- 英
- atypical mycobacteriosis AM, atypical mycobacterial infection, atypical Mycobacterium infection
- 同
- 非結核性抗酸菌症 nontuberculous mycobacterial disease、nontuberculous mycobacteriosis、non-tuberculous mycobactenosis infection
- 関
- 非定型マイコバクテリア感染、非定型マイコバクテリア感染症、非定型抗酸菌感染症、肺非定型抗酸菌症
概念
- 抗酸菌のうち、結核やらい菌などの特殊栄養要求菌以外の菌による感染症
症状
国試
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非結核性抗酸菌症(ひけっかくせいこうさんきんしょう, 英: nontuberculous mycobacterial infection)とは、結核菌と癩菌を除く非結核性抗酸菌による感染症のことである。非定型抗酸菌症とも呼ばれる[1]。
目次
- 1 病因
- 2 病態
- 3 検査
- 4 治療
- 5 脚注
- 6 外部リンク
病因
抗酸菌はPCR法やDNAシークエンシングが普及するまでは分類が困難であったが、近年は次々と亜種が発見されている。抗酸菌の研究が進む中で、抗酸菌の中でも結核菌と癩菌は特殊な菌であることがわかり、多くの抗酸菌による感染症は非結核性抗酸菌症として分類されることとなった。(以前は結核菌が主である定型的感染症であり、他は非定型抗酸菌と分類されていた。)
日本においてはMycobacterium avium(マイコバクテリウム・アビウム)とMycobacterium intracellulare(マイコバクテリウム・イントラセルラーエ)の2菌種を区別しないMycobacterium avium complex(マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス、MAC)による感染症が2001年に行われた調査では全非定型抗酸菌感染症の83%、次いでMycobacterium kansasii(マイコバクテリウム・カンサシ)によるものが8%となっている。この3菌種で91%以上を占める[2][3]。
病態
非結核性抗酸菌はヒトの身体のさまざまな部位で感染症を起こす。中でも呼吸器感染症が頻度が多く、また生命にかかわるため重要視されている。 結核菌と異なり、非結核性抗酸菌症はヒトからヒトへの感染はおこらない。
播種性非結核性抗酸菌症はHIV感染者や化学療法を受けているなどの免疫不全状態でみられることがあり、注意を要する. 皮膚抗酸菌症としては水槽肉芽腫(fish tank granuloma)などがある[4]。
検査
- PCR (近年開発されたリアルタイムPCRが、迅速で特異度が高いため、主として用いられている)
- DNA-DNAハイブリダイゼーション (商品名:DDHマイコバクテリア'極東'®, 結核菌群、非結核性抗酸菌群の18種で菌種が同定できる)
- 気管支鏡・CT下肺生検や上部消化管内視鏡などによる生検、皮膚生検
- 喀痰や培養液などの検体が採取できないときに、病巣から生検検体を採取して、病理診断や培養で診断を下すことがある
- 喀痰塗抹 (チール・ネルゼン染色、蛍光染色)...呼吸器感染の場合
- 喀痰や胃液・骨髄の抗酸菌培養 (発育に4~8週間かかる)。
治療
結核と同様に治療されることが多い。イソニアジド・リファンピシン・エタンブトール・ピラジナミド・クラリスロマイシン・レボフロキサシンなどのうちを複数を組み合わせて治療することが多い。
- 一般的にはクラリスロマイシン・リファンピシン・エタンブトールで初期治療を開始することが多い。[5] 薬剤耐性検査の結果、組み合わせを変更することもある。
脚注
- ^ 鈴木克洋 (2006年8月18日). “非結核性抗酸菌症の病態と治療 (PDF)”. アボット感染症アワー. ラジオ日経. 2010年5月29日閲覧。
- ^ 感染症治療マニュアル 那須勝、古賀宏延:81-82。
- ^ 倉島篤行、2012、「日本における非結核性抗酸菌症の動向」、『Pharma Medica』30巻6号、メディカルレビュー社、NAID 110000450601 pp. 43 - 48
- ^ 日経メディカル No.520:81-82。
- ^ 肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解, Kekkaku,83(11), 731-733, 2008
外部リンク
- 結核ノート http://www.d6.dion.ne.jp/~youichit/kekkakuno.htm#KEKKAKUNOTO
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- 症例報告 非定型抗酸菌症後に発症し、急激な経過を辿ったサルコイドーシスの1例
- フォーラム 逆システム学の窓(37)中年女性に急増する非定型抗酸菌症--ていねいな治療に必要な"かけひき"
Related Links
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- どんな病気か 結核の原因である結核菌の仲間を、抗酸菌といいます。結核菌以外の抗酸菌で引き起こされる病気が非結核性抗酸菌症です。かつては結核菌によるものを定型的と考えていたので、非定型抗酸菌症ともいわれていました。
- 非定型抗酸菌とは、土や水中などにいる抗酸菌と呼ばれるグループの細菌のうち、結核菌とらい菌を除いたものの総称です。非結核性抗酸菌と呼ばれることもあります。人に感染すると非定型抗酸菌症と呼ばれます。今回はそんな非 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 28歳の女性。急性骨髄性白血病のため、HLA一致の兄から同種骨髄移植を受け、70日が経過している。急性GVHDは皮膚のみI度であったが、移植後56日から38℃前後の発熱と持続する咳とが出現し、右背部痛も伴うようになった。意識は清明。体温38.4℃。脈拍96/分、整。血圧122/74mmHg。心雑音はない。右中肺野にcoarse cracklesを聴取する。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球324万、Hb10.1g/dl、Ht31%、網赤血球1.2%(12‰)、白血球3,600(桿状核好中球5%、分葉核好中球36%、好酸球3%、好塩基球1%、単球12%、リンパ球43%)、血小板7.3万。血清生化学所見:総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.2g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、尿酸4.1mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、直接ビリルビン0.4mg/dl、AST32IU/l、ALT391U/l、LDH320IU/l(基準176~353)、ALP116IU/l(基準260以下)、Na134mEq/l、K4.2mEq/l、Cl 102mEq/l。免疫学所見:CRP12.8mg/dl、β-D-グルカン35pg/ml(基準20以下)、ツベルクリン反応陰性。胸部エックス線写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G057]←[国試_101]→[101G059]
[★]
- 58歳の女性。咳と血痰とを主訴に来院した。2年前から咳と痕とが出るようになった。1か月前から咳が強くなり、3日前から血痰が出たため受診した。13歳時に副鼻腔炎で両側を手術した。体温37.2℃。両側の前胸下部に弱いfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球 420万、Hb 11.8g/dl、Ht 40 %、白血球 6,800、血小板 18万。血液生化学所見に異常を認めない。CRP O.8mg/dl。喀痰の抗酸菌塗抹検査が3回連続で陽性となったが、同時に行った結核菌PCR検査は陰性だった。胸部エックス線写真(別冊No.18A)と胸部単純CT(別冊No.18B)とを別に示す。止血剤の投与で血痰は消失したが、咳は増強し、1か月後の画像は増悪していた。抗菌薬を3剤用いて治療を開始することとした。
- リファンピシンとエタンブトールに加えて選択するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D049]←[国試_104]→[104D051]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B068]←[国試_095]→[095B070]
[★]
- opportunistic
- 英
- opportunistic infection
- 関
- 日和見感染
AIDSにおけるCD4様生細胞数と日和見感染症発症の関連 (also see NDE.446)
[★]
- 英
- leg ulcer
- 関
- 下腿潰瘍
分類
- 動脈性潰瘍:虚血性が原因なので治療は末梢血行の改善がfirst
- 静脈性潰瘍:中年女性、立ち仕事が多い者に後発。下腿内側>下腿外側。
- 糖尿病性潰瘍
- 中枢神経系の疾患に基づく麻痺(脳卒中、脊髄損傷、二分脊椎症)
- ハンセン氏病
[★]
- 英
- atypical mycobacterial infection, nontuberculous mycobacterial disease, non-tuberculous mycobactenosis infecLion
- 関
- 非定型抗酸菌症、非定型マイコバクテリア感染、非定型マイコバクテリア感染症、非定型抗酸菌感染症
[★]
- 英
- atypical mycobacterial infection
- 関
- 非定型抗酸菌症、非定型マイコバクテリア感染、非定型マイコバクテリア感染症、非結核性抗酸菌症
[★]
- 英
- atypical mycobacterial infection
- 関
- 非定型抗酸菌症、非定型マイコバクテリア感染症、非定型抗酸菌感染症、非結核性抗酸菌症
[★]
- 英
- pulmonary atypical mycobacteriosis
- 同
- 肺非結核性抗酸菌症 pulmonary nontuberculous mycobacterial disease
- 関
- 非定型抗酸菌症
[★]
- fast
- 英
- acid-fast bacterium, acid-fast bacteria, acid-fast bacillus, acid-fast bacilli
- 同
- マイコバクテリウム Mycobacterium
- グラム陽性桿菌
- GゲノムはCリッチ
- 細胞質は脂質に富み通常の染色では難染性であり、抗酸菌染色(チール-ネールゼン染色や蛍光染色など)で陽性に染色される。
- アニリン色素に難船色性、グラム染色陽性。いったん染色されると酸アルコールに脱色されにくい
- "抗酸性"を示す細菌(Mycobacterium属、Nocardia属、Corynebacterium属、Actinomyces属、Rhodococcus属)
[★]
- 英
- Mycobacterium infection
- 関
- Mycobacterium感染症、抗酸菌感染症
- 英
- nontuberculous mycobacteriosis
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- atypical
- 関
- 異型、非定型性、非定型的
[★]
- 英
- typical
- 関
- 定型的、典型、典型的