肺高血圧症
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肺高血圧(はいこうけつあつ、PH:Pulmonary hypertension)は、循環器疾患・呼吸器疾患の1つである。
目次
- 1 定義
- 2 病因
- 3 臨床像
- 4 検査
- 5 治療
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
定義
肺にかかる血圧が通常より高い状態をさす。厳密には心臓カテーテル検査によって肺動脈平均圧が25mmHg以上と定義されている。
病因
経緯
一般的には「World Symposium on Pulmonary hypertension(肺高血圧症世界シンポジウム)」による分類が広く用いられている。現在は第4回の分類(ダナポイント分類)が広く用いられている。
- 第1回(1973年):ジュネーヴ(スイス)
- 第2回(1998年):エビアン(フランス)
- 第3回(2003年):ヴェニス(イタリア)
- 第4回(2008年):ダナポイント(アメリカ合衆国カリフォルニア州)
- 第5回(2013年):ニース(フランス)
分類
- 肺動脈性肺高血圧症(PAH:Pulmonary Arterial Hypertension)
- 特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)
- 遺伝性肺動脈性肺高血圧症(HPAH):BMPR2・ALK1・endoglin
- 薬物・毒物に起因するもの
- 食欲減衰薬(アミノレックス:aminorex・フェンフルラミン:fenfluramine)
- 他疾患に関連するもの
- 混合性結合組織病・SLE・強皮症・先天性心疾患・住血吸虫・サラセミア・遺伝性球状赤血球症等
- 肺動脈閉塞症(PVOT:Pulmonary veno-occlusive disease)・肺毛細血管腫症(PCH:Pulmonarycapillary hemangiomatosis)
- 左心系疾患に伴う肺高血圧症
- 肺疾患または低酸素症による肺高血圧症
- 慢性閉塞性肺疾患・間質性肺炎・睡眠時無呼吸症候群・高地生活等
- 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH:chronic thromboembolic pulmonary hypertension)
- 原因不明の複合要因による肺高血圧症
臨床像
体内酸素飽和度が低下し低酸素血症になり、それにつれ運動能力も低下する。肺動脈性肺高血圧症(PAH)は特定疾患で公費助成対象となる。
検査
- 心臓超音波検査
- 心臓カテーテル検査
- 肺血流シンチグラム
- 急性肺血管反応試験
治療
旧来より基本的に以下の治療を原則として行う。また臨床症状の程度で投与薬を調整していく。
- 抗凝固薬投与(ワーファリン等)
- 利尿薬投与
- ジゴキシン投与
- 酸素投与
- カルシウム拮抗薬
- 各種ガイドラインにおいて肺高血圧と診断された後は「急性肺血管反応試験」を行うことが推奨されており、急性肺血管反応試験で反応のある場合にはカルシウム拮抗薬が第一選択として用いられ、急性肺血管反応試験で無反応の場合に肺血管拡張薬が用いられる。
薬物療法
急性肺血管反応試験で無反応の場合に以下の肺血管拡張薬が用いられる。
- プロスタサイクリン:肺血管拡張採用と血小板凝集抑制作用を有する。
- エポプロステノール(PGI2:フローラン®):静注
- ベラプロスト(ドルナー®/プロサイリン®):経口
- トレプロスチニル(リモジュリン®):吸入
- エンドセリン受容体拮抗薬:血管平滑筋収縮作用のエンドセリンを拮抗する作用を有する。
- ボセンタン(トラクリア®):ETA/ETB受容体拮抗薬
- マシテンタン(オプスミット®):ETA/ETB受容体拮抗薬
- アンブリセンタン(ヴォリブリス®):ETA選択的受容体拮抗薬
- フォスフォジエステラーゼ5(PDE-5)阻害薬:一酸化窒素作用と言われ、cGMPの分解を抑制し肺動脈血管平滑筋弛緩作用を有する。
- シルデナフィル(レバチオ®)
- タダラフィル(アドシルカ®)
手術治療
内科的薬物治療に限界の場合には肺移植の適応となる
関連項目
外部リンク
- 難病情報センター|原発性肺高血圧症(PPH) 特定疾患情報
- 難病情報センター|強皮症 特定疾患情報
|
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Japanese Journal
- P2-12-1 帝王切開術後に判明した原発性肺高血圧症合併妊娠の1例(Group90 合併症妊娠(症例)4,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 肺高血圧症の治療up to date (特集 心不全治療の新展開--外科医との共働による新たな治療戦略)
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- 肺高血圧症とは 肺高血圧症の臨床所見と診断 肺高血圧の病態 肺高血圧症の種類 肺高血圧症の治療と対策 肺血管性肺高血圧症 疾病に関するリンク集 1. 肺高血圧症とは 肺動脈圧の正常値は一般に収縮期圧30~15mmHg、拡張期圧8 ...
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[★]
- 次の文を読み、4~6の問いに答えよ。
- 45歳の男性。足のむくみを主訴に来院した。
- 現病歴 : 約1年前から階段を昇るときに息切れを自覚し、最近労作時の息切れが増悪するようになった。3か月前から下肢のむくみと3kgの体重増加とがみられた。
- 既往歴 : 23歳時に胸膜炎に罹患したが、2か月の自宅療養で軽快した。
- 家族歴 : 父親が肺結核。
- 現症 : 身長165cm、体重63kg。体温36.5℃。呼吸数18/分。脈拍70/分、整。血圧108/52mmHg。頚静脈は怒張し、頭部血管性雑音は聴取しない。胸部では、心尖部に汎収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常はない。両側下腿前面に浮腫を認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球385万、Hb 11.2g/dl、白血球4,100、血小板11万。血清生化学所見:総蛋白6.4g/dl、アルブミン3.1g/dl、クレアチニン0.6mg/dl、総コレステロール172mg/dl、総ビリルビン1.8mg/dl、GOT84単位(基準40以下)、GPT90単位(基準35以下)、LDH408単位(基準176~353)。胸部エックス線正面写真と側面写真とを以下に示す。
- この疾患でみられる心臓カテーテル所見はどれか。2つ選べ。
- a. 右房圧上昇
- b. 肺高血圧
- c. dip and plateau心内圧曲線
- d. 大動脈弁圧較差
- e. 高心拍出量
[正答]
※国試ナビ4※ [095H004]←[国試_095]→[095H006]
[★]
- 15年前からRaynaud症状と関節痛とがあった。11か月前から労作時の息切れを自覚し、近くの病院で非ステロイド性抗炎症薬とプロスタグランジン系血管拡張薬とを処方されていた。
- 意識は清明。身長151cm、体重41kg。体温36.8℃。呼吸数24/分。脈拍76/分、整。血圧112/70mmHg。頚静脈の怒張を認めない。胸部にfine crackles(捻髪音)を聴取する。II音の肺動脈成分の亢進を認める。四肢に浮腫はない。
- 血液所見:赤血球430万、Hb13.6g、Ht40%、白血球8,800(好中球81%、単球4%、リンパ球15%)、血小板29万。
- 免疫学所見:抗核抗体1,280倍(基準20倍以下)、抗DNA抗体48倍陽性、抗RNP抗体16倍陽性、CH50 39単位(基準30~40)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.42、PaO2 72Torr、PaCO2 34Torr。
- この患者で考えられることはどれか。
- (1) 大動脈炎症候群
- (2) 肺動脈弁狭窄症
- (3) 肺高血圧
- (4) 肺線維症
- (5) 左心不全
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [098I007]←[国試_098]→[098I009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108D003]←[国試_108]→[108D005]
[★]
- 英
- antiphospholipid syndrome, antiphospholipid antibody syndrome, anti-phospholipid syndrome, anti-phospholipid antibody syndrome, APS
- 同
- 抗リン脂質症候群
- 関
- [[]]
概念
分類
- 全身性エリテマトーデスに合併(SLEの20-40%に合併)
- 劇症型(catastrophic APS):血小板減少症・重症、3部位以上の多臓器不全
病因
疫学
症状
- 胎盤内の血栓形成→胎盤機能不全。妊娠5-6か月に多い。明らかな基礎疾患のない習慣流産患者のうちの20%を占める。3回続けて流産した場合は疑われる。
- 1. 静脈血栓症:深部静脈血栓症(Budd-Chiari症候群、下肢、腎、網膜など)、肺塞栓症、腸間膜静脈血栓症
- 2. 動脈血栓症:脳血管障害(一過性脳虚血発作、脳梗塞)、末梢動脈閉塞、腸間膜動脈血栓症、心筋梗塞、網膜動脈血栓症
- 3. 習慣性流産:子宮内胎児死亡
- 4. 血小板減少症(出血傾向は来さないことが多い)
- 5. その他:網状皮斑(livedo),皮膚潰瘍、溶血性貧血、偏頭痛、舞踏病、てんかん、肺高血圧症など
REU.188
- SLE様症状(蝶形紅斑、DLE、光線過敏症など)もありうる
診断
診断基準 REU.190
- 臨床症状1椎上、検査基準1つ以上を満たしたとき、抗リン脂質抗体症候群と診断
- 1. 血栓症:動脈、静脈、小血管
- 2. 妊娠合併症
- a. 妊娠10週以降の胎児死亡
- b. 重症子癇前症、子癇、あるいは重症胎盤機能不全による34週以前の早産
- c. 3回以上続けての妊娠10週以前の自然流産
検査
- → 梅毒血清反応(STS):偽陽性
- 抗β2-GFI/カルジオリピン複合体抗体
- → リン脂質依存性の血液凝固反応の阻害(内因系) → APTT:延長。PT:正常
治療
- 動脈血栓症の再発予防・・・アスピリン少量内服が第一選択
- 静脈血栓症の再発予防・・・ワルファリン
予後
予防
[★]
- 英
- patent ductus arteriosus, PDA
- 関
- 心室中隔欠損症、心房中隔欠損症
- 動脈管、動脈管索
まとめ
- 出生後72時間以内に閉鎖するはずの動脈管が残存することが本疾患の本態である。多くの症例では無症状であり、2LSBに連続性雑音を聴取することで診断されうる。動脈管開存の程度が大きい場合、左心系負荷、左心不全、あるいは肺高血圧によりアイゼンメンゲル症候群を来しうる(この場合のチアノーゼは下半身に起こる)。また、動脈管の圧迫により左反回神経麻痺を起こしうる。治療は動脈管結紮切離術、コイル塞栓法、(未熟児に対しては)インドメタシン投与により行う。(YN.C-123 SSUR.360)
概念
病因
疫学
- 先天性心疾患の約5-10% (YN.C-123)
- 男女比 = 1:2-3 (YN.C-123)
病態
肥大部位 PHD.380-
|
RA
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RV
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LA
|
LV
|
ASD
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○
|
○
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|
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VSD
|
|
○
|
○
|
○
|
PDA
|
|
|
○
|
○
|
症候
- 左心房肥大、左心室肥大
- 左心不全
- (次第に)肺高血圧
- (肺高血圧からアイゼンメンゲル化した症例)下半身のチアノーゼ
身体所見
脈拍
聴診
- シャント量によって所見が変化する。
- 新生児期(つまり病初期)には収縮期雑音。 → 拡張期雑音が出現し連続性雑音となる(拡張期雑音は高まった動脈圧によりdriveされる動脈管から肺動脈への血流を反映。よってII音でピークとなる)。 → 肺高血圧の進行により、収縮期雑音のみとなり、IIp音が亢進。
検査
胸部単純X線写真
- 左第一弓↑、左第三弓↑、左第四弓↑
- 左第二弓↑(SPE.449)
- 肺血管陰影増強
心エコー
心カテーテル検査
- カテーテルの肺動脈から大動脈弓への到達
- 肺動脈血の酸素飽和度上昇
- 肺動脈圧上昇
心電図
- 左室肥大、V5-V6に目立つq波 (SPE.449)
治療
- 生後半年を過ぎると動脈管自然閉鎖はまれである
方針
- ガイドライン1
- 細い動脈管で心雑音のない場合(silent PDA)について治療適応かどうかは統一見解がない。
- 治療適応は連続性雑音が見られる場合であり、肺血管抵抗が高くなり右左短絡が主体で高度の肺高血圧が見られる例、あるいはEisenmenger化した例については治療適応がない。
- 治療法の選択は形態と太さによる。心エコーで評価できなければ造影CTやMRIを施行する。
- 経皮的コイル塞栓術は最小内径が2.5mm以下の場合に第一選択となり、狭窄部がない筒型や、最小内径が4mm以上の場合にはコイル塞栓症は適応とならない。窿形成を伴っている場合や、動脈管の長さが短いwindowsタイプではステントグラフト内挿術や外科手術が適応となる。
↓これは出典不明
- シャント量が小さい場合でも感染性心膜炎のリスクとなるため、全例で手術適応。
- 未熟児~乳児期に心不全を認める例:早期手術
- その他:待機的に3-6歳での手術
手術療法
- 適応:肺高血圧合併症例、易感染性や発育不全を認める症例。(SPE.450)
- 手術法:動脈管の結紮切離
interventional radiography
内科的治療
ガイドライン
- 1. 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf
[★]
- MS
- 英
- mitral stenosis, MS, mitral valve stenosis
- 関
- 僧帽弁狭窄、弁膜症
- distolic murmur at mitral area.
- opening snap at mitral area
疫学
- 女性に多い。男女比1:3。
- 50%が20歳代。20-40歳に多い。
- 既往にリウマチ熱がある事が多い。
病因
- 先天的な僧帽弁尖の狭窄
- 高齢者の前尖の石灰化
- 心内膜炎で弁尖に疣贅ができて弁口を閉塞
- 僧帽弁の弁口:MSでは2cm^2、健常人では4-6cm^2
病態
- 拡張期に左心房の血液を左室に駆出する抵抗が大きくなり、左心房に圧負荷がかかる!!
- 心房細動の合併で重症化する。
合併症
感染性心内膜炎:僧帽弁閉鎖不全症は感染性心内膜炎を来しやすい疾患であると認識してよいが,僧帽弁狭窄症の感染性心内膜炎は比較的少ない。よって僧帽弁狭窄症をハイリスクとすべきかどうかは議論が分かれる。(ガイドライン1より抜粋)
検査
- I音の亢進
- 僧帽弁開放音 (open snap)
- 心尖部拡張中期雑音:低音(low-pitched)、ランブル(rumbling)
- 前収縮期雑音:(洞調律の時に聴取され、心房細動では消失)
- 重症例 → グラハム・スティール雑音(肺高血圧を来した場合にPRを来し、拡張期に2-3LSBで聴取される。
- 経胸心エコー:
- 経食道心エコー:左房内血栓の描出に適する。
治療
- NYHA I度、かつ軽度僧帽弁狭窄症
- NYHA II度以上、かつ中等度以上僧帽弁狭窄症
手術療法の適応
- ガイドライン2
- 次の1.~2.が適応を判断するのに重要である。ガイドライン2ではOMC, MVRの推奨基準やNYHA別のフローチャートが示されている。
- 1. PTMCはNYHA II度以上の臨床症状出現 ← 僧帽弁弁口面積≦1.5cm2で左房から左室への血液流入障害が生じる。弁口面積≦1.0cm2では安静時にも左室への血液流入が障害されると肺うっ血・肺高血圧、心房細動が固定化、TRによる右心不全もきたす。
- 2. 心房臓細動の出現
- 3. 血栓塞栓症状の出現
- QB. C-444
- PTMCはNYHA II度以上、OMC,MVRはNYHA III度以上
- 弁口面積1.5cm2以下で臨床症状を有する
- NYHA I度であっても塞栓の既往や左房内血栓が疑われる場合 ← 経食道エコーで確認
- 左房平均圧15mmHg以上
- 出典不明
- 症状と治療法の選択
- 無症状例:保存的療法。心不全と血栓を予防。
- 症状有り:経皮経静脈的僧帽弁交連裂開術、僧帽弁置換術
ガイドライン
- 1. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2003_miyatake_h.pdf
- 2. 弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2007年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_matsuda_h.pdf
国試
[★]
- 英
- second heart sounds, S2
- 関
- 心音
まとめ
II音増大
- MSとASとでは、同じstenosisでも心音の大きさに関与の仕方が違うんですね。
- 拡張期における大動脈圧、肺動脈圧が高い → 弁に衝突する血液の流速が早い → 弁の閉鎖音が大きい
- 大動脈弁が閉じるとき、拡張期早期 back pressureが高い?
- 拡張期に大動脈弁を挟んだback pressureが高いから?
II音減弱
分裂音
- PHD.33-35
|
横隔膜の相対的位置
|
II音
|
呼気
|
expiration
|
 ̄
|
|
|
single sound
|
吸気
|
inspiration
|
_
|
| |
|
splitting sound
|
- (1)吸気時には、肺の血管抵抗性が低下 → 拡張期におけるP弁へのback pressureは呼気時と比べ比較的低下する →P弁の開放時間が延長
- (2)吸気時には、肺静脈が拡張 → 左房・左室への血液還流量が減少 → 左室を充満する血液量減少 → 一回拍出量減少 → 駆出時間の短縮 → A弁の開放時間が短縮
- right bundle branch block(RBBB), pulmonic stenosis(PS)
- IIAが早まる:MR, VSD
- IIPが遅れる:RBBB, PS, pulmonary hypertension
[★]
- 英
- atrial septal defect ASD, atrial septal defects ASDs
- 関
- 先天性心疾患、心室中隔欠損症、動脈管開存症
left to right shunt
- prominent right ventricular cardiac impulse, a systolic ejection murmur heard in the pulmonic area and along the left sternal border, and fixed splitting of the second heart sound.
定義
- 先天性心疾患
- 心房中隔に欠損孔があるため左房と右房が交通する
疫学
- 小児期のCHDの約10%、成人のCHDの約40%(医学辞書?)。先天性心疾患の7-10%(SSUR.356)
- 女性に多い。男:女=1:2
分類
- 図:SSUR.356
欠損孔の部位による分類
- 二次孔欠損は卵円窩の位置に欠損孔がある ≠ 卵円孔開存
- 静脈洞型は上、下大静脈入口部付近や冠静脈洞の欠損であり、しばしば部分肺静脈還流異常を伴う。
- 3. 一次孔欠損(15%)、(部分型心内膜床欠損としてあつかわれるとか)
- 一次孔欠損(心内膜床欠損不完全型)は、房室弁孔に隣接する房室中隔の欠損であり、房室弁(僧帽弁、三尖弁)の裂隙(クレフト)や閉鎖不全を伴う。
病態
- 心房で左-右短絡 → 右心系に容量負荷 → 右心不全
- 右心系の容量負荷 → 肺血流↑ →肺血管床の閉塞性病変・肺高血圧症
検査
聴診
- 下部左胸骨縁に拍動聴取。拡張した右室の収縮:RV heave
- II音:widened, fix slitting pattern 固定性分裂
- 上左胸骨縁:収縮期雑音 :肺動脈弁に多くの血流が流れることによる → 相対的PS
- 下左胸骨縁:拡張期中期雑音:三尖弁を通って血流がたくさん流れ込むため。 → 相対的TS
- 心房間の圧格差は大きくないので、ASDの欠損孔を血液が通ることによる雑音はない。
検査
心エコー
- 心室中隔の奇異性運動
- 右室腔の拡大
- 僧帽弁の高位屈曲点と収縮期前方運動
- カラードプラ心エコーにおけるジェット
心電図
合併症
- 僧帽弁逸脱症、心房細動、心不全、肺感染症(肺高血圧と関連)、肺高血圧
治療
[★]
- 英
- primary pulmonary hypertension, PPH
- 同
- 原発性肺高血圧、本態性肺高血圧症 本態性肺高血圧 essential pulmonary hypertension
- 関
- 肺高血圧症
[show details]
e疫学
症状
- 労作時呼吸困難、咳、痰、チアノーゼ、胸痛、喀血、失神、レイノー症状 (YN.I-118)
参考
uptodate
- 1. [charged] 高血圧症の概要 - uptodate [1]
- 2. [charged] 肺高血圧症の病因 - uptodate [2]
- 3. [charged] 肺高血圧症の治療 - uptodate [3]
国試
[★]
- 英
- persistent pulmonary hypertension
- 関
- 遷延性肺高血圧
- 同
- 胎児循環遺残
[★]
- 英
- chronic thromboembolic pulmonary hypertension, CTEPH
[★]
- 英
- blood pressure, BP
- 同
- 動脈圧 arterial pressure AP
- 関
- 血圧測定
成人の血圧
- 至適血圧:<120mmHg かつ <80mmHg
- 正常血圧:130mmHg かつ 85mmHg
- 正常高値血圧:130~139mmHg または 85~89mmHg
- I度高血圧(軽症):140~159mmHg または 90~99mmHg
- II度高血圧(中等症):160~179mmHg または 100~109mmHg
- III度高血圧(重症):≧180mmHg または ≧110mmHg
- 収縮期高血圧:≧140mmHg かつ <90mmHg
糖尿病性腎症
- 管理目標: 130/80 mmHg
- 尿蛋白1g/日以上:125/75 mmHg
冠血管と血圧
- In the normal state, autoregulatory mechanisms adjust coronary tone tomatch myocardial oxygen supply with oxygen requirements. In the absence of obstructive coronary disease, thesemechanisms maintain fairly constant rate of coronary flow, as long as the aortic perfusion pressure is approximately 60 mmHg or greater.
血圧の異常
血圧の上肢における左右差
- 大動脈炎症候群:腕頭動脈、鎖骨下動脈の狭窄・閉塞を生じる
- 動脈硬化:鎖骨下動脈領域の病変があるとき、左右の脈拍差や皮膚温の違いを生じる
血圧の上下肢の差(下肢>上肢)
- 大動脈炎症候群:大動脈弓部が冒されやすいが、鎖骨下動脈が冒された場合に上肢の血圧が低下。
- 解離性大動脈瘤:解離腔に生じた血腫が鎖骨下動脈を圧迫すると、上肢の血圧が低下
- 大動脈閉鎖不全症:Hill徴候
収縮期血圧のみ高い。拡張期血圧は高くない
- 拡張期に動脈血流が減少する病態(血流が体循環に押し出されないか、心収縮力のみ上昇している状態?(体循環の血管抵抗が上がっていない?))
- 脈圧が上昇する
- 1. 大動脈基部の血流が逆流やシャントにより減少する場合
ショック
非侵襲的な血圧測定法による血圧の上肢・下肢の差
- 血圧を測定するために駆血帯で血流を遮断する必要がある。このとき、下肢の動脈の方が深部を走行しているため上肢より強く駆血帯で圧迫する必要がある。強く圧迫を要する分だけ下肢の血圧が高く測定されてしまう。
心血管とその周囲の血圧 YN.C-29
- see also PHD.61
中心静脈
|
|
肺動脈楔入圧
|
4~8
|
8~20
|
右心房
|
左心房
|
1~4
|
8~20
|
右心室
|
左心室
|
8~20
|
120~20
|
肺動脈
|
大動脈
|
8~20
|
120~70
|
臓器移植における脳死判定の除外
- 脳死判定#脳死判定の除外規定、臓器の移植に関する法律施行規則#第二条第四項
- 収縮期血圧が以下で定められる数値未満の場合には脳死判定ができない。
- 1歳未満の者 65
- 1歳以上13歳未満の者 年齢x2+65
- 13歳以上の者 90
国試
[★]
- 英
- pressure
- 関
- 圧力