網状赤血球
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網赤血球(もうせっけっきゅう、英: Reticulocyte)は、赤芽球から細胞核が抜け落ちて出来たばかりの若い赤血球である。網状赤血球ともいう。
概要
赤芽球の最後の段階である正染性赤芽球は細胞核が抜け落ちて網赤血球となるが、細胞核が抜け落ちた時点では細胞質にリボソーム(ポリリボソーム)やミトコンドリアなどの細胞内小器官が残っている。網赤血球はまだ成熟赤血球のような真ん中がくぼんだ円盤状ではなく、残っているリボソームやミトコンドリアによってヘモグロビンの産出がつづいており、網赤血球の段階で10%-30%ほどのヘモグロビンが合成される。この若い赤血球はニューメチレンブルーによる超生体染色を行うとタンパク質とRNAの複合体であるリボソームがその他の細胞内小器官を巻き込みながら網状に凝集し、凝集したリボソームのRNAが青く染まり、顕微鏡観察では網状に見えるのでこの名前がある。網赤血球は骨髄内に2日ほど留まり、その後血液中に移動して1-2日ほどでリボソームやミトコンドリアが抜け落ちて成熟した赤血球になる。健康人では末梢血中の赤血球の0.5-1.5%ほどが網赤血球である。血中に多くみられる場合は、赤血球が壊れやすく寿命が短くなっている溶血性貧血や貧血治療の開始後あるいは高地への移住後まもなくなどで、骨髄での造血が盛んになっている状況があげられる。 逆に骨髄での造血機能がなんらかの理由で急速に衰えつつある状況では網赤血球は減少する[1][2][3]。
脚注
- ^ 『三輪血液病学』p120-124
- ^ 三菱化学メディエンス検査項目解説2011年1月19日閲覧
- ^ 岡山大学病院 検査部 網状赤血球数2011年1月19日閲覧
参考文献
- 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修『三輪血液病学』文光堂、2006年、ISBN 4-8306-1419-6、p120-124
骨髄系統 - 血液 (白血球 · 赤血球 · 血小板) |
|
造血幹細胞
HSC |
骨髄系前駆細胞
(CFU-GEMM)
|
顆粒球・単球系前駆細胞
(CFU-GM)
|
|
骨髄芽球→前骨髄球→骨髄球→後骨髄球→桿状核球→分葉核球(好中球)
|
|
|
マクロファージ
|
組織球 · クッパー細胞 · 肺胞マクロファージ · 小膠細胞 · 破骨細胞 · 類上皮細胞 · 巨細胞 (ラングハンス巨細胞、異物巨細胞、トートン型巨細胞)
|
|
CFU-DL
|
樹状細胞 · ランゲルハンス細胞
|
|
|
共通
|
骨髄性単球
|
|
|
CFU-Baso
|
骨髄芽球→好塩基性前骨髄球→好塩基性骨髄球→好塩基性後骨髄球→(好塩基球)
|
|
CFU-Eos
|
骨髄芽球→好酸性前骨髄球→好酸性骨髄球→好酸性後骨髄球→好酸性桿状核球→好酸性分葉核球 (好酸球)
|
|
MEP
|
CFU-Meg
|
巨核芽球 · 巨核球 · 血小板
|
|
CFU-E
|
赤芽球 · 網赤血球
|
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CFU-Mast
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肥満細胞前駆体
|
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|
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非細胞 |
血漿
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 自己血貯血の安全性向上を目的とした網赤血球ヘモグロビン等量(RET-He)測定
- 保存期慢性腎臓病および腹膜透析患者での網赤血球ヘモグロビン等量 (reticulocyte hemoglobin equivalent : RET-He) 測定の臨床的有用性
- 江口 亜弥,土谷 健,塚田 三佐緒,新田 孝作
- The Japanese journal of nephrology 52(2), 132-140, 2010-03-25
- NAID 10026289868
- 網赤血球 (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・2)その数値をどう読むか) -- (血液一般検査(抹消血検査))
Related Links
- 網状赤血球とは、成熟なる前の幼弱な赤血球のことで、通常の抹消血中にはあまり存在しませんが、骨髄で血液がさかんに作られると増加し、溶血性貧血などで高値を示します。再生不良性貧血、白血病では逆に低値を示します。
- a. 網赤血球数 網赤血球数は、骨髄の有効な赤血球産生の指標となるため、貧血の診断上極めて大切である(表VII-7)。網赤血球数の検査報告は、赤血球1,000個に対する網赤血球数の割合(プロミレ‰またはパーセント%表記もあり)で ...
- 網状赤血球数, reticlocyte count 臨床的意義 末梢血での網赤血球数算定の意義は、骨髄での赤血球造血能を末梢血で間接的に把握できることにある。例えば、貧血の治療の効果判定は治療薬投与後、骨髄穿刺検査を行い、骨髄での ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 3歳の男児。顔色不良と発熱とを主訴に来院した。母親は1か月前から顔色不良に気付いていた。1週前から発熱し、自宅近くの診療所で抗菌薬を投与されていたが、症状が改善しないため紹介されて受診した。体温38.3℃、脈拍120/分、整。呼吸数24/分。皮膚は蒼白で、下肢に点状出血を認める。眼瞼結膜に貧血を認める。眼球結膜に黄染を認めない。心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を4cm触知する。血液所見:赤血球 196万、Hb 5.8g/dl、Ht 18%、網赤血球 0.3%、白血球 5,600(桿状核好中球1%、分葉核好中球6%、好酸球1%、単球2%、リンパ球86%、異常細胞4%)、血小板 1.9万。血液生化学所見:尿素窒素 11mg/dl、クレアチニン 0.3mg/dl、尿酸 6.2mg/dl、AST 72IU/l、ALT 58IU/l、LD 691IU/l(基準335-666)。CRPl.3mg/dl。骨髄検査を行ったところ、骨髄で増加している細胞はペルオキシダーゼ染色陰性で、表面マーカー検査ではB前駆細胞の形質を示す。骨髄染色体所見は51、XY、+4、+6、+10、+17、+21である。脳背髄液検査に異常を認めない。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.15)を別に示す。
- この疾患の治療について誤っているのはどれか。
- a 多剤併用抗癌化学療法を行う。
- b 副腎皮質ステロイドが有効である。
- c 最も多い治療関連合併症は感染症である。
- d 中枢神経予防療法は必須である。
- e 約半数の症例が造血幹細胞移植の適応となる。
[正答]
E
予後
|
予後良好群
|
予後不良群
|
初診末梢血白血球数
|
1万/μl未満
|
10万/μl以上
|
年齢
|
1歳~10歳
|
1歳未満。10歳以上
|
免疫学的細胞形質
|
B細胞前駆性
|
T細胞性、 B細胞性、 mixed lineage
|
胸腺腫大
|
無
|
有
|
初診時中枢神経系/精巣浸潤
|
無
|
有
|
著明な肝脾腫
|
無
|
有
|
著明なリンパ節腫大
|
無
|
有
|
染色体
|
高2倍体、t(12;21)
|
低2倍体、t(9;22), t(4;11)
|
治療14日目の骨髄中の芽球
|
5%未満
|
25%以上
|
ステロイドに対する感受性
|
良好
|
不良
|
|
染色体異常
|
遺伝子異常
|
予後
|
B前駆細胞型ALL
|
t(9;22)
|
BCR/ABL融合
|
不良
|
t(4;11)
|
MLL/AF4融合
|
不良
|
染色体数45本未満
|
|
不良
|
t(12;21)
|
TEL/AML1融合
|
良好
|
t(1;19)
|
E2A/PBX1融合
|
良好
|
染色体数50本以上
|
|
良好
|
T細胞型ALL
|
t(11;19)
|
TAL1変異
|
不良
|
MLL/ENL
|
良好
|
HOX11高発現
|
良好
|
NOTCH1変異
|
不明
|
※国試ナビ4※ [105I057]←[国試_105]→[105I059]
[★]
- 47歳の男性。両手指のチアノーゼを主訴に来院した。3年前から冬に外出すると両手の指先や耳介が白くなり、しびれを感じるようになった。これらは帰宅して温まると消失した。この冬、寒冷地に転勤になり、室外で引っ越し作業中に両手指のしびれの出現とともに指先の色が青黒く変色したため受診した。脈拍 80/分、整。血圧 132/80mmHg。眼瞼結膜は貧血様であり、眼球結膜に黄染を認める。胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血3+。血液所見:赤血球 252万、Hb 9.0g/dL、Ht 26%、白血球 4,200(桿状核好中球 2%、分葉核好中球 70%、好酸球 2%、単球 5%、リンパ球 21%)、血小板 32万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.2g/dL、総ビリルビン 3.2mg/dL、直接ビリルビン 0.8mg/dL、AST 38U/L、ALT 30U/L、LD 980U/L(基準 120~245)、ALP 230U/L(基準 115~359)、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、血糖 90mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 104mEq/L。
- この患者で予想される検査所見はどれか。
- a 網赤血球低値
- b 寒冷凝集素高値
- c IgG型自己抗体陽性
- d 血清ハプトグロビン高値
- e GPIアンカー蛋白欠損赤血球陽性
[正答]
※国試ナビ4※ [114D035]←[国試_114]→[114D037]
[★]
- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 45歳の女性。動悸と体重減少とを主訴に来院した。
- 現病歴:1か月前から動悸、発汗および手指振戦が出現し改善しないため受診した。食欲は普通だが1か月間で体重が5kg減少した。口渇、多飲および多尿は自覚していない。
- 既往歴:9歳で虫垂炎。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴とはない。
- 家族歴:姉が脂質異常症で治療中。
- 現症:意識は清明。身長 163cm、体重 58kg。体温 37.1℃。脈拍 102/分、不整。血圧 116/64mmHg。眼瞼結膜は貧血様でない。眼瞼短縮を伴う眼球突出を認める。甲状腺はびまん性に腫大している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮膚は湿潤。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 470万、Hb 12.9g/dL、Ht 40%、白血球 4,800、血小板 21万。血液生化学所見:ALP 478IU/L(基準 115~359)、空腹時血糖 92mg/dL、総コレステロール 122mg/dL、TSH 0.02μU/mL未満(基準 0.4~4.0)、FT4 8.5ng/dL(基準 0.8~1.8)。
- 内服治療の開始早期に、変動に最も注意すべき検査項目はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109C030]←[国試_109]→[109D001]
[★]
- 40歳の男性。小学校教諭。 5日間続く発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。2週前に林間学校から帰ってきた。林間学校では野外活動を引率した。帰宅して9日後から発熱と倦怠感とを訴え、自宅近くの診療所でセフェム系抗菌薬の投与を受けていたが、症状が改善しないため紹介されて受診した。意識は清明。体温38.5℃。脈拍92/分、整。呼吸数24/分。血圧122/76mmHg。右前腕に皮疹を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を4cm触知する。脾を触知しない。血液所見:赤血球396万、Hb 12.0g/dl、Ht 38%、網赤血球1.2%、白血球7,800(桿状核好中球12%、分葉核好中球51%、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球28%)、血小板8.1万。血液生化学所見:尿素窒素 18mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 364IU/l、ALT 451IU/l、LD 736IU/l(基準176-353)。CRP 8.3mg/dl。皮疹の写真(別冊No.19)を別に示す。
- 病原体として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D046]←[国試_105]→[105D048]
[★]
- 46歳の女性。貧血の精査を目的に紹介され来院した。2年前から両側手指・手背、肘および膝の関節痛と腫脹とがあり、関節リウマチと診断され治療を受けている。体格栄養は中等度。体温36.8℃。脈拍76/分、整。血圧124/76mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。リンパ節腫大と肝脾腫とは認めない。血液所見:赤沈78mm/1時間、Hb7.8g/dl、MCV75μm3(基準83~93)、白血球7,800、血小板38万。血漿フィブリノゲン580mg/dl(基準200~400)。CRP6.5mg/dl(基準0.3以下)。
- この患者でみられる検査所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D031]←[国試_097]→[097D033]
[★]
- 8か月の乳児。顔色不良を主訴に来院した。母乳栄養児である。2か月前から次第に顔色が不良になってきたことに母親が気付いた。眼瞼結膜は蒼白。腹部で肝を1cm触知するが、脾は触知しない。血液所見:赤血球335万、Hb6.7g/dl、Ht22%、白血球7,800(桿状核好中球8%、分業核好中球22%、好酸球1%、単球11%、リンパ球58%)、血小板38万。
- この患児の血液検査所見で予想されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098B023]←[国試_098]→[098B025]
[★]
- 36歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。半年前から全身倦怠感が出現し、改善しないため受診した。20歳代後半から過多月経がある。血液所見:赤血球 337万、Hb 5.9g/dL、Ht 18%、白血球 6,400、血小板 43万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 4.3g/dL、総ビリルビン 0.5mg/dL、AST 10IU/L、ALT 6IU/L、LD 144IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 11mg/dL、クレアチニン 0.4mg/dL、Fe 9ng/dL。
- この患者にみられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109G052]←[国試_109]→[109G054]
[★]
- 80歳の女性。半年前からの労作時息切れを主訴に来院した。手術の既往はない。顔色は不良で眼瞼結膜は貧血様である。血液所見:赤血球 250万、Hb 6.9g/dL、Ht 33%、白血球 4,300、血小板 16万。
- この患者で低下している可能性が高い血液検査項目はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G058]←[国試_111]→[111G060]
[★]
- a. 貧血のスクリーニング検査になる。
- b. 採血にはヘパリン入り採血管を用いる。
- c. 採血後には採血管を氷上に静置する。
- d. 平均赤血球容積はヘモグロビン値/赤血球数で求める。
- e. 網赤血球数は塗抹Giemsa染色標本で測定する。
[正答]
※国試ナビ4※ [102F007]←[国試_102]→[102F009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106I019]←[国試_106]→[106I021]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105F009]←[国試_105]→[105F011]
[★]
- 健康成人が徐々に鉄欠乏状態となるときに、初めに起こる検査値変化はどれか
[★]
- 英
- blood (PT,Z)
- ラ
- sanguis
- 関
- 全血球計算値、循環血液量、血球、血液量
概念
- 血液は45%の細胞成分と55%の血漿成分から構成される。
- 弱アルカリ性(pH7.4)でやや粘稠の鮮紅色から暗赤色の体液 (HIS.189)
- 成人の血液量は約5L (HIS.189)
- 体重の1/13 (SP.484),体重の約7% (HIS.189), 体重の約8% (2007年度前期解剖学授業)
- 全血液量の約1/3が失われると死亡する
構成
- 血漿(約55%)
- 水(血漿のうち91%)
- 無機塩類(0.9%)
- 有機物
- 血球(約45%)
血液の量
- 091208II 麻酔
|
新生児
|
乳児
|
幼児以降
|
高齢者
|
循環血液量(ml/kg)
|
90
|
80
|
70
|
60
|
体重に対する血液量(%)
|
9
|
8
|
7
|
6
|
血液に関する標準値
- SP.484
|
男性
|
女性
|
単位など
|
ヘマトクリット
|
45
|
40
|
%
|
血液量
|
75
|
65
|
ml/kg
|
比重
|
1.057
|
1.053
|
(血漿1.027)
|
浸透圧
|
275-290
|
mOsm/Kg・H2O
|
基準値
- ♂:4.95±0.75 x 10^6 (/μl)
- ♀:4.65±0.85 x 10^6 (/μl)
- 白血球 (2007前期解剖学プリント)
- 血小板 (2007前期解剖学プリント)
- ヘマトクリット
- ♂:40-50 (%) 45%
- ♀:35-45 (%) 40%
LAB.1790
項目名
|
|
性別/ 種類
|
|
赤血球
|
|
♂
|
414~563
|
x10^4/ul
|
♀
|
373~495
|
ヘモグロビン
|
Hb
|
♂
|
12.9~17.4
|
g/dl
|
♀
|
10.7~51.3
|
ヘマトクリット
|
Ht
|
♂
|
38.6~50.9
|
%
|
♀
|
33.6~45.1
|
平均赤血球容量
|
MCV
|
♂
|
84.3~99.2
|
fl
|
♀
|
80.4~101.0
|
平均赤血球血色素量
|
MCH
|
♂
|
28.2~33.8
|
pg
|
♀
|
25.5~34.6
|
平均赤血球血色素濃度
|
MCHC
|
♂
|
32.2~35.5
|
%
|
♀
|
30.8~35.4
|
網赤血球
|
|
♂
|
0.5~1.8
|
%
|
♀
|
0.4~1.6
|
血小板
|
Plt
|
♂
|
14.3~33.3
|
x10^4/ul
|
♀
|
13.7~37.8
|
白血球
|
WBC
|
♂
|
2970~9130
|
/ul
|
♀
|
3040~8720
|
好中球桿状核
|
0~9
|
%
|
好中球分葉核
|
28~68
|
%
|
好酸球
|
0~10
|
%
|
好塩基球
|
0~2
|
%
|
リンパ球
|
17~57
|
%
|
単球
|
0~10
|
%
|
[★]
- 英
- thymoma, thymomas
- 関
- 胸腺、縦隔腫瘍
概念
- 上縦隔の前部、前縦隔の前部に発生
- 胸腺固有の上皮細胞が腫瘍化したもの。precursor T cell(thymocytes)も存在することがあるが、悪性ではない。
分類
- begign or encapsulated thymoma
- malignant thymoma
- type I: cytologically benign but biologically aggressive and capable of local invasion and, rarely, distant spread
- type II: also called thymic carcinoma: cytologically malignant with all of the features of cancer and comparable behavior
- HIM. e89
型
|
組織型
|
割合,%
|
予後(10-year disease-free survival), %
|
A
|
medullary thymoma
|
8
|
100
|
AB
|
mixed thymoma
|
17
|
100
|
B1
|
predominantly cortical thymoma
|
27
|
83
|
B2
|
cortical thymoma
|
8
|
83
|
B3
|
well-differentiated thymic carcinoma
|
12
|
36
|
C
|
thymic carcinoma
|
28
|
28
|
病因
- 不明なことが多い。EBウイルスが関わっているかもしれない
疫学
- 胸腺腫は希であって、悪性のものはさらに希
- 全縦隔腫瘍の20-30%を占める。
- どの年齢にも起こりうるが、とりわけ中年に後発する。平均50歳代。
症状
- 30%:無症状。
- 30-40%:CTでとらえられ、咳嗽、胸痛、呼吸困難、上大静脈症候群などの周胸臓器圧迫症状
- 残り:全身病の合併
合併症
症例
- 40歳の女性。夕方になると、ものが二重に見える(複視)ことを主訴に来院した。眼瞼下垂を認める。血液検査では網赤血球の減少を認める。
参考
- 1. 15-year-old boy with noninvasive cystic thymoma
- http://www.ajronline.org/cgi/content-nw/full/186/4/1176/FIG5
- http://telomelysin.com/article/52766550.html
- 3. Imaging of Cystic Masses of the Mediastinum1
- http://radiographics.rsna.org/content/22/suppl_1/S79.full
[★]
- 英
- reticulocyte
- 同
- 網赤血球
- 関
- 赤血球、血球、血液
正染性赤血球 -> 網状赤血球 -> 赤血球
概念
- 未成熟の赤血球であり、RNAを保有する (SP.488)
- 網状赤血球数
- 末梢血中を循環している赤血球のうち、その日に新しく末梢血に放出された幼弱赤血球
- 絶対数(/mm3)と比率(パーミル(‰))がある。
- 造血能がある場合、血中ヘマトクリットと網状赤芽球の寿命が反比例する (異常値の出るメカニズム第5版 p.85)
Hct値 平均寿命
45% 1日
35% 1.5日
25% 2日
15% 2.5日
基準値
- 血中に0.5-1.5%存在する (SP.488)
- 成人0.5-1%, 生後5日以内の新生児2.5-6.5% (異常値の出るメカニズム第5版 p.85)
- 6-20‰(パーミル) (QB)
- 正常値:赤血球の1-2%、約5万/ul
- 絶対数の基準値は1-10万/ul
臨床関連
-
-
-
- 全身的な疾患(肝疾患、腎疾患、感染症、膠原病など)
- (うまく分類できないけど)鉄欠乏貧血の治療初期 ← 鉄剤投与により数日後に網状赤血球が著増
- 絶対的増加
- 相対的増加:網状赤血球の比率のみ増加。エリスロポエチンによる骨髄への刺激が増加しても骨髄組織が十分に増加しなければ期待する網赤血球増加がみられない(OLM.86)。骨髄組織の要因として、骨髄組織が一部、異常病巣(悪性腫瘍、線維化など)に置換され、残った骨髄組織で代償している場合や、全身的要因として、薬剤、栄養障害、全身疾患により部分的に骨髄機能が抑制されている場合がある(OLM.86)。
-
- EPOの刺激に対して反応して赤血球の産生は亢進し、網状赤血球が相対的に増加するが、絶対数としては少ない。
[★]
- 英
- colony-forming unit-erythroid colony-forming units-erythroid colony forming unit erythroid CFU-E, erythroid colony forming unit
- 同
- 赤芽球コロニー形成細胞 erythroid colony-forming cell、分化赤血球系前駆細胞 (血液細胞アトラス)
- 関
- 赤血球
BFU-E<-CFU-E->塩基性赤芽球
分化
-CFU-E
[★]
- 英
- burst-forming unit-erythroid burst forming unit erythroid, BFU-E
- 同
- 前期赤芽球系前駆細胞、赤芽球バースト形成単位、分化赤血球系前駆細胞 (血液細胞アトラス)
- 関
- 赤芽球
分化
[★]
- 英
- reticulocytopenia
- 関
- 網赤血球減少症、網状赤血球減少、網状赤血球減少症
[★]
- 英
- reticulocytopenia
- 関
- 網赤血球減少、網状赤血球減少、網状赤血球減少症
[★]
- 英
- hemocyte, blood corpuscle, hematocyte
- ラ
- hemocytus
- 同
- 血液細胞 blood cell
- 関
- 血液
血球の割合
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個数(/ul)
|
|
個数(/ul)
|
個数(%)
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赤血球
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男:500万 女:450万
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5000000
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95.1
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白血球
|
5000-10000
|
|
7500
|
0.1
|
血小板
|
15万-35万
|
|
250000
|
4.8
|
寿命
- 赤血球:120日
- 好中球:6-8時間
- 血小板:10日
- 形質細胞:1-3日
- メモリー細胞:数年
血球の特徴
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赤血球
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単球
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好酸球
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好中球
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好塩基球
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リンパ球
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大きさ
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7~8μm
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12~20μm
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10~15μm
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10~13μm
|
9~12μm
|
7~15μm
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赤血球と比べた大きさ
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------
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かなり大きい
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2倍以上
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約2倍
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2倍弱
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小リンパ球は同じ程度
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細胞質
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アズール顆粒。 広く不規則な突起
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橙赤色の粗大円形顆粒
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暗紫色に染まる微細な顆粒 アズール顆粒
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赤紫色の大小不同の顆粒
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狭く淡い青色
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核
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くびれ有り
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2葉、眼鏡型
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桿状好中球 分葉好中球
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格の上にも顆粒あり
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球形
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[★]
- 英
- erythrocyte (Z), red blood cell (Z), RBC
- 関
- 血液、貧血、血液像
- 直径:7.62±0.61μm → 7-8μm
- 厚さ:1.0-2.0μm
- 容積:90μm3
- 表面積:130μm2
- 比重:1.097
分化
基準値
2007前期解剖学授業プリント
♂:420万 - 570万 (/μl) 495万±75万 x 10^6 (/μl)
♀:380万 - 550万 (/μl) 465万±85万 x 10^6 (/μl)
-2007前期生理学授業プリント
♂:450万 - 610万 /μl
♀:380万 - 530万 /μl
-PT.233
♂:500万 /mm3
♀:450万 /mm3
-異常値の出るメカニズム第5版 p.79
男:400万-700万/ul
女:350万-600万/ul
-HIM
男:430–560 x 10^4/μl
女:400–520 x 10^4/μl
寿命
赤血球の増加
- テストステロン、低酸素、コルチゾール、エリスロポエチン
[★]
- 英
- bulbus (KH)
- ラ
- bulbus cerebri
- 同
- 延髄