- 英
- poststreptococcal acute glomerulonephritis PSAGN
- 同
- 急性溶連菌性糸球体腎炎 acute poststreptococcal glomerulonephritis
- 連鎖球菌感染後糸球体腎炎 poststreptococcal glomerulonephritis poststrepococcal GN, post-streptococcal glomerulonephritis
- 猩紅熱腎炎 scarlatinal nephritis
- 関
- 非溶連菌性感染後急性糸球体腎炎、急性糸球体腎炎、糸球体腎炎。IgA腎症
[show details]
- first aid step1 2006 p.385(Glomerular pathology)
概念
- A群β溶血性連鎖球菌感染症後に1-2週間して発症するnephritic syndrome
疫学
病因
- A群β溶血性連鎖球菌感染後(上気道炎、皮膚膿痂疹)に続発
- 潜伏期:1-2週間 ← IgA腎症との鑑別点
病態
- 溶連菌成分を抗原とする抗体が産生されて免疫複合体が形成され、この免疫複合体が糸球体基底膜に沈着し(上皮側)、III型アレルギーの機序により補体活性化、多形白血球浸潤、ケミカルメディエーターの放出が起こる。
病理
- 糸球体の腫大、富核、白血球の浸潤 ← 白血球の浸潤と糸球体内の細胞の増殖による
- 蛍光抗体法:係蹄壁へのC3の顆粒状沈着
- 電顕:上皮細胞下沈着物(ハンプ) → subepithelial humps on EM
- typical electron-dense subepithelial(足細胞と基底膜の間) "hump" and intramembranous deposites.
症状
検査
- 糸球体係蹄壁への顆粒状C3の沈着、IgGの沈着は50-60%の例に認められる。
合併症
治療
- 急性期:安静、食事療法(水分制限、塩分制限、蛋白制限)
予後
- 良好。90%以上が1-3ヶ月で治癒。一部急性期に死亡/慢性腎不全への移行(SPE.596)
USMLE
参考
- 1. [charged] poststreptococcal-glomerulonephritis - uptodate [1]
国試
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Japanese Journal
- 臨床研究・症例報告 腎前性腎不全を来した溶連菌感染後急性糸球体腎炎の1例--著明に低下していた尿中ナトリウム排泄率の意味
- 症例 肺炎を同時発症した溶連菌感染後急性糸球体腎炎の2例
Related Links
- 溶連菌感染後急性糸球体腎炎は、A群β溶連菌による扁桃腺炎(へんとうせんえん)などを 患った1~3週間後に発症します。尿量が極端に減ってコーラ色になり(肉眼的血尿)、 顔がむくみ(浮腫)、血圧が上昇します。その後、1週間~10日すると尿が出る ...
- 感染の原因菌としてA群β(ベータ)溶血性連鎖球菌(溶連菌)が90%を占めますが、 溶連菌 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 16歳の女子。浮腫を主訴に来院した。 2週前に発熱と咽頭痛とが出現したが3日で症状は消失した。昨日から尿量の減少を自覚し、本日、排尿がほとんどなく、下腿浮腫が出現したため来院した。 3か月前の学校検尿では異常を指摘されなかった。身長156cm、体重48kg。体温36.2℃。呼吸数12/分。脈拍80/分、整。血圧138/88mmHg。口蓋扁桃の軽度腫大を認める。前脛骨部に圧痕浮腫を認める。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血3+、尿沈渣に赤血球100以上/1視野、白血球5-10/1視野、赤血球円柱+。血液所見:赤血球 400万、Hb 12.8g/dl、Ht 38%、白血球 6,400、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 3.8g/dl、IgG l,440mg/dl(基準739-1,649)、IgA 215mg/dl(基準107-363)、尿素窒素 22mg/dl、クレアチニン 1.2mg/dl、Na 140mEq/l、 K 5.6mEq/l、Cl 104mEq/l。免疫学所見 CRP 0.3mg/dl, ASO 1,280単位(基準250以下)、抗核抗体陰性、CH50 18U/ml(基準30-50)。超音波検査で腎の大きさと形状とに異常を認めない。
- この患者の入院後の治療方針で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A046]←[国試_105]→[105A048]
[★]
- 24歳の男性。血尿を主訴に来院した。これまで尿の異常を指摘されたことはなかった。4日前に咽頭痛と38℃の発熱があり、昨日から血尿が出現したため受診した。体温 37.8℃、脈拍 72/分、整。血圧 120/78mmHg。口蓋扁桃の腫大を認める。顔面および下肢に浮腫を認めない。皮疹は認めない。尿所見:蛋白 3+、潜血 3+、沈渣は赤血球 100以上/HPF。随時尿の尿蛋白/クレアチニン比 2.0g/gクレアチニン(基準 0.15未満)。血液生化学所見:総蛋白 6.7g/dL、アルブミン 3.8g/dL、IgG 1,400mg/dL(基準 960~1,960)、IgA 450mg/dL(基準 110~420)、IgM 100mg/dL(基準 65~350)、CK 50U/L(基準 30~140)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL。免疫血清学所見:抗核抗体 陰性、CH50 30mg/dL(基準 30~40)、C3 88mg/dL(基準 52~112)、C4 20mg/dL(基準 16~51)、ASO 200単位(基準 250以下)、MPO-ANCA 陰性、PR3-ANCA 陰性。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113A056]←[国試_113]→[113A058]
[★]
- 9歳の男児。今朝からの眼瞼浮腫と血尿とを主訴に来院した。2週前に扁桃炎で治療を受けた。体温36.5℃。脈拍96/分、整。血圧180/102mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。脛骨前面を指で圧迫すると圧痕が残る。尿所見:蛋白2+、糖(-)、沈渣に赤血球多数/1視野、白血球4~6/1視野、赤血球円柱3~5/1視野を認める。血清生化学所見:総蛋白6.4g/dl。アルブミン3.8g/dl、尿素窒素44mg/dl、クレアチニン2.3mg/dl、総コレステロール160mg/dl。免疫学所見:ASO128単位(基準250以下)、CH50 12U/ml(基準25~35)。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A034]←[国試_101]→[101A036]
[★]
- 英
- urinary sediment
- 関
- 尿沈渣検査 urinary sediment examination、尿沈液
概念
- 尿中に含まれる各種の細胞、円柱、結晶、微生物などの有形成分。
- 尿沈渣の検査は腎・尿路系疾患の診断、進行度、予後の推定を目的に行う。
検体
- 検体は早朝起床時尿(早朝第一尿)の中間尿約10mL。早朝第一尿では円柱がみられやすい
- 検体は採尿後1時間以内になるべく早く観察 → 室温2時間以上放置すると細菌が増殖し、アルカリ化が進む。尿路感染が分からなくなるうえ、円柱や細胞が崩壊して観察できない。
- 古い尿やアルカリ性尿では血球、円柱、上皮細胞の崩壊が強く正しい判定ができないことがある。
- 女性の場合、月経時における血液の混入、腟分泌物の混入(中間尿を採るようにしてもらう)
方法
- 1. 新鮮尿10mLを尿沈渣用試験管にとり500Gで5分間遠心する
- 2. 上清を捨て残液約0.2mLとする
- 3. そのまま、あるいは尿沈渣用染色液を加えて混和する
- 4. 1滴(15μl)をスライドガラスに載せカバーガラスをかけ鏡検する
観察方法
- LPF(low power field 、弱拡大、100倍):3.14 mm2、7.27ul
- HPF(high power field、強拡大、400倍):0.196 mm2、0.45ul
病的所見
- 赤血球と白血球はそれぞれ5/HPF以上、硝子円柱は1/HPF以上、上皮細胞性円柱、顆粒円柱、蝋様円柱、脂肪円柱、赤血球円柱、白血球円柱の各種円柱類、異常結晶(ビリルビン、チロジン、ロイシン、コレステロール、シスチン、2,8-ジヒドロキシアデニンなど)、細菌、真菌、原虫、虫卵、腫瘍細胞の出現
判断基準
赤血球
|
≧5個/HPF
|
白血球
|
≧5個/HPF
|
上皮細胞(正常)
|
扁平上皮細胞をのぞく全て(移行上皮、尿細管上皮、円柱上皮)
|
上皮細胞(異常)
|
すべて(卵円系脂肪体、多核巨細胞、封入体細胞)
|
異型細胞
|
癌細胞
|
大食細胞
|
≧1個/HPF
|
円柱
|
<1個/HPFの硝子円柱をのぞく全て
|
粘液系
|
≧1+
|
結晶
|
病的結晶(シスチン、チロシン、ロイシン、ビリルビン、コレステロール、DHA結晶)。正常結晶(尿酸結晶)で≧2+の時
|
細菌
|
≧1+(>/HPFの桿菌)
|
真菌
|
すべて
|
原虫
|
すべて
|
寄生虫
|
すべて
|
OLM.53
尿沈渣成分の基準値
|
|
強拡大視野あたり(/HPF)
|
赤血球数
|
1/4-7≧
|
白血球数
|
1-2/4-7≧
|
上皮細胞数
|
1/10≧
|
円柱
|
1/20≧
|
結晶 (LAB.217)
- アルカリ性尿で見られる血症はウレアーゼ産生菌のプロテウスやクレブシエラなどによる尿路感染症でみられるが、正常尿でも見られうる。
病的意義のある結晶
急性腎不全を背景とする場合
円柱 (LAB.214)
- 硝子円柱は正常でも見られるので病的意義はない。尿量の少ないとき、運動後や利尿薬の使用時にみられる。
[★]
- 英
- group A streptococcal pharyngitis
- 関
- 連鎖球菌性咽頭炎。A群溶血性連鎖球菌
- 急性咽頭炎で受診する多くの例はウイルス性で、本疾患は5-15%程度
- Streptococcus pyogenesによる咽頭炎(上気道炎)
- 5類感染症定点把握疾患
- 感染から1~数週間後に起こりうるリウマチ熱や急性糸球体腎炎(溶連菌感染後急性糸球体腎炎)があるために診断が必要となる。
- 症状:咽頭痛、発熱で発症。消化器症状(嘔吐)がありうる
- 身体所見:口蓋扁桃発赤・白苔付着、軟口蓋の点状出血、苺舌。全身の点状紅斑様、日焼け様の皮疹、口囲蒼白がみられる場合もある(猩紅熱)
- 診断:センタースコア2点以上で迅速検査もしくは培養施行し陽性ならば治療。
- 治療:ペニシリン系抗菌薬が第一選択で、治療期間は10日間。ペニシリンにアレルギーがある場合にはマクロライド系抗菌薬を考慮する。治療はリウマチ熱や化膿性合併症(扁桃周囲炎)の予防のために行われ、急性糸球体腎炎の予防効果は証明されていない
[★]
- 英
- scarlet fever, scarlatina
- 関
- 連鎖球菌属、Streptococcus pyogenes
特徴
病原体
疫学
潜伏期間
感染経路
症状
- 突然の発熱と咽頭痛
- 発疹は発病後1-2日後に現れ、解熱につれて消退する。
- 莓舌はおよそ第3病日に現れ、第9病日までに消える
- 皮疹の消退と共に膜様落屑の出現
合併症
感染後合併症
経過
- 解熱までの経過は3-4日
- 色素沈着はない (有り:麻疹。無し:風疹)
検査
- ASO上昇、ASK上昇、白血球増加、核左方移動
- 迅速診断キット
診断
治療
予防
[★]
- 英
- acute nephritic syndrome
- 同
- 急性糸球体腎炎症候群 acute glomerulonephritic syndrome
- 関
- 急性糸球体腎炎
定義 YN.E-40、医学大事典
- WHO臨床症候分類(1995年改訂)に定められる臨床的特徴を示す病態の総称
- 突然に血尿、蛋白尿、GFR低下、高血圧、ナトリウム・水の貯留(浮腫、心不全)などを示して発症する病態。
急性腎炎症候群に分類される疾患 YN.E-40
[★]
- 英
- hypocomplementemia
- 関
- 補体
原因
低補体血症+腎炎
- YN.E-53
[★]
- 英
- glomerulus (Z)
- 関
- ボウマン嚢、腎小体、腎臓、輸出細動脈#調節
概念
- 1個の腎臓に100万個存在。
- 房状の毛細血管からなる
- 糸球体の毛細血管は有窓型毛細血管である
糸球体の微細構造 (SP.785)
詳細には
血流の調節 (HIM.1742)
- 輸入細動脈:autonomous vasoreactive reflex in afferent arteriole, tubuloglomerular feedback
- 緻密斑でのCl-の低下 = 原尿流速が早い → 腎灌流量の低下と解釈
- 腎灌流圧↑→輸入細動脈の平滑筋収縮
- 腎灌流圧↓→輸入細動脈の平滑筋弛緩
- 緻密斑はNaClの再吸収にとともにATP、(アデノシン)を細胞外に放出。細胞外のecto-5'-nucleotidaseがATPからアデノシンを産生。アデノシンが輸入細動脈のvasoconstrictorとして作用
- loop diureticsは緻密斑でのNaClの再吸収を妨げるので、尿細管糸球体フィードバックを阻害→糸球体濾過量は高レベルに保たれる
- アンジオテンシンIIと活性酸素種は尿細管糸球体フィードバックを増強 → 輸入細動脈収縮 → 糸球体濾過量低下
- NOは尿細管糸球体フィードバックを減弱 → 輸入細動脈弛緩 → 糸球体濾過量上昇
- 輸出細動脈:angiotensin II-mediated casoconstriction of the efferent arteiole
-
臨床関連
[★]
- 英
- glomerulonephritis
- 同
- 腎炎
- 関
- 糸球体病変
症状
臨床的分類
メモ
- 081201
- E:\データセンター\学習\細々とした勉強ファイル\糸球体腎炎_など.xls
[★]
- 英
- infection
- 関
- 定着、感染症、不顕性感染、顕性感染。サブクリニカル感染
- 細菌が宿主の体表面、体内や組織内に付着して増殖し、定着している状態。
- 感染の成立には微生物(定着能、増殖能、細胞内進入能、毒素産生能などを総合した病原性)と宿主(排除能、殺菌能などの生体防御機構)の力関係が崩れたときに生じる
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型