- 英
- nephrosclerosis
- 関
- [[]]
概念
- 腎血管病変に伴う血流障害の結果、糸球体の硬化・硝子化、尿細管萎縮、間質結合組織の増加を来し、腎が硬化した状態。
分類
比較
|
動脈性腎硬化症
|
良性腎硬化症
|
悪性腎硬化症
|
老人性腎硬化症
|
原疾患
|
粥状硬化症
|
高血圧
|
悪性高血圧症がほとんど
|
病理
|
腎動脈やその分枝などの粥状硬化 内腔の狭小化や内膜断裂 腎組織は虚血性の萎縮像
|
小細動脈硬化(細動脈硬化)による内腔の狭窄とその灌流域のネフロンの萎縮 小葉間動脈や糸球体輸入動脈に硬化が見られる (⇔糖尿病性の場合には輸出細動脈にも認められる) 硝子様細動脈硬化、線維増殖性内膜肥厚 病変の進行と共に腎萎縮 腎表面は細顆粒状
|
腎の細動脈にフィブリノイド壊死と増殖性動脈内膜炎
|
腎機能
|
健常な腎実質が残存
|
腎機能は軽度~中等度で、比較的末期まで腎機能は保たれる
|
高度の腎機能低下が急速に進展
|
検査
|
|
(細動脈性腎硬化症)タンパク尿:軽度(1日1g以上はまれ)。尿沈渣:正常~軽微な変化
|
|
WordNet
- kidney disease that is usually associated with hypertension; sclerosis of the renal arterioles reduces blood flow that can lead to kidney failure and heart failure (同)nephroangiosclerosis
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 悪性腎硬化症の病態生理と進展機序-腎生検組織定量解析からの検討
- 星 佐弥子,HOSHI Sayako
- 東京女子医科大学雑誌 82(臨時増刊(佐中孜教授退任記念)), E353-E356, 2012-07-31
- NAID 120005290979
- 悪性腎硬化症の病態生理と進展機序-腎生検組織定量解析からの検討
- 星 佐弥子
- 東京女子医科大学雑誌 82(E2), E353-E356, 2012-07-31
- … 悪性腎硬化症は著明な血圧の上昇により腎組織の虚血性障害を生じる病態である。 … 著者は悪性腎硬化症の腎生検組織について定量的組織解析を施行したところ、臨床所見と併せて比較検討を行った結果から小動脈開存率と間質線維化度には負の相関関係が、間質線維化度と腎機能低下とは正の相関関係があることが判明した。 …
- NAID 110009435912
- 最近の末期慢性腎臓病(CKD)の疾病構造の変化と改訂CKD病期分類
- 佐中 孜
- 東京女子医科大学雑誌 82(E2), E328-E334, 2012-07-31
- … すなわち、最近の慢性維持患者の原疾患の頻度は、原発性腎疾患は激減し、糖尿病性腎症、腎硬化症、高血圧腎症など、生活習慣病に端を発した腎臓病が増加しているなど、明らかに10年前と異なってきている。 …
- NAID 110009435908
- 悪性腎硬化症の病態生理と進展機序-腎生検組織定量解析からの検討
- 星 佐弥子
- 東京女子医科大学雑誌 82(E2), E353-E356, 2012-07-31
- … 悪性腎硬化症は著明な血圧の上昇により腎組織の虚血性障害を生じる病態である。 … 著者は悪性腎硬化症の腎生検組織について定量的組織解析を施行したところ、臨床所見と併せて比較検討を行った結果から小動脈開存率と間質線維化度には負の相関関係が、間質線維化度と腎機能低下とは正の相関関係があることが判明した。 …
- NAID 110009435894
Related Links
- 腎硬化症とはどんな病気か. 腎臓は、大きな血管から、糸球体と呼ばれる血液から尿を 生成するフィルターの働きをする毛細血管まで、さまざまなサイズの血管が集まっている 臓器です。腎硬化症の多くは、長年の高血圧などにより、腎臓の細小動脈に障害が ...
- 腎硬化症における腎機能障害の進行は,適切な降圧療法により抑制される1-5). 2 蛋白尿の意義. 降圧による蛋白尿 ... 顕性蛋白尿の有無にかかわらず,腎硬化症の腎 機能障害の進行抑制のためには,降圧目標とし. て 130/80 mmHg 未満が推奨され ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 健康診断で尿異常を指摘されて来院した患者の尿沈渣の顕微鏡写真(別冊No.2)を別に示す。尿所見:蛋白1+、潜血3+。
- この患者の診断として可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G018]←[国試_105]→[105G020]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108A016]←[国試_108]→[108A018]
[★]
- 英
- malignant hypertension
- 関
- 悪性腎硬化症、高血圧、高血圧性脳症、キース-ワゲナー分類
概念
- 拡張期血圧が120-130mmHg以上であり、腎機能障害が急進行し、放置すると全身症状が急激に増悪し、心不全、高血圧性脳症、脳出血などを発症する予後不良の病態である。長期の高度の高血圧による細動脈の内皮障害、血管壁への血漿成分の浸入に続くフィブリノイド壊死、増殖性内膜炎が病理学的特徴であり、腎の病理所見は悪性腎硬化症と呼ばれる。腎臓の小動脈の狭窄・閉塞に伴い腎血流量が低下し、RAA系の亢進により血圧を生じるなど、この病態では進行性の腎機能障害と昇圧の悪循環を生じる。眼底では網膜出血、軟性白斑、網膜浮腫や乳頭浮腫を認める。脳においては、血管障害によって血流の自動調節能が破綻し、脳浮腫が生ずれば、高血圧性脳症となりうる。(参考1を改変)
疫学
- 高血圧患者の1%。(YN.C-165)
- 男性、黒人に多い。(YN.C-165)
- 男性で40-50に多い。女性で30-40歳代に多い。(YN.C-165)
基礎疾患
病態生理
診断基準
- 病態で定義され、臨床診断される。
- 血圧、眼、腎、全身(脳、心臓)で診断する。
- 高血圧の基礎疾患に関係なく、次の症候を示す重症高血圧をいう。
悪性高血圧A群
- 定型的悪性高血圧
- 下記1)~4)のすべてを満たすもの
- 1) 治療前の拡張期血圧が常に130mmHg以上
- 2) 眼底所見はキース・ワグナー分類(Kieth-Wagener分類) IV度で、乳頭浮腫及び網膜出血を示す。
- 3) 腎機能障害をきたし、腎不全(血清クレアチニン5.0mg/dl以上)に至ったもの
- 4) 全身症状の急激な悪化を示し、特に脳症状(運動失調、知覚障害、頭痛、めまい、悪心など)や心症状(呼吸困難、胸痛、不整脈など)を伴うもの
悪性高血圧B群
- 非定型的悪性高血圧
- 次の3つの条件のどれかに該当すれば
- 1) 拡張期血圧が120mmHg以上、130mmHg未満で、上記1の2)、3)、4)のすべてを満たすもの
- 2) KW III度の高血圧性網膜症(眼底写真添付)で、上記1の1)、3)、4)のすべてを満たすもの
- 3) 腎機能障害(血清クレアチニン3.0mg/dl以上)はあるが腎不全には至らないもので、上記1の1)、2)、4)のすべてを満たすもの
症状
診断基準以外
- Extrinsic nonimmune hemolytic anemia due to mechanical damage: Fragmentation hemolysis and hypersplenism - uptodate
- http://www.uptodate.com/contents/extrinsic-nonimmune-hemolytic-anemia-due-to-mechanical-damage-fragmentation-hemolysis-and-hypersplenism?source=search_result&selectedTitle=2%7E150
診断基準の解説
- 眼底:高血圧により網膜細動脈の狭小に始まり、細動脈の攣縮、血管からの漏出による火炎状出血、軟性白斑、視神経乳頭浮腫をきたす(SOP.209)
- 腎機能:血清クレアチニン5.0mg/dl以上というと、GFRは20ml/min/1.73m2程度?CKDガイドラインでは<15で腎不全と定義していたが?
治療
- 高血圧:降圧薬。高血圧の病歴が長い患者が多いため,急速な降圧は重要臓器の虚血をきたす危険を伴う。最初の24時間の降圧は拡張期血圧100-110mmHgまでにとどめる(参考1)。
参考
- 1. 第11章 特殊条件下高血圧の治療 - 日本高血圧学会高血圧治療GL作成委員会/医療・GL(09年)/ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0019/1/0019_G0000180_0072.html
- http://www8.ocn.ne.jp/~halfboil/criteria/tab-c7.html
- http://homepage3.nifty.com/mickeym/No.101_200/183akuaeikou.html
[★]
- 英
- nocturnal polyuria、nocturia
- 関
- 夜間尿、夜間頻尿
- 腎機能障害や加齢による腎硬化症では、糸球体濾過量減少、腎血流減少が認められる。夜間臥床時には腎血流が増加、またADH(夜間多く分泌されるはず)に対する反応性が低下することにより、就寝時多尿となる。加齢によるレニン分泌低下、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチドの日内変動の消失も関係している。(IMD.596)
[★]
腎血管障害
[★]
- 英
- ischemic nephropathy
[★]
- 英
- glomerulosclerosis
- 関
- 糸球体硬化、腎硬化症
[★]
- 英
- arteriolar nephrosclerosis, arteriolonephrosclerosis
- 関
- 腎硬化症、良性腎硬化症
[★]
- 英
- benign nephrosclerosis
- 同
- 細動脈性腎硬化症 arteriolar nephrosclerosis?
- 関
- 腎硬化症
[★]
- 英
- malignant nephrosclerosis
- 関
- 悪性高血圧症 malignant hypertension
- 腎硬化症
[★]
- 英
- hypertensive nephrosclerosis
- 関
- 腎硬化症
[★]
- 英
- consolidation、stiffening、curing、hardening、induration、sclerosis、harden、indurated
- 関
- 加硫、強化、硬化症、固定、治療、ハードニング、圧密、硬結
- コンソリデーション
[★]
- 英
- sclerosis、scleroma
- 関
- 硬化
- 臓器や組織が硬くなること。
- 皮膚 → 皮膚硬化症(強皮症など)
- 肝臓 → 肝硬変
[★]
- 英
- sis, pathy