- 英
- polycystic kidney disease, PCKD, PKD,polycystic kidney
- 同
- 多嚢胞腎、嚢胞腎
- 関
- [[]]
概念
- ほとんどが両側性で、貧血、顕微鏡的血尿、蛋白尿、高血圧といった症状を呈しながら腎機能が低下し、最終的には腎不全となる疾患
- 発生の過程で、集合管と尿細管の結合が行われず、大小多数の嚢胞が形成。
遺伝
- 常染色体優性遺伝:成人型、集合管と尿細管に嚢胞を生じる。
- 常染色体劣性遺伝:小児型、集合管に嚢胞を生じる。
- 旧名:幼児型嚢胞腎
- 旧名:成人型嚢胞腎
病態生理
- 嚢胞病変:遺伝子の以上により、上皮細胞の分化や細胞外マトリックスの機能欠損が全身性に起こることにより種々の腎外病変を呈する。(参考2)
病態
症候
- 参考1
- 高血圧、血尿、蛋白尿、腎不全。
- 患者が訴える一般的な症状:腎出血、腎石灰化?、尿路感染による側腹部痛
高血圧:腎機能が正常な患者のほとんどに存在。40年間程度持続する。高熱圧の存在によりほとんど全員が末期腎不全に至る。
嚢胞疾患の合併:肝臓、膵臓、脾臓、甲状腺、精巣上体
合併症
- 脳動脈流、肝嚢胞、膵嚢胞、心臓弁膜症(大動脈基部拡張を含む)、大腸憩室、腹壁ヘルニア・鼡径ヘルニア
(参考2)
予後
- 参考1
死因は心臓による物が最多である:心臓病(36%)、感染症(24%)、神経学的なイベント(12%)。剖検では心肥大が89%の患者に見られ、冠動脈疾患が81%に見られた。神経学的な死亡(neurologic deaths)では頭蓋内動脈瘤破裂が主であり(6%)、頭蓋内出血が5%であった。
参考
- 1. [charged] Course and treatment of autosomal dominant polycystic kidney disease - uptodate [1]
- 2. [charged] Extrarenal manifestations of autosomal dominant polycystic kidney disease - uptodate [2]
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/12 10:50:35」(JST)
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多発性嚢胞腎 |
Polycystic kidneys
|
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
Q61 |
ICD-9 |
753.1 |
OMIM |
173900 |
DiseasesDB |
10262 10280 |
MedlinePlus |
000502 |
eMedicine |
med/1862 ped/1846 radio/68 radio/69 |
Patient UK |
多発性嚢胞腎 |
MeSH |
D007690 |
多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん、英: Polycystic kidney disease)は、両側の腎臓に多発性の嚢胞が生じて慢性腎不全を生じる遺伝性疾患。
種類
以下の2つに分類される。
- 常染色体優性多発性嚢胞腎(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease:ADPKD)
- 常染色体劣性多発性嚢胞腎(Autosomal Recessive Polycystic Kidney Disease:ARPKD)
関連項目
腎・泌尿器系の疾患 |
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疾患 |
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糸球体病変
|
急性糸球体腎炎 | IgA腎症 | 急速進行性糸球体腎炎 | 慢性糸球体腎炎
|
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ネフローゼ症候群
|
原発性
|
微小変化群 | 巣状糸球体硬化症 | 膜性腎症 | 膜性増殖性糸球体腎炎
|
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|
遺伝性腎炎
|
アルポート症候群 | 良性家族性血尿
|
|
尿細管機能障害
|
ファンコーニ症候群 | バーター症候群 | ギッテルマン症候群 | リドル症候群 | 尿細管性アシドーシス | 腎性糖尿 | 尿細管間質性腎炎
|
|
続発性腎障害
|
膠原病
|
全身性エリテマトーデス | 全身性強皮症 | シェーグレン症候群
|
|
糖尿病性腎症 | 痛風腎 | クリオグロブリン血症 | アミロイドーシス | 溶血性尿毒症症候群
|
|
|
腎循環障害
|
腎血管性高血圧症 | 腎梗塞 | クルミ割り現象
|
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泌尿器疾患
|
機能障害
|
膀胱尿管逆流 | 神経因性膀胱 | 水腎症 |
|
|
先天異常
|
多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性嚢胞腎 | 常染色体劣性多発性嚢胞腎) | 尿管異所開口 | 重複腎盂尿管 |ポッター症候群
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感染症
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腎盂腎炎 | 腎膿瘍 | 膀胱炎 | 腎結核
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尿路結石
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膀胱結石
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腫瘍
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腎細胞癌 | 腎盂腫瘍 | 尿管腫瘍 | 前立腺肥大症 | 前立腺癌 | 精巣腫瘍 | 陰茎癌 |腎芽腫
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性器の疾患
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前立腺炎 | 停留精巣 | 精巣捻転 | 包茎 | 勃起不全
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病態・症状 |
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腎不全
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急性腎不全
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急性尿細管壊死
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慢性腎臓病
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慢性腎不全 | 尿毒症
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尿所見異常
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乏尿 | 無尿 |多尿 |頻尿 |血尿 | タンパク尿 | 尿円柱
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尿閉 |陰嚢腫大
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検査 |
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腎機能検査
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糸球体濾過量 | クレアチニンクリアランス | ナトリウムクリアランス | 尿中ナトリウム排泄率 | 腎不全指数
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腹部X線写真 | 腎盂造影 | レノグラム | 腎生検
|
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 |
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腎臓 |
肉眼解剖
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尿細管
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近位尿細管 - ヘンレのループ(下行脚 - 細い上行脚 - 太い上行脚) - 遠位尿細管 - 集合管 - 腎盤 ( - 尿管)
|
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腎循環
|
腎動脈 - 傍尿細管毛細血管 - 輸入細動脈 - (糸球体) - 輸出細動脈 - 直細動脈 - 腎静脈
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ゲロタ筋膜
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顕微解剖
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ネフロン
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腎小体
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糸球体
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毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢
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傍糸球体装置
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緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞
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尿細管
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生理学
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アシドーシスとアルカローシス | 膠質浸透圧 | 糸球体濾過量 | 腎血漿流量 | クレアチニンクリアランス
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生化学
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バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系
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尿路 |
肉眼解剖
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尿管 - 膀胱 - 尿道
|
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顕微解剖
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移行上皮
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生殖器系 |
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女性器 |
尿道 - 陰核 - 陰裂 - 陰核亀頭 - 陰核亀頭冠 - 陰核包皮 - 陰核小帯 - 外陰部 - Gスポット - 処女膜 - 陰唇 - 大陰唇 - 小陰唇 - 膣 - バルトリン腺 - スキーン腺 - 子宮頸部 - 子宮 - 子宮内膜 - 卵管 - 卵巣
|
|
男性器 |
尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 多発性嚢胞腎の新たな治療 (特集 腎疾患診療の最前線)
- 諏訪部 達也,住田 圭一,早見 典子,星野 純一,乳原 善文
- The Japanese journal of nephrology 54(4), 522-528, 2012-05-25
- NAID 10030739605
- Cure of ADPKD by Selection for Spontaneous Genetic Repair Events in Pkd1-Mutated iPS Cells
- Cheng Li-Tao,Nagata Shogo,Hirano Kunio,Yamaguchi Shinpei,Horie Shigeo,Ainscough Justin,Tada Takashi
- PLoS ONE 7(2), 32018, 2012-02-09
- … マウスiPS細胞を用いた遺伝性疾患の治療モデル-多発性嚢胞腎(ADPKD)モデルマウスの治療-. …
- NAID 120003796491
- 最新労働基準判例解説(144)多発性嚢胞腎患者であった労働者のくも膜下出血死が業務上疾病ではないとされた事例 : 国・中央労基署長(リクルート)事件[東京高裁平成22.10.13判決]
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- 1. 多発性嚢胞腎とは 腎臓に嚢胞(水がたまった袋)がたくさんできて、腎臓の働きが徐々に低下していく、遺伝性の病気です。 2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか わが国で医療機関にかかっている患者は約30,000人と推定 ...
- 1. 高血圧 20~30歳代から認めます。腎機能正常の時から認めることも少なくありません。 2. 肝嚢胞 女性、特に経産婦で肝嚢胞が大きくなる傾向があります。通常、無症状で肝機能障害を伴うことはありませんが、稀に巨大な多発性嚢 ...
- 概念・定義 両側の腎臓に嚢胞が無数に生じる、遺伝性疾患。多発性嚢胞腎(Polycystic Kidney)が正しい用語であるが、嚢胞腎(cystic kidney)の用語も用いられている。多発性嚢胞腎には、常染色体優性多発性嚢胞腎(Autosomal ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 50歳男性の腹部単純CTを以下に示す。
- この患者に適合する来院理由と血清生化学所見の組合せはどれか。
- 来院理由 尿素窒素(mg/dl) クレアチニン(mg/dl)
[正答]
※国試ナビ4※ [098H044]←[国試_098]→[098H046]
[★]
- 60歳の男性。心房細動の電気的除細動の目的で入院した。30歳から高血圧。除細動処置を実施した日の夜から強い腰痛が出現した。腰痛は消炎鎮痛薬によって徐々に軽快したが、血清クレアチニン値が処置前の1.5mg/dlから処置後4日目には3.6mg/dlまで上昇した。処置翌日の腹部単純CTと1か月後の腹部単純CTとを以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102D053]←[国試_102]→[102D055]
[★]
- 55歳の男性。突然の左腰背部痛を主訴に来院した。数年来、高血圧と心房細動で外来通院中だが服薬は不規則である。脈拍 80/分、不整。血圧 158/98mmHg。尿所見: 蛋白 1+、潜血 2+。腹部造影CT(別冊No.11)を別に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I052]←[国試_104]→[104I054]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108A016]←[国試_108]→[108A018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105B014]←[国試_105]→[105B016]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101B057]←[国試_101]→[101B059]
[★]
[★]
- ☆case10 背痛
- ■症例
- 27歳 女性
- 主訴:背中に突き抜ける?痛み(pain across her back)
- 現病歴:背中に広がる痛みを訴えて、27歳の女性が救急部に運ばれてきた。2日前に熱が出て背部痛が始まり、以降調子が悪い。痛みは増強している。6時間前に2度嘔吐した。
- 既往歴:3ヶ月前に合併症のない胆嚢炎。
- ・身体診断
- 調子が悪そうであり、紅潮している。体温:39.2℃。脈拍:120/分。血圧:104/68 mmHg。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:全体的に圧痛。両側の腰部で著明な圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 白血球↑、血清尿素↑、CRP↑
- (尿検査)
- タンパク:++、鮮血:+++、亜硝酸塩:++
- 尿の顕微鏡検査:(おそらく400倍の一視野に)赤血球>50、白血球>50
- 腹部X線:正常
- ■glossary
- loin n. (pl)腰、腰部(→(adj.)lumbar)。(獣の)腰肉、ロイン。(pl)陰部、生殖器、性器
- 腸雑音、腸音、intestinal murmur、intestinal sound、bowel sound
- urine microscopy 尿の顕微鏡検査
- dysuria 排尿障害
- urgency n. 切迫、急迫、危急。緊急、火急、焦眉の急。[pl]しつこい要求、懇願。せき立てる力、刺激
- hydronephrosis 水腎症
- -nephros 腎臓
- -stomy 開口術
- nephrostomy n. 腎瘻造設術、腎造瘻術、腎瘻術
- obstructive urophathy 閉鎖性尿路疾患
- intravenous fluid 静脈内輸液
- commence vt. 始める、開始する。 vi. ~から始める、始まる(with)
- urgently
- eradication n. 根絶、撲滅
- mimic vt. ~の物まねをする、まねて馬鹿にする。そっくりに[卑屈に]まねる。~によく似る
- renal ultrasound 腎臓超音波検査
- obstructive uropathy 閉塞性尿路疾患
- polycystic kidney disease 多発性嚢胞腎
- medullary sponge kidney 海綿腎
- loin-pain hematuria syndrome 腰痛血尿症候群
- ■解説
- (第1パラグラフ)疫学
- 急性腎盂腎炎:男性より女性でmore common。尿路からの細菌の上行感染。リスク:妊娠、糖尿病、免疫低下者、尿路奇形(尿の腎臓への逆流。そして多分、狭窄していたりして結石で閉塞されやすいこともあると思う)
- (第2パラグラフ)病態
- 食欲不振、悪心、嘔吐と共に40℃の発熱が出ることがある。
- 腎盂腎炎患者の中には膀胱炎の先行症状(排尿障害、頻尿、尿意切迫、血尿)がある人がいるけど、こういう下部尿路症状がいつも出現するわけではない。
- 多くの腎盂腎炎患者は、先行する6ヶ月以内の膀胱炎の既往がある。
- 老人の場合、非典型的な症状を示し、そして混乱した状態でやってくる。
- 腎盂腎炎は他の病態によく似ている:急性虫垂炎、急性胆嚢炎、急性膵炎、下葉の肺炎
- 普通、体表から見て腎臓の直上に前からも後ろからも圧痛を感じる。
- 未治療の腎盂腎炎では敗血症になるかもしれない。
- (第3パラグラフ)本ケースについて
- ・CRP上昇は急性感染症を示唆
- ・顕微鏡的血尿・タンパク尿、白血球増多は尿路の炎症を示す。
- ・硝酸塩(nitrate, HNO3と何かの塩)から亜硝酸塩(nitrite, HNO2と何かの塩)への還元により細菌の存在が確認される。
- 覚え方:亜硝酸は(Oが一つ)足らないi(愛)
- でも複雑です。
- HNO2 亜硝酸 nitrous acid, nitrite 。亜硝酸塩 nitrite
- HNO3 硝酸 nitric acid, nitrate 。硝酸塩 nitrate
- (第4パラグラフ)管理
- ・女性は入院すべき。
- ・血液と尿の採取
- ・静脈内輸液+抗生物質で治療開始。微生物が同定されたら、感受性のある抗菌薬を使用する。初期治療ではゲンタマイシン、アンピシリン、シプロフロキサシンを用いる
- ・腎臓エコー検査:尿路閉塞を除外するため。閉塞性尿路疾患では、激しい痛み、発熱、敗血症ショック、腎不全を伴う脳腎症を起こしうる。
- ・尿路敗血症の経過で水腎症が疑われたら、合併症を防ぐために緊急に腎瘻を造設すべき
- (第5パラグラフ)薬物治療
- ・(腎結石など合併していない)腎感染症(ucomplicated renal infection)患者は抗生物質2週間のコースで治療すべき。
- ・感染の根絶を確実にする治療が終わった後10-14日間は、反復して細菌培養をする。<
- ・尿路結石を有する感染症や腎瘢痕を有する患者では抗生物質6週間のコースが用いられる。
- ■鑑別診断のポイント
- 腎盂腎炎は片側性、あるいは両側性の腰痛を引き起こす。
- 腰部痛の鑑別診断:
- 閉塞性尿路疾患
- 腎梗塞:心疾患などで生じた血栓が腎動脈またはその分枝を閉塞し、その血管の支配領域が虚血性壊死に陥った状態。
- 腎細胞癌:腎尿細管上皮細胞より発生する悪性腫瘍
- 腎乳頭壊死:腎乳頭より腎髄質にかけて、その支配動脈の虚血により壊死を来したもの。 主として基礎疾患に糖尿病を有する人にみられ、しばしば急性腎盂腎炎などの尿路感染に伴って発症する。
- 腎結石:
- 糸球体腎炎:
- 多発性嚢胞腎:先天性かつ両側性に腎実質内に大小無数の嚢胞を発生する。 ほとんどが両側性で、貧血、顕微鏡的血尿、蛋白尿、高血圧といった症状を呈しながら腎機能が低下し、最終的には腎不全となる疾患
- 海綿腎:腎錐体における集合管の先天性嚢状拡張症。症状としては拡張した集合管に尿の停滞 → 感染・細かな結石ができる。
- 腰痛血尿症候群:若年女性に好発し、反復して出現する腰部から側腹部の強い疼痛と血尿を主徴とする病因不明の疾患。肉眼的血尿や軽度の蛋白尿がみられることもあるが、特異的な検査所見はなく、診断は他疾患の除外診断による
- ■KEYPOINT
- ・急性腎盂腎炎は下部尿路症状があったり無かったりする。
- ・腎臓超音波検査は尿路閉塞を否定するために、入院24時間後に行うべき。
- ・抗菌薬は、再発のリスクを最小限にするために、少なくとも2週間継続すべき。
- □閉塞性尿路疾患(http://merckmanual.jp/mmpej/sec17/ch229/ch229a.htmlより引用)
- □KUBの陰影から尿路結石成分の推定
- リン酸カルシウム(22.0)
- シュウ酸カルシウム(10.8):シュウ酸カルシウム結石は,尿路結石のうちで最も頻度が高く(70~80%),シュウ酸カルシウム結石の約半数はリン酸カルシウムとの混合結石である。
- リン酸マグネシウムアンモニウム(4.1):ストラバイト結石:尿素分解菌(Proteus 、Klebsiella 、Pseudomonas )による尿路感染が原因で、尿素が分解されアンモニアとなると尿がアルカリ性となり、リン酸マグネシウムアンモニウム結石が形成される。
- シスチン(3.7):ホモシスチン尿症
- 尿酸(1.4):痛風
- キサンチン(1.4):プリン体
- □多嚢胞腎
- 常染色体劣性多発性嚢胞腎:ARPKD
- 旧名:幼児型嚢胞腎
- 常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD
- 旧名:成人型嚢胞腎
[★]
- 英
- hereditary disease
- 関
- 先天性疾患
- 世代を通じて配偶子に伝えられる疾患。家族性発生をみる。
- 遺伝性疾患は必ずしも先天性疾患ではない。
- 例:Huntington病
遺伝性疾患
常染色体優性遺伝
常染色体劣性遺伝
伴性劣性遺伝
伴性優性遺伝
[★]
- 英
- renal hypertension
- 関
分類
[★]
- 英
- macroscopic hematuria, macrohematuria
- 関
- 顕微鏡的血尿、血尿、尿検査
- 肉眼的に判別できる程度に血液を混じた尿。
- 尿1Lに1ml以上(0.1%以上)の血液が混在すれば肉眼的に認められる。
[★]
- 英
- autosomal dominant polycystic kidney disease, ADPKD
- 同
- 常染色体優性嚢胞腎、成人型嚢胞腎 adult polycystic kidney disease APKD APCD、adult-type polycystic kidney disease
- 関
- 腎嚢胞
[show details]
遺伝
疫学
病因
病態
- 腎臓にサイズが大きめの嚢胞が多発し(⇔常染色体劣性嚢胞腎 ARPKD)、腎実質を圧迫して腎機能を低下させる。
症状
- SURO.125
合併症
参考
uptodate
- 1. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎の遺伝学および嚢胞成長のメカニズム - uptodate [3]
- 2. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎の診断およびスクリーニング - uptodate [4]
- 3. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎の腎外症状 - uptodate [5]
- 4. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎の腎症状 - uptodate [6]
- 5. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎における高血圧 - uptodate [7]
- 6. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎における尿路感染症 - uptodate [8]
- 7. [charged] 常染色体優性多発性嚢胞腎の経過および治療 - uptodate [9]
- 8. [charged] 小児における常染色体優性多発性嚢胞腎 - uptodate [10]
[★]
- 英
- autosomal recessive polycystic kidney disease, ARPKD
- 同
- 常染色体劣性遺伝多発性嚢胞腎、常染色体劣性嚢胞腎、幼児型嚢胞腎 infantile type of polycystic kidney disease
- 関
- 腎嚢胞 renal cyst
[★]
- 英
- autosomal recessive polycystic kidney
- 関
- 常染色体劣性多発性嚢胞腎
[★]
- 英
- cyst
- 関
概念
- 内腔に液体や泥状物を含む袋状の構造物をいう。
- 上皮細胞に囲まれた体内にできた異常な腔で、水や泥状の物を含む
種類
総胆管嚢胞、胆管嚢胞、内膜症性嚢胞、出血嚢胞、前立腺小室嚢胞、単純腎嚢胞、卵巣内膜症性嚢胞、卵巣嚢胞性腺腫、卵巣嚢胞腺腫、卵巣機能性嚢胞、外傷後嚢胞、多嚢胞症、多発嚢胞性腎、多発性嚢胞、射精管嚢胞、汎発性嚢胞状線維性骨炎、深在嚢胞性大腸炎、肝嚢胞腺癌、腸管気腫性嚢胞症、膵嚢胞性病変、虫垂粘液嚢胞腹膜、軟骨下嚢胞、先天性肺嚢胞症、単独嚢胞腎、Nabothian嚢胞、ミュラー管嚢胞、膵嚢胞性腺癌、先天性総胆管嚢胞、寄生虫性嚢胞、巨大嚢胞、嚢胞体、血液嚢胞、嚢胞性膵疾患、多発性肝嚢胞、漿液性嚢胞腫瘍、多嚢胞化萎縮腎、後天性嚢胞性腎疾患、成人型多発性嚢胞腎、胸膜下肺胞性肺嚢胞、腎嚢胞性疾患の鑑別、線維嚢胞性変化、乳頭状嚢胞腺腫、孤立性腎嚢胞、肺嚢胞、鰓原性嚢胞、膵嚢胞症、ナボット嚢胞、甲状舌管嚢胞、単純性腎嚢胞
産婦人科
[★]
- 英
- kidney、renal
- 関
- 腎性、腎臓
漢方医学
機能
- 1. 成長、発達、生殖能を維持する
- 2. 骨、歯牙の形成と維持に関与
- 3. 水分代謝を調節する
- 4. 呼吸脳を維持する
- 5. 思考力、判断力、集中力を維持する
失調
- 症状:性欲減退、骨の退行性変化、歯芽の脱落、毛髪の脱落、夜間頻尿、浮腫、口渇、息切れ、精神運動の低下、視力・聴力の低下、不眠、四肢の冷え・ほてり、しびれ、小腹不仁
- 治療方剤
[★]
- 英
- multifocality、multiple、multiplex
- 関
- 複数、多発、多重、マルチプル
[★]
- 英
- multiple
- 関
- 多発性、複数、多重、マルチプル