悪性高血圧
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Japanese Journal
- 悪性高血圧症に合併した reversible posterior leukoencephalopathy syndrome の1例
- 伊藤 史生,萩原 章嘉,小泉 健雄,村田 厚夫,島崎 修次
- 日本救急医学会雑誌 = Journal of Japanese Association for Acute Medicine 17(4), 142-146, 2006-04-15
- NAID 10018189246
- 高齢発症の悪性高血圧症の1例(第98回日本循環器学会九州地方会)
- 末永 匡代,長柄 仁,杉若 昌一,鬼木 秀幸,松村 潔,福留 雄司,藤井 弘二,平方 秀樹,飯田 三雄
- Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society 69(Supplement_III), 998, 2005-10-20
- NAID 110004051519
- 近藤 啓文,遠藤 平仁
- 日本内科学会雑誌 94(5), 876-880, 2005-05-10
- … 強皮症の重要な内臓病変として急速に腎不全に進展する強皮症腎クリーゼがある.悪性高血圧症から乏尿,腎不全になる型が有名であるが,近年,正常血圧でも腎クリーゼになる型が明らかになった. …
- NAID 10016422098
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- 高血圧緊急症(悪性高血圧)。高血圧緊急症(悪性高血圧)とはどんな病気か 高血圧 緊急症とは、血圧が非常に高くなり、すぐに降圧治療を開始しなければ脳、心臓、腎臓、 大動脈などに重篤な障害が起こり、致命的となりうる病態です。 高血圧脳症 gooヘルス ...
- 定型的悪性高血圧(下記1)~4)のすべてを満たすもの). 1), 治療前の拡張期血圧が 常に130mmHg以上. 2), 眼底所見はKW (Kieth-Wagener) IV度で、乳頭浮腫及び 網膜出血を示す。 3), 腎機能障害をきたし、腎不全(血清クレアチニン5.0mg/dl以上)に 至った ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 36歳の女性。微熱と手足の関節痛とを訴えて来院した。数年前から家事で冷水を使用すると手指が白くなることに気付いた。また最近、労作時の息切れも自覚するようになった。体温36.5℃。脈拍96/分、整。血圧136/88mmHg。手指、手背および顔面皮膚の硬化と舌小帯の短縮とを認める。抗核抗体1,280倍(基準20以下)、抗Scl-70抗体陽性。この疾患でみられるのはどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095C016]←[国試_095]→[095C018]
[★]
- 腎生検のPAM染色標本(別冊No.2A)と蛍光抗体IgG染色標本(別冊No.2B)とを別に示す。
- 原因として考えられるのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A018]←[国試_107]→[107A020]
[★]
- 英
- systemic sclerosis, systemic scleroderma, SSc
- 同
- 汎発性強皮症 diffuse sclerosis、進行性全身性硬化症 progressive systemic sclerosis PSS、全身性硬化症
- 関
- 強皮症、膠原病
概念
- 皮膚硬化を特徴とする強皮症のうち、皮膚のみでなく全身の諸臓器(肺、消化管、心、腎、関節など)に病変がみられるもの。
病因
- 珪肺症患者:リスク110倍
- 美容などの豊胸手術後に発症:シリコンがアジュバンドとして作用
- 塩化ビニル工場従事者に多い
- 薬剤(ブレオマイシン、トリプトファン)
- マイクロキメリズム(胎児由来血液幹細胞が母胎に移行)
疫学
- 30-50歳に好発。男女比は1:3-4。(NDE.171)
病型
- limited cuteneous SSc, diffuse cuteneous SSc
limited cuteneous SSc
- 皮膚硬化は肘から末梢に限局
- 内臓病変:軽度
- 予後:良好
- 自己抗体:抗セントロメア抗体
CREST症候群
- C:carcinosis:石灰沈着
- R:Raynaud's phenomenon:レイノー現象
- E:esophageal dysfunction:食道機能不全
- S:sclerodacrylia:強指症
- T:teleangiectasia:毛細血管拡張
diffuse cuteneous SSc
症状
- 初発症状:レイノー現象、指、手の硬化
- 関節炎、食道蠕動運動低下、下部食道の拡張、肺線維症(55%)、肺高血圧(5%)、心症状(不整脈、伝導障害)(10-20%)、心膜炎(3%)、吸収不良症候群、強皮腎(悪性高血圧症。5%)、橋本甲状腺炎
- 強皮腎:血管内皮細胞の障害→血管内膜の肥厚、内腔の狭窄→血管の攣縮・虚血→輸入動脈、糸球体係蹄の壊死→レニン産生の亢進→悪性高血圧→急性腎不全
症状の出現頻度
- 100%:皮膚硬化、レイノー現象
- 60%:食道機能障害、肺線維症
- 20%:小腸、大腸、ミオパチー
- 10%:心肥大
- 5%:肺高血圧、強皮腎
検査
診断
(1) 大基準
手指あるいは足趾を越える皮膚硬化※1
(2) 小基準
① 手指あるいは足趾に限局する皮膚硬化
② 手指尖端の陥凹性瘢痕,あるいは指腹の萎縮※2
③ 両側性肺基底部の線維症
④ 抗トポイソメラーゼⅠ(Scl-70)抗体または抗セントロメア抗体陽性
(3) 除外基準
① ※1 限局性強皮症(いわゆるモルフィア)を除外する
② ※2 手指の循環障害によるもので,外傷などによるものを除く
(4) 診断の判定
大基準を満たすものを強皮症と診断する。
大基準を満たさない場合は,小基準の①かつ②~④のうち1項目以上を満たすものを強皮症と判断する
治療
- 進行性腎不全に陥り予後は重大であるが、早期のACE阻害薬による治療が予後を改善させた(REU.195)
予後
- 5年生存率 :93.7%
- 10年生存率 :76.6%
予後因子
- 全身の皮膚硬化
- 腎病変
- 心、血管病変
- 抗Scl-70抗体 ←予後不良
- 抗セントロメア抗体 ←予後良好
[★]
- 英
- nephrosclerosis
- 関
- [[]]
概念
- 腎血管病変に伴う血流障害の結果、糸球体の硬化・硝子化、尿細管萎縮、間質結合組織の増加を来し、腎が硬化した状態。
分類
比較
|
動脈性腎硬化症
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良性腎硬化症
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悪性腎硬化症
|
老人性腎硬化症
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原疾患
|
粥状硬化症
|
高血圧
|
悪性高血圧症がほとんど
|
病理
|
腎動脈やその分枝などの粥状硬化 内腔の狭小化や内膜断裂 腎組織は虚血性の萎縮像
|
小細動脈硬化(細動脈硬化)による内腔の狭窄とその灌流域のネフロンの萎縮 小葉間動脈や糸球体輸入動脈に硬化が見られる (⇔糖尿病性の場合には輸出細動脈にも認められる) 硝子様細動脈硬化、線維増殖性内膜肥厚 病変の進行と共に腎萎縮 腎表面は細顆粒状
|
腎の細動脈にフィブリノイド壊死と増殖性動脈内膜炎
|
腎機能
|
健常な腎実質が残存
|
腎機能は軽度~中等度で、比較的末期まで腎機能は保たれる
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高度の腎機能低下が急速に進展
|
検査
|
|
(細動脈性腎硬化症)タンパク尿:軽度(1日1g以上はまれ)。尿沈渣:正常~軽微な変化
|
|
[★]
- 英
- malignant nephrosclerosis
- 関
- 悪性高血圧症 malignant hypertension
- 腎硬化症
[★]
- 英
- malignant hypertension
- 関
- 悪性腎硬化症、高血圧、高血圧性脳症、キース-ワゲナー分類
概念
- 拡張期血圧が120-130mmHg以上であり、腎機能障害が急進行し、放置すると全身症状が急激に増悪し、心不全、高血圧性脳症、脳出血などを発症する予後不良の病態である。長期の高度の高血圧による細動脈の内皮障害、血管壁への血漿成分の浸入に続くフィブリノイド壊死、増殖性内膜炎が病理学的特徴であり、腎の病理所見は悪性腎硬化症と呼ばれる。腎臓の小動脈の狭窄・閉塞に伴い腎血流量が低下し、RAA系の亢進により血圧を生じるなど、この病態では進行性の腎機能障害と昇圧の悪循環を生じる。眼底では網膜出血、軟性白斑、網膜浮腫や乳頭浮腫を認める。脳においては、血管障害によって血流の自動調節能が破綻し、脳浮腫が生ずれば、高血圧性脳症となりうる。(参考1を改変)
疫学
- 高血圧患者の1%。(YN.C-165)
- 男性、黒人に多い。(YN.C-165)
- 男性で40-50に多い。女性で30-40歳代に多い。(YN.C-165)
基礎疾患
病態生理
診断基準
- 病態で定義され、臨床診断される。
- 血圧、眼、腎、全身(脳、心臓)で診断する。
- 高血圧の基礎疾患に関係なく、次の症候を示す重症高血圧をいう。
悪性高血圧A群
- 定型的悪性高血圧
- 下記1)~4)のすべてを満たすもの
- 1) 治療前の拡張期血圧が常に130mmHg以上
- 2) 眼底所見はキース・ワグナー分類(Kieth-Wagener分類) IV度で、乳頭浮腫及び網膜出血を示す。
- 3) 腎機能障害をきたし、腎不全(血清クレアチニン5.0mg/dl以上)に至ったもの
- 4) 全身症状の急激な悪化を示し、特に脳症状(運動失調、知覚障害、頭痛、めまい、悪心など)や心症状(呼吸困難、胸痛、不整脈など)を伴うもの
悪性高血圧B群
- 非定型的悪性高血圧
- 次の3つの条件のどれかに該当すれば
- 1) 拡張期血圧が120mmHg以上、130mmHg未満で、上記1の2)、3)、4)のすべてを満たすもの
- 2) KW III度の高血圧性網膜症(眼底写真添付)で、上記1の1)、3)、4)のすべてを満たすもの
- 3) 腎機能障害(血清クレアチニン3.0mg/dl以上)はあるが腎不全には至らないもので、上記1の1)、2)、4)のすべてを満たすもの
症状
診断基準以外
- Extrinsic nonimmune hemolytic anemia due to mechanical damage: Fragmentation hemolysis and hypersplenism - uptodate
- http://www.uptodate.com/contents/extrinsic-nonimmune-hemolytic-anemia-due-to-mechanical-damage-fragmentation-hemolysis-and-hypersplenism?source=search_result&selectedTitle=2%7E150
診断基準の解説
- 眼底:高血圧により網膜細動脈の狭小に始まり、細動脈の攣縮、血管からの漏出による火炎状出血、軟性白斑、視神経乳頭浮腫をきたす(SOP.209)
- 腎機能:血清クレアチニン5.0mg/dl以上というと、GFRは20ml/min/1.73m2程度?CKDガイドラインでは<15で腎不全と定義していたが?
治療
- 高血圧:降圧薬。高血圧の病歴が長い患者が多いため,急速な降圧は重要臓器の虚血をきたす危険を伴う。最初の24時間の降圧は拡張期血圧100-110mmHgまでにとどめる(参考1)。
参考
- 1. 第11章 特殊条件下高血圧の治療 - 日本高血圧学会高血圧治療GL作成委員会/医療・GL(09年)/ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0019/1/0019_G0000180_0072.html
- http://www8.ocn.ne.jp/~halfboil/criteria/tab-c7.html
- http://homepage3.nifty.com/mickeym/No.101_200/183akuaeikou.html
[★]
- 英
- blood pressure, BP
- 同
- 動脈圧 arterial pressure AP
- 関
- 血圧測定
成人の血圧
- 至適血圧:<120mmHg かつ <80mmHg
- 正常血圧:130mmHg かつ 85mmHg
- 正常高値血圧:130~139mmHg または 85~89mmHg
- I度高血圧(軽症):140~159mmHg または 90~99mmHg
- II度高血圧(中等症):160~179mmHg または 100~109mmHg
- III度高血圧(重症):≧180mmHg または ≧110mmHg
- 収縮期高血圧:≧140mmHg かつ <90mmHg
糖尿病性腎症
- 管理目標: 130/80 mmHg
- 尿蛋白1g/日以上:125/75 mmHg
冠血管と血圧
- In the normal state, autoregulatory mechanisms adjust coronary tone tomatch myocardial oxygen supply with oxygen requirements. In the absence of obstructive coronary disease, thesemechanisms maintain fairly constant rate of coronary flow, as long as the aortic perfusion pressure is approximately 60 mmHg or greater.
血圧の異常
血圧の上肢における左右差
- 大動脈炎症候群:腕頭動脈、鎖骨下動脈の狭窄・閉塞を生じる
- 動脈硬化:鎖骨下動脈領域の病変があるとき、左右の脈拍差や皮膚温の違いを生じる
血圧の上下肢の差(下肢>上肢)
- 大動脈炎症候群:大動脈弓部が冒されやすいが、鎖骨下動脈が冒された場合に上肢の血圧が低下。
- 解離性大動脈瘤:解離腔に生じた血腫が鎖骨下動脈を圧迫すると、上肢の血圧が低下
- 大動脈閉鎖不全症:Hill徴候
収縮期血圧のみ高い。拡張期血圧は高くない
- 拡張期に動脈血流が減少する病態(血流が体循環に押し出されないか、心収縮力のみ上昇している状態?(体循環の血管抵抗が上がっていない?))
- 脈圧が上昇する
- 1. 大動脈基部の血流が逆流やシャントにより減少する場合
ショック
非侵襲的な血圧測定法による血圧の上肢・下肢の差
- 血圧を測定するために駆血帯で血流を遮断する必要がある。このとき、下肢の動脈の方が深部を走行しているため上肢より強く駆血帯で圧迫する必要がある。強く圧迫を要する分だけ下肢の血圧が高く測定されてしまう。
心血管とその周囲の血圧 YN.C-29
- see also PHD.61
中心静脈
|
|
肺動脈楔入圧
|
4~8
|
8~20
|
右心房
|
左心房
|
1~4
|
8~20
|
右心室
|
左心室
|
8~20
|
120~20
|
肺動脈
|
大動脈
|
8~20
|
120~70
|
臓器移植における脳死判定の除外
- 脳死判定#脳死判定の除外規定、臓器の移植に関する法律施行規則#第二条第四項
- 収縮期血圧が以下で定められる数値未満の場合には脳死判定ができない。
- 1歳未満の者 65
- 1歳以上13歳未満の者 年齢x2+65
- 13歳以上の者 90
国試
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- malignant、pernicious、malignantly