- 英
- Castleman's disease, Castleman disease
- 同
- Castleman病、隔巨大リンパ節過形成, mediastinal giant lymph node hyperplasia
- 関
- 縦隔巨大リンパ節過形成、IgG4関連疾患
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/05/27 11:23:18」(JST)
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キャッスルマン病(キャッスルマンびょう、英: Castleman's disease)は、非常に稀なリンパ増殖性疾患である。
1956年にアメリカの病理医・キャッスルマン(Castleman)医師が初めて原因不明の病気として報告したことから、キャッスルマン病と名付けられた。
目次
- 1 概要
- 1.1 症状
- 1.2 検査
- 1.3 診断
- 1.4 原因
- 2 治療
- 3 合併症
- 4 備考
- 5 関連項目
- 6 脚注
- 7 外部リンク
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概要
病態である腫大したリンパ節からインターロイキン(IL-6)というサイトカインが過剰に生成される。それらが健常な蛋白質と結び付き、異常な免疫蛋白に変化。大量の免疫蛋白が正常な細胞を攻撃することで、生体内で様々な炎症を引き起こす。
日本では1500人程度しか患者が報告されていない。発症後の予後は個人差が大きいが、キャッスルマン病自体は良性である。アクテムラなどの分子標的治療薬などの有効性が期待されている。
症状
慢性的なリンパ節腫大。血液検査においては、CRP上昇、免疫グロブリン上昇などが顕著に見られる。 その他に貧血、発熱、食欲不振、体重減少、発疹などが報告されているが症状には個人差がある。
検査
血液検査とリンパ節の一部摘出による組織検査が主。
診断
診察科は病院によって様々ではあるが、造血系の病理は病理部が担当しない大学が多く、血液内科での診察が主となる場合が多い。
症状が様々で個人差も大きいため、正確な診断や治療に至らず、診断までに数年を要するケースがほとんど。
- 正常な蛋白質が変化し、栄養として体内に吸収されなくなる為、体重が減少。栄養失調と実質同様の病態となる。
- アトピー性皮膚炎と同様の症状の発疹が出る。また、リンパ球浸潤性痒疹も出る。
- 激しい寝汗で枕等がひどく濡れる症状もあり、血液検査結果やそれらの症状から白血病や骨髄腫などと鑑別が必要になる。
なお、骨髄腫とキャッスルマン病の異同や関連は、まだ、結論が出ていないとする学者も多い。
原因
ヘルペスウイルスを含むその他ウイルスによる感染、強いストレスなどが推定されているものの、はっきりとした原因は不明。
治療
1つのリンパ節が腫れるHV/限局型と複数のリンパ節が腫れるPC・MCD/多発型に分けられ、前者の場合、その部位の切除で治療するとされる。後者の場合、現代医学で治療方法は解明されていないが、ステロイド系抗炎症薬や免疫抑制剤を用いて、症状を抑えていくケースが多い。
治療薬として、2008年にアクテムラが世界初の薬として中外製薬から発表されているが、その投与治療は実験的医療の域を脱しておらず、副作用報告や使用成績調査が随時更新されている状況である。治験では緑内障やアナフィラキシーショックなどの副作用は0.1%以下であった。
投与後は免疫力が下がるというパラドックス現象が起こる。
アクテムラ
詳細は「アクテムラ」を参照
合併症
キャッスルマン病自体は良性であるが、長期にわたると様々な合併症、悪性リンパ腫等への変異を引き起こす例が報告されている。 例としては肺炎や腎臓の障害、肝臓腫大、脾臓腫大など。
備考
- 症例は少ない。
- 難病指定に至っていない。
- IgG4関連疾患との鑑別が重要となる。(IgG4 と IL-6測定が重要である。[1])
関連項目
- 血液学 / 免疫学
- 多発性骨髄腫
- POEMS症候群
- アクテムラ
脚注
- ^ 日本臨床免疫学会会誌 32: 478-483, 2009.
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例報告 限局性皮質異形成を発作起源とする難治性てんかん重積を呈したキャッスルマン病の1例
- 目でみるシリーズ キャッスルマン病(Castleman Disease;CD)
- 岡本 真一郎
- Frontiers in rheumatology & clinical immunology 5(1), 4-6, 2011-02
- NAID 40018745505
Related Links
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★リンクテーブル★
[★]
- 同
- 新型コロナウイルス感染症
- 関
- コロナウイルス、SARS-CoV-2
概念
- 2019年末頃にヒトへの感染が確認されている
- SARS-CoV-2による感染症である
感染経路
潜伏期間
- https://www.mhlw.go.jp/content/000609467.pdf
典型的な臨床経過
- 8割の罹患者は軽症であり、発症から一週間程度、感冒症状が持続し自然に軽快する。
- 2割程度の罹患者で、発症から7-10日程度で呼吸状態が悪化し、呼吸困難、咳嗽・喀痰が見られ入院を要する状態となる。
- 2-3%程度の罹患者では、重篤な肺炎のため10日前後の経過で気管挿管など集中治療室での治療を要する状態に陥る。
検査
CT
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32118615
- 胸膜下に小さいすりガラス影が散在しており、それら両肺、上葉、中葉/舌区、下葉に分布している。
- crazy-paving pattern (GGO with superimposed interlobular and intralobular septal thickening)が特徴的。
- 気管支肥厚や小葉間の肥厚を伴っている。
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する胸部 CT 検査の指針(Ver.1.0)
- 初期は片側性ないし両側性の胸膜直下のすりガラス影、背側または下葉優位
- 円形の多巣性のすりガラス影
- 進行すると crazy-paving pattern やコンソリデーションなどの割合が増加
- 器質化を反映した索状影の混在
- すりガラス影を伴わない区域性の浸潤影
- 空洞、境界明瞭な結節・腫瘤
- 小葉中心性の粒状影、tree-in-bud appearance
- 胸水(重症例ではみられることがある)
PCRによるウイルスゲノムの同定
- 咽頭粘膜より検体を得て、PCRにて核酸を増幅してSARS-CoV-2を検出する。
- 感度は高いが100%ではないものの、特異度は非常に高い。
- 時間がかかるというデメリットがあり、4-6時間程度かかる。さらに検査装置のある施設に検体を送ってからの検査となるので検査結果が出るのに7日間程度かかることもあるのが現状(2020/5/10時点)
抗原検査によるウイルスの検出
- インフルエンザの迅速検査と同様に粘膜より綿棒等によりぬぐって検体を採取し、適切な溶媒に懸濁してメンブレンの上に滴下し、メンブレン上の抗体と反応させ呈色反応にてウイルス検出を行う。
- 2020/5/9、米クイデル・コーポレーションの抗原検査の緊急使用が認可sれた
- 2020/5/13、国内初の抗原検査キットを薬事承認する方針の様子。みらかホールディングス子会社の富士レビオ(東京・新宿)の製品を承認する様子。(2020/5/10時点)
- デンカも抗原検査キットの開発をいそいでおり、栄研化学も開発をいそいでいるとのこと。
- 抗原検査キットが開発されれば、市中病院や診療所でインフルエンザの検査と同じような感覚で簡易に感染を判定できる。もちろん感度は劣るので感染の否定に使うのは不適切である。
診断
- 以下は私見 2020/5/10
- 症状がある人を対象として、PCRによりウイルスゲノムの検出するのがゴールドスタンダードと思われる。
- 日本の場合、すぐにPCRできるというわけではない。濃厚接触歴があればPCRに回すと思われるが、接触歴がはっきりしない方に対しては、胸部CTをとり胸膜下のスリガラス影を探索し肺炎が疑わしいものについてPCRに回している。
治療
- ウイルス感染症であり、SARS-CoV-2に特異的な治療は現在開発・治験段階である。
- 生活療法:安静、飲水・食事
- 対症療法:解熱薬、鎮咳薬、酸素投与、気管挿管、人工肺(ECMO)
- 特異的治療:確固たるものはないが、抗ウイルス薬、抗原虫薬などが候補になっている
- 点滴製剤。
- 米医薬大手ギリアド・サイエンシズが開発
- 元々はエボラ出血熱の治療のために開発されていた薬剤。
- 錠剤
- 商品名はアビガン。
- 富士フイルムが開発
- 元々は新型インフルエンザの治療のために開発していた薬剤。
- RNA合成酵素阻害薬として作用する。すなわち、三リン酸化体(T-705RTP)がウイルスRNAポリメラーゼを阻害する。
- ヒトの核酸合成酵素とも作用するようであり、動物実験で催奇形性の報告があるため、妊婦、および妊娠が疑われる女性への投与は禁忌であるし、それ以外の男女に投与する場合には七日間は性交を避けること警告されている。
- プロテアーゼ阻害薬である。
- SARS、MERSに対して効果があったと言うことで、用いられている。
- 気管支喘息の吸入用治療薬であるシクレソニド(商品名オルベスコ)。
- 国立感染症研究所で、COVID-19に対して特異的な抗ウイルス作用を持つことが示されている。
- 感染早期から中期、ないし肺炎初期に使用するのが好ましいとされている。
- クロロキンはかつてはマラリアの治療薬として使われていたが、クロロキン耐性マラリアの増加により使われなくなってきている。ヒドロキシクロロキンはクロロキンと類似した構造を有し、日本では全身性エリテマトーデスに対して使用されており、抗炎症作用や免疫調節作用を有するとされている。クロロキンはSARS-CoV-2の複製を抑制することがin vitroの実験で示されている。
予防
- 手洗い、うがい。
- 定期的な空気の入れ換え
- 濃厚接触の予防。
- 清潔な環境の維持:ドアノブ、机の上、キーボード、イスの拭き掃除
- ワクチン接種:現在、開発中である。
パンデミックの経過
- 2019年12月、中華人民共和国の湖北省武漢市で肺炎患者の集団発生が報告された。
- 2020年1月15日、日本で最初の感染者が報告される。
- 2020年1月30日、世界保健機関が公衆衛生上の緊急事態を宣言。
- 2020年2月1日、新型コロナウイルス感染症が指定感染症に指定された。
- 2020年1月~2月に中国武漢から日本国内に侵入したCOVID-19は3月末から4月中旬に封じ込められた(第一波)。感染源の特定は可能であった。
- 2020年4月7日、緊急事態宣言(7都府県)が発令された。緊急事態措置を実施すべき期間は2020年4月7日から5月6日とした。緊急事態措置を実施すべき区域は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県とされた。
- 2020年4月16日、全都道府県を緊急事態措置の対象とする。
- 3月中旬~4月上旬あたりで、欧米から侵入したCOVID-19が国内で拡散している(第二波)。3月後半からはリンクが不明な発症例が増加してきた。
今後の見通し
- 2020/5外出制限が行われているが、解除された後は一過性に患者は増えるであろう。PCRに加えて抗原検査キットも加われば、今まで以上に迅速に疑い患者を同定でき、素早く外出制限・隔離を指導できる。懸念されている第三波は思ったより押さえ込めるのではないかと思われる。(2020/5/10)
- 緊急事態制限解除後は、一過性に患者が増え、そのうち一日数人レベルで患者が発生する日が続き、冬を迎えてインフルエンザと共に流行することが予想される。SAR-CoV-2の抗原を迅速に検出できるキットが医療現場に普及し、インフルエンザと同様に全国民レベルで予防ワクチンの接種が可能となれば、インフルエンザとほぼ同じ対応で対応できるようになる。そこに至れば、医療現場としては安心して仕事ができるのだが。来年に間に合うか。(2020/5/17)
著名人
- 志村けん:3月17日から倦怠感があり。自宅静養中に発熱と呼吸困難が出現。20日に重度の肺炎と診断されて入院。23日新型ウイルスが陽性と判明して以降、人工心肺装置などを装着するも3月29日ご逝去される。
- 岡江久美子:4月3日に発熱し、6日朝に容体が急変して緊急入院。その後の検査で新型ウイルスが陽性と判明。4月23日ご逝去される。
- 岡本行夫:3月下旬ご逝去。橋本政権などで首相補佐官を務めた外交評論家。
勉強会
- 第117回 日本内科学会講演会 緊急シンポジウム 開催日:2020年4月12日(日)
疫学
- 感染例には性差があり、男性患者が60%である。
- 20-50歳代が7割、60歳代以降の高齢者は3割である。
- 60歳以上の患者では集中治療での治療例が増加する。
重症化のリスク因子
- 単変量回帰
|
肺炎
|
人工呼吸器
|
死亡
|
男性
|
1.6
|
4.7
|
|
60歳以上
|
3.2
|
17
|
|
糖尿病
|
2.7
|
6.6
|
8.3
|
高血圧
|
|
3
|
|
脂質異常症
|
3.3
|
5.9
|
|
喘息
|
関係があるとはいえない
|
担癌
|
|
3
|
9.6
|
心血管
|
|
4.5
|
|
典型的な経過
- 感染後の症状があった例を対象とした解析
- 感染後 -(5.1日)→ 発症 -(6.3日)→ 診断 →
- -(16.6日)→ 退院
- -(13.3日)→ 死亡
- 診断時に症状が無くとも、3.5日後に半数が発症し、5/80の例で集中治療を要する。
SARSとCOVID-19の違い
- SARSでは殆どの感染例が重症化していた。
- COVID-19の感染例では、無症状、軽症、重症、死亡に分類される。
- COVID-19の軽症例では、上気道炎を呈する。感染力は高い。
- COVID-19の重症例では、肺炎を呈する。感染力は低い。
- COVID-19の感染者が全員感染力を持っているわけではない。ごく少数の人が二次感染を起こしている、
- SARSの場合、肺で増殖するので、エアロゾルを発生させるような手技を行わなければ、基本的には感染しない。このような手技は普通医療機関で行われる。
- COVID-19の場合、クラスターが可視化できない例がある。多くが無症候、軽症例のためであるからである。
- 三密の環境ではくしゃみや咳がなくても感染の可能性がある。
- クラスターを形成する人はウイルス量の量が多い人であり、咳やくしゃみ、発熱がない人がいる。
中国44672人COVID-19確定患者の重症度ピラミッド
- 2.3%死亡
- 4.7%重篤 呼吸不全、ショック、多臓器不全
- 13% 重症 R≧30, SpO2 < 93, PaO2/FiO2 <300, 浸潤影50%以上
- 80% 軽症 肺炎なし ~ 軽度肺炎
参考
- http://www.kansensho.or.jp/
- https://www.mhlw.go.jp/index.html
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
[★]
- 英
- Herpesviridae
- 同
- 疱疹ウイルス
- 関
- ヘルペスウイルス亜科、ウイルス
ヘルペス科に属するウイルスによる感染症 (SMB.526)
[★]
- 英
- paraneoplastic pemphigus
- 関
- 天疱瘡
概念
病因
症状
- 重度の皮膚粘膜病変:眼病変(偽膜性角結膜炎)や口腔内水疱を伴う。
- 皮膚病変は多型性紅斑、水疱性類天疱瘡、扁平苔癬に似ている
診断
- (腫瘍が見つかっていない場合)重症の口腔内水疱病変と非典型的な皮膚所見から疑い、腫瘍の検索を行う。
治療
予後
- 進行性であり、悪性腫瘍合併しているときは二年間以内に致命的な結末をもたらす。悪性新生物に合併しているときは原疾患の治療を改善しないが、良性新生物の場合は原疾患の治療により皮膚病変が治癒する。
参考
- Beth G Goldstein MD et al.; Pemphigus; UpToDate; review version 18.2
[★]
- 英
- human herpes virus, HHV
- 関
- ウイルス
[★]
- 英
- mediastinal giant lymph node hyperplasia
- 同
- キャッスルマン病 Castleman disease
- 関
- 血管免疫芽球性リンパ節症
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患