosis
- 同
- 2型尿細管性アシドーシス、II型尿細管性アシドーシス、尿細管性アシドーシス2型、尿細管性アシドーシスII型
- 2型腎尿細管性アシドーシス、II型腎尿細管性アシドーシス、腎尿細管性アシドーシス2型、腎尿細管性アシドーシスII型
- type 2 renal tubular acidosis, type II renal tubular acidosis, renal tubular acidosis type 2, renal tubular acidosis type II
- type 2 RTA, type II RTA, RTA type 2, RTA type II
- 関
- 尿細管性アシドーシス、アシドーシス。遠位尿細管性アシドーシス
[show details]
概念
- 腎尿細管アシドーシスの中で、近位尿細管における重炭酸イオン再吸収障害に伴う酸排泄障害を原因とするものをいう。
- アニオンギャップが正常な高Cl性の代謝性アシドーシス
病因
- 参考1
-
- 多発性骨髄腫 → 成人におけるRTA type 2の原因で最多
- 薬物性
病態
- 参考1
- 重炭酸が何らかの原因により再吸収されない。 → 高Cl性代謝性アシドーシス
- リン酸、グルコース、尿酸、アミノ酸が再吸収されない。 → 低リン酸血症、腎性糖尿、低尿酸症、アミノ酸尿
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版 p.151
- 近位尿細管で重炭酸イオン(その他各種電解質も)の再吸収が低下するために血清HCO3-が低下する
- 血清HCO3-が15mEq/l以下になると再吸収が可能となるので、proximal RTAにおいて血清HCO3-が15-17mEq/l以下になることはまれ。
- YN
- 近位尿細管におけるNa+/H+交輸送体の異常や、炭酸脱水酵素遺伝子異常、Na+/HCO3-共輸送体遺伝子異常
治療
- アシドーシス補正:重曹
- 低カリウム血症:カリウム補充
参考
- わかりにくい
- http://omim.org/entry/179830
- 2. [charged] Etiology and diagnosis of distal (type 1) and proximal (type 2) renal tubular acidosis - uptodate [24]
- 3. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [25]
[★]
近位尿細管性アシドーシス
[★]
近位尿細管性アシドーシス
[★]
低アルドステロン症
[★]
- 英
- acidosis
- 関
- アルカローシス
産科
- 胎児では7.0未満でアシドーシスと判断する。
- 胎児末梢血pH7.20以下で急遂分娩の適応
治療
- 重炭酸ナトリウムによるpHの補正は必要に迫られない限り行わないらしい。組織の酸素化を障害したり、脳血流を減少させたりするため、らしい。
[★]
- 英
- canaliculus、canaliculi、tubule
- 関
- 小管、尿細管