- 英
- von Willebrand disease, von Willebrand's disease, vWD, Willebrand's disease
- 同
- フォンヴィルブランド病、von Willebrand病、フォンウィルブラント病、フォンヴィルブラント病、フォンビルブランド病
- 関
- 血友病, フォンウィルブランド因子 vWF、血小板、FVIII
[show details]
- first aid step1 2006 p.300,301
概念
- フォンウィルブランド因子は血管内皮などから血漿に放出され、コラーゲン等の上に結合して血小板が凝集できるような足場を形成する。このため、血小板凝集に必須の補助因子である。また、血漿中で第VIII因子と結合しており、同因子の安定化に寄与している。
- フォンウィルブランド病では、フォンウィルブランド因子の量的減少、または質的異常により血小板の粘着が妨げられて、止血障害をきたす出血性の疾患である。
疫学
分類
- 自己免疫性:抗フォンウィルブランド因子抗体の出現により血中のフォンウィルブランド因子が減少することによる(後天性フォンウィルブランド病)。
遺伝形式
症状
- 幼児期から出現する。
- 鼻出血、紫斑、歯肉出血、消化管出血などの皮膚・粘膜出血。
- 関節や筋肉内の深部出血は通常みられない ⇔ 血友病
- その他、外傷後の止血遷延、血尿、女性では月経過多、分娩後異常出血。
検査
血液検査
血液凝固検査
- 出血時間:延長
- APTT:延長 第VIII因子活性が低下するため ←VWF は血中で第VIII因子と複合体をつくり、第VIII因子を安定化する作用をもつ
- PT:正常
血小板機能検査
- ADP凝集: 正常
- コラーゲン凝集:
- リストセチン凝集:低下
確定診断のための検査
治療
- VIII因子製剤:凝固能の回復
- デスモプレシン:I,II型に有効であり、血管内皮細胞からのフォンウィルブランド因子の放出を促す。
- ×血小板輸血 → 本質的な治療ではないから
- 新鮮凍結血漿は使われなくなっている、らしい。
参考
- http://grj.umin.jp/grj/von-willebrand.htm
- 2. 血友病とvon Willebrand 病の治療プロトコール - Haemophilia(2000), 6, (Suppl.1),84-93
- http://www.hemophiliagalaxy.org/professional/academic_article/haemophilia/pdf/H_02_supp_1_32.pdf
OMIM
- VON WILLEBRAND DISEASE, TYPE 1; VWD1 - OMIM
- Gene map locus 12p13.3
- http://us-east.omim.org/entry/193400
- VON WILLEBRAND DISEASE, TYPE 2; VWD2 - OMIM
- Gene map locus 12p13.3
- http://us-east.omim.org/entry/613554
- VON WILLEBRAND DISEASE, TYPE 3; VWD3 - OMIM
- Gene map locus 12p13.3
- http://us-east.omim.org/entry/277480
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 2型フォン・ウィルブランド病合併帝王切開の麻酔経験
- 長期間の歯肉出血が重度貧血を引き起こしたと思われる von Willebrand 病患者の1症例
- 福辻 智,今井 裕一郎,稲掛 耕太郎,露木 基勝,村上 和宏,桐田 忠昭
- 日本口腔外科学会雑誌 53(7), 458-462, 2007-07-20
- NAID 10019575881
- 中尾 晶子,谷本 愛,市林 良浩,横江 義彦,井本 眞帆
- 日本歯科麻酔学会雑誌 = JOURNAL OF JAPANESE DENTAL SOCIETY OF ANESTHESIOLOGY 35(1), 74-75, 2007-01-15
- NAID 10018493495
- フォン・ウィルブランド病を伴う肺葉切除術の周術期管理
Related Links
- フォンウィルブランド病は血友病に次いで多い先天的な血液凝固異常な病気です。血友 病と異なり、一般的に鼻出血や口腔内出血などの粘膜出血を特徴とし、血友病などにみ られる関節出血や筋肉出血などは多くありません。
- 2010年7月13日 ... フォンウィルブランド病(VWD)は出血傾向を特徴とする先天性疾患で、出血が止まら ないことのみを主徴とする。年齢が長ずるにつれて出血歴が明らかになりやすい。1型 VWD(VWD全体の約70%を占める)は、一般的に軽度の皮膚粘膜出血 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hereditary disease
- 関
- 先天性疾患
- 世代を通じて配偶子に伝えられる疾患。家族性発生をみる。
- 遺伝性疾患は必ずしも先天性疾患ではない。
- 例:Huntington病
遺伝性疾患
常染色体優性遺伝
常染色体劣性遺伝
伴性劣性遺伝
伴性優性遺伝
[★]
- 一次止血異常
- 血小板減少
- 産生機構の異常
- 巨核球低形成
- 先天性
- ファンコーニ貧血
- 先天性造血障害
- メイ・ヘグリン異常
- 後天性
- 再生不良性貧血
- 無巨核芽球性血小板減少症
- 急性白血病
- 骨髄癌腫症
- 放射線障害
- 抗癌薬投与
- 無効造血
- 巨赤芽球性貧血
- 骨髄異形成症候群
- 血小板寿命の短縮(後天性)
- 免疫学的機序
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 膠原病の合併症
- 薬剤アレルギー
- 血栓性血小板減少性紫斑病
- その他
- 人工弁
- 人工血管
- 分布異常
- 脾腫(後天性)
- 希釈
- 大量赤血球輸血
- 血小板機能異常
- 先天性
- 血小板無力症
- ベルナール・スーリエ症候群
- 放出異常
- その他
- フォンウィルブランド病
- 二次止血異常
- 血液凝固異常
- 凝固因子産生の異常
- 先天性
- 血友病
- その他の先天性凝固因子異常症
- 凝固因子消費の亢進(後天性)
- 播種性血管内凝固(DIC)
- 後天性凝固因子インヒビター
- 後天性血友病
- フォンウィルブランド病
- 線溶の亢進
- 先天性
- α2プラスミンインヒビター欠乏症
- プラスミノゲンアクティベーターインヒビター欠乏症
- 後天性
- 一次線溶亢進
- 急性骨髄球性白血病によるDIC
- 動脈瘤によるDIC
- 血管の異常
- 先天性
- 遺伝性出血性毛細血管拡張症:オスラー・ウェバー・ランデュ病
- エーラス・ダンロス症候群 Ehlers-Danlos syndrome, EDS
- 後天性
- ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
[★]
- 英
- von Willebrand factor (BPT), vWF, VWF
- 同
- フォンビルブラント因子、フォンウィルブランド因子、von Willebrand因子、vW因子?
- 関
- 血液凝固因子
概念
構造
- ジスルフィド結合によりマルチマーを形成しており、分子量は500~20,000kDa以上に分布している。
産生組織
存在部位
- 血漿中にあり循環。血漿、血小板、α顆粒、内皮下組織などに存在(SAN.236)
半減期
機能
- 血管内皮細胞が脱落しその下の細胞外マトリクスが露出されると、血漿中のフォンウィルブランド因子が細胞マトリックスに結合し、これを足場に血小板のGpIb/GpIX複合体を介して血小板が結合する
臨床関連
vWFのレセプター異常
[★]
- 英
- platelet adhesiveness, platelet adhesion
- 関
- 血小板粘着性、血小板粘着、血小板粘着能検査
[★]
- 英
- cryoprecipitate
- 同
- 寒冷沈降物、クリオ製剤
- 関
- 凝固因子、輸血
- 凝固因子製剤、特にVIII因子を補うために用いられる。
- 新鮮血漿を-70℃以下で凍結後し、4℃で融解した後の沈殿分画から調製される。
- 成分:フィブリノーゲン、第VIII因子、第XIII因子、フォンウィルブランド因子
- 適応:血友病A、フォンウィルブランド病 (QB.G-199)
[★]
- 英
- bulla, pulmonary bulla
- 同
- 気腫性嚢胞 emphysematous bulla
- 関
- ブレブ
- ブラ bulla 気腫性嚢胞 肺胞が破壊されてできた肺実質内の気腔
- 肺胞壁の破壊、融合、拡張により生じた気腫 ただし胸膜の弾性板の内側に留まっている
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患